「DESTINATION SATURN」 [映画(洋画)]
表題の作品は1939年のアメリカ映画「原子未来戦」である。日本での劇場公開は1955年7月であった。コミック・ヒーローの一つである「バック・ロジャース」の活躍を描いた連続シリーズ12本の再編集版である。SF作品であるが、製作時期が製作時期であって、70年以上昔ということもあって、技術的にはお粗末なものであるが、アイデアなどは秀逸であり、「フラッシュゴードン」と共に、(良い意味でも、悪い意味でも)SF作品の歴史の一編になっている作品である。
作品データを記しておくと、時間は90分、白黒作品である。原作はフィル・ノーラン、監督はフォード・ビーブとソウル・A・グッドカインドの2人、脚本はノーマン・S・ホールとレイ・トランペの2人、撮影はジェローム・アッシュである。そして出演は、ラリー・バスター・クラブ、コンスタンス・ムーア、C・モンターギュ・ショウ、ジャッキー・モラン、アンソニー・ワード、ヘンリー・ブランドン、たちである。
1938年、バック・ロジャースは、助手の少年・バディと共に飛行船旅行に出発した。が途中で遭難してしまう。しかし、モーガン博士が開発した仮死ガスで生命を保って、2444年になって発見された。が、25世紀という時代は、キラー・キングの独裁体勢に支配された世界であった。バックは都市のレジスタンス活動に参加した。更に彼は、土星人の協力を取りつける貯めに出掛けていくが、途中で敵に拘束されたり、それを脱出したりしていき、バディの協力もあって、キラー・キングを倒し、地球を開放したのだった。
物語の展開は、'30年代に数多く製作された主人公が活躍する冒険活劇である。未来世界を舞台としたことからのSF設定としては、ありがちなものであるが、劇中に登場する武器はなかなか面白いものがある。
その一方で、特撮技術をはじめとする技術に関しては、流石に時代を感じさせるものであって、如何にも手作りというものである。(この点ではお世辞にも上手いとは言えず、素人作品のレベルである。)
様々なところで陳腐なところが見られるものの、'30年代に宇宙を舞台にしたSF冒険活劇(スペース・オペラ)が見られるということで、その歴史的なことの方に重きを置いて、古き良き時代の作品に触れてみるのは如何ですか?(少なくとも「スター・ウォーズ」の40年近く前に、こういう作品が製作されたことの凄さを感じて貰いたい所である。)
かつてはLDでリリースされていましたが、現在はソフトが無いようで、残念です。ということで、SF映画に関するものをいつか拾っておきます。
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