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次期火星探査機を公開 [科学/技術]

NASAが、8/10に打ち上げ予定されている次の火星無人探査機「マーズ・リコネサンス・オービター」が公開された。これは、火星の上空250~320kmの上空を回る軌道(1周が約110分)に入り、火星上空を周回しながら、将来の火星有人探査の際の着陸に適した場所を探す、生命の存在に不可欠な水の痕跡などを詳しく調査する、火星の気候変化や大気も観測、レーダーで地下の水や氷の動き、などを調べることになっている。

しかし、火星は遠い。8/10に打ち上げられると、火星に向かって飛行を続けるが、火星に到着するのは来年の3月になる。つまり、7ヶ月もかかるのである。(地球の外側にある一番近い惑星(最も地球に近い惑星は、地球の内側を回る金星)なのに、そんなにも時間がかかる。)

もはや「火星人」という言葉を言っても誰も信じないように、火星については色々なことが分かってきた。しかし、それでも分かっていないことの方が多い。今の技術であれば火星に人間を送ることはまだ遠い夢物語でもある。そんな火星に大金を注ぎ込んでまで色々と調査を行う必要が今あるのだろうか?(もっと、地球の中でやることがあるはずである。)と思うのだが...



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ひまわり5号運用停止 [科学/技術]

耐用年数を大きく超えて、先日まで運用されていた気象観測ひまわり5号が運用を停止した。21日、電波の送受信を停止したのである。1995年に打ち上げられて観測を続けていたが、後継衛星の打ち上げ失敗により、5年の設計耐用年数を超えても使われ続けていた。更には、アメリカのゴーズ9号まで引っ張り出して、2003年からは観測データの集配にだけ使われるということで、約10年間も使われた。(例えれば、還暦を過ぎたのに現役のスポーツ選手だったというようなもの。)既に、後継の多目的衛星・ひまわり6号が運用を開始しているため、やっと引退ということになった。(ご苦労様でした。)

ひまわり5号は静止軌道からの離脱作業が7/17から行われていたが、軌道も離脱した。これにより完全に宇宙空間に漂う「宇宙ゴミ」になった。

人工衛星の問題は、もはや運用が終わった後の「宇宙ゴミ」の問題の方が大きな問題になっている。既に何万個以上もの宇宙ゴミが漂っている。運用が終わった人工衛星という大型のものから、その一部である破片という小さなものまで、その大きさは様々である。中には、大気圏に再突入して地上に落下してくるものまである。(たいていのものは、大気圏内で燃え尽きてしまい、地上に達しない。)ひまわりは関係ないが、中には原子炉を搭載した衛星もあり、これが落下してきたら大変なことになる。

宇宙開発もいいが、いい加減に宇宙ゴミの問題に対して真剣になって手を打たないと、とんでもないことになる。(こういう分野でこそ、国際協力が求められる。)



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1画面で2つの画像表示を行う新型LCD [科学/技術]

シャープが、左右別方向から全く異なる2つの映像が見える液晶画面(LCD)を世界で初めて開発し、今月末から本格的に生産を始めると発表した。これは、家族が1台のテレビで別々の番組を楽しむことが出来たり(但し、画面右方と左方というように角度を持った位置から見ることになる)、テレビとパソコンの画面を表示することが出来たり、カーナビに適用すれば、助手席ではテレビ番組を、運転席ではカーナビ画面を見ることが出来たりする。

これは、バックライトの光を遮る特殊な仕掛けを液晶画面上に作り、光を左右に分けることにより、別方向にそれぞれ違った映像を映し出すことが出来る、というものである。各画素にマイクロレンズを設けて輝度アップを行うことが出来るようになり、また、水平方向の視野角も広げることが出来るようになったため、この技術は決して難しいものではない。但し、この方式だと、2つの画像をLCD上に再生するため、それぞれの画像で水平方向の画素数が半分になる。つまり、水平解像度が低下することになる。(そう考えたら、パソコン画面の表示には向かない気がする。)これを解決するためには、水平方向の画素数を2倍にすればよいが、総画素数も2倍というパネルを新たに作らなければならず、これはコストアップに繋がる。

ところで、違う番組の映像を表示した場合、音声の方はどうするのでしょうか?(一方はヘッドフォンを使え、というのでは芸がなさ過ぎる。)超狭指向性スピーカーを二組搭載することで、それぞれの位置に応じた音声を混じることなく流すことは可能になるが、かなり大きなコストアップとなる。そう考えたら、カーナビ用のモニターとしてならば使えると思うが、家庭用テレビとしたら今一のような気がするのだが...

