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「爆発!暴走」(その4) [映画(邦画)]

今回は1976年7月に劇場公開されたシリーズ第3作について記します。

シリーズ第3作暴走の季節」(1976年)
作品データを記しておくと、1975年の東映東京の作品で、時間は86分、監督と脚本はは石井輝男、撮影は出先哲也、美術は藤田博、音楽は鏑木創である。そして出演は、岩城滉一、貝ノ瀬一夫、豊岡晋、町田政則、ゴム高津、大蔵晶、よぎ英一、志垣太郎、清水健太郎、中島ゆたか、渡辺やよい、中田博久、城新子、金井真弓、野平ゆき、田部春美、森洋子、島崎奈々、小島ミルク、清水理絵、岡久子、森大河、多宮健二、時本和也、赤石豊和、斎藤真一郎、川岡豊、原田昭彦、たちである。

自動車修理工場に勤める水上一郎は、仲間のべロ新、達也、サブたちと共に暴走行為を行っていた。警察に追われても巧みな運転技術でまいてしまっていた。ある日、水上は金持の男女グループを率いて、女王として君臨している島津夢子に、ヨットの舵とりとして声が掛けられた。彼は金にものを言わせて遊び呆けている夢子たちに反発していたが、金のためということでそれを引き受けた。しかし、グループ内で、以前から夢子を狙っていた南は、夢子が水上を誘惑しているのをしって穏やかでは無かった。そんな中、ベロ新と達也は、金持グループの真弓と正彦が車の中で抱き合っているのを見つけ、正彦を縛り、その目前で真弓を輪姦した。数日後、この事を知った南たちは、ペロ新と達也を私刑にし、2人を助けようとした水上も痛めつける。水上はその傷を、夢子の女中で以前から彼に好意を寄せていたアキに手当てをしてもらった。暑い夏の夜、夢子は暴走族グループを集め、海辺で乱交パーティを行なうが、水上は一人だけグループから離れていた。そんな所に真弓がやってきて彼を誘惑し、水上は真弓を抱いた。しかし、その場はグループの面々が集まっていて、2人の濡れ場は見守られていた。それから数日後、余りの仕打ちに、南に対して怒りが爆発することになる。そして、夢子や南たちと葉山沖の離れ島へ出かけ、南に決闘を申し込んだ。で、水上と南の決闘は激しいものになり、壮絶な者となっていく。そして、2人は差し違えて相打ちとなって果てたのだった...

結末は唸らせる所があるのだが、全体的には今一つ見せ場が少ないのは残念なところである。それなりに暴走シーンなどはあるが、もう少し派手に見せて欲しいところである。まあ、'70's作品ならではという独特の世界観のある作品ということなので、これはこれでということになるが、前作のような面白さが欲しいところでした。

 

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「爆発!暴走」(その3) [映画(邦画)]

今回は1976年1月に劇場公開されたシリーズ第2作について記します。

シリーズ第2作爆発!暴走遊戯」(1976年)
作品データを記しておくと、1975年の東映東京の作品で、時間は86分、監督は石井輝男、脚本は橋本新一と石井輝男の2人、撮影は出先哲也、美術は藤田博、音楽は鏑木創である。そして出演は、岩城滉一、貝ノ瀬一夫、星正人、田口和正、豊岡晋、菅野直行、舟久保信之、町田政則、多岐川裕美、中島ゆたか、芹明香、内藤杏子、寺田洋子、織田あきら、光本大介、津森正夫、山之内英正、浜田勇、大泉公孝、松本光政、横井高志、大蔵明、鹿沼えり、岡田京子、星野じゅん、小川レナ、叶優子、藤本あけみ、山田光一、中田博久、桑島正美、たちである。

