SSブログ

J. GEILS BAND『BLOODSHOT』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1973年に発表された彼らの4th.アルバムであって、初めて全米TOP 10入り(最高位は10位である。)を果たしたアルバムである。(1981年の「FREEZE FRAME」が全米No.1アルバムとなったが、それまでは彼らの最大のヒット・アルバムであって、現時点でも彼らの発表したアルバムでは2番目に大きなヒットとなったアルバムである。)但し、残念ながら本アルバムは年間アルバム・チャートのTOP 100にはランクインしていない。

収録曲は以下の全9曲である。『(Ain't Nothin But A) House Party』『Make Up Your Mind』『Back To Get Ya』『Struttin' With My Baby』『Don't Try To HideYourself』『Southside Shuffle』『Hold Your Loving』『Start All Over Again』『Give It To Me』。

この中からシングル・カットされたのは2曲である。(1981年のアルバム「FREEZE FRAME」からのシングルが彼らの最大のヒット・シングルになったが、それまでは彼らの最大のヒット・シングルもここから生まれている。)1st.シングルの『Give It To Me』はBillboardで最高位30位を記録した。そして2nd.シングルの『Make Up Your Mind』は同チャートで最高位98位を記録している。

お薦め曲としては、ヒット曲の『Give It To Me』と、『Make Up Your Mind』『(Ain't Nothin But A) House Party』『Southside Shuffle』『Start All Over Again』ちいう所をピックアップしておく。

当時の彼らは、ライヴは定評があったが、アルバムではその持ち味が出し切れていないと言われていた。そういう所がこれまでのアルバムには現れていたが、本アルバムではその殻を破ることに成功していて、演奏の方も一皮剥けたものを見せることになった。そのため、それなりのヒットになったのも当然である。

彼らの発表したアルバムでは、1981年の「FREEZE FRAME」が名実共にNo.1アルバムであるが、本アルバムでの脱皮があったからこそ、後の彼らがあると言っても良い。それだけに、彼らを聴く場合は外すことの出来ないアルバムとして、しっかりと聴いておきたい所である。

 

Bloodshot

Bloodshot

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Atlantic / Wea
  • 発売日: 1996/02/23
  • メディア: CD

ブラッドショット

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: イーストウエスト・ジャパン
  • 発売日: 1990/09/25
  • メディア: CD

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

ケータイ刑事銭形雷16話[裏ネタ編]PART 2 [ケータイ刑事]

今回からの「銭形雷・裏ネタ編」は第16話の「推理王は誰だ? ~名探偵の助手殺人事件」に突入です。今回はサブタイトルにある言葉から「推理王」について、「名探偵」について、「助手」について記します。尚、「助手」については「・25話(2nd.12話)[裏ネタ編]PART 8」で記したものをベースにして加筆しました。

また、BS-iの本放送時に記した記事は2006/4/16付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。

推理王」:「推理」とは、予め知られていることから、論理的な道筋を追って考察、検討して新しい知識、結論を導き出すことである。(既知の事柄を「前提」と呼び、導き出された新しい事柄を「結論」と言う。)前提が1つしか無い場合でも結論を導き出すことは可能であって、この場合は「直接推理」と言う。また、複数の前提から導き出される結論は「間接推理」と言う。(犯罪事件で犯人を推理する場合は、1つの証拠からではなくて複数の証拠から推理することになるので、間接推理になるのが基本である。)

また、ここで言う所の「王」とは「首位にあるもの」「第一人者」と言う意味であって、君主のことを言っているのではない。

ということで、「推理王」とは、推理する能力の長けた人物のことである。一応、その世界での「第一人者」ということになるが、「第一人者」とは特にそう言う地位があるものではなく、同じ世界の人から、その人に勝るような人はいない、と言われるような人物であって、タイトル決定戦の様なことが行われ、その優勝者という訳ではない。但し、推理クイズ番組などでは、優勝者を「推理王」と呼ぶような場合があるが、それはその大会に出場した人の中で最も優れていた人というだけであって、世の中の誰からも「その人が第一人者である」と認定された訳ではない。

それを考えると、この物語で「推理王」を決めようとしていた吉澤会長は、予め、候補者を絞っていて、しかも一流どころを外していたというだけに、完全な自己満足の世界であって虚しいですね。授賞式の会場(客席)にいたのが雷ちゃんと少女1人の2ニンしかいなかったというのも頷けるところでありますね。

