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「博奕打ち」(その3) [映画(邦画)]

今回は、1967年に製作されたシリーズ第2作と第3作の2本について記します。尚、劇場公開は、第2作は1967年5月、第3作は1967年7月であった。

シリーズ第2作博奕打ち 一匹竜」(1967年)
作品データを記しておくと、1967年の東映京都の作品であって、時間は89分、監督は小沢茂弘、脚本は小沢茂弘と高田宏治の2人、撮影は、わし尾元也、美術は大門恒夫、音楽は津島利章である。そして出演は、鶴田浩二、中村竹弥、待田京介、天津敏、松尾嘉代、藤山寛美、平参平、山城新伍、河野秋武、遠藤辰雄、小松方正、志賀勝、結城哲也、木村俊恵、江幡高志、浪花五郎、丹波哲郎、汐路章、国一太郎、鶴見久子、日高綾子、都賀静子、唐沢民賢、市川裕二、相原昇、矢奈木邦二郎、蓑和田良太、泉好太郎、若水淳、大城泰、藤木秀夫、島田秀雄、名護屋一、野口泉、高並功、那須伸太朗、西田良、たちである。

大正初期に東京に出て、刺青師として修業を積んだ渡世人・相生宇之吉が5年ぶりに大阪に戻ってきたが、大阪はすっかり変わっていた。かつて、彼の背に「一匹竜」の刺青を施した彫師の名人として知られた彫安は、新興の大勧進一家の鬼若組の組長・五郎に苦しめられていた。五郎は兄の彫久を日本一の刺青師に仕立てようとしていて、彫安の存在は邪魔者以外の何物でも無かった。また、影安一家は娘・小雪を遊廓に出さなければならないほど、苦しい生活を強いられていた。今でも彫安を師と迎ぐ宇之吉は、小雪を遊廓から引き戻すために女将・お君に掛け合う。大勧進一家の親分・豊三郎の娘だったお君は宇之吉の熱意に打たれ、小雪を遊廓から返すことを約束したが、そのやりとりを立ち聞きした五郎は、小雪を誘拐し、四国の琴平に売りとばした。それを知った宇之吉は直ぐに四国に渡った。そんな中、英国皇室から刺青の依頼があったため、日本一の彫師の選抜も兼ねた刺青大会が行われることになる。五郎は何としても彫久を日本一の彫師にするためにあの手この手を張り巡らせる。そして、四国の大親分・寅松のはからいで、小雪を連れ戻すことが出来た宇之助を狙う。が、暗殺に失敗し、刺青大会の日を迎えることになった。そして、彫久の優勝が決まりかけるが、宇之吉が彫安作の「一匹竜」を披露すると、会場の雰囲気は一変し、彫安の優勝が決まった。これで自信を取り戻した彫安は再起を誓い、小雪も晴れて自由の身となった。そして、五郎の企みの全てを知った豊三郎は五郎を破門した。五郎はヤケになり、宇之吉を逆恨みして襲い掛かるが、宇之吉に倒される。そして宇之吉は自首しに警察に向かったが、男の仁侠道を守った誇りに満ちて満足していた。

任侠映画としては普通の作品であるが、博奕打ちを主役とした本シリーズの中では異色の作品ということになり、「博奕打ち」のタイトルの元では物足りなさを感じてしまう1本である。が、任侠映画としたらありですが...

シリーズ第3作博奕打ち 不死身の勝負」(1967年)
作品データを記しておくと、1967年の東映京都の作品であって、時間は89分、監督は小沢茂弘、脚本は小沢茂弘と高田宏治の2人、撮影は山岸長樹、美術は大門恒夫、音楽は渡辺宙明である。そして出演は、鶴田浩二、石山健二郎、橘ますみ、木暮実千代、若山富三郎、待田京介、小松方正、藤山寛美、千葉蝶三郎、植村謙二郎、村居京之輔、蓑和田良太、汐路章、結城哲也、江幡高志、牧淳子、丘路千、志賀勝、野口泉、平沢彰、人見きよし、関山耕司、阿波地大輔、木谷邦臣、高並功、西田良、宮城幸生、国一太郎、小島慶四郎、若水淳、唐沢民賢、たちである。

