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「DÉSIRÉE」 [映画(洋画)]

表題の作品は1954年アメリカ映画「デジレ」である。日本での劇場公開は1955年4月であった。フランス皇帝として知られているナポレオンであるが、その彼の若き日の恋人・デジレとの愛を描いたメロドラマである。こういう形でナポレオンが描かれると言うことは珍しいだけに、ナポレオンに対する認識が変わることになる作品でもある。

作品データを記しておくと、時間は110分、原作はアンネマリー・セリンコ、監督はヘンリー・コスター、脚本はダニエル・タラダッシュ、撮影はミルトン・クラスナー、音楽はアレックス・ノースである。そして出演は、マーロン・ブランド、ジーン・シモンズ、マイケル・レニー、マール・オベロン、キャメロン・ミッチェル、エリザベス・セラーズ、シャーロット・オースティン、キャスリーン・ネスビット、エヴリン・ヴァーデン、イソベル・エルソム、ジョン・ホイト、アラン・ネイピア、ニコラス・コースター、リチャード・デッコン、エディス・エヴァンソン、キャロリン・ジョーンズ、レスター・マシューズ、コリン・ケニー、ピーター・レイノルズ、レオナード・ジョージ、リチャード・ギャリック、たちである。

デジレはマルセイユの絹物商・クラリ家に生れた。フランス革命後の1794年、デジレはコルシカから来た青年・ジョゼフ・ボナパルトと知り合い、翌日、ジョゼフが兄・ナポレオンを連れて彼女の家に訪ねてきた。そしてこれが縁となって、デジレの姉・ジュリーはジョゼフと結婚することになり、ナポレオンとデジレは恋中になる。が、ナポレオンはデジレに愛を告白して、パリに向かい、その後、音沙汰が無くなってしまう。デジレは恋するナポレオンに会いたい気持ちからパリへ行き、ベルナドット将軍のお陰でナポレオンが現れる社交場に入ることが出来た。しかしそこで彼女は、ナポレオンが美しいジョゼフィンと結婚するということを知り、失望してセーヌ河に身を投げようとした。そこをベルナドットが止め、2人は結婚することになった。そしてデジレはオスカーを生んだが、心はまだナポレオンに向いていた。一方、ナポレオンは1799年にフランス共和国大統領となり、1804年には帝位に就いた。が、子供が出来ないことからナポレオンはジョゼフィンと離婚して、オーストリア皇女のマリー・ルイズと結婚した。1810年、ナポレオンがロシア遠征を企てたとき、ベルナドットはスウェーデン議会に選ばれ、スウェーデンの王位に就き、デジレは王妃としてスウェーデンに渡った。が、王族たちの冷たい態度に耐えられず、パリに戻る。ナポレオンのロシア遠征は1812年、失敗となる事が決定的となると、パリにいるデジレに救援を求め、ベルナドットの援助を得ようとする。が、それは失敗し、ロシア遠征は完全に失敗となった。1814年、ナポレオンは譲位してエルバ島に流されたものの、復活して再びパリに軍を進めてきた。しかしウォタールーの戦いに敗れる。デジレは単身でナポレオンを訪ねて、フランスのために降伏するように説いた。そしてナポレオンは降伏し、セント・ヘレナへ流されたのだった...

ナポレオンを描いた作品というと、彼を皇帝として、しかも英雄として描いている作品が多いことを考えると、本作はちょっと代わった支点からナポレオンを描いている作品と言うことになる、この点でも異色のナポレオン映画と言うことになる。ただ、歴史的な事実があるだけに、一応「メロドラマ」という事に分類されているが、「メロドラマ」としては今一つ物足りなさがある作品でもある。

まあ、ちょっと変わったナポレオン映画と言うことだけで、それなりの存在価値はありますが...(役者の方は。名優が固めているため、不満となるところはない。)

 

かつてはLDでリリースされていましたが、現在は輸入版ビデオのみとなっています。

Desiree [VHS] [Import]

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  • 出版社/メーカー: 20th Century Fox
  • メディア: VHS

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