名探偵」:「探偵」とは、密かに他人の事情や犯罪の事実などを探ること、若しくはそれを職業としている人のことである。(言い方を変えると「調査業」の就業者ということになる。)但し、興信所が行う調査とは別物とされている。(調査内容によっては重なる場合もある。)主な調査は、素行調査、浮気調査、人捜し、信用調査などである。また、警察が行う犯罪捜査の調査員(要するに刑事のこと)はこれには含まれない。つまり、探偵はあくまでも民間人である。

そんな探偵の中でも、敏腕、辣腕の探偵のことを特に「名探偵」と言う。(能力が高く、「名人探偵」という意味である。)特に小説の世界では、警察に変わって、(刑事)事件を調査し、難解な中から真犯人を割り出すという「推理小説」が定番になっていて、そこでは「名探偵」と呼ばれる敏腕、辣腕の探偵が活躍する。

但し、「名探偵」はあくまでも周囲から呼ばれるものであって自称「名探偵」というのは胡散臭いだけである。→そう言う探偵のことを「名探偵」と同音であって、かつ、意味として真逆になる「迷探偵」と言う言葉を使うことがある。(こういうところが表意文字である漢字ならではの表現でもある。)「ケータイ刑事」では「迷探偵」は色々と登場しているのはご存知の通りである。

フィクションの世界では数多くの名探偵がいるが、そんな中でも代表的な存在であるのがシャーロック・ホームズ、エルキュール・ポアロ、ミス・マープル、金田一耕助、明智小五郎と言ったところである。(いずれもが世界的に知られている。)この物語では、そんな名探偵の中からホームズと明智小五郎をモデルとしてパロディにしたキャラクターが登場しているが、こういう所は「ケータイ刑事」らしい所である。(ちなみに、「ケータイ刑事」では、怪人十面相の一連の物語で、ホームズ、ポアロ、金田一をモデルにしたパロディ探偵が登場している。)

尚、この物語に登場した刑事ボロンコの妻・ミセス・ボロンコについては、元ネタは「刑事コロンボ」であるが、コロンボはロス市警の刑事であるため、探偵ではない。→こういうところが、ホームズ、明智小五郎という名探偵と共に、探偵ではない人物をモデルにしていることで、この物語の登場人物が如何にも胡散臭いと感じさせる設定の巧みさに繋がっている。

尚、アメリカでは元警官、元CIA、元FBIという人が退職後に探偵となる場合が多く、日本でも元警察官が探偵になるというのは珍しいことではない。それを考えると、この物語で語られている時点ではボロンコは刑事であって探偵ではないが、将来、警察を退職した後には探偵になるということも十分に考えられるため、将来的なことまで考えると間違っていないのかも知れませんが...(但し、刑事として殉職して退職という可能性も完全に否定できないだけに...)

助手」:仕事の補助、手助けをする人のことである。英語では「Assistant」と呼ばれる。様々な所で仕事を助ける人は存在していて、「○○アシスタント」という名前で呼ばれているが、これらは全て「助手」ということになる。また、仕事内容から考えると、広義では「秘書」も「助手」に含まれることになるのだが、一般的な認識として「秘書」は「助手」には含まれない別の存在となっている。

また、日本語では「アシスタント」と呼ばれているものと「助手」と呼ばれてるものとでは、広義では同じであるが、狭義では別のものである。「助手」というと、主に教育機関で教授の手助けをする人、というイメージが一般的である。そのため、何処か知的なイメージやちょっとお堅いというイメージで認識されている。一方、「アシスタント」というと、漫画家のアシスタントや、オーケストラのアシスタントというように、芸術関係に於いてメインとなる漫画家やオーケストラの演奏者の手助けをする人というイメージがある。また、放送業界ではテレビ局の番組製作に於けるAD(アシスタント・ディレクター)などでは、こき使われる下っ端というイメージがある。その一方で、テレビ番組に出ている「アシスタント」となると、一般に女性であって、番組に華を添える存在というイメージがあって、これらが定着している。

尚、大学などの教育機関に於ける「助手」は、職階であり、「助手」という名称の学校職員がいる。(これは英語で「Reader」という。)大学に於ける「助手」の役職は、教授や助教授の職務を助けるのが職務であり、仕事の補助、手助けをするということでは意味の通りである。(2007年の学校教育法の改正によって「助教授」が廃止され「准教授」が設置されることになったが、厳密には「助教授」が「准教授」という名称変更ではない。「助教授」は「教授の職務を助ける」ことが職務であるが、「准教授」の職務は「教授」と同じである。)当然、自分の研究を行うという職務もあるのは言うまでも無い。また、大学の授業を行う助手もいる。