昭和初期、隆盛を誇った筑豊炭田も不景気に追い込まれ、賃下げ、予算縮小で活気を失いつつあった。が、若松の花村海運の女社長・スギはその打開策に反発した。すると、、鉱主の一人である石島の暴力を受ける。そんな所を「爆弾常」の異名を持つ博奕打ちの常太郎に助けられる。常太郎の気っぷに惚れたスギは、番頭格の宮田と義兄弟の盃を交させて、彼を身内に加える。しかし常太郎は、博奕のための金を鉱主の荒尾から借りたため、その金を返すまでという約束で荒尾の仕事をするようになり、荒尾炭坑の出炭量は増える。が、納屋頭・谷口はそれを快く思わず、喧嘩を売られる。が、荒尾とその娘・アヤが常太郎を宥め、その場は切り抜けた。しかし、不満の谷口は石島の許に走り、石島が、荒尾潰しの手を打ってきた。それは、荒尾が取引先の阪神製鉄の借金を即刻返済するか、アヤを阪神製鉄社長の息子の嫁にするという二者択一だった。そんな所に、宮田が、石島が運賃を払わないこと、博奕をやって借金を作ってしまったことから助けを求めに来た。常太郎は頭を下げて謝りに行くが、制裁を受けることになる。荒尾が金でその場を収めたが、石島と荒尾の間は一触即発となってしまう。で、荒尾は阪神製鉄の借金を返すために、石島とさしで博奕の勝負を挑むことにした。しかし、博奕に負け、炭坑の発掘権までも失い、自殺してしまう。その通夜の夜、常太郎は葬い合戦と決め、石島の元に行き、炭坑を賭けてサイコロ勝負を行った。そして、その勝負に勝った。しかし、石島は力尽くで常太郎を消そうとして子分を使って斬りかかった。乱闘の末、常太郎は石島を斬った。そんな所に駆けつけたアヤに、常太郎は炭坑の権利書を渡すと、警官に連れられていった。

本シリーズの特徴が全て含まれているので、本シリーズを楽しむ上では良いが、特にこれという所が無いので、平凡な作品である。まあ、ある意味ではパターンのあるシリーズの中では安心して見ていられる作品ということになるが、こういう作品も時には必要かと...

 

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「博奕打ち」(その2) [映画(邦画)]

今回は、1967年1月に公開された、記念すべきシリーズ第1作について記します。

シリーズ第1作博奕打ち」(1967年)
作品データを記しておくと、1967年の東映京都の作品であって、時間は90分、監督は小沢茂弘、脚本は小沢茂弘、村尾昭、高田宏治の3人、撮影は鈴木重平、美術は鈴木孝俊、音楽は津島利章である。そして出演は、鶴田浩二、待田京介、小池朝雄、若山富三郎、河津清三郎、河野秋武、山城新伍、小倉康子、桜町弘子、橘ますみ、芦屋雁之助、芦屋小雁、藤山寛美、名和宏、国一太郎、野口泉、河村満和、阿波地大輔、西田良、結城哲也、高並功、都賀静子、鈴木錦哉、蓑和田良太、鶴見久子、波千鶴、丸平峰子、たちである。

昭和初期の大阪。一匹狼の博徒・海津銀次郎は弟分の花沢を連れて賭場を歩き回り、見事な腕で荒稼ぎをして廻った。そんな銀次郎を讃嘆の目で見ていたのが黒田一家の桜井だった。ある日、女郎屋錦楼の主人・新吉が博奕で作った黒田一家からの借金を返せないと言って銀次郎に泣きついて来る。銀次郎は新吉の妻・おときから預った金を寺島一家の賭場で10倍に増やし、新吉に渡したが、新吉はその金で縄張りを無視して素人賭場を開いた。黒田は縄ばりを荒されたとして、新吉から金をまき上げ、更に借金の担保だった錦楼を手に入れる。これに悲観したおときは自殺してしまう。通夜の日、新吉は香典を元手にして黒田の賭場に行き、錦楼を取り返そうとするが、逆に全てをすってしまう。花沢は見かねて銀次郎に内緒でイカサマ札を使うが、それを黒田の手下の大関に見破られ、指をつめることなる。その夜、銀次郎は黒田の元に行き、博奕で全て決着をつけようと伝えた。そして勝負が始まる。銀次郎は勝ち続け、桜井との対決になる。桜井は銀次郎への友情から得意のイカサマをしなかったため、勝負は銀次郎が勝った。が、花沢は女のことで大関に殺されてしまい、それを知った銀次郎は大関の元に行って倒し、黒田の元に再び現れる。桜井は黒田を庇いながら銀次郎の短刀に倒れる。銀次郎は黒田を斬り捨て、桜井は銀次郎の腕の中で息絶えた。復讐を果たした銀次郎だったが、桜井の友情と博徒の義理を貫ぬいた須方に感動していた。

博奕打ちの物語であるが、任侠映画の一つのバリュエーションであるため、展開は任侠映画その者である。まあ、こういう感じの物語も宜しいかと...