それよりも、画面中央で見るということが必要になる(画面中央から右側には右目用映像を、左側には左目用映像の光だけがでるように制御すればいい。但し、頭を左右に動かしたら、立体画像は得られなくなる、という欠点は残る。)が、めがね無しの立体テレビへの応用を考えた方がいいのでは?と思うのだが...

尚、この技術は、バックライトを使うLCDだから容易に実現できることである。自発光素子であるPDPやELでも、各画素に応じて出射光の方向を制御するフィルタを設置すれば、同様のことが出来るが、生産性を考えるとかなり難しい製造技術が必要になる。また、出射光の角度を制限するということは輝度が低下するということになる。(そう考えたら、LCD以外のパネルでは不向きだと言える。)二段階ぐらいの技術的なブレークスルーが生まれないと、これはLCD方式を活かした特徴的なものになる。(ただ、利用範囲を考慮したら、小形ディスプレイのみへの利用ということで、LCDのみの技術になりそうだと思うのだが...)



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海のアルカリ度が低下 [科学/技術]

イギリス王立協会の研究チームがちょっと気になる発表を行った。それによると、海水のアルカリ度が低くなっていて、このまま二酸化炭素濃度が上昇し続けると、海の生態系に大きな悪影響が出る、というのである。また、「アルカリ度の低下速度は過去数百万年間で最大である。多くの生物はこの変化についていけないだろう。さんご礁の破壊などで、人間生活にも影響を及ぼすだろう。」と警告もしている。

確かに、空気中の二酸化炭素濃度が上がれば、それと接している海水面でも二酸化炭素と海水の接触が増え、海水に溶ける二酸化炭素の量が増えることになり、海水の中の炭酸が増える。炭酸は酸性であるから、結果的に海水の酸性度が上がる(=アルカリ度が低下する)という理屈は理解できる。酸性度が上がれば、生物(生命体)はその中では生きていけなくなるし、さんごも熔けてしまうので、絶滅の危機を迎える。そうなると、プランクトンも減り、餌の減少が生物の数を減らすように作用する。

これは、化石燃料の消費が盛んになった過去約200年間に大気中に放出された二酸化炭素が原因で、海水のアルカリ度が低くなっている、ということだが、そこまで激しい事象となって現れるものなのだろうか?大気中の二酸化炭素濃度は0.03%ということになっているが、最近ではこれが0.04%になっているという話もある。となると、この変化はあまりにも急激である。(人間の時間で考えると「急激」とは言えないが、地球の時間で考えると「激変」である。)そうなると、何らかの異変が起こっても不思議ではない。(環境は異変となって現れるが、生物には突然変異が生まれる可能性が高くなる。)やはりイギリス王立協会の発表は強ちバカにはできず、世界が真剣になって考える必要がある問題であることは間違いない。(SF小説として考えるのは楽しいが、もはやSFがSFでは無くなっている所が怖い...)



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M5ロケット、打ち上げ延期 [科学/技術]

宇宙航空研究開発機構は、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所で6日12:30に予定していた国産ロケットM5の6号機の打ち上げを天候不良のため延期した。このロケットは、X線天文衛星「アストロE2」を搭載していて、これの打ち上げのために準備されていた。梅雨前線の影響で、7日も雨が予想されることから、打ち上げは8日以降になるという。

ロケットの打ち上げには莫大な費用がかかり、打ち上げ失敗となるとその損失はあまりにも大きくなるので、万全の状況で打ち上げを行ってもらうのが何よりである。そのため、数日の遅れが出ることを気にする必要はない。

それにしても、雨天でも、強風でも打ち上げに支障が出るという現在のロケットというのは、その基本技術にあまりにも大きな問題があるといえるのではないだろうか。台風のような強風や豪雨では仕方ないが、小雨や少しの風であれば何ら障害にならない、というレベルに達しない限り、ロケット技術というのは特殊な技術という範囲から抜け出すことは出来ない。そのため、人工衛星の打ち上げコストがあまりにも巨額すぎることから脱却することができない。打ち上げよりも、もっと基礎研究に力を入れるべきではないのだろうか?(でも、技術が進んで民間でも多数打ち上げ可能になるように技術が進歩/コスト低減となると、ロケットの数が多くなりすぎて、別の問題も生じることは明らかだが...)

