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名曲探偵アマデウス・ベートーベン「交響曲第5番『運命』」 [ドラマ]

5ヶ月ぶりの新作の登場となった「名曲探偵アマデウス」。これまでにも数多くの曲が取り上げられてきたが、どうしてあの曲が無いの?と思える曲も多数あっただけに、嬉しい新作の登場でした。(以前のように、年間30本とまでは言わないが、月に1本ぐらいのペースで新作を見たいですが...)

また、今回は今までにない4日連続の新作の放送ということで、今までにない形で「特集オーケストラのすべて」という纏まったテーマでというのも今までにない、新たなポイントですね。

で、今回取り上げられた曲は、クラシック音楽(交響曲)と言えばこの曲というほど誰もが知っているベートーベンの「交響曲第5番『運命』」でした。これでベートーベンの曲も6曲目となって、ショパン、チャイコフスキーと共に、ベートーベンもトップ・グループの仲間入りとなりました。

OPはこれまでと違って、オーケストラの練習風景が流れていて、そこにカノンさんが登場という、今までにないアバンタイトルが入った形のOPということで、OPに違いがあったのはちょっと新鮮でした。(が、番組タイトルの所は3年目のパターン(カノンさんの衣装が青色)のものでした。)→「名曲探偵アマデウス」も2008年4月のスタートなので、4年目に入っていますからね。

また、「特集」と謳っているだけに、これまでの物語と比べると登場した人の数が少し多かったように感じました。(取材先での人の数のこと。)
そして、カノンさんが事務所から飛び出してレポーターを務めたという展開は過去に一度だけ(ファイルNo.024です。)あったが、今回はそれ以来となるカノンさんが事務所から飛び出して、という所がありました。その部分のノリは「スパイ大作戦」(「ミッション:インポッシブル」と言うよりは「スパイ大作戦」という雰囲気でした。)で、こういう展開というのも面白いですね。また、その時、清掃員に扮したカノンさんが可愛かった...(が、バレバレで怪しまれるだけでは、という突っ込みは自粛しておきます。)

一応、ファイルNo.089との連続性ということを考えると、NHKのHPでは、今回の物語は「90話」とカウントされていたため、事務所立ち退きからは逃れられたということになるが、放送の方では「ファイルNo.090」という表示はなかったので、無理にファイルNo.089の続きの物語と考える必要はないでしょうし、細かいことは問わないということにします。

今回の依頼人は、居酒屋チェーン社長の唐屋卓人(からや・たくと)ということで、名指揮者のカラヤンと、指揮者の使うタクト(=指揮棒)とを掛けている名前ですね。(このノリも以前と変わっていなくて安心しました。)

OP、事務所で指揮棒を振っているカノンさんと指導している所長。今までと変わらない楽しい2人です。そんな所にやってきた依頼人。オーケストラをクビになったと言うことで、話を聞くと、居酒屋チェーン20周年を記念して、ベートーベンの「交響曲第5番『運命』」の演奏会(東京フィルハーモニー交響楽団)で依頼人が指揮者を務めることにした。が、リハーサルを始めたらステージマネージャーに「休憩」をトラされ、更に別の指揮者が起用されていて、指揮者をクビになったのだった。で、どうやったら式台に立つことが出来るのか、という相談だった。で、スイッチが入った所長は、依頼を引き受けて「お馴染みの台詞」が出てきました。

この曲はクラシック音楽の中で指揮するのが最も難しい曲とされている曲という紹介があって、本編へ。

所長は依頼人に対して、「振ってみて下さい」と言い、依頼人は指揮棒を振り始める。が、いきなり「ちょっと待った」と所長。譜面台に楽譜を於いていないことから「暗譜しているということですか?」と問う。が「アンプなんか使いませんよ」と依頼人。すると「譜面を全部覚えているってことですよ」とカノンさんが教えていた。すると、何百回も聴いているから大丈夫、演奏者はプロだから大丈夫、振れば(音を)合わせてくれる、とオーケストラの指揮は簡単なものと言いたげだった。すると所長は「あなたには学ぶべきことが山のようにあるようだ」と遠回しに指揮者失格と言い、「百聞は一見にしかず」ということで、カノンさんに、「リハーサル会場に潜入して、リポートしてくれないか」と言った。すると楽しそうにカノンさんは「了解」と言って敬礼して飛び出していった(ここでバックに『スパイ大作戦のテーマ』が流れる。)→実に楽しそうなカノンさんです。

清掃員に扮したカノンさんは、こっそりとリハーサル会場に潜入した。手にしているモップの柄の先にはカメラがついていて、それで撮影した映像を送っていた。事務所では所長がパソコン画面を見ながらその様子を見ていた。→事務所の家賃も払えなかった貧乏事務所がパソコンを導入しているって、新たなスポンサーでも発見したのですかね?

