「THE ADVENTURE OF HUCK FINN」 [映画(洋画)]
表題の作品は1993年のアメリカ映画「ハックフィンの大冒険」である。言うまでもなく、M・トゥエイン原作のお馴染みの物語である。日本では劇場未公開ということになったが、評価の高い作品であって、単なる娯楽作品としてだけでなく、黒人奴隷問題を真面目に正面から受け止めて描いているなど、作品としての評価は非常に高い作品である。
作品データを記しておくと、時間は108分、原作はマーク・トゥエイン、監督と脚本はスティーヴン・ソマーズ、撮影はヤヌス・カミンスキー、音楽はビル・コンティである。そして出演は、イライジャ・ウッド、コートニー・B・ヴァンス、ロビー・コルトレーン、ジェイソン・ロバーズ、ジュディス・アイヴィ、ロン・パールマン、ダナ・アイヴィ、アン・ヘッシュ、ジェームズ・ギャモン、パクストン・ホワイトヘッド、トム・アルドリッジ、ローラ・バンディ、たちである。
母が死に、みなしごとなったハックは、母の遺産を狙って、何処かに飛び出していた飲んだくれの父親が舞い戻ってきた。そんな父から逃れたいハックは引き取られていた家で、強盗が押し入ったと装って逃げ出す。また、その騒ぎの中で、黒人奴隷のジムは主人の下から逃げ出した。そんな2人は自由を求めてあてのない旅に出たが...、というお馴染みの物語である。(だれでも原作小説に一度は接しているでしょうから、ストーリーについてはここで記す必要はないでしょうし...)
子供を主役にした冒険物語であるが、本作では黒人奴隷に対する問題(奴隷制度を含む)を真摯に受け止めた上で、暴力によって問題解決をする姿勢と共に否定するというメッセージが込められた作品である。
また、'90年代には人気子役として活躍したE・ウッドの主演と言うことも、安心して見ていられ、名子役ぶりを発揮し、メッセージの方もうわべだけのものではない芯のあるものになっている。子供向け作品のように見えるが、実はしっかりとしたメッセージのある芯のある作品であるだけに、もっと評価されるべき作品である。
↓原作はこちら
ハックルベリー・フィンの冒険 下 (岩波文庫 赤 311-6)
- 作者: マーク トウェイン
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1977/12/06
- メディア: 文庫
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