 

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「博奕打ち」(その1) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズの第58弾として取り上げる作品は「博奕打ち」シリーズです。このシリーズは、鶴田浩二主演の博奕打ちを主役にした物語であるが、完全に任侠映画と言うことの出来るシリーズである。(尚、各作品は、いずれもが鶴田浩二主演であるが、主人公は全く別人であり、博奕打ちということが共通しているだけである。→物語としては完全に独立しているものである。)

東映京都の作品であって、1967年から1972年にかけて、全10作が製作されている。(最初の2年で6作が製作され、以後は1年に1本のペースになります。)

既にいくつかのシリーズでの主演を務めていたり、任侠映画にも多数出演していた鶴田浩二が主演と言うことで、人気を得たシリーズとなった。また、本シリーズの第4作の「博奕打ち 総長賭博」は三島由紀夫が絶賛したことで知られている作品であり、本シリーズの中でも屈指の傑作として知られている作品である。

初回となる今回は、シリーズ作品のおさらいということで、映画化された順番にタイトルを記しておきます。

シリーズ第1作「博奕打ち」(1967年)、シリーズ第2作「博奕打ち 一匹竜」(1967年)、シリーズ第3作「博奕打ち 不死身の勝負」(1967年)、シリーズ第4作「博奕打ち 総長賭博」(1968年)、シリーズ第5作「博奕打ち 殴り込み」(1968年)、シリーズ第6作「いかさま博奕」(1968年)、シリーズ第7作「必殺 博奕打ち」(1969年)、シリーズ第8作「博奕打ち 流れ者」(1970年)、シリーズ第9作「博奕打ち いのち札」(1971年)、シリーズ第10作「博奕打ち外伝」(1972年)。

次回(来年になってからです。)からは、シリーズ順に、それぞれの作品についてを記していくことにします。

 

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「日本侠客伝」(その10) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第57弾として記してきた「日本侠客伝」シリーズは今回限りです。で、残っている作品である。1970年12月公開となったシリーズ第10作と、1971年4月公開となったシリーズ最終の第11作について記します。

シリーズ第10作日本侠客伝 昇り龍」(1970年)
作品データを記しておくと、1970年の東映作品で、時間は117分、原作は火野葦平、監督は山下耕作、脚本は笠原和夫、撮影は吉田貞次、美術は鈴木孝俊、疑斗は谷明憲、音楽は斎藤一郎である。そして出演は、高倉健、藤純子、中村玉緒、片岡千恵蔵、鶴田浩二、伊吹吾郎、荒木道子、遠藤辰雄、小田部通麿、天津敏、島田秀雄、丸平峰子、星野美恵子、河合絃司、矢奈木邦二郎、疋田泰盛、遠山金次郎、木谷邦臣、前川良三、青木卓司、大前釣、諸角啓二郎、東竜子、楠本健二、鈴木金哉、加賀邦男、市川裕二、大城泰、たちである。

前作の続きの物語。大正期、若松の石炭仲仕の小頭である玉井金五郎は、武蔵野温泉に行く仲仕の親分衆の旅行会に同行するが、そこで共同組の友田喜造の子分たちに襲われて、深手を負った。そんな金五郎を救ったのは浅草の女刺青師のお京だった。金五郎に一目惚れしたお京は、金五郎の体に「昇り竜」の入れ墨を彫り込む。やがて傷が癒えた金五郎は、若松に戻るが、パナマ丸の荷役をめぐる争いから、共同組と一触即発になっていた。そして友田は金五郎に喧嘩状を叩きつけ、金五郎はそのことを誰にも話さずに一人で指定の場所に向かう。金五郎を慕うお京も若松にやって来るが、金五郎にはマンという恋女房が居ることを知り、ショックを受けるが、一触即発状態を知り、何とかして金五郎とマンを助けるために、島村ギンに2人の仲裁を願い出る。ギンはお京の心を知り、2人の仲裁を行った。が、手打式で金五郎が小頭組合のことを問題にすると、再び険悪なムードになる。しかし、そこに同席していた代議士・吉田が組合問題を了承し、友田を説得し、丸く収まった。それから数年が流れ、昭和になった。金五郎と友田は、失業者たちの転業資金援助問題で対立していた。金五郎は、ギン、小倉の元博徒・島崎の助けで市民大会を開催したが、その会場に友田が乱入し、ギンが殺されてしまう。金五郎は翌日、友田の所に乗り込むが、その場は吉田の仲裁で引き下がった。その頃、お京は病気で、長く生きられないことを知る。で、金五郎に会いに若松にやってきた。金五郎はそんなお京を武蔵野温泉に連れて行く。そこでお京は、金五郎の背に彫られた「京」の文字を墨で塗りつぶし、心も体もマンに返す儀式を行い、息絶えた...

本シリーズ初の試みとして、前作の続編という物語にしたのだが、「続編というものは...」ということになってしまったのは残念でした。(前作と足して、内容的に整理して120~130分ぐらいにまとめたら良かったでしょうに...)

