「AMERICAN POP」 [映画(洋画)]
表題の作品は1981年のアメリカ映画「アメリカン・ポップ」である。日本では1996年までは劇場未公開となっていたが、製作から15年目の1996年になって東京地区のみで一週間の限定で劇場公開された。アメリカのポピュラー音楽と時代風俗の変化を、あるユダヤ人移民の4代にわたる家系を通して描いた作品である。また、ロトスコープ・アニメーションという技法を用いて製作されたアニメ作品である。(モデルの動きを撮影し、それをトレースしてアニメにするという手法である。)
作品データを記しておくと、時間は96分、監督はラルフ・バクシ、脚本はロリー・カーン、音楽はリー・ホルドリッジである。そして声の出演は、フランク・デ・コヴァ、ロズ・ケリー、リチャード・モール、リサ・ジェーン・パースキー、マーヤ・スモール、レオナルド・ストーン、ロン・トンプソン、ジェリー・ホランド、たちである。
物語は、20世紀のアメリのポピュラー音楽として、ジャズ、フォーク、ロック、パンクなどの変遷と、時代の風俗を織り交ぜて描いたアメリカの近代史である。アニメ作品であるが、使用されている音楽が非常に豪華であって、デューク・エリントン、チャーリー・パーカー、エルヴィス・プレスリー、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、セックス・ピストルズという、20世紀にその名を刻んだミュージシャンたちの音楽がたっぷりと使われている。(46曲も使われていることから、音楽映画ということも出来る。)
また、映像の方は、ロトスコープ・アニメーションという技法により、人間の動きを撮影したものをトレースしてセル画を描いているため、余りにも自然すぎる動きが得られている。(当然、もの凄い手間が掛かる手法でもある。)
尚、本作は音楽が余りにも凄いため、サントラ盤がリリースされていると、それだけで20世紀のポピュラー音楽の厳選オムニバス・アルバムになったであろうが、本作のサントラ盤はリリースされていない。というのは、余りにも版権の問題が複雑であり、更にライセンス料も膨大な額になってしまうため、とても採算が取れるものではないと判断されて、サントラ盤のリリースが見送られることになったという経緯がある。
また本作は、ソフトの方も、かつてはLDでリリースされていたものの、DVD化されていないなど、現在では見ようとしても苦労する状況である。が、20世紀のポピュラー音楽の歴史も分かるだけに、音楽ファンであれば、是非とも一度は見ておきたい作品である。それを思えば、LDは実に貴重なものと言うことになりますね。
↓全て輸入版です。(ビデオとLD)
American Pop [Laser Disc] [Import]
- 出版社/メーカー: Columbia/Tristar Studios
- メディア: Laser Disc
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