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(7/7追記)
本日も雨であること、更に、8日、9日も天候は回復しないと判断し、打ち上げは10日以降に延期する、と発表した。

まあ、万全の状況になるまで待つというのが正解でしょう。

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(7/10未明・追記)
延期されていた打ち上げが、本日午後から(12:30)ということが発表された。

(7/10夜・追記)
打ち上げが行われ、衛星は予定の軌道に投入することが出来、「成功」した。これにより、衛星は「すざく」と命名された。(これは四方の守護神である、東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武の中の「朱雀」から取ったものである。)今後は、機器の調整が行われ、1ヶ月ほどすれば運用を開始することになる。(これはあくまでも順調にいってのことである。)



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京セラ、太陽光システムを値下げへ [科学/技術]

住宅用太陽光発電システムに対する国の補助制度が本年度末で終了する(こういう環境にとって優しいものの普及を助ける政策を止めるのは愚策としか言いようがない。)のを受けて、京セラは、来年4月からの販売価格を、現行の補助額分を値下げすることを決めた。現在の補助額は1kW当たり2万円で、補助率は約3%となっているが、秋以降の増産効果などでこれを吸収する方針という。

世界シェアのトップ3(1位シャープ、2位京セラ、3位三洋電機)の中では最初に値下げを表明したことになるが、他社も追従することが予想される。これにより、現在は約200万円で販売されている標準家庭向けの3kWのシステムは194万円程度で販売されると見られる。(増産するのだったら、もう少し下げることも考えてもらいたいが...)

太陽光パネルは普及し始めたとは言っても、効率を更に改善する、より安価にする、という課題がまだ残っている。が、技術は少しずつでも進歩している。少しずつでも普及率が上がっていくのは間違いないだろう。ということで、今後も市場拡大が期待できる産業分野である。それなのに、補助を打ち切るというバカ政府は本当に何を考えているのか。(何でも削減というのは何も考えていないバカのやることである。)そもそも、中国に援助をするような金があるのだったら、それを直ちに廃止して、こちらの補助に回すべきである。とにかく、補助を行うことで普及に拍車をかけることにつながり、これはより大量生産に繋がる。すると、より安価にもなり、世界市場のシェアを広げることにもなる。そうなれば、売り上げ増からメーカーの法人税の増加も期待できる。(一部は「風が吹けば桶屋が儲かる」的な部分もあるが...)こういうことに考えが及ばないのだから、やっぱり政府はバカとしか言いようがない。

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長時間のメンテが終了したのに、またもトラブっています。
通常ならば、一つ前の記事と合わせて2分あれば投稿できるのに、約40分間エラーの続出で、連続して投稿が出来なかった。何とかしろよ...



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ひまわり6号、28日正午から正式運用へ [科学/技術]

気象庁は、2月に打ち上げられた運輸多目的衛星「ひまわり6号」を使った気象観測の正式運用を、28日正午から開始すると発表した。(当初は5月末の運用を目指していたが、機器調整に万全を期すため、これを遅らせて試験配信を重ねていた。)

これでアメリカから借りている耐用年数を過ぎた「ゴーズ9号」という、いつへこんでもおかしくない衛星とおさらばできる。(7月初旬までは、こちらのデータも並行配信するという。)

ひまわり6号は、撮影できる範囲が広がっているだけでなく、センサーの増強によって従来は難しかった夜間の霧や下層雲の撮影が可能になる。更に、画像の撮影間隔も短縮されるので、観測精度向上が期待されている。それにより天気予報の精度も上るという効果も期待できるため、気象観測が新しい時代に突入することになる。ただ、現時点ではひまわり6号のバックアップ衛星がないので、トラブルが生じた場合、観測不能に陥る可能性がある。(早期にバックアップ衛星の打ち上げが望まれる。時期衛星のことも考えることも必要なのは言うまでもない。)