風間が率いてい下町の暴走族・ブラックパンサーと、花田が率いている山の手の暴走族・レッドバロンは何かと対立をしていた。そんな2つのグループは、鈴鹿GPレースを見学に行く途中の山道で激突した。が、この時はGPレースのスタート時間が近づいたため、決着は後日にという事で、その場は分かれた。レース後、ブラックパンサーの真一と風間の妹・ユキ、風間の恋人・あけみはヨーロッパで優勝した花形レーサーの桑島正美にサインをもらって大喜びをしていたが、レッドバロンの花田と魔子は、真一たちを「隅田川のドブネズミ」と罵り、桑島を連れて行ってしまい、遺恨を残すことになった。翌日、花田が風間を訪ねて、後日の決着を、三日後に駒形橋インターでつけると伝えた。これを聞いたユキは、争いを止めさせるために桑島を訪ね、仲裁を依頼した。で、桑島は花田を力で説き伏せた。決着を付ける日、ブラックパンサーは応援のバイク集団・行田連合と共に指定の場所に集結したが、花田はこの場所を警察に密告したため、風間たち数人のメンバーは逮捕されることになった。真一は逮捕を逃れて逃げたが、花田に復讐しようとしてナイフで斬りかかったが、返り討ちに遭って重症を負った。何とかユキのアパートへ逃げてきたが、怪我が酷く、数時間後に風間たちに見とられて息を引きとってしまう。風間は怒りに燃え、真一の仇を取ることを誓う。レッドバロンが鴨川に出掛けたことを知ると、風間はブラックパンサーを集合させテ、レッドバロンを追った。また、ユキとあけみは桑島の車で風間たちの後を追った。やがて、ガソリンスタンドで風間たちはレッドバロンに追いつき、襲撃した。そして風間と花田の対決となる。が、桑島も追いつき、間に入って決闘を止めようとする。風間が桑島に向かってきて、桑島の足を刺したが、桑島はそのナイフを取り上げると、逆に風間を刺したのだった...

2つの暴走族の抗争に、カーレーサーが絡む三つ巴の争いというのは面白いのだが、レーサーがそういう争いに絡んでいたら、即刻資格停止となって、という気がするのですが...まあ、そういうツッコミ所がたっぷりとあるのは'70's作品らしいところであって、無国籍映画の雰囲気もあって、これはこれで独特の世界観を生むことになっている。まあ、こういう所が'70's作品らしい所でもあるので、ツッコミ所は忘れて、'70'sという雰囲気に浸ると言うことで宜しいかと...

 

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「爆発!暴走」(その2) [映画(邦画)]

今回は、シリーズ中で唯一の1975年に製作、公開されたシリーズ第1作についてです。劇場公開は1975年9月であった。

シリーズ第1作爆発!暴走族」(1975年)
作品データを記しておくと、1975年の東映東京の作品で、時間は86分、監督は石井輝男、脚本は松本功、撮影は山沢義一、美術は藤田博、音楽は三保敬太郎である。そして出演は、千葉真一、岩城滉一、豊岡晋、玉川雅巳、横尾昭彦、赤石豊和、玉蟲裕司、斎藤久也、村山薫、松平純子、藍とも子、夏夕介、町田政則、津森正夫、貝ノ瀬一夫、吉野恒正、名和宏、初井言栄、たちである。

