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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その226) [ケータイ刑事]

今回のテーマは「大きな時計」です。尚、「大きな」と言うのは相対的に大きいという意味にも成が、ここでは大人の身の丈よりも大きいという条件を付けることにする。で、取り上げる物語は「ケータイ刑事」からは「・10話」、「007」からは「ムーンレイカー」です。

ケータイ刑事」:「・10話」。「大きな古時計の謎 ~代議士殺人事件」という物語である。この物語の本放送は2002/12/8であるが、この年の8月に平井堅が『大きな古時計』をシングルとしてリリースしていてそれがヒットしたこともあって、この曲を物語に上手く取り入れた作品となった。

代議士の須々木舟男が自分の事務所で死亡した。死因は喉に大福を詰まらせての窒息死だった。しかし、色々と不振なところがあったこともあって、秘書の田中と、須々木代議士の息子のジュニアに事情聴取を行ったちゃん。大福を買ってきたのはジュニアで、田中は(近所の)後援会事務所で打合せをしていた。救急車の音を聴いて戻ったら、代議士が倒れていたと言うことだった。更に、田中がジュニアがほっぽりすてていたコートを手にすると、代議士が大事にしていた腕時計が出てきた。

容疑はジュニアに向けられることになったが、事務所の予定表に目をやったちゃんは、その日の午前中に代議士は人間ドックに行って、検査を受けていたことを知った。

また、事務所にある大きな柱時計は、代議士が先代から受け継いだものであって、ネジを巻くのにも手袋をして、大事に大事に扱っているという時計であった。が、その時計が午後三時を知らせる鐘を鳴らすところで、2回まで鳴ったが、3回目の鐘が鳴らずに自然に止まってしまった。それを見て、五代さんは『大きな古時計』の歌詞の通りになったと口にしていた。(ちゃんは「何故?」と考えていた...)

そんな中、ちゃんは、須々木代議士が人間ドックで胃カメラの検診を受けていたこと、また、現場には大福の数が箱に入っていた数よりも1個多かったことが分かった。で、ちゃんは閃き、須々木の死は事故ではなくて計画的な殺人だったと言うことを見抜いた。

須々木代議士を殺害したのは秘書の田中であった。動機は、代議士は後継者として田中と行っていたのに、突然、後継者は息子のジュニアにすると言った。で、放蕩息子のジュニアに後継者の座を奪われたことで、代議士を消してしまおうと思ったのだった。犯行は、代議士が人間ドックで胃カメラの献身を受けることが分かっていたので、その為、喉に麻酔を使用する。その麻酔が聴いている間に大福を喉に詰まらせ、事故に見せかけて殺害しようというものだった。事務所の柱時計は時間を進めておいたことで、代議士は麻酔が切れているものと思って、大福を口にするという計算があった。

しかし、田中の計算が狂ったのは、ジュニアが大福を持って事務所にやってきたと言うことだった。計算したことと偶然とが重なって、思いも掛けない展開となってしまったが、田中は急遽、罪をジュニアになすり付けることを思いつき、代議士の腕時計をジュニアのコートのポケットに入れるという工作をしたのだった。

しかし、代議士が倒れたところにジュニアが救急車を呼んだことで、それに乗って一緒に病院に行かざるを得ず、直ぐにも救急車は出るということで、ジュニアが田中を呼びに来たことから、田中は進めた柱時計の針をゆっくりと戻すことができず、仕方なく、無理矢理手で針を急いで戻した。それによって、デリケートな時計は限界となって、壊れてしまったのだった。

007」:「ムーンレイカー」。1979年のシリーズ第11作で、3代目ボンドの第4作である。本作はSFブームを受けていることもあってSF色が強い作品になっているが、その一方で、ベネチアン・グラスを物語に絡めるというように、伝統工芸を物語に絡めた物語でもある。

大富豪・ドラックスの忠実な召使いであり、かつ、用心棒であるチャン。ドラックスはチャンに、ボンドを始末するように命じ、チャンはそれを実行する。最初は宇宙飛行士訓練用の遠心回転装置にボンドが乗ったときを狙ったが、これに失敗する。

続いて狙ったのは、サンマルコ広場でだった。剣道の胴衣を着て、竹刀を持ってボンドに襲いかかる。そして2人はベネチアン・グラスの会社であるヴェニーニ・グラス社の展示場になだれ込み、そこで争うことになる。幸か不幸か、会社は既に営業時間を終えていたことで、展示場は完全に無人となっていた。そのため、2人の争いを止めるような人物はいなかった。が、邪魔する者がいないということは、2人は派手に争うということである。特にチャンは、今度こそボンドの息の根を止めなければと必死になっていた。ということで、2人は展示されている様々なガラス製品をも武器として、または防御のために使うことになる。高価なガラス製品を投げつけたり、空振りした竹刀が展示物を直撃し、次々とガラス製品を壊していくことになる。

更に、陳列棚までも押し倒してボンドを下敷きにして仕留めようとするチャンだったが、ボンドも身を躱して反撃をするため、展示棚ごとガラス製品が砕けていき、気がついたときには展示場は、見るも無残に、ガラスの破片だらけとなってしまった。しかし、2人の争いは決着が付いていなかった。

更に2人の乱闘は、展示室から別の場所に移っていくことになる。そして、サンマルコ広場の観光スポットになっているムーア人の時計塔の裏側で争うことになった。ちなみに、この時、ムーア人の時計塔の前では、屋外リサイタルが行われていて、ピアノの演奏と声楽家が歌を歌っていた。

何としてもボンドを倒そうとするチャンは、ここでも派手に暴れる。ボンドもチャンの攻撃を躱す。そして、遂にボンドは、美しいステンドグラスで出来た時計の文字盤に、(時計のバックヤードから)チャンを投げつけた。チャンはステンドグラスを突き破り、屋外リサイタルの会場のピアノに向かって転落していった。

当然、時計は壊れ、屋外リサイタルも途中でぶちこわしとなってしまい、チャンは転落死、ボンドは暗殺者を撃退したのだった。

共通点は、今回取り上げた物語には、テーマ(「大きな時計」)とは関係ない製作上の共通点があって、伝統のあるもの(「ケータイ刑事」では19世紀に作られた楽曲『大きな古時計』を、「007」では13世紀に起源のあるベネチアン・グラス)をストーリーの重要なアイテムとして絡めているということがある。そして、テーマとなるものとしては、劇中で時を刻むという時計としての動作が止まってしまったということ、及び、壊れてしまったということである。また、時計としてはある程度の長い間使用されているものであるということも共通している。そして、この時計に絡んで死者が出ている(「ケータイ刑事」では殺害に利用され、「007」では殺害に直接的に繋がっている。)ことも共通点である。

一方、相違点は、「ケータイ刑事」の大きな時計は柱時計であって、高さは2m程のものであり、(一応)移動可能な時計であるが、「007」の大きな時計は壁に埋め込まれた大きなステンドグラスを文字盤とした壁時計であって移動させることは不可能な大時計であるということ、また、壊れ方も「ケータイ刑事」では動作していた時計が止まってしまうという壊れ方であったが、「007」では意図的に壊されての壊れ方である。また、「ケータイ刑事」では時計が壊れるのを目にしたのはちゃんたち数人であるが、「007」では屋外リサイタルが行われていたため、その観客や演奏者たちの多くの人々が時計が壊れる(破壊されたのをと言ってもいいですね...)のを目にしているのも相違点と言える。

次回も今回と同様に「ある物(できごと)」をテーマにして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。

 

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