シリーズ第11作日本侠客伝 刃(ドス)」(1971年)
作品データを記しておくと、1968年の東映作品で、時間は97分、監督は小沢茂弘、脚本は笠原和夫、撮影は吉田貞次、美術は鈴木孝俊、音楽は津島利章である。そして出演は、高倉健、十朱幸代、藤浩、辰巳柳太郎、池部良、大木実、山本麟一、玉川良一、汐路章、野口貴史、渡辺文雄、小田部通麿、有川正治、阿波地大輔、白川浩二郎、青木卓司、小峰一男、林彰太郎、本健二、京町一代、西岡絵里子、小島恵子、国一太郎、平沢彰、那須伸太朗、香月涼二、唐沢民賢、丘路千、加藤博、たちである。

明治中期、博多で車夫をしていた松吉は事件を起こし、金沢に流れていく。空腹で倒れた松吉を介抱したのは稲垣芳恵という女だった。彼女は弟・伸太郎に医学の勉強をさせるために、小芳という名前で芸者として働いていた。松吉は、恩人である小芳を身請けするために、北陸逓送馬車会社に勤めることになり、一心不乱に働いた。その頃伸太郎は政治運動に走り、救国社に加わり、代議士の青山の命を狙っていた。そんな青山が帰郷することになり、救国社から身を守るため、黒田に護衛を依頼する。弟のことを知った小芳のために松吉は、救国社に殴り込んで伸太郎を連れ出して、金沢を去った。5年後、衆議院総選挙か行われるが、野党には大弾圧が下される。金沢では荒れに荒れて、救国社は白昼でも暴れ回り、警察も見て見ぬ振りをした。また、北陸逓送は青山を支援している琴が分かると、仕事を奪われ、倒産してしまった。そんな金沢に戻ってきた松吉は、青山が小芳の料亭をアジトにして選挙活動をしていることを知り、その力になることを決める。そんな中、青山の護衛をしていた黒田が殺され、青山も負傷した。松吉の怒りは爆発し、救国社に殴り込み、かつて男の絆で結ばれた御家政と対決し、相打ちになって果てた...

任侠映画であるが政治色を出したことが話を複雑にしてしまい、ボタンを掛け違えたように感じられる。そのため、歯切れの悪さも感じてしまう。まあ、他の事情があるとはいうものの、シリーズの終焉を感じさせてくれる作品らしい要素のあるものでした。

 

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「日本侠客伝」(その9) [映画(邦画)]

今回は、1969年5月に劇場公開された、シリーズ第9作について記します。この作品は実在の人物をモデルにした小説を脚色した物語ということで、シリーズの中では異才を放っている作品の一つである。

シリーズ第9作日本侠客伝 花と龍」(1969年)
作品データを記しておくと、1968年の東映作品で、時間は112分、原作は火野葦平、監督はマキノ雅弘、脚本は棚田吾郎、撮影は飯村雅彦、美術は藤田博、音楽は木下忠司である。そして出演は、高倉健、星由里子、二谷英明、津川雅彦、水島道太郎、山本麟一、小松方正、和崎俊也、水上竜子、高橋とよ、三島ゆり子、上田吉二郎、天津敏、藤純子、若山富三郎、織田英子、山本緑、谷本小夜子、遠藤辰雄、相馬剛三、内田朝雄、河合絃司、南風夕子、小林稔侍、北川功、小塚十紀雄、岡野耕作、打越正八、たちである。

日露戦争が終結した頃、玉井金五郎は親友の大田新之助の元で沖仲仕を始めた。そして、腕と度胸で男を上げ、組長・山尾にも気に入られる。そんな彼が大村組との喧嘩で怪我をした時、林助の妹・マンが見舞いに来て、その時にマンにライターを送った金五郎。が、このライターが元で、金五郎が九州一の大親分・吉田に面会することになった時、ちょっとしたことから伊崎と吉田に頭を下げさせる事件に発展してしまう。で、報復を恐れた山尾は金五郎を追い出してしまう。2年後、マンと夫婦になった金五郎は永田組に籍を置いていた。が、永田組は伊崎組を筆頭とする共働組合と対立していた。伊崎のさし回しでこの地に乗込んできたお京と知り合った金五郎。伊崎は永田組に圧力を掛けてきて、新之助たちは伊崎に身を売り、永田組を荷役から引かせるため契約書を作ってしまった。昔の仲間の裏切りに怒った金五郎は決闘を申入れるが、その場は島村の仲裁で治まる。しかし、永田は次の策を練っていて、金五郎に自らの組・玉井組を起こさせる。そして、その歓迎会が行われた帰途に永田は金五郎たちを狙った。そして林助が殺され、永田組が持っていた仕事を荷主に圧力を掛けて奪ってしまった。これに怒った金五郎は、新之助の加勢を得て、伊崎の所に乗り込んでいって、伊崎を倒したのだった。

