EL DeBARGE『GEMINI』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1989年に発表された彼の2枚目のソロ・アルバムである。以前はファミリー・グループのDeBARGEで活動していた彼がそこから独立し、1986年のソロ・デビュー・アルバムはDeBARGEと同等のヒットになり、今後が期待された。本アルバムはそれ以来3年ぶりとなる作品であるが、1989年というとDeBARGEが解散した年でもあるだけに、ある意味では大きなターニング・ポイントになった作品ということにもなった。ただ、本アルバムは前作の様なヒットにはならず、BillboardのR&Bチャートで最高位35位を記録しただけで、総合アルバム・チャートの方にはランクインしなかった。
収録曲は以下の全10曲である。『Real Love』『Cross My Heart』『Somebody Loves You』『Broken Dreams』『Broken Dreams (reprise)』『Turn The Page』『After You』『Love Life』『Broken Dreams (Think About It)』『Make You Mine』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。(いずれもBillboardのHOT 100にはチャートインしなかった。)1st.シングルの『Somebody Loves You』はR&Bチャートで最高位24位を記録しただけだったが、2nd.シングルの『Real Love』はR&Bチャートで最高位8位、ダンス・チャートで14位を記録している。また、オランダで38位、イギリスでは97位を記録している。
お薦め曲は、ヒット・シングルの『Real Love』と、シングル曲の『Somebody Loves You』、更に『Cross My Heart』『Broken Dreams』『Love Life』という所をピックアップしておく。
サウンドの方は、前作、またはDeBARGE時代から大きく変わることはなく、ブラック・ソウル/ダンス系のものであって、'80'sらしいものである。そのため、親しみやすくて聴きやすいものである。この点でサウンドが一貫しているというのは、今になってみるとそれも良かったように思えるのだが、当時としては「進歩が無い」「変わり映えがしない」として、'80'sもいよいよ幕が下りるという時期だったために、そっぽを向かれてしまったのは残念な所であった。(その後も、'90's中盤まではマイペースで大きく変わることの無いアルバムを発表し続けることになる彼であるが、頑固な職人ということを感じさせてくれるところである。)
まあ、ブラック・ソウルを聴きたいという方であれば聴いておくべきでしょうが、'80'sのダンス系・ナンバーを広く楽しみたい、聴きたいという方であれば、わざわざ本アルバムまでを聴くことも無く、彼のベスト盤で抑えておくだけでよろしいかと...
コメント 0