土曜日の夜になると、岩城は全身黒づくめの異様な身装になって、オートバイで国道を疾走する。彼は、オートバイの修理工場に勤めている普通の男であったが、夜になるとアスファルト・ジャングルに出没し、「ブラック」と呼ばれる暴走族の中では一匹狼のライダーであった。土曜のある夜、いつもの様に国道を疾走していた岩城は、地獄グループとすれ違あ。すると地獄グループのリーダー・矢間は、岩城襲撃を仲間に命じた。が、岩城の巧みなバイクテクニックは地獄グループを寄せ付けず、翻弄した。翌日、岩城はガソリンスタンドで働いている秋夫を連れて、中央高速を疾走する。その時、四輪の外車を中心にして走っているオートバイ集団に出会った。派手なライダースタイルの真弓は、岩城を包囲するようにスピーカーで仲間に命じたが、岩城のドライブ・テクニックはその集団を振りきって走り去っていった。その真弓たちがある湖畔に到着したが、真弓はそこで休憩していた岩城を見つけ、豊満な胸をあらわにして岩城を誘惑し、岩城は真弓を抱いた。その後、真弓たちは、別荘でゴーゴーパーティを開く。グループのしきたりで、初参加の女はグループの誰かと寝なければならない決まりがあって、初参加の路子は男たちに詰め寄られる。そんな路子を見た岩城は、オートバイで決着をつけようと提案し、勝負に勝つ。で、岩城は路子を家まで送っていった。路子の家はカーアクセサリーの販売をする小さな店で、兄の津上と一緒に暮らしていた。津上は元レーサで、暴走族に強い反感を持っていたため、路子が岩城と付き合うのに大反対だったが、路子はクールな岩城に惹かれていた。そんな中、週刊誌が爆走する岩城のことを記事にした。これによって彼を慕ってライダーたちが集ってくることになる。一方、真弓はグループを解散し、岩城を追いかけ回すようになる。が、岩城は路子とつきあっていた。路子を乗せて国道を走っていた岩城は、地獄グループと鉢合せをした。週刊誌には「岩城が暴走族No.1」と書かれていたため、矢間は岩城を叩き潰そうと燃え、凄まじい攻撃を行う。その騒ぎにパトカーが駆けつけてきた。岩城たちは逃走したものの、それ以来、岩城は暴走族として警察にチェックされるようになった。そんな中、津上が岩城を連れ出し、説教をする。警察からは要注意人物になっていて、暴走族からも狙われている岩城は、それでも疾走することを止めなかったが、彼の心の中には乾いた風が吹き抜けていた。

若者の日常の姿を描いたバイク・アクション作品である。クレジットを見たら、千葉真一の主演のように思えるが、歴とした岩城滉一の主演作である。(当時の彼は、本当に新人であった。)現在ではあり得ないようなバイクの疾走シーンなども見所の一つになっている。

尚、こういう作品は'70年代だから出来た作品ということもできるだけに、「'70's」という時代を映している資料としても参考になる作品である。

 

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「爆発!暴走」(その1) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズの第59弾として取り上げる作品は「爆発!暴走」シリーズです。このシリーズは、岩城滉一主演の青春アクション・シリーズであって、最終作を除く3作で、石井輝男監督が手掛けたシリーズである。(製作は東映東京である。)

主演は、デビュー間もない新人の岩城滉一であって、まだ無名の存在であった。が、カルト作品を数多く生み出している石井輝男監督の独自の演出と、女優陣の魅力とが相まって、'70's作品らしい雰囲気の青春作品群となった。(但し、興行的には思惑通りに行かず、伸び悩むこととなった。)が、一部の間で、石井監督作品らしいカルト的な人気のあるシリーズでもある。

尚、第1作は1975年の製作であり、1976年には3作品が製作され、あわせて全4作のシリーズとなった。

初回となる今回は、シリーズ作品のおさらいということで、映画化された順番にタイトルを記しておきます。シリーズ第1作「爆発!暴走族」(1975年)、シリーズ第2作「爆発!暴走遊戯」(1976年)、シリーズ第3作「暴走の季節」(1976年)、シリーズ第4作「爆発!750CC族」(1976年)。

次回からは、シリーズ順に、それぞれの作品についてを記していくことにします。

 

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「博奕打ち」(その10) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第58弾として記してきた「博奕打ち」シリーズも今回で最後となりました。で、残っている1972年7月公開のシリーズ最終作について記します。

シリーズ第10作博奕打ち外伝」(1972年)
作品データを記しておくと、1972年の東映京都の作品であって、時間は103分、原案は鳥村喬、監督は山下耕作、脚本は野上龍雄、撮影は古谷伸、美術は富田治郎、音楽は木下忠司である。そして出演は、鶴田浩二、高倉健、若山富三郎、菅原文太、辰巳柳太郎、松方弘樹、伊吹吾郎、浜木綿子、東竜子、金子信雄、野口貴史、遠藤辰雄、高並功、鈴木康弘、北川恵一、松平純子、石井富子、久保浩、汐路章、有川正治、川谷拓三、岩尾正隆、潮健児、内田朝雄、疋田泰盛、島田秀雄、小田部通麿、楠本健二、藤浩、志賀勝、西田良、那須伸太朗、青木卓司、たちである。