実話を元にした作品であると言っても、やはりお馴染みの任侠映画らしい展開に脚色されているので、シリーズからはみ出している訳ではない。が、元になる物語があって、主人公・金五郎をじっくりと描いていることもあって、それだけで迫力と重みを感じる作品に仕上がっている。じっくりと堪能したい作品である。

 

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「日本侠客伝」(その8) [映画(邦画)]

今回は、1968年の唯一の作品で、同年2月に劇場公開されたシリーズ第8作について記します。

シリーズ第8作日本侠客伝 絶縁状」(1968年)
作品データを記しておくと、1968年の東映作品で、時間は94分、監督はマキノ雅弘、脚本は棚田吾郎、撮影は わし尾元也、美術は井川徳道、音楽は木下忠司である。そして出演は、高倉健、待田京介、松尾嘉代、渡辺文雄、菅原謙二、藤山寛美、曽根晴美、遠藤辰雄、桑原幸子、宇佐美淳也、小島慶四郎、国一太郎、五十嵐義弘、遠山金四郎、川浪公次郎、加藤匡志、岡田千代、中村錦司、伊井友三郎、東龍子、林彰太郎、有川正治、原健策、加藤浩、白川浩三郎、香月淳二、藤本秀男、畑野ヒロシ、唐沢民賢、木谷邦臣、小山田良樹、宮城幸生、那須伸太朗、丘路千、上杉高也、西田良、たちである。

東京に大きな努力をもつ天盟会。その会長・橋爪は警視庁の暴力団取締り頂上作戦で逮捕され、獄中に送られた。天盟会傘下の浜田組、平井組、伊坂組は、会長が戻ってくるのをおとなしく待つことにした。それから3年が流れた現在、天盟会傘下の上野組だけが会長不在の間でも勢力を伸ばし、悪どい方法で縄張りを広げていて、上野は天盟会会長の座を狙っていた。一方、浜田は次期会長と目されて、他組の親分の間でも人望が高かったため、上野は特に浜田組の縄張り内で暴れていた。そして、浜田組の資金源となっている賭場を上野が警察に密告し、浜田組は窮地に追い込まれる。浜田は新年会で天盟会の乱れを諌めたが、上野は浜田をせせら笑うだけだった。浜田は刑務所に橋爪を訪ね、乱れた会の現状を伝え、会の解散を願い出る。が、橋爪は認めなかった。そんな浜田は、橋爪の健康状態が悪いこともあって、会を解散すれば橋爪を釈放すると警察から内示を受ける。すると浜田は、浜田組の単独解散を行い、組員を全て足を洗わせて、自分も堅気になって完全に足を洗った。しかし、それから上野は元浜田組の組員たちを襲っていく。そんな中、橋爪は釈放されて戻ってくる。上野の悪どさを知り、平井に浜田を呼びに向かわせるが、平井は上野に襲われる。瀕死の重傷を受けた平井は、浜田に全てを話すと息を引き取った。義兄の死で浜田の怒りは爆発!白鞘の長脇差を手にして上野組に殴り込んだ。そして上野組を壊滅させた。

任侠映画としては特に可もなく不可もなしという普通の作品として進んでいくものの、クライマックスの殴りこみの所はやっぱり見せてくれますね。ストーリーとしてはお約束とはいうものの、主人公のラストの活躍が心地良さを与えてくれるので、このジャンルの作品の良さを改めて教えてくれる作品である。

 

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「日本侠客伝」(その7) [映画(邦画)]

今回は、1967年に劇場公開されたシリーズ第6作と第7作の2本についてです。第6作は1967年1月に、第7作は同年9月に劇場公開されている。尚、次作以後のシリーズは年に1本のペースでの公開へということになります。

シリーズ第6作日本侠客伝 白刃の盃」(1967年)
作品データを記しておくと、1966年の東映作品で、時間は94分、監督はマキノ雅弘、脚本は中島貞夫と鈴木則文の2人、撮影は、わし尾元也、美術は川島泰三、音楽は斎藤一郎である。そして出演は、高倉健、藤純子、長門裕之、大木実、松尾嘉代、三島ゆり子、宮園純子、伴淳三郎、砂塚秀夫、天津敏、菅原謙二、小林勝彦、林彰太郎、植村謙二郎、汐見洋、楠本健二、永山一夫、加藤浩、小島慶子、原健策、清水元、新城みち子、山中みな子、中村錦司、浪花五郎、熊谷武、島田秀雄、鳳信子、那須伸太朗、疋田圀男、前田良三、内田朝雄、小池修一、香川良介、たちである。

