SSブログ

「THE DEVILS」 [映画(洋画)]

表題の作品は1971年のイギリス映画「肉体の悪魔」である。日本での劇場公開は1971年10月であった。K・ラッセルによる中世フランスを舞台にした実話を一部に取り込んでいる物語である。尚、邦題を考えると、R・ラディゲの同名作品が思い浮かぶが、それとは全く関係ない作品である。(則ち、邦題が悪いという作品である。)

作品データを記しておくと、時間は115分、原作はオールダス・ハックスレー、監督と脚本はケン・ラッセル、撮影はデヴィッド・ワトキン、美術はデレク・ジャーマン、音楽はピーター・マックスウェル・デイヴィスである。そして出演は、オリヴァー・リード、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ダドリー・サットン、マーレイ・メルヴィン、ジョージナ・ヘイル、マックス・エイドリアン、ジェンマ・ジョーンズ、マイケル・ゴザード、ブライアン・マーフィー、クリストファー・ローグ、グラハム・アーミテージ、たちである。

17世紀、ルイ十三世の時代のフランス。世の乱れは激しく、プロテスタントと貴族との確執が大きくなっていた。実権を握ったリシュリューは、地方都市の自治体制廃止を布告し、地方都市であるルーダンにもその影響が出ていた。ルーダンには好色な司祭・ユルバン・グランディエがいた。彼は町の女たちの垂涎の的であるものの、行政長官・トランカンの娘・フィリップに私生児がいるのに、マドレーヌと禁制をおかした結婚をしようとしていた。更に、高い城壁に囲まれた町にはユルシュル派の尼僧院もあり、多くの尼僧が厳しい戒律生活を送っていた。そして、ジャンヌという尼僧もその一人であった。彼女はまだ見たことのないグランディエに対する憧れから、噂の魅力の虜になっていて、彼が結婚するという話を聞くと激しく嫉妬し、グランディエを淫蕩な妖術使いとして訴え出た。日頃からグランディエに反発していた一派は、これは彼を失脚させる絶好の機会と捉え、悪魔払いの祈祷師・バール神父を呼び寄せた。そして壮絶な悪魔払いの儀式が始まった・最初にジャンヌが祈祷を受けたが、彼女の絶叫が尼僧たちを恐怖のどん底に叩き落とすことになる。一方、一派の策略を見破った者たちは有無を言わせず逮捕されていく。そして遂にグランディエも裁判に掛けられ、有罪判決が下り、火あぶりの刑に処せられることになる。処刑の日、町はその様子を見に来た群衆に埋まり、処刑が開始された。狂喜の声があがる中、待ちの城壁が取り壊されていった...

本作を理解するには、宗教的な知識、当時のフランスの状況を頭に入れておく必要がある。そうして「性と宗教」という禁断のテーマの予備知識を入れておかなければ、本作は何が言いたいのか理解できないでしょう。ということで、予習が必要になる作品であって、見る人を選ぶ作品である。まあ、K・ラッセルらしいエネルギッシュな作品であって、野心的な作品であって、群衆の恐ろしさを知ることになる作品である。

 

かつてはLDでリリースされていたものの、現在ではビデオがあるだけで...

肉体の悪魔 [VHS]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: VHS


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。