明治中期の北九州・若松。北九州睦会系大室一家組長の大室弥八と、江川組組長の江川周吉とが、何かにつけて対立していた。そんな中、睦会宗家・浦田組組長の常五郎の後継者は、代貸の花井栄次だと衆目の一致するところであったが、常五郎は弥八を二代目に指名した。というのは、栄次は常五郎の隠し子であって、栄次の二代目襲名による内紛を恐れた常五郎の配慮があったためである。その事情を知っている周吉は、神尾鉱山の納屋頭として田川行を決意した栄次を見送り、弥八との喧嘩を避けることを誓う。で、若松に帰ってきた周吉だったが、夫婦気どりの芸者秀子が待っていた。更に、大室一家の嫌がらせも始まった。特に、大室一家代貸の滝は、弥八に無断で江川組の縄張りを荒していたが、周吉は栄次との約束を守って、ひたすらそれに耐えるのだった。そんなある日、周吉の弟・鉄次が若松に戻って来た。そして、組の現状を知った鉄次は、単身で大室一家に乗り込み、騒ぎを起こした。これに周吉は、鉄次を殴り倒し、自ら指をつめて弥八に詫びを入れた。しかし、それでも滝の暴走は止まらず、鉄次を闇打ちにし、仲裁に立った浦田と栄次を殺してしまった。これに弥人は唖然とするが、滝の親を思う心が弥八の心を動かした。遂に周吉は大室一家に殴り込む決意をし、弟、組長、兄弟分の弔い合戦で燃え、大室一家に殴り込んでいった。

本シリーズは「任侠映画」のシリーズであるが、もう一つの看板として、博奕打ちが主役で、博奕シーンが見所というものもあった。が、シリーズが進むにつれて、ありふれた任侠映画になってしまったのが残念である。本作も、そういうシリーズらしい内容であって、普通の任侠映画でしかない。(「博奕打ち」というタイトルである必要性が無いということである。→そもそも、本シリーズは、シリーズを通した主人公がいるのではなく、全10作は全く独立した物語である。)

ということで、任侠映画としては普通であり、「博奕打ち」というのは単なる看板であって、掲げられているだけである。(博奕に関しては何も期待してはイケナイ。)一応「外伝」というタイトルということで、それを逃れようとしているといったところですかね...

まあ、まあ、シリーズ第7作(1969年)以降は1年に1本のペースになっていて、ごく普通の任侠映画を重ねていただけになっていたが、ようやく幕を下ろしたということでしか無い作品でした。

 

↓ビデオです。

博奕打ち外伝 [VHS]

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「博奕打ち」(その9) [映画(邦画)]

今回は、1971年2月に劇場公開された、シリーズ第9作についてです。

シリーズ第9作博奕打ち いのち札」(1971年)
作品データを記しておくと、1971年の東映京都の作品であって、時間は106分、監督は山下耕作、脚本は笠原和夫、撮影は吉田貞次、美術は吉村晟、音楽は木下忠司である。そして出演は、鶴田浩二、若山富三郎、安田道代、水島道太郎、渡瀬恒彦、遠藤辰雄、林彰太郎、野口貴史、平沢彰、時美沙、正司照江、河村有紀、天本英世、内田朝雄、天津敏、八名信夫、阿波地大輔、有川正治、川谷拓三、たちである。