千葉・銚子の博徒・外川一家は、親分の死によって解散し、現在では若親分・正一郎を助けて堅気な運送業を始め、順調だった。が、元幹部の根占も独立して運送業を開業し、ことあるごとに外川運送と衝突していた。そんな中、東京から大多喜が流れてきて、外川運送で働くことになる。一方、根占は、外川運送を乗っ取るために「合併」ということを画策し、外川運送のトラックを転覆させて運転手を死亡させてしまう。正一郎は堅気になった以上は暴力で復讐することを禁じ、耐える。根占の悪行は更にエスカレートして、仲間の江夏の妻をお菓子、彼女は自殺し、その仇を取ろうとした江夏は元幹部で現在は料亭で調理士をしている大五郎と組み、根占の元に乗り込むが、返り討ちに遭って殺されてしまう。そんな中、正一郎は大多喜に、東京に戻るように勧めるも、正一郎が単身で殴り込んでいく決心を知った大多喜は、部屋にあった大槍を抱えて飛出し、根占の悪事に必死で耐えていた正一郎の意思を大事にして、自らが根占の所に乗り込み、大暴れして根占を倒した。

特にこれというものは無い、平凡な任侠映画であるが、ラストで主人公が殴り込んだところで、ガソリンに火を付けて燃え上がらせるという派手な所がある。こういう派手な部分は悪くないのだが、もう少し人間ドラマに重みが欲しいと感じられる作品でした。

シリーズ第7作日本侠客伝 斬り込み」(1967年)
作品データを記しておくと、1966年の東映作品で、時間は92分、監督はマキノ雅弘、脚本は笠原和夫、撮影は山岸長樹、美術は井川徳道、音楽は斎藤一郎である。そして出演は、高倉健、藤純子、金子信雄、潮健児、香川良介、天津敏、石山健二郎、南田洋子、長門裕之、大木実、斎藤信也、那須伸太朗、畑中伶一、林彰太郎、五十嵐義弘、阿波地大輔、川谷拓三、江木健二、高並功、相原昇、島田秀雄、大城泰、前川良三、野村鬼笑、市川裕二、浪花五郎、木谷邦臣、池田謙治、源八郎、大河内広太郎、佐々木松之丞、奥野保、東龍子、たちである。

「腕斬り真三」と呼ばれている一匹狼の渡世人・中村真三は、旅の途中で5歳になる一人息子・秀男が病気になり、ある港町で土地の顔役・源蔵に雇われる。秀男は源蔵の一人娘・お京を慕い、真三もまたお京に愛情を抱く。また、源蔵は、かつて新宿の露天商でまっとうな同盟を作ろうとしたが失敗した経験があって、それを真三に託すことにした。新宿では、弁天福や仙太郎たち露天商がどの一家にも属さず、街商同盟を組織していたが、板橋の相州一家が新宿を縄張りにしようと画策していた。お京たちと上京した真三は露天商として店を出す。まもなく、真三とお京は結婚する。街商同盟と相州一家の対立は、関東花若一家の総長・若松が仲裁に入るが、相州一家の悪行はエスカレートしていく。また、若松一家が新宿を狙っているという噂が広がり、一触即発状態になる。が、若松の人柄を信じる真三は、その噂を打ち消すために、自ら一家・中村組を旗揚げし、関東一円の親分衆からそれを認められる。そんな時、源蔵の訃報が届く。改めてお京を幸せにすると決意する真三。が、若松が相州一家に襲われ倒れたと知ると、遂に立ち上がることを決意した。そして中村一家が相州一家に殴り込みをかけた。そして激闘の末、真三は相州一家を叩き潰した。

前作よりは人間描写がよく出来ているのだが、派手な所が少なく、平凡な任侠映画の範疇の1本でした。

内容的には、この2本は普通の任侠映画の範疇に入るものであるが、1本は「派手さ」が、もう1本は「人間描写」が、良く出来ている。(が、それ以外は...)この2本を足して2で割れば、丁度良い具合の作品になったでしょうね...

 

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「日本侠客伝」(その6) [映画(邦画)]

今回は、1966年9月に劇場公開されたシリーズ第5作についてです。

シリーズ第5作日本侠客伝 雷門の決斗」(1966年)
作品データを記しておくと、1966年の東映作品で、時間は94分、監督はマキノ雅弘、脚本は野上竜雄、撮影は山岸長樹、美術は川島泰三、音楽は斎藤一郎である。そして出演は、高倉健、藤純子、島田正吾、村田英雄、待田京介、藤山寛美、長門裕之、水島道太郎、ロミ山田、新城みち子、宮城千賀子、天津敏、井上昭文、内田朝雄、国一太郎、川浪公次郎、脇中昭夫、名護屋一、岩尾正隆、相原昇、佐々木松之丞、大河内広太郎、大城泰、佐藤綾子、小島恵子、坂東京三郎、前川良三、矢奈木邦二郎、沢彰謙、熊谷武、波多野博、山下義明、村田天作、丘路千、北川俊男、丸平峰子、藤川弘、野村鬼笑、波千鶴、中山栄子、高見理加、たちである。

