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「DIAVOLO IN CORPO」 [映画(洋画)]

表題の作品は1986年のイタリアとフランスの合作映画「肉体の悪魔」である。日本での劇場公開は1987年8月であった。ラディゲの有名な処女作を大胆に翻案した作品であって、物語の舞台はローマとなっている。

作品データを記しておくと、時間は115分、原作はレイモン・ラディゲ、監督はマルコ・ベロッキオ、脚本はマルコ・ベロッキオとエンリコ・パランドリの2人、撮影はジュゼッペ・ランチ、音楽はカルロ・クリヴェッリである。そして出演は、マルーシュカ・デートメルス、フェデリコ・ピッツァリス、アニータ・ラウレンツィ、リカルド・デ・トレブルーナ、アルベルト・デ・スタシオ、カトリーン・ディアモント、アンナ・オルソ、クローディオ・ボトッソ、たちである。

ローマのある高校。いつものように授業が行われていると、突然、若い女の叫び声が届いた。生徒たちは直ぐに窓際に集まり、向かいの屋根の上では、寝巻姿の黒人の女性が飛び降り自殺をしようとして叫んでいた。この騒ぎで目覚めたジュリアは、飛び降りようとしている黒人女性と眼を交わし、何か通じるものを感じた。その様子を見ていたアンドレアは、ジュリアに惹かれ、忘れられなくなる。アンドレアはそれからジュリアを追うようになった。翌日、ジュリアは父の墓に花を供えていた。彼女の父はテロリストに殺されていて、その犯人の裁判が行われると言うことで、ジュリアは法廷に向かった。が、彼女の婚約者・プルチーニはテロリストで、収監されていて、刑務所に長く入っていた。法廷で、テロリストのカップルが公衆の前で抱き合った姿目にしたジュリアは、隣に居合わせたアンドレアにしがみつき、それからアンドレアは完全に彼女の虜となった。そしてジュリアのアパートを訪ねた。そこには婚約者・プルチーニの母がいて、将来の息子の嫁を監視しているようだったことから、ジュリアはアンドレアを隠し、母親がいなくなると、男女関係を持つようになった。それから2人は愛し合うようになった。また、アンドレアの父が精神分析医だったこともあって、ジュリアはその診察を受けるようになり、2人の関係は一段と深くなる。が、プルチーニの母がその関係に気づき、アンドレアの父に告げた。これでアンドレアは父に咎められ、家を飛び出してジュリアのアパートに転がり込んだ。暫くして、プルチーニが釈放される日がやって来た。その日はアンドレアの卒業試験の日でもあった。ジュリアはプルチーニの元を去り、試験を受けるアンドレアの後ろ姿を見て微笑んでいた...

原作の骨格は残っているものの、大胆な翻案作品であって、完全に別物と言っても良いような内容になっている。こうなると、タイトルも考え直した方が良いような感じられる。(特に、邦題の方は、期待を裏切られたという憤りしか持たれない。)

ラディゲの処女小説とは別物という認識であれば、色々と良い所があり、主人公の姿にも共感できるところも色々と出てくる。また、M・デートメルスが魅力的である。

ということで、作品自体は悪いものではなく、それなりに評価出来るが、作品タイトルだけは三流以下という作品である。(特に邦題は詐欺紛いと言ってもよい。→この邦題は、オリジナル版などの他の作品と区別するためにも忘れることにしましょう!)

 

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