東京・大森を縄張りとしている関東桜田組一家。その若衆頭である相川清次郎は、警察が行っている賭場開帳の手入れから逃れるため、一時的に旅に出て、旅先の越後・直江津で静枝と知りあう。静枝は、旅の女剣劇一座の座長・中村権之助の養女で、一座の花形だった。二人の恋は燃え上がるが、清次郎は東京へ戻らなければならなくなって、1年後に再び会うことを固く約束して分かれた。東京に戻ると、大森は、天野良平率いる愚連隊新地会が幅を利かせていた。清次郎は愚連隊新地会とのいさかいによって数人を傷つけたことで、5年の刑に服すことになった。数年後、大森に権之助一座がやってきた。しかし、座長の権之助は病で倒れ、一座は解散寸前に追い込まれていた。そんな所に救済の手を延べたのが岩井一家の組長・東五郎だった。東は静枝を妻に望み、清次郎を探す望みを捨てていた静枝はこれを受けた。東は、刑務所に清次郎を訪ね、静枝との結婚を告げた。その後、岩井一家は大森海岸の埋立工事を一手に請け負うことになった。しかし、この利権に目を付けた岩井一家の本家・桜田一家総長・大竹は、新地会を操って岩井一家と対立させ、更に、殺し屋・金原を雇って、東五郎の暗殺を命じた。そんな中、清次郎が出所する日が決まる。が、その前日に、東五郎は殺し屋手に掛かって射殺された。すぐさま、大竹は岩井一家に揺さぶりを掛ける。岩井一家は静枝をたて、清次郎、そして彼の弟分で代貸の勘次が力を合わせて守っていくことになる。が、大竹はそれを分断させるように手を回し、清次郎は岩井一家を追われることになり、勘次が総領に就いた。そんな中、勘次は、東五郎殺しが大竹の手によるものだったと知るが、消されてしまった。その知らせを受けた清次郎は、日本刀を羽織でくるみ、大竹が仕切る岩井一家へと向い、殴り込んだ。

ごく普通の任侠になっていて、本シリーズの看板であるはずの「博奕」というものの影が薄くなってしまったのが残念なところである。任侠映画としたら、パターンに沿っているものの、それなりの作品と言うことになるのだが、「博奕打ち」とリーズということで看板に掲げている部分が期待外れと言うことになってしまうと...という作品である。ごく普通の任侠映画であることから、タイトルに疑問を持ってしまう作品でした。

 

↓本作もソフトが無いので、シリーズの他の作品を拾っておきます。

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博奕打ち 総長賭博 [DVD]

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博奕打ち 殴り込み [DVD]

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「博奕打ち」(その8) [映画(邦画)]

今回は、1970年4月に劇場公開されたシリーズ第8作についてです。

シリーズ第8作博奕打ち 流れ者」(1970年)
作品データを記しておくと、1970年の東映京都の作品であって、時間は100分、監督は山下耕作、脚本は鳥居元宏と志村正浩の2人、撮影は鈴木重平、美術は富田治郎、音楽は渡辺岳夫てある。そして出演は、鶴田浩二、若山富三郎、水島道太郎、待田京介、天津敏、北村英三、藤純子、北林早苗、内田朝雄、北竜二、八名信夫、国一太郎、宮城幸生、潮健児、中村錦司、那須伸太朗、島田秀雄、山田みどり、須賀不二男、汐路章、山岡徹也、阿波地大輔、江上正伍、村居京之輔、野口貴史、小島慶四郎、天王寺虎之助、池田謙治、古閑達則、北川俊夫、村居京之輔、たちである。

明治の中頃の九州小倉。博徒・舟木栄次郎は、渡世の義理から、篠崎一家の親分・弥平を刺す。この時、一緒に組んでいた熊谷剛平、清水新五、山形市造、石田仁助と共の行動したのだったが、熊谷は途中で逃亡してしまい、石田は深手を負い、昔の女・きくに五百円の金を渡すように栄次郎に託して死んでしまった。で、栄次郎は石田の遺言に従ってきくを探すが、きくは数歩に故人となっていたことを知る。また、きくの娘・ど東京に移ったものの行方不明になっていることを知り、上京して深川の木場政一家へ草鞋を脱いだ。その頃、深川ではでは、辺りを仕切っている岩佐一家が、賭場の客引きを巡り、木場政と対立していた。しかもその背後には、金万一家の二代目にのし上った熊谷が糸を引いていた。熊谷は、小倉での殴り込みで逃亡した渡世上の恥を、当時助けて連れ帰った客分・市造に被せ、自身は関東博徒会の大御所・菊地駒之助から親子の盃を受けようと画策していた。そして、木場政が取持人となって、熊谷と菊地との仮盃が執りおこなわれることになった。とみを探していた栄次郎は、そのことを知り、恩人の木場政の顔に泥を塗ることに耐えがたく、熊谷に辞退を迫ったが拒否された。更に栄次郎は、とみが材木商・総州屋に嫁ぎ、亭主の賭博狂いに苦労していること、総州屋は岩佐のイカサマの餌食となって、多額の借金の証文を書かされていることを知る。で、栄次郎は岩佐とサシの勝負を付け、証文を取り返した。が、熊谷は勝負に敗れた新吉に、栄次郎殺しを命じる。が、これに市造が反対し、怒りの熊谷によって殺される。栄次郎の言葉から熊谷の実体を知った木場政は熊谷に詰問するが、逆上した熊谷に殺されてしまい、栄次郎の怒りが爆発と、熊谷の元にやってきて対決し、凄絶な死闘の末に熊谷と岩佐を倒した。

