DR. HOOK & THE MEDICINE SHOW『SLOPPY SECONDS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1972年に発表された彼らの2nd.アルバムである。1975年以降はバンド名を「DR. HOOK」というように縮めることになるが、その前の彼らのアルバムで、デビュー・アルバム同様にヒットを記録して、カントリー・ロックの世界に彼らの名前を定着させることになったアルバムである。チャート成績は、Billboardで最高位41位を記録し、カナダでは16位を記録している。(尚、このチャート順位は、彼らのアルバムの中ではキャリア・ハイである。)
収録曲は、オリジナル盤では全11曲であったが、CD化されたときに1曲のボーナス・トラックが追加されて、全12曲となっている。収録曲は以下の通りである。『Freakin' At The Freaker's Ball』『If I'd Only Come And Gone』『Carry Me, Carrie』『The Things I Didn't Say』『Get My Rocks Off』『Last Mornin'』『I Can't Touch The Sun』『Queen Of The Silver Dollar』『Turn Of The World』『Stayin' Song』『The Cover Of The Rolling Stone』。(以下、ボーナス・トラック)『Looking For Pussy』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。1st.シングルの『Carry Me, Carrie』はBillboardで最高位71位、カナダで82位ということで、大きなヒットにならなかったが、2nd.シングルの『The Cover Of The Rolling Stone』が大ヒットとなって、Billboardでは最高位6位、カナダでは2位、豪州では32位を記録し、1973年のBillboard年間シングル・チャートでは51位にランクインしている。この曲のヒットによって、1st.シングルの前のシングル曲で全米5位、豪州で1位、カナダとイギリスで2位を記録した『Sylvia's Mother』がフロックでは無かったと言うことを証明することになり、ヒットメーカーとして知られるようになった。
お薦め曲は、彼らの代表的の一つとなったヒット曲の『The Cover Of The Rolling Stone』とシングル曲の『Carry Me, Carrie』、更に『Freakin' At The Freaker's Ball』『Get My Rocks Off』『Last Mornin'』『Stayin' Song』という所をピックアップしておく。
サウンドの方は大地の香りを感じることの出来るフォーク・ロックてあって、'70's前半の流行したウエスト・コーストノカントリー・ロックヤフォーク・ロックとは毛色が違ったものである。が、大地の香りがするということで、いかにもアメリカらしいサウンドを聴かせてくれている。'70's前半のアメリカン・ロックというと、ウエストコーストのサウンドが日本では広く知られていることもあって、それらのサウンドとは異なる彼らが冷遇されているのは残念なところである。
サウンドとしては聴きやすいものであり、これぞアメリカン・ロックという所を出しているだけに、もっと評価されても良いアルバムであり、彼らの代表作の一つである。じっくりと聴いて、再評価して貰いたいアルバムの一つである。
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