それ以外でも、様々な職業で「助手」は重要な役割を担っている。(乱暴な言い方をすると、アルバイトで雇われる人も「助手」ということが出来る。)良く知られているのは、漫画家やデザイナーのアシスタントと呼ばれる人がいる。(彼らの仕事は、漫画家やデザイナーの仕事を助けるのが職務であるのは言うまでも無いが、同時に修行中の身であって、将来の独立を目指しているのが一般的である。)

その他の助手ということでは、一部の家が雇う家政婦やメイドなども該当することになる。(特に「お手伝いさん」と言われる人は典型的な(主婦の)「助手」と言うことが出来る。)尚、この家政婦やメイドといった「助手」の場合はも英語では「Helper」と呼ばれる。

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 2

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 2

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

世界の名探偵50人―あなたの頭脳に挑戦する (ワニ文庫)

  • 作者: 藤原 宰太郎
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 1984/01
  • メディア: 文庫

続 世界の名探偵50人―知的興奮をもう一度 推理と知能のトリック・パズル (ワニ文庫)

  • 作者: 藤原 宰太郎
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 1993/12
  • メディア: 文庫

世界の名探偵がよくわかる本

世界の名探偵がよくわかる本

  • 作者: 知的発見!探検隊
  • 出版社/メーカー: イーストプレス
  • 発売日: 2009/09
  • メディア: 単行本

ミステリー大集合世界の名探偵 全10巻

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 2001/03/01
  • メディア: 単行本

 

↓泪ちゃんを演じた黒川芽以さんが助手として出演している番組の書籍が出ました。

CD付き NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス

CD付き NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス

  • 作者: 『NHKクラシックミステリー名曲探偵アマデウス』制作チーム
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2010/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

ケータイ刑事銭形零4話[裏ネタ編]PART 6 [ケータイ刑事]

今週は「名曲探偵アマデウス」がお休みだったため、ピンチヒッターとしてちゃんに登場して貰います。尚、来週11/22の「名曲探偵アマデウス」はファイルNo.079のモーツァルト「ピアノソナタ イ長調 トルコ行進曲付き」です。また、11/29はファイルNo.080のチャイコフスキー 「バレエ『白鳥の湖』」の登場です。


銭形零」の第4話「露の秘宝を守れ! ~銭形零探偵団VS怪人八面相事件」の裏ネタ編・増補の5回目となる今回は、「露の三宝」に関する事柄から、「梅干し」について、「安藤帯刀」について、「真珠」について、「お茶の種」について、「白山神社」について、「秦澄」について記します。尚、「梅干し」については「・23話[裏ネタ編]PART 2」で記したものをベースにして加筆しました。

また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/2/10日付です。)

梅干し」:梅の実を塩漬けにして、それから日光に晒して干した食品である。漬物の一つである。一般的には梅の実だけを使うのではなく、塩漬けにする際、赤ジソの葉を加えて一緒に漬けることで紅色に着色している。(天然の色素による着色である。)

古くから日本にある食品であって、貯蔵食品として利用されてきたものである。また、解熱作用や疲労回復という薬効があることから、薬としても使われていたのをはじめ、防腐、抗菌効果があることで、弁当やおにぎりに入れられる。(但し、減塩梅干しとよばれる塩分を減らした梅干しでは、この効果は期待出来ないので、注意が必要である。)

日本では、平安時代に薬として使われたという記録があり、戦国時代では消毒薬として盛んに使用されていたという記録がある。(当然、保存食としても使われたため、重要物資であった。)

また、「梅干し」と言うと「日の丸弁当」があまりにも有名であるが、昭和初期にはアルミ製の弁当箱に穴が開くということが問題になった時期がある。(梅干しの成分がアルミを溶かすためである。)これは梅干しの防腐、抗菌効果を利用してものでもある。尚、現在でも弁当に梅干しを入れるのは当たり前になっており、コンビニや弁当屋の弁当には梅干しが当たり前のように入っている。しかし、最近では梅の実を塩漬けにしただけで日干しをしていない梅の実を使っているものもある。塩漬けにされていると防腐、抗菌効果はそれなりにあるものの、「日干し」をしていないものは正確には「梅干し」ではなくて「梅漬け」である。(干していないものを「干し」というのはおかしい。)

特に、紀州産(和歌山県産)の梅干しは余りにも有名であって、高級品としても広く知られている。(国産梅干しの6割は和歌山県産である。)但し、高級梅干しの代名詞になっている南高梅を使った梅干しは、歴史は浅く、戦後になってから作られているものである。

英語では「Picked Ume」と言っていたが、世界的な日本食ブームの影響もあって認知度も高くなったことから、現在では世界的に「Umeboshi」と呼ばれるようになり、これで通じるようになった。また、俳句の世界では、夏の土用の頃に日干しにして作るということが一般的であったことから、夏の季語である。