更に所長は、「休憩時間になったら指揮者の控え室に潜り込んでリポートしてくれ」と支持をだし、「了解」とカノンさん。そして、屋嘉をモップで拭いている振りをしながら指揮者の控え室に入ると「いらっしゃったんですか」と言って白々しい笑顔を見せていた。が、こういう時のカノンさんは取り入るのが上手く、「掃除も忘れて聴き惚れちゃいましたよ」と言っていた。

普通ならば、ここで「失礼します」と言って出ていく所だが、所長の指令を受けているカノンさんはそういうことはせず、指揮者が肩のマッサージをしていたのを見ると、そのことを尋ねる。で、指揮者は首を痛めている、ということについての説明で、職業病ということでした。

所長は「最大のポイントは楽譜だ。楽譜を見せて貰うんだ」と次の指示を出す。すると「マエストロの楽譜ってどんなものか、見せて貰っても良いですか?」と言うカノンさん。が、これは企業秘密がぎっしり詰まっているので見せられない、ということで、見せて貰えなかった。で、指揮者の楽譜について、野本先生の楽譜で説明がされる。→色々とノウハウが書き込まれていました。

が、カノンさんは楽譜は見せて貰えなかったが、指揮者の七つ道具を教えて貰っていた。その中で、半日のリハーサルであっても着替えのシャツが4着ということで、重労働ということがよく分かりました。

依頼人はそれを見て指揮者が大変な仕事だったと分かって驚いていた。元指揮者の所長は「自分の解釈を演奏家にどう伝えるのか」と言うが、依頼人は分かっていなかった。所長は「これだから」素人は恐ろしい」と言うと、内ポケットから指揮棒を取り出し「たかが棒振りと侮るなかれ」と口にした。

で、素人がタクトを振ると、オーケストラはどんな音を出すのかということで、実験が行われる。だ、ナレーションの阪脩、音大生、高校の吹奏楽部員、音楽鑑賞が趣味のおじさんがそれぞれタクトを振った実験が行われた。(結果は言うまでもない...)そしてプロの指揮者のタクトで全く違う響が奏でられたということで、指揮者の能力がそのまま出ていました。

次に、野本先生が指揮者の役割について説明し、正に音楽の監督という立場で、オー軽トラを束ね、支持をしていると言うことが良く分かりました。→単にテンポを合わせるだけというのであれば、人でなく、メトロノームのようなもの(演奏会場では音ではなくて光でリズムを取るものにする必要がありますが...)で十分ですからね。

次は、演奏者は指揮者の何を見ているのか、と言うことについての説明がされる。で「打点」の説明と、その前後の動きが大事ということで、それで曲の解釈を伝えていたという説明でした。→これは機械では出来ないことであって、人間がやるからこそと言うものですね。

そして、指揮者は同時に3つのことをしていなければならないということが語られる。(「未来に向けた頭」「現在を判断する頭」「おさらいの頭」の3つ。)

それを見た依頼人は「すっかり」感心して、「超人ではないですか」と言っていた。→単なるリズムをとるだけではないからこそ、指揮者の存在価値があると言うことですよね。でなければ、クラシック音楽の世界に指揮者は不要と言うことになっていて、淘汰されていて当然ですし...

更に所長は『運命』とクラシック音楽の中でもとりわけ指揮するのが難しい曲と語り、冒頭の「八分休符」が指揮を難しくなっているということの説明がされる。→指揮者の技量が一発で分かるところですね。何せ、オーケストラの全員に、音楽のスタートと休符の長さが分かるように伝えなければならないのは、指揮者の実力がそのまま出ますからね。

更に、第二の難関は、4つ目の音に付けられた「フェルマータ」であって、この長さも指揮者に委ねられているということで、曲の解釈によって指揮者がそれを決めるということでした。で、指揮者によるフェルマータの長さの違いを聴き比べる、というのはこの番組の説明の分かりやすいところです。

が、「運命」は指揮するのは難しいが、曲は難解なものではなく、「ジャジャジャジャーン」を積み重ねることで出来ている、と所長が語り、その1つのリズムで全曲が出来ているという野本先生の説明へ。(相変わらず、実演を挟んでいる野本先生の説明は分かりやすいです。)更に「大根1本でフルコース料理を作った」という天才的な技術の曲というのには、言われてみて始めて気づきました。(確かに、曲としては分かりやすい曲だとは思っていました。)

が、面白いのは、ベートーベン自らの指揮による初演では、指揮のまずさから転けたというところですね。(クラシックの名曲と言われている曲って、初演は失敗だったが、後に評価されたという曲って、意外と多いのですが...)で、後に優秀な指揮者の登場で評価が高まる、というのは、ベートーベンと言えども、作曲家は作曲家、指揮者は指揮者ということを上手く物語っているということですね。

「ジャジャジャジャーン!」と言ってカノンさんが戻ってくると「なかなかだったでしょう、私のリポート」と言うカノンさん。が、依頼人が落ち込んでいるのに気づいた。依頼人は「私のような人間が指揮しよう何て、音楽に対する冒涜でした」と言って完全に自信を失っていた。これにカノンさんが「諦めちゃダメですよ。私が掴んできたコツをマスターすればきっと上手くいくはずです」と元気づける発言をする。更に所長はは「あなたにはタクトを振る資格があると思います」と続ける。