任侠映画としたら、これと言うところも無くなってしまい、教科書通りと言った任侠映画ですね。もう少し「博奕打ち」ということから賭博の勝負の所に重きを置いたような展開を期待したいのですが...ということで、ごく普通の任侠映画であって、それ以上でも以下でも無い作品である。

 

↓本作はソフトが無いので、シリーズ中の傑作を拾っておきます。

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「博奕打ち」(その7) [映画(邦画)]

今回からは、1年に1本の製作/公開ペースになった最初の年である1969年の作品(シリーズ第7作)についてです。劇場公開は1969年9月であった。

シリーズ第7作必殺 博奕打ち」(1969年)
作品データを記しておくと、1969年の東映京都の作品であって、時間は93分、監督は佐伯清、脚本は棚田吾郎、撮影は赤塚滋、美術は石原昭、音楽は日暮雅信である。そして出演は、鶴田浩二、山本麟一、長門勇、須藤健、浜木綿子、島田正吾、林彰太郎、高並功、佐々五郎、遠藤辰雄、汐路章、利根はる恵、信欣三、若山富三郎、たちである。

昭和初期の九週・小倉。一匹狼の胴師・保科金次郎は、弟分の片貝弥市と共に小倉の住之江一家に招かれた。小倉に向かう途中の船で、花札賭博が行われていて、負け続けている田宮に片貝が忠告したことから、彼らは博多の大瀬戸一家の者たちに絡まれた。それを旅の胴師・井手庄七が割って入り、仲立ちしてことは収まる。大瀬戸一家の客分の井出は、金次郎が胴師として有名であったことから知っていたのだった。翌日、田宮は競馬で大穴を当てるが、その金を、夜、賭場で全額すってしまう。更に、大瀬戸一家から借りた金も、全額すってしまった。勝負を見ていた金次郎はその賭博がイカサマだと気づいたが、胴師の井手にそっと忠告しただけで済ませた。そんな金次郎は、イカサマ札作りの名人・村越と偶然にも再会する。村越は、6年前に金次郎にイカサマを見破られ、指を切られていたことから、金次郎に復讐を果たそうとしていた。一方、田宮は大瀬戸一家から借金返済を迫られ、金ができなければお照を抵当に差し出すと約束した。大瀬戸一家は住之江一家の縄張りを奪うことを狙っていて、邪魔な金次郎を追いつめるため、まずは片貝を襲った。これに住之江一家の親分・八坂利助が爆発するが、金次郎は何とかそれを押しとどめる。田宮は最後の運を小倉競馬の最終日に賭けた。しかし、馬券はハズれてしまい、そのまま服毒自殺をした。また、お照は大瀬戸一家に連れ去られる。しかし、井手がお照を逃してやり、八坂が手を差しのべた。そして、大瀬戸一家の親分・黒川から、お照を引渡すように要求されるが、それを拒否した。これによって住之江一家と大瀬戸一家は一触即発の状態になる。それを感じた金次郎は、盆の勝負で決着を付けるよう申し出て、黒川もそれを承諾した。で、金次郎と井出が勝負をする。村越が作ったイカサマ札を持っていた井出だったが、それを使えず、勝負は金次郎の圧勝だった。ということで、お照を無事に門司まで送った金次郎。しかし黒川は、盆の負けを取り返すために、井出に八坂を殺すことで返せと命じた。井手は一宿一飯の義理があったため、八坂を襲ったが、最初からその気は無く、わざと急所をはずし、逆に住之江一家の者たちに刺される。で、金次郎に詑びを入れて息を引き取った。井出が失敗したことから、黒川は住之江一家を潰すために殴りこみを掛けようとする。が、住之江一家も殴りこみがあるものと思って備えていた。が、金次郎は片貝を連れて、住之江一家の誰にも気づかれないようにして、大瀬戸一家に殴りこみを掛け。黒川を倒したのだった。