浅草の興業街では、やくざの聖天一家と観音一家が対立して、ことある毎に事件となっていたが、今では聖天一家の平松源之助が堅気となり、平松興業をおこし、朝日座を中心に芝居を打っていて、様子が変わっていた。そんな中、観音一家が人気のある朝日座乗っとりを企み、源之助に横槍を入れてきた。そんな時に、船乗りになっている源之助の息子・信太郎が久しぶりに帰って来くる。信太郎には、楽屋番をしながら源之助を陰から支えている老侠客・中川喜三郎の娘・千沙子といい仲になっていた。で、信太郎を歓迎する宴がその夜行われるが、源之助は観音一家に朝日座を明け渡すと自殺してしまった。信太郎が平松興業の二代目を継ぐことになって新たな船出をしようとするが、以後、観音一家の妨害は激しくなる。大正館が初日の興行にこぎつけるも、あっさりと潰されてしまう。喜三郎の助言で、日本一の浪曲師と言われる梅芳を動かすことに成功し、その興行の準備が進められる。しかし大正館は、観音一家の横槍が入って喧嘩沙汰となり、一ヶ月の営業停止処分を受けることになってしまう。更に、興行が出来ないことから、梅芳の所属する大浜興業から違約金を請求される。平松興業の正一、弁吉、栄作たちも金の工面に奔走するが、金は出来なかった。そんな時、亡き源之助の客分・銀次が、観音一家の噂を耳にしたと言って、旅から戻ってくる。銀次は彼に惚れぬいていた女剣戟一座の座長・歌江に別れを告げると、喜三郎と共に観音一家に殴り込み、代貸の青木を倒すも、警察に逮捕され、喜三郎は観音一家親分・風間の拳銃に倒れた。信太郎は、最後の挑戦として「大震災復興三周年記念興業」を開くが、またも観音一家に邪魔される。そして、もはやこれまでと覚悟を決めると、形見の拳銃を懐にしまって弁吉と出かけ、殴り込んだ。

お馴染みの展開で進んでいくが、小屋での興行の所で、興行の舞台裏などに触れていて、ちょっとした面白い所を見られることになる。業界独特のルールなども出てくるので、任侠映画とは別の部分で面白い所もある。そういう所にも注目して鑑賞すると宜しいかと...

 

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「日本侠客伝」(その5) [映画(邦画)]

今回は、1966年2月に劇場公開されたシリーズ第4作についてです。

シリーズ第4作日本侠客伝 血斗神田祭り」(1966年)
作品データを記しておくと、1966年の東映作品で、時間は95分、監督はマキノ雅弘、脚本は笠原和夫、撮影は、わし尾元也、美術は川島泰三、音楽は斎藤一郎である。そして出演は、高倉健、鶴田浩二、藤純子、大木実、藤山寛美、長門裕之、里見浩太郎、山本麟一、中原早苗、野際陽子、河津清三郎、東竜子、原健策、柳生博、山城新伍、内田朝雄、天津敏、遠藤辰雄、汐路章、近藤宏、阿部九州男、小林勝彦、団徳麿、高松錦之助、潮健児、浜田延一、大城泰、相原昇、鈴木金哉、丸平峰子、牧淳子、小田部通麿、国一太郎、江木健二、大前均、楠本健二、小島恵子、堀広太郎、大江光、佐々木松之丞、大井田勝太、野村鬼笑、市川裕二、藤川弘、近松竜太郎、土橋男、岩尾正隆、高並功、那須伸太朗、野口泉、たちである。

神田の呉服問屋・澤せいは、老舗を誇っていたが、最近は商売の方はさっぱりになっていた。七代目を継いだ伸夫は資金繰りを焦り、賭博に手を出し、借金が一段とかさんでいた。で、隠居した六代目・清兵衛や恋女房の花恵たちは困惑していた。澤せいの土地を狙っている大貫一家は伸夫を博打に誘い、これまでの借金を一発逆転で返すことを考えた伸夫を上手くイカサマに引っ掛けて、権利書の全てを奪おうとした。それを伸夫の幼馴染みで、神田十一番組の纒持・新三が聞きつけ、芝に現れ、大貫一家のイカサマを見破り、伸夫を救った。しかし、その夜、大貫は代貸のお化粧為に命じ、伸夫を殺害し、澤せいに火を付けた。そして、目撃者が居なかったことを利用して、大番頭の伊助を脅迫して、この火事は保険金欲しさに伸夫が放火したものであり、伸夫は自殺だったと証言させた。それを知った新三は、大貫たちのイカサマ賭博を訴え、借財の無効を裁判で争うことを考えて、弁護士を雇う。しかし、大貫一家はその弁護士たちを脅迫し、裁判から手を引かせようとする。あまりにも悪辣な大貫一家のやり方に憤怒した元大阪淀半一家の長次は、大貫一家に匿われている義理をも捨てて新三に味方した。澤せいは新たに新築工事が進んでいくが、大貫一家の妨害は続く。さして、澤せい側に立つ長次は大貫に殺される。遂に堪忍袋の緒が切れた新三は、神田十一番組の組員証を人伝手に組長に返し、単身で大貫一家と対決する。そには新三の身を心配した鳶職仲間の鉄次や梅も駆けつけた。そして新三たちは激闘の末に大貫一家を全滅させ、新三は警察に自首をしたのだった。