安藤帯刀」:紀伊田辺藩の初代藩主・安藤直次(あんどう・なおつぐ)のことである。1555年生まれ、1635年に没している。徳川家康に幼少期から仕えていて、家康から信頼されている武将の1人である。幕府の老中も務めたことのある人物であり、更には徳川頼宣(長福丸→紀州徳川家の祖となった人物である。)付の家老に任じられた人物でもある。

1619年に頼宣が紀伊和歌山城に移ると、紀州藩附家老として一緒に移り、田辺城に3万8000石の所領を与えられた。このことから「紀州田辺藩」と呼ばれるようになったが、江戸幕府は独立した藩とは認められておらず、紀州徳川家の家臣という位置づけである。で、頼宣からは厚い信任を受けていた人物である。

尚、「帯刀」というのは百官名の1つであって、元々は役人の役職名(帯刀舎人)である。それを名前として用いられていたものである。(歴史を振り返ると、「○○帯刀」という名前の人物は、たいていの藩にいます。)

ということから、この物語に登場した「露の三宝」の1つは、安藤帯刀が漬けた梅干しと言うことになる。また、時代は1619年以降、1635年以前ということになる。しかし、梅干しはそれ以前の時代に既に存在しているものであるため、「日本で初めて漬けた」というのは矛盾することになる。(それ以前は薬としての利用が多かったものの、戦国時代には保存食として重要な軍事物資にもなっており、食用梅干しも既に存在していたことになる。)まあ、「露の三宝」とは、それだけいかがわしいものということでもありますね。

真珠」:貝殻の体内に形成される球状の固まりのことであって、宝石の一つとして重宝されるものである。これは、動物が作り出す鉱物であって、貝殻を作ることが出来る軟体動物であれば生成することが可能である。

成分は炭酸カルシウムが主成分であって、それに何種類かの有機物が含まれたものである。生体の分泌液が薄膜を形成していき、それが何重にも重なって出来るため、美しい光沢があるので、宝石として重宝されたものである。

現在では、真珠の養殖方法が開発されているので、ある程度の大量生産が可能となったが、古くは天然の真珠しか存在せず、とても重宝がられた。また、その光沢の美しさから、「月のしずく」または「人魚の涙」とも呼ばれていた。希少性から、薬としての効能が期待され、砕いて煎じたものを薬として利用していた記録がある。(原題でも薬としての利用が一部ではされ続いている。)特に、クレオパトラが真珠を(酢に解かして)飲んだとされている。尚、歴史的には紀元前20数世紀の時代から既に知られていたものである。日本でも、「日本書紀」「古事記」に登場しており、「魏志倭人伝」では邪馬台国がこれを送っているという記述があることから、古くから知られているものである。

養殖方法が確立したのは19世紀末に御木本幸吉がアコヤガイの半円真珠の養殖に成功し、20世紀初頭に真円真珠の養殖に成功し、それから養殖真珠の生産が増加していくことになった。(養殖の歴史は100年を超えたところである。)

この物語では「露の三宝」の1つの真珠は、「日本で初めて海女が海から取った真珠」とされていたが、「日本書紀」「古事記」「魏志倭人伝」にも登場しているものであるため、3世紀よりも前の時代に採られたものと言うことになる。しかし、当時は天然真珠しかあり得ず、大きさがスーパーボールとほぼ同じというだけに、これもいかがわしいまがい物の様な気が...

お茶の種」:葉を加工して飲料が作られる樹木である「茶樹(チャノキ)」の種子のことである。チャノキはツバキ科ツバキ属の常緑樹であって、比較的低木なものである。中国南西部の温帯から熱帯地方が原産とされている。葉は楕円形であって、周囲には鋸歯があり、比較的厚く、表面には光沢がある。10月から11月頃にかけて白い花を咲かせる。開花の翌秋に成熟して種子となる。

植物であるため種子を作るが、チャノキは葉っぱの利用が中心であるため、花を含めて種子に関しては余り知られていない。

茶が日本に入ったのは中国からとされているが、詳しいことは分かっておらず、いくつかの説がある。以前は、平安時代末期に栄西が中国(宋)から茶の苗木を持ち帰り、それを栽培したという説が主流であったが、それよりも前の時代である平安時代初期に空海が中国(唐)から種子を持ち帰った、最澄が中国(唐)から持ち帰り栽培した、という記録が発見されている。