本シリーズの看板にしている賭博シーンと、任侠映画に求められる要素とを上手く絡めているが、どっちつかずになってしまい、中途半端な作品になってしまったのが残念である。同時に、本作のパターンにも限界が見えてしまったということで、本作からは年一になってしまったのも...、という作品である。

 

↓本作のソフトがないので、シリーズ作品をいくつか...

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「博奕打ち」(その6) [映画(邦画)]

今回は、3本製作された1968年の作品の中から、残っているシリーズ第6作についてです。劇場公開は1968年9月であった。

シリーズ第6作いかさま博奕」(1968年)
作品データを記しておくと、1968年の東映京都の作品であって、時間は91分、監督は小沢茂弘、脚本は村尾昭と高田宏治の2人、撮影は山岸長樹、美術は矢田精治、音楽は津島利章である。そして出演は、鶴田浩二、若山富三郎、中村玉緒、橘ますみ、時美沙、遠藤辰雄、天津敏、石井富子、藤山直子、川谷拓三、八名信夫、汐路章、浪花五郎、上田吉二郎、国一太郎、都賀静子、沢彰謙、東龍子、有川正治、丘路千、野口泉、平沢彰、蓑和田良太、日高綾子、岡田千代、高並功、秋山賢、大木勝、那須伸太朗、たちである。

北陸のある温泉町。博変打ちの銀次郎は大金を賭けた勝負でその土地の清市に勝った。清市は借金を返そうとして、娘・おしのを身売りさせて、その金で最後の勝負をしたが、勝負に敗れたことで次の日に自殺してしまう。銀次郎はそのことを知ると、おしのを身受けすめ金を稼ごうとして賭場に向かった。しかし、今度は関西の博徒・竜吉のイカサマに引っかかって敗れてしまった。そんな銀次郎は子分になりたいという長八を連れて大阪に行き、竜吉が草鞋を脱いだ大貫一家の賭場に足を運んだ。そして、竜吉のイカサマの裏をかいて大勝した。しかし、大貫は、その場では銀次郎を帰したが、帰途を襲わせた。そんな銀次郎を救ったのは、銀次郎が大阪駅で、スリに財布をすられて困っていたのを助けたおりんだった。銀次郎は飛田遊廓におしのがいることを知り、今度こそ身受けしようとするが、大貫が邪魔をした。おりんは銀次郎のために、おしのを身受けするのに必要な金を作ろうとして、自分の身体を賭けて賭場に現わた。が、相手が竜吉であることから、長八がおりんに代って竜吉と勝負したが、イカサマで負けてしまう。急を聞いて駆けつけた銀次郎は再試合をすると誓い、その場を去り、勝負に備えた。竜吉はその時間でイカサマの仕掛けを念入りに整えた。そして勝負の時がやってきた。最初は銀次郎が優勢だったが、竜吉がイカサマの仕掛けを駆使しだしたことから、状況は変わる。しかし銀次郎は、蝋燭の光を利用していることに気づき、自らもその仕掛けを札に仕込んだ。そして運命の大勝負。結果は銀次郎が勝った。で、銀次郎はおしのを身受けし、おりんの借金も清算した。が、その帰り道、大貫一家が再び銀次郎を襲った。が、竜吉は大貫の余りにも非道なやり方に嫌気が指して、銀次郎の味方になった。そして激しいバトルが繰り広げられ、銀次郎は大貫を倒し、一家を潰した。しかし、竜吉は重傷を負い、銀次郎の腕の中で死んでしまった...