展開としてはオーソドックスな東映任侠映画の範疇に入る作品である。前作がイレギュラーな感じの任侠映画であったことを考えると、あまりにもオーソドックス過ぎるように感じられるが、定番過ぎる展開というまは逆に安心できる所でもある。ということで、まあよろしいかと...

 

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「日本侠客伝」(その4) [映画(邦画)]

今回は、1965年8月に公開されたシリーズ第3作について記します。

シリーズ第3作日本侠客伝 関東篇」(1965年)
作品データを記しておくと、1965年の東映作品で、時間は94分、監督はマキノ雅弘、脚本は野上竜雄、村尾昭、笠原和夫の3人、撮影は吉田貞次、美術は富田次郎、音楽は斎藤一郎である。そして出演は、高倉健、長門裕之、北島三郎、大木実、南田洋子、藤純子、丹波哲郎、鶴田浩二、待田京介、遠藤辰雄、丹羽又三郎、天津敏、遠藤辰雄、原健策、加賀邦男、東龍子、西崎さかえ、山城新伍、曽根晴美、田中春男、加藤浩、汐路章、森三千代、堀正夫、源八郎、村居京之輔、阿部九洲男、片岡栄二郎、藤木錦之助、五里兵太郎、熊谷武、佐々木松之丞、唐沢民賢、山本麟一、鈴木欣也、関山耕司、潮健児、佐藤晟也、名護屋一、山下義明、森源太郎、浪花五郎、宮崎千鶴、勝山まゆみ、疋田圀男、西田良、高並功、佐々五郎、野口泉、丸平峰子、たちである。

築地魚河岸の老舗店・江戸一は、父亡き後、男勝りの長女・市川栄が切り盛りしていた。風来坊の船乗り・緒方勇はふとしたことから知り会った小揚の磯村松夫の紹介によって、江戸一で働くことになった。しかし、江戸一の商売は芳しくない状態だった。というのは、東京魚市場協同組合理事長・郷田勢之助が石津組のやくざを使って魚市場を牛耳っていたためで、小売人に対して江戸一との取引を妨害していたためだった。しかし、老舗の江戸一に味方する人たちはいて、小揚組合長の三谷、栄の妹・光子と恋人・松夫たち、そして緖方たちは理事長のやり方に反発して、江戸一を支えていた。そんな中、日南物産の森田が、香港帰りのカナダ船が大量の鮪を売りたがっているという話を持ってきた。栄は外国と取引できれば活路を見いだせるとして、何とか取引できるようにしようとするが、理事長はそのカナダ船の水揚げを禁止したことで、取引は流れてしまった。これに起こった松夫は、理事長を暗殺使用とするが、銃弾は理事長ではなく石津組親分を射殺してしまった。で、石津組から松夫は追われることになる。そんな中、松夫は、かつて、栄の父に世話になり、朝鮮に行っていた江島勝治に助けられた。江島は江戸一の恩に報いるため、石津親分射殺事件の責を負った。理事長のあくどさは更に拍車が掛かり、三谷はそれに見かねて、網元との直接取引を勧め、焼津の網元頭・八十川との取引が成立した。しかし、理事長はその取引の陸揚げを妨害した。遂に、堪忍袋の緒が切れた松夫は江島と共に郷田の事務所に殴り込む。冷静な江島の制止も聞かず、松夫は血気にはやり、大暴れとなるが、やくざ相手には歯が立たず、逆に殺されてしまう。江島は遂に怒りを爆発させて、理事長を倒した。魚河岸の騒動も落ち着き、江島は警察に自首をした。数ヶ月後、網走に服役する江島から手紙が届き、彼は元気で服役しているということだった。緖方は魚河岸で一生暮らすことを決意し、栄も江戸一を守り抜くことを改めて決意した。

普通の任侠映画であれば、一匹狼的な存在の主人公が中心になるが、本作ではそういう一匹狼的な存在がいないということと、中心になっている人物が先頭に立っていないということで、異色の作品と言って良い。が、任侠映画を多数制作している東映作品であるので、抑えるところはしっかりと抑えているのは言うまでもない。

時にはこういう異色の作品も良いですね。何せ「任侠映画」というと、どうもパターンが一つになっている傾向が強いですから...

 

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