この物語では、「秦澄が京都から初めて持ち帰ったお茶の種」と語られていたが、秦澄は7世紀後半から8世紀前半の人物であり、空海や最澄は8世紀後半から9世紀前半の人物である。つまり、空海や最澄が日本に茶を持ち込んだ人物とすると、秦澄の時代には無かったものということになるので、歴史的に合わないことになる。逆に、秦澄の時代に既に茶が日本にあったと言うことになったら、歴史が書き換えられることになる。ということで、「露の三宝」はやはり胡散臭いものである、と言っていいですね。

美濃の白山神社」:「白山神社」という名前の神社は日本各地に存在する。また、現在の岐阜県、愛知県、石川県などには同じ名前の神社がたくさん存在している。そのため「○○白山神社」という名前で呼ばれているのが多い。そんな中、この物語で呼ばれている美濃の白山神社というのは、白山信仰の美濃国側の中心となっている長滝白山神社(ながたきはくさんじんじゃ)のことを指しているものと思われる。この神社は岐阜県郡上市にある神社である。

この神社は717年に白山中宮長滝寺として泰澄が創建したとされているものである。(この物語では「美濃の白山神社を創建した秦澄大師が…」と語られているので、間違いないでしょう。)そして722年にが元正天皇の病気平癒を祈願して効験があったと伝えられている。

尚、江戸時代までは「白山中宮長滝寺」と呼ばれていて、同じ境内の中に長滝白山神社の拝殿と長滝寺が1つのものとされていたが、明治になって神仏分離が行われて長滝白山神社と長瀧寺に分離された。(但し、現在でも同じ境内にあって、参道を境界として右側が長滝白山神社、左側が長滝寺というように分けられている。)

秦澄」:「たいちょう」と読む。奈良時代の修験道の僧であって、加賀白山開創者と伝えられている山岳修行者である。生まれは越前であって、西暦682年生まれで767年に亡くなったとされている。「越の大徳」と賞されている人物でもある。また、白山の開山を行い、白山信仰の中心的な神社として知られている長滝白山神社や平泉寺白山神社を開いた人物とされている。(白山の開山、更にこの2つの神社はいずれもが717年のことである。)→長滝白山神社は「美濃の白山神社」の項で記した通りである。

尚、白山神社の総本山である白山比咩神社はより古い時代に開かれたものであって、秦澄が開いたものではない。

一方、平泉寺白山神社は、福井県勝山市(旧平泉寺村)にある神社であって、白山信仰の越前側の禅定道の拠点として栄えた神社である。(最盛期には8000人を超える僧侶がいたとされている。)

この物語で語られていた「露の三宝」は、歴史的なことを考えると、とても「宝物」として価値のあるものではなく、いずれもが胡散臭いものということになる。ということもあって、実際、怪人八面相が狙ったものは、それらが収容されていた容器の方であったが、魯山ニン(これまた北大路魯山人とは別人であり、胡散臭いですが...)作の器が実は「露の三宝」だったということで、実に奥深いところまで考えられた設定となっていました。

 

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX I

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX I

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

梅干し・漬け物・保存食―娘に伝えたいおいしい手作り (主婦の友生活シリーズ)

梅干し・漬け物・保存食―娘に伝えたいおいしい手作り (主婦の友生活シリーズ)

  • 作者: 脇 雅世
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2004/04/01
  • メディア: 単行本

梅干しの本

梅干しの本

  • 作者: 藤巻あつこ
  • 出版社/メーカー: グラフ社
  • 発売日: 2010/05/25
  • メディア: 単行本

梅干し入れ 2個set

梅干し入れ 2個set

  • 出版社/メーカー: 風景ドットコム
  • メディア:

身命を惜しまず 安藤帯刀と片倉小十郎

身命を惜しまず 安藤帯刀と片倉小十郎

  • 作者: 津本 陽
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2010/02/18
  • メディア: 単行本

真珠の博物誌

真珠の博物誌

  • 作者: 松月 清郎
  • 出版社/メーカー: 研成社
  • 発売日: 2002/02
  • メディア: 単行本

淡水真珠―美しい自然が育む神秘の至宝

淡水真珠―美しい自然が育む神秘の至宝

  • 作者: 山中 茉莉
  • 出版社/メーカー: 八坂書房
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 単行本

お茶の歴史

お茶の歴史

  • 作者: ヴィクター・H・メア
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2010/09/18
  • メディア: 単行本

増訂図説 白山信仰

増訂図説 白山信仰

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 北國新聞社出版局
  • 発売日: 2010/06/15
  • メディア: 大型本

神々の故郷、白山

神々の故郷、白山

  • 作者: 伊勢 白山道
  • 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
  • 発売日: 2009/10/16
  • メディア: 単行本

白山信仰と能面

白山信仰と能面

  • 作者: 曽我 孝司
  • 出版社/メーカー: 雄山閣
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 単行本


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。