ZZ TOP『ZZ TOP'S FIRST ALBUM』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1971年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。結成が1969年である彼らはそのキャリアも40年を超えているが、本アルバムは40年前に発表された作品ということになる。メンバー・チェンジも無く、当時から現在まで3ピース・バンドでスタイルは変わっていないが、サウンドの方はブルースをベースにしたロックであって、'80's以降のシンセサイザーをを中心にしたものとは大きく違っているが、ロック・スピリッツは変わっていない。また、40年という歳月が流れていることを考えると、若かりし日のアルバムということも出来る。ただ、本アルバムは鳴かず飛ばずの状態であって、チャートの方とは無縁であった。
収録曲は以下の全10曲である。『(Somebody Else Been) Shaking your Tree』『Brown Sugar』『Squank』『Goin' Down To Mexico』『Old Man』『Neighbor, Neighbor』『Certifie Blues』『Bedroom Thang』『Just Got Back From Baby's』『Back Door Love Affair』。
この中からシングル・カットされたのは『(Somebody Else Been) Shaking your Tree』である。(デビュー・シングルではない。→デビュー・シングルはアルバム未収録の『Salt Lick』である。(チャートインしなかった。))一応、Billboardで最高位50位を記録しているものの、鳴かず飛ばずに近い状態であった。
お薦め曲は、シングル曲の『(Somebody Else Been) Shaking your Tree』、それ以外からは『Brown Sugar』『Old Man』『Back Door Love Affair』という所をピックアップしておく。特に『Back Door Love Affair』はシングル・カットしても良かったと思うほどの曲である。
初期の彼らはブルース・バンドという顔も持っていたため、サウンドの方もかなりブルースである。じっくりと聴かせてくれる所があって、聴き応えのあるアルバムとなっている。また、完成度も高く、本作がデビュー・アルバムというのが信じられないほどのレベルである。当時、チャートインしなかったということが信じられないほど、内容は充実している。(名前が知られていなかったということ、そして、ブルース・ロックというものもまだまだ知られていなかったということですね。)
確かに、彼らがブレイクすることになるのは、1973年の3rd.アルバムからである。ということで、本アルバムは忘れられることが多いのも事実である。しかし、本アルバムの完成度の高さを考えると、聴かないのはもったいない。それほど完成度の高いアルバムである。'80'sになって二段ロケットの二段目に点火して更にブレイクすることになる彼らであるが、本アルバムは彼らのルーツでもあるだけに、やはり聴いておきたいところである。また、ロックは余り聴かなくても、ブルース系のサウンドがお好きな方も、一度は耳を傾けておくべきである。で、ブルース・ロックにも触れて貰いたいと思うところである。
兎に角、本アルバムは、内容とチャート成績、セールスとが比例していないアルバムであって、「隠れた名盤」である。
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