DEAD CAN DANCE『SPLEEN AND IDEAL』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1985年に発表された彼らの2nd.アルバムである。「憂鬱と理想」という邦題が付けられていたアルバムである。豪州・メルボルン出身の男女デュオである彼らは独特のサウンドで独自の世界を構築したが、ジャンル分けは難しい。現在ではオルタナ系に入れられることが多いが、本アルバムは欧州のゴシック音楽をロック色に染めたというようなものとなっている。音楽的には評価されている本アルバムであるが、特にヒットを記録することはなく、チャート成績は残していない。
収録曲は以下の全9曲である。『De Profundis (Out Of The Depths Of Sorrow)』『Ascension』『Circumradiant Dawn』『The Cardinal Sin』『Mesmerism』『Enigma Of The Absolute』『Advent』『Avatar』『Indoctrination (A Design For Living)』。
この中からシングル・カットされた曲はなく、アルバムを1つの作品として捉えて、9つの楽章があると捕らえるべきである。
お薦め曲としては「全部」と言いたい所であるが、特に最初の『De Profundis (Out Of The Depths Of Sorrow)』、中盤の『Enigma Of The Absolute』、終盤の『Avatar』とマライマックスとなる『Indoctrination (A Design For Living)』をピックアップしておく。(ただ、よ曲をバラバラに聴くのでは無く、9つの楽章から成る40分弱の組曲として聴くべきである。)
ゴシック音楽とロックが融合していて、独特の世界観を生み出しているのだが、宗教的な神秘さもある反面、ロックとしての聴き所もあるというように、その構成は素晴らしい。本作を9つの楽章から名の組曲と呼ぶのは、そういう所が一つのドラマのようになっているためでもある。この点では「プログレ」のアルバムに近い所もある。
時には、クラシック音楽の雰囲気のあるロック作品を聴いてみるのも宜しいかと...
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