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続・CRTの終焉の時 [科学/技術]

「CRTの終焉の時」と題して、4月の出荷台数において、CRTが52%まで低下し、LCDに逆転されるのは時間の問題と述べた(その記事はこちらです。)が、5月の民生機器出荷統計が発表され、ついにその時がやって来た。

5月のテレビの出荷台数で、液晶型のシェアが52.0%に達し、月ベースで初めてブラウン管型を上回った。(ブラウン管は42.8%、プラズマが5.2%)「予想していた夏ごろよりも一足早かった」と電子情報技術産業協会はコメントしているが、こういうことは、流れに乗ったらあっという間である。

5月は4月のCRTとLCDが入れ替わった結果になったが、今後は更にこの差が開いていくことになるだろう。プラズマに抜かれる、というのにはまだ時間がかかるだろうが、名実共にCRTが主役の座から退いたということだけは事実である。そのCRTに変わり、ようやく主役になったLCDであるが、こちらもしばらくは主役でいるだろうが、ELをはじめとする本命視されているデバイスの進化も早い。LCDはいつまで主役の座に座っていることになるのだろうか...?(のほほんとはしていられない。)



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クローン胚の研究で未受精卵を使う [科学/技術]

ベルギーのヘント大病院のチームが、完全に成熟していない人の卵子(未受精卵)を試験管内で成熟させ、それを使って人のクローン胚をつくることに初めて成功した、と欧州生殖医学会で発表した。

人クローン胚の研究は、将来自分専用の治療用細胞を得る手段につながるとして注目されている分野であるが、クローン人間に絡む倫理問題に加え、胚の作成に不可欠な人の卵子の確保が大きな課題となっている。(特に前者の問題は、クローン研究自体を禁止しようという動きまである。)それだけに、研究内容の重要性だけでなく、大いに論議が必要な分野でもある。

未成熟な卵子(未受精卵)は、不妊治療には使えないので、利用価値がないとされているので、成熟した卵子よりも研究用に入手しやすい状況である。そのため、今回の成功は人でのクローン研究を大きく拡大させる可能性を秘めているものとなる。

こういう状況になったことで、まだどこかで先送りにされているクローンの人間への利用について、倫理問題を含めて議論を進めなければならない。しかし、この問題は、単なる倫理観だけでなく、宗教論、人権論までをも含んでいる問題であるだけに、簡単に結論が出るとは思えない。が、研究がドンドン進んでいく以上、環境問題と共に、何らかの結論を出さなければならない問題である。(医学界だけで議論する問題ではないが、どこで議論したらいいのだろうか...?)



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コンコルドの後継機、日仏で共同研究へ [科学/技術]

コンコルドと言えば、1969年にイギリスとフランスが実用化した超音速旅客機である。(マッハ2.2でしたっけ。)18機が生産され、旅客を運ぶようになったが、燃料代がかさむこと、騒音が激しいことから、エール・フランスと英国航空の2社だけでしか採用されなかった。2000年にパリ近郊で墜落事故が発生し、老朽化によって2003年に運行が停止されている。後継機については開発すら行われていなかった。

それが、この度、日本とフランスの航空宇宙工業会が次世代超音速旅客機の開発を目指し、機体やエンジン技術などの共同研究を始めることで合意した。(日本の航空機メーカーが欧州旅客機業界と機体も含めた包括的な共同研究に取り組むのは初めてとなる。)予定では、今後3年間で、超音速に耐える複合材やエンジンなどの研究に取り組む。費用負担は、日仏双方が毎年1億円程度を負担する。研究成果が得られれば、機体開発に着手する計画という。

とにかく、音速を超えるとなると、衝撃波が発生するようになるため、現在の航空機のような形ではこれに耐えられず、先が尖り、そこから流線型にする必要がある。また、空気との摩擦力も大きくなることから、機体が高温になるという問題もある。しかし、これらを実現するような技術は既にあり、課題はコストということになる。が、これはそんなに苦労しないで実現することができると思われる。問題は、音速を超えた旅客機のニーズがどれだけあるのか、ということになると思う。

狭い地球、そんなに急いでどこへ行く?」と思ってしまうのだけど...



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