「AMAZON」 [映画(洋画)]
表題の作品は1991年フィンランド、ブラジル、アメリカの合作映画「アマゾン」である。日本では1992年1月に劇場公開され、後にビデオ化された時に「孤高の勇者 /アマゾン」というタイトルに変更されている。日本では殆ど紹介されていなかったM・カウリスマキ監督による人間ドラマである。
作品データを記しておくと、時間は92分、監督はミカ・カウリスマキ、脚本はミカ・カウリスマキとリチャード・レイティンガーの2人、撮影はティモ・サルミネン、音楽はナナ・ヴァスコンセロスである。そして出演は、カリ・ヴァーナネン、ロバート・ダヴィ、レイ・ドーン・チョン、ミナ・ソビオ、アイリ・ソヴィオ、ルイ・ポラナ、たちである。
フィンランドに住んでいたカリは、交通事故で植物状態になった妻を安楽死させ、2人の娘と共に全てを捨ててブラジルに逃げてきた中年男だった。しかし、リオ・デ・ジャネイロでひったくりにあって、所持金、パスポートなどを全て負しなっていた。アマゾンの奥地にやってきたカリたちだったが、食料と車の燃料が尽きてしまい、途方に暮れていた。そんな所に、ベトナム帰還兵であるアメリカ人のダンの乗ったプロペラ機が燃料不足で不時着してきた。両者は僅かに残った燃料を利用し合うという条件で、一緒に飛行機で移動した。で、カリたちはダンの家に居候することになり、ダンの仕事を手伝うようになる。2人の娘は北部のテペケム村の学校に行くことになり、カリはその学校の美人教師・パオラに一目惚れ。やがて2人は恋に落ちる。カリはパオラの大地に対する畏敬の念に虜になり、開発を考えるダンと次第に考えの違いが出てくることになり、対にダンとカリは衝突することになる。2人が乗った飛行機はアマゾンのジャングルに墜落し、ダンは死亡、カリは重症を負ったものの、インディオたちに助けられた。カリは九死に一生を得たことで、アマゾンを深く愛するようになり、愛するパオラと娘たちの待つテペケム村へと戻り、新たな人生のスタートを切った。
前半は運命の悪戯によってという印象があるのだが、それが「愛」を通して変わっていくことになり、夢を実現していこうとする男の人間くさいドラマである。派手な所は無いが、じっくりと丁寧に描かれているため、共感も持てるようになる作品である。
また、アメリカ映画とは異なる手法が使われていることもあって、そこが見所の一つにもなっている作品である。ただ、こういう作品がDVD化されていないのは残念である。(かつてはLDでリリースされていたのですが...)
↓輸入版のビデオですが...
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