「BEAU GESTE」(1939) [映画(洋画)]
表題の作品は1939年のアメリカ映画「ボー・ジェスト」である。1926年の同名タイトルのサイレント映画のリメイク作品であり、かつ、同作の最初のトーキー作品である。尚、日本での劇場公開は1952年12月であった。G・クーパーは頑張っているが、作品としてはサイレント作品の方が上であり、この時代でも「リメイク作品は今一つ」という言葉に当てはまる作品になってしまった。(本作の後、27 年後の1966年に更にリメイクされているが...)
作品データを記しておくと、時間は102分、白黒作品である。原作はパーシヴァル・クリストファー・レン。製作と監督はウィリアム・A・ウェルマン、脚本はロバート・カーソン、撮影はセオドア・スパークルとアーチー・スタウトの2人、音楽はアルフレッド・ニューマンである。そして出演は、ゲイリー・クーパー、レイ・ミランド、ロバート・プレストン、スーザン・ヘイワード、ブライアン・ドンレヴィ、J・キャロル・ネイシュ、ヘンリー・ブランドン、ブロデリック・クロフォード、アルバート・デッカー、ドナルド・オコナー、たちである。
ストーリーは'26年のサイレント版に準じている。(細かい所では設定が変わっていますが...)しかし、トーキーになったことで、人間ドラマとして余韻を漢字ながら味わうことが出来るようになり、人間的な一面がより深く描かれることになっている。(サイレントだと、どうしても字幕をもとにしたり、弁士がいれば、その語りにどうしても内容の方が左右されてしまうことになってしまう。また、当然のことながらトーキー作品よりもより多くの脳内補間も必要ですし...)
また、キャストも豪華な顔ぶれであり、しかも芸達者な面々が集っていることで、悪くはない。が、細かい所に荒唐無稽な所があって、時代考察がいい加減になっている所が残念である。で、そのためにどう見ても物語の時代があっていないという疑問から、ストーリーに入っていけない(脱出したくなってしまう、ということでもある。)ことになってしまう。これが本作の評価の低いところであって、脚本や演出の問題点でもある。
本作単独で見るよりは、'26年のサイレント版とセットにして見るべき作品であって、物語を見比べるということと共に、サイレントとトーキーの違いを味わうということをするのには宜しかと...(ということで、本作については、あえて内容については言及しないことにしました。)
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