8 FEMMES(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は2002年のフランス映画「8人の女たち」である。英語タイトルは「8 WOMEN」、日本での劇場公開は2002年11月であった。ミュージカル仕立てのミステリー劇であり、同時にフランス映画界を代表する女優たちが集まっている見所満点の作品である。また、ベルリン映画祭では、8人の女優たちが銀熊賞(最優秀芸術貢献賞)を受賞するという前代未聞の快挙を成し遂げ、ヨーロッパ映画祭では8人が女優賞を受賞したことも話題になった作品である。
作品データを記しておくと、時間は111分、原作はロベール・トーマ、監督はフランソワ・オゾン、脚本はフランソワ・オゾンとマリナ・ドゥ・ヴァンの2人、撮影はジャンヌ・ラポワリー、衣装はパスカリーヌ・シャヴァンヌ、音楽はクリシュナ・レヴィ、振り付けはセバスチャン・シャルルである。そして出演は、ダニエル・ダリュー、カトリーヌ・ドヌーヴ、イザベル・ユペール、エマニュエル・ベアール、ファニー・アルダン、ヴィルジニー・ルドワイヤン、リュディヴィーヌ・サニエ、フィルミーヌ・リシャール、である。
1950年代のフランス、クリスマス・イヴ。雪に閉ざされた大邸宅に、クリスマスを祝うために家族が集まってきた。が、メイドのルイーズが、一家の主人が刺殺されているのを発見した。容疑者はこの邸宅に集まった8人の女たちだった。その8人とは、祖母のマミー、妻のギャビー、妹のピレット、ギャビーの妹のオーギュスティーヌ、長女のスゾン、次女のカトリーヌ、そして黒人の家政婦のマダム・シャネル、そして死体の発見者となったメイドのルイーズである。8人全員にはそれぞれ怪しい所があった。で、犯人捜しが始まったが...(以下の展開は省略します。)
ミステリーでは傑作が多い「クローズド・サークル」という状況で起こった殺人事件の謎を解いていくという展開であって、クローズド・サークルならではの面白さを十分出しているが、何と言っても本作は、ミュージカル仕立てとなっているところが実に面白いのである。ミステリー・ドラマをミュージカルでというと、歌によってどうしても間延びした感じになってしまう所が出てしまうが、そういう所を逆手に取っている所も本作のポイントである。また、日本では後に「ケータイ刑事 銭形泪」でもミュージカル仕立ての物語(2nd.14&15話)が生まれているが、考えるところは同じですね。(が、「銭形泪」の方が本作よりも後である。また、どんでん返しがあるところを考えると、その「銭形泪」は本作の影響を受けていると言って良いですね。)
緊張感のある張り詰めた雰囲気のミステリーも良いが、時には本作のようなミステリーも味わってみるのも良いでしょうね。
また、本作はミュージカル仕立ての物語であるが、音楽の方もなかなか素晴らしいから、こういう物語が上手く成り立っているということを話住めてはならない。ということで、最後にサントラ盤をピックアップしておく。
盤劇という所もあるが、ミュージカル映画のサントラということでもそれなりに纏まっている。ただ、サントラ盤だけだと、今一つ堪能出来ないというのも事実である。ということで、本作は映画と音楽が互いに高め合うというミュージカル映画なのだ、ということを現していると言っていいですね。
最後に、サントラ盤の収録曲を記しておく。収録曲は以下の全21曲である。『8 Femmes 8 Fleurs』『Papa T'es Plus Dans L'coup』『Message Personnel』『A Quoi Sert De Vivre Libre』『Mon Amour Mon Ami』『Pour Ne Pas Vivre Seul』『Pile Ou Face』『Toi Jamais』『Il N'y A Pas D'amour Heureux』『Theme 8 Femmes (Generique De Fin)』『La Fenetre』『Confession Du Suzon』『Augustine S'evanouit』『Pierrette Seule』『Augustine Seule』『Portrait De Gaby』『Envie D'etre Belle』『Complicite Feminine』『La Baiser』『La Machination』『Fin』。
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