本シリーズの売りである賭博対決と、悪どい組との対立という所はしっかりと見せてくれるが、任侠道という所が少し弱いように感じられる。が、本シリーズは、任侠映画シリーズであるものの、賭博の勝負を見所にしていると言うことを考えると、こういう作品があってもいいでしょう、といったところですね。

 

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「博奕打ち」(その4) [映画(邦画)]

今回は、シリーズの中でも屈指の傑作として知られている1968年1月公開のシリーズ第4作についてです。美島幸夫が本作を賞賛したこともあって、本作は任侠映画の傑作の一つとして知られていて、本シリーズの中では最高傑作と言われている作品である。

シリーズ第4作博奕打ち 総長賭博」(1968年)
作品データを記しておくと、1968年の東映京都の作品であって、時間は95分、監督は山下耕作、脚本は笠原和夫、撮影は山岸長樹、美術は富田次郎、衣裳は豊中健、音楽は津島利章である。そして出演は、鶴田浩二、藤純子、桜町弘子、名和宏、曽根晴美、佐々木孝丸、三上真一郎、沼田曜一、香川良介、中村錦司、服部三千代、小田部通麿、原健策、小島慶四郎、国一太郎、鈴木金哉、河村満和、野口泉、岡田千代、堀正夫、関根永二郎、大木勝、蓑和田良太、那須伸太朗、平沢彰、高並功、北川俊夫、香川秀人、若山富三郎、金子信雄、曽我廼家明蝶、疋田圀男、西田良、有島淳平、藤川弘、熊谷武、河村満和、木谷邦臣、たちである。

時は昭和9年。東京・江東地区に縄張りを持つ天竜一家の総長・荒川が脳溢血で倒れ、跡目を決定しなければならなくなった。幹部会は中井組の組長・中井信次郎を推挙するが、彼はそれを辞退して、兄弟分の松田を推した。しかし松田は服役中であったこともあって、荒川の舎弟分の仙波組長が、荒川の娘婿の石戸を指名し、周囲の反対を押し切って、石戸が二代目を継ぐことを決めた。そして、二代目披露の大花会が行なわれる一ヵ月前に松田が出所した。ことの成り行きを知った松田は、兄貴分の自分を差し置いての石戸の二代目決定に怒り、中川の妹で松田の女房・弘江、更に子分の音吉たちの制止もきかず、石戸に殴り込みを掛けた。その責任を取らされて、松田は謹慎させられる。仙波は松田を失脚させ、石戸を抱き込んで荒川一家を乗っ取ることを考えていたのだった。中川は、花会を取仕切るという責任と、松田の気持ちが分かる板挟み、更に女房のつや子が、松田と音吉が再度石戸組に殴り込むのを阻止できなかった責任から、松田と兄弟分の緑を切った。松田はそういう中川の気持ちを知りながらも、石戸の二代目披露を叩き潰すのが最後の意地だと言った。そして、花会の日がやってきた。石戸は中川から、仙波が荒川一家を政界のボス・河島の握る国志会に組込もうとしているのを知らされ、反対した。そのため、跡目を継いだ石戸は仙波組代貸の野口に殺されてしまう。中川は仙波を追及したが、今度は松田と組んで二代目を殺したという濡れ衣を着せられてしまう。で、身の証と荒川一家の存続のために松田を斬り、その刀を抱えて仙波に迫り、倒した。

任侠映画の王道を行くような設定と、登場人物の多さと厚みによって、スケールのある作品になっている。人物描写もしっかりと出来ており、物語に厚みも感じられる。こういう所は「傑作」と言われている作品らしいところでもある。

が、「傑作」と言われる作品だからこそ、娯楽色がないとか、サービス部分が無いなどと、小さな所に対してそれが致命的な欠陥のように大袈裟に否定されることもあるのも事実である。が、本作の圧倒的な描き方の前では、そういう言葉は「傑作に対するひがみ」にしか聞こえなくなる。それだけの迫力が本作にはある。ということで、「見ておくべし」という作品であるので、任侠映画に触れるのであれば、見ておきましょう。(本作を見ていなければ、任侠映画は語れないですよ。)

 

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