そして経験と歳月が考えが変わると言うことの説明を経て、演奏者のやる気を如何にしてだすのかが指揮者の仕事と語られる。で、依頼人は居酒屋チェーンを20年の歳月をかけて、社員のやる気を奮い立たせてきたが、それこそが指揮者の仕事だ、と言った所長は、諦めずに「運命」の指揮にチャレンジすることを薦めた。カノンさんもそれに続いて「(依頼人の)思いを伝えるんですよ。運命の扉を開くのは自分自身だってと」と語った。で、依頼人は、式台に立つのは創立30周年の時にとっておくことにして、もっと勉強して、オーケストラの人と渡り合えるようになる、と誓った。

ドラマ部分は35分強でした。曲は「運命」の第1楽章ということで、8分強、ラストのオチの所が40秒弱という構成でした。(トータルで44分というのはこれまでと同じです。)

ラストのオチは、カノンさんが「新しい居酒屋チェーンの広告ですよ」と言って飛び込んでくる。で「ジャジャジャジャーン」と言ってその新聞広告を開いた。そこには「運命屋」という名前で、「飲んで食べてタクトが振れるクラシック居酒屋」の広告が出ていて、依頼人が右手にタクト、左手に大ジョッキを手にしている写真が載っていた。で、「斬新だ」と所長、「またまた運命の扉を開いた」とカノンさん。そして2人で「ジャジャジャジャーン」と合わせていたが、所長はカノンさんに「ン・ジャジャジャジャーンと何度言ったら分かるんだ」と、冒頭の八分休符に拘って指導していた。

5ヶ月ぶりの新作ということになったが、所長とカノンさんの息のあったコンビは健在だったというのは嬉しいところでした。(→丸3年も続いていたら、当然だとも思いますが...)ただ、名作選ということで再放送がされていたこともあって、新作としては久しぶりになったが、「名曲探偵アマデウス」としたら久しぶりとは思えなかったですが...とは言っても、独特のノリとテンポも健在だったのは嬉しい所でした。

今週は木曜日まで4日連続で新作が登場するので、楽しみです。

 

CD付き NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス

CD付き NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス

  • 作者: 『NHKクラシックミステリー名曲探偵アマデウス』制作チーム
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2010/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

↓今回の曲は有名すぎる曲なので、山のようにあります。

ベートーヴェン : 交響曲第5番ハ短調<運命>

ベートーヴェン : 交響曲第5番ハ短調<運命>

  • アーティスト: ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,ベートーヴェン,フルトヴェングラー(ウィルヘルム)
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1997/08/06
  • メディア: CD

ベートーヴェン:交響曲第5番&第7番

ベートーヴェン:交響曲第5番&第7番

  • アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン),ベートーヴェン,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/11/08
  • メディア: CD

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第6番「田園」

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第6番「田園」

  • アーティスト: ベートーヴェン,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/09/05
  • メディア: CD

ベートーヴェン:交響曲第5番

ベートーヴェン:交響曲第5番

  • アーティスト: ニューヨーク・フィルハーモニック,ベートーヴェン,バーンスタイン(レナード)
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 1995/09/21
  • メディア: CD

ベートーヴェン:交響曲第5番

ベートーヴェン:交響曲第5番

  • アーティスト: フルトヴェングラー(ヴィルヘルム),ベートーヴェン,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2004/08/25
  • メディア: CD

ベートーヴェン:交響曲第5番

ベートーヴェン:交響曲第5番

  • アーティスト: ニューヨーク・フィルハーモニック,シューベルト,ベートーヴェン,ワルター(ブルーノ),コロンビア交響楽団
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 1999/08/04
  • メディア: CD

ベートーヴェン:交響曲第4番&第5番「運命」

ベートーヴェン:交響曲第4番&第5番「運命」

  • アーティスト: ショルティ(サー・ゲオルグ),ベートーヴェン,シカゴ交響楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/02/21
  • メディア: CD

ベートーヴェン:交響曲第4番&第5番「運命」(紙ジャケット仕様)

ベートーヴェン:交響曲第4番&第5番「運命」(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ワルター(ブルーノ),ベートーヴェン,コロンビア交響楽団
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 発売日: 2007/03/07
  • メディア: CD

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第1番

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第1番

  • アーティスト: ベートーヴェン,ヤルヴィ(パーヴォ),ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2008/05/21
  • メディア: CD

ベートーヴェン:交響曲第5番他(DVD付限定盤)

ベートーヴェン:交響曲第5番他(DVD付限定盤)

  • アーティスト: 金聖響,ベートーヴェン,オーケストラ・アンサンブル金沢
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2004/08/04
  • メディア: CD

ベートーヴェン:交響曲第5&6

ベートーヴェン:交響曲第5&6

  • アーティスト: シューリヒト(カール),ベートーヴェン,パリ音楽院管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2005/03/16
  • メディア: CD


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