「CHARLY」 [映画(洋画)]
表題の作品は1968年のアメリカ映画「まごころを君に」である。日本での劇場公開は1969年2月であった。尚、本作は「まごころを君に」という邦題よりも、ビデオ化されたときの邦題「アルジャーノンに花束を」の方が有名ですが...(原作も「アルジャーノンに花束を」というタイトルですし...)ダニエル・キイス原作の有名な小説「アルジャーノンに花束を」の映画化作品である。
作品データを記しておくと、時間は103分、原作はダニエル・キイス、製作と監督はラルフ・ネルソン、脚本はスターリング・シリファント、撮影はアーサー・J・オーニッツ、音楽はラヴィ・シャンカールである。そして出演は、クリフ・ロバートソン、クレア・ブルーム、リリア・スカラ、レオン・ジャニー、ルース・ホワイト、ディック・ヴァン・パタン、スキッパー・マクナリー、バーニー・マーティン、ウィリアム・ドゥワイヤー、ダン・モーガン、フランク・ドーラン、たちである。尚、C・ロバートソンは本作でアカデミー主演男優賞を受賞している。
精神薄弱症の青年チャーリーは、いつも子供たちと公園で遊んでいた。そんな彼を、夜学の女教師・アリスは友人の精神科医・アンナ博士やリチャード博士に診断を依頼し、チャーリーは受診した。で、医師の助言もあって脳手術を受けた。手術は成功し、術後彼は自分の頭脳が以前より成長していることを悟った。ある夜、チャーリーはプレゼントを手にしてアリスのアパートを訪れ、愛情を示そうとしたが、アリスはそれを拒み、チャーリーの心は乱れる。が、数日後、仲直りをして愛し合うようになる。チャーリーは自分の病状を公開し、その研究に励むようになるが、医師会での発表で、チャーリーは、自分はモルモットではないかという感情を持つようになった。更に、心を通わせていた大事な鼠のアルジャーノンの死が大きな衝撃を与えた。アリスの激しい求婚をも拒み、自分の研究が本当に役立つことなのかという疑問を持ち、現在の社会にはハートが無いことを痛感した。で、チャーリーは、昔のような素朴で自由な生活に戻ることを決意したのだった...
原作小説はSF小説であるのだが、本作ではそういう様には感じられず、人間ドラマとして描かれている。原作小説のポイントを上手くまとめているが、逆にまとめすぎていて、それだけ、という印象も拭えないのも事実である。
原作小説のテイストとは違った作品になっているのは賛否両方あるところであるが、本作に限っては、こういう描き方も有りとは思うのだが、物足りなさも感じるところである。
ということで、未見の方は、原作小説を読まずに見た方が無難でしょうね。(原作小説を読んでいて本作が未見というのであれば、見ないという選択肢も十分ありですね。見るのなら、あり期待しない方が無難かと...)
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