ANDREW GOLD『ALL THIS AND HEAVEN TOO』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1978年に発表された彼の3rd.アルバムである。あと2ヶ月で満60歳になる2011年6月に59歳で亡くなった彼であるが、本アルバムは彼の発表したアルバムの中で最もヒットしたアルバムであり、また、彼自身が初めて自分でプロデュースしたアルバムでもあって、彼の代表作となっている。特にイギリスでは大きなヒットになった。尚、チャート成績はアメリカでは最高位81位、イギリスでは最高位31位を記録している。
収録曲は、オリジナル盤では全10曲であったが、現在は5曲のボーナス・トラックが追加されて、全15曲の収録となっている。収録曲は以下の通りである。『How Can This Be Love』『Oh Urania (Take Me Away)』『Still You Linger On』『Never Let Her Slip Away』『Always For You』『Thank You For Being A Friend』『Looking For My Love』『Genevieve』『I'm On My Way』『You're Free』。(以下、ボーナス・トラック)『Gambler (Version #1)』『Thank You For Being A Friend (Outtake)』『Dr. Robert (Live)』『Genevieve (Original Version)』『Still You Linger On (Alternate Take)』。
この中からシングル・カットされたのは4曲である。1st.シングル『How Can This Be Love』はイギリスで最高位19位を記録するヒットとなった。2nd.シングルの『I'm On My Way』は特にチャートインしなかったが、3rd.シングルの『Thank You For Being A Friend』はアメリカで25位、イギリスで42位を記録、4th.シングルの『Never Let Her Slip Away』はアメリカでは67位であるが、イギリスでは5位を記録する大ヒットになった。
お薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『Never Let Her Slip Away』『Thank You For Being A Friend』『How Can This Be Love』と『Oh Urania (Take Me Away)』『Still You Linger On』『Genevieve』という所をピックアップしておく。
サウンドの方は、ポップであり、キャッチーであり、聴きやすいものである。が、彼らしい拘りを持っている所もしっかりと見せていて、アルバム全体を通してセンチメンタルな雰囲気を保ちながら、ポップな曲はポップに、しんみりとした曲はしんみりと、感情表現の起伏が素晴らしく描ききっている作品である。
また、J.D.サウザー、ワディ・ワクテルといった芸達者なミュージシャンが参加しているのだが、彼の個性と一流どころのミュージシャンが上手く融合していて、一癖も二癖もあるサウンドを堪能できる。
'70'sのアルバムであるが、凝っているところは'80'sのサウンドにも通じるところがあるだけに、'70'sサウンドだからというのではなく、'80'sサウンドがお好きな方にも聴いてもらいたいアルバムの一つである。
コメント 0