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「トラック野郎」(その1) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第4弾として取り上げる作品は「トラック野郎」である。何処がヒーローなの?と言われるかも知れないが、この映画が公開された当時、派手な電飾を飾ったトラックが街中に溢れるというように、社会現象にもなったこと、そして、正義の味方というような悪人を倒すのではなく、出会ったマドンナの幸せのために必至でトラックを走らせる主人公・桃次郎の姿は、マドンナにとってはやっぱりヒーローなのである。また、今年になってWOWOWでシリーズ全作が放送されたということもあるので、取り上げることにしました。

本シリーズは1975年から1979年にかけて、年に2本ずつ、合計で全10作が製作されたが、松竹の寅さん(「男はつらいよ」)を完全に意識したシリーズでもあった。(基本的にパターン通りで物語が展開していきます。)いずれもが100分前後の作品ということで、見るのにも少し時間がかかるが、その全10作について、述べていきます。初回はシリーズの最初の年である1975年に製作された第1作と第2作です。

まずは、シリーズ第1作の「トラック野郎・御意見無用
本作の作品データを記すと、1975年と東映東京の作品で、98分のカラー作品である。監督は鈴木則文、脚本は鈴木則文と澤井信一郎の二人、撮影は仲沢半次郎、音楽は木下忠司である。そして出演は、菅原文太、愛川欽也、春川ますみ、中島ゆたか、夏純子、佐藤允、夏夕介たちである。(マドンナ中嶋ゆたかである。)

記念すべきシリーズの第1作。物語は東北のドライブインのウエイトレスの洋子に一目惚れした桃次郎。ひょんなことから捨て子を拾い、その子がねぶた祭のことを覚えていたので親探しのために青森へ。すっかり洋子と夫婦気分になっていた桃次郎だったが、洋子には婚約者がいて、しかも漁船で数時間後に出港するということが分かる。で、洋子を乗せて漁港まで飛ばす桃次郎...

続いて、シリーズ第2作の「トラック野郎・爆走一番星
作品データは、1975年の東映東京の作品で、時間は96分、監督は鈴木則文、脚本は澤井信一郎、撮影は飯村雅彦、音楽は木下忠司である。そして出演は、菅原文太、愛川欽也、春川ますみ、あべ静江、加茂さくら、田中邦衛たちである。(マドンナあべ静江

姫路のドライブインでアルバイトをしている女子大生・暎子に一目惚れした桃次郎。暎子は文学少女であったことから古今東西の文学を読破しようとする桃次郎の気分はすっかり文学青年に。そして暎子に渡すラブレターを書く桃次郎。が、金造の手違いによってそのラブレターは暎子ではなく、バキュームカーの女運転手・千秋に渡ってしまう。で、桃次郎に接近する千秋。そんな中、金造の妻・君江と子供たちを長崎に連れて行くことになった桃次郎...

本シリーズはお馴染みのパターンがある作品であり、ストーリーに関しては先読みが出来てしまうのだが、本シリーズにはそれを忘れさせてくれる要素がある。その一つが、舞台が日本各地になっていて、作品ごとに日本各地へ観光する気分にさせてくれるということである。これと人情味溢れる展開、金造との凸凹コンビとしてのやりとりなど、柔軟、緩急、動と静のバランスが絶妙であり、そこがまた良いところでもある。('70'sのテイストに満ちています。)ゆっくりと全作味わって貰いたいシリーズである。

 

トラック野郎 御意見無用

トラック野郎 御意見無用

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2002/07/21
  • メディア: DVD

トラック野郎 爆走一番星

トラック野郎 爆走一番星

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2002/09/21
  • メディア: DVD
 
菅原文太主演作品シリーズVol.6 「トラック野郎」サウンドトラック3

菅原文太主演作品シリーズVol.6 「トラック野郎」サウンドトラック3

  • アーティスト: サントラ, 菅原文太, キンキン, 阿木燿子
  • 出版社/メーカー: アブソードミュージックジャパン
  • 発売日: 2001/02/21
  • メディア: CD

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BILLY JOEL『THE NYLON CURTAIN』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1982年に発表された9th.アルバムで、ベトナム戦争や現代社会の問題点にスポットを当てた作品である。また、「BILLYのサージェントペッパー」と言われるアルバムとしても有名である。サウンドはダークサイドと言ったらいいのか、ヘビーな雰囲気に満ちているが、BILLYのロック・スピリットはしっかりとある。当時のBILLYは大ヒットを連発していたが、突如メッセージ・ソング集というアルバムを発表したことで、音楽シーンを驚かせることになった。で、本アルバムはBillboardのアルバム・レギュラー・チャートで、最高位7位、1983年の年間アルバム・チャートでは33位にランクインしている。

収録されているのは以下の全9曲である。『Allentown』『Laura』『Pressure』『Goodnight Saigon』『She's Right On Time』『Room Of Our Own』『Surprises』『Scandinavian Skies』『Where's The Orchestra』。

この中からのシングル・ヒット曲は『Allentown』がBillboardのシングル・チャートで最高位17位、1983年の年間シングル・チャートで43位にランクインしたのと、『Pressure』が同レギュラー・チャートで最高位20位を記録している。(こちらは年間シングル・チャートのTOP100にはランクインしていない。)

本アルバムは、派手な所が無いものの、内容は実に豊かであり、社会問題(しかも、改善しない生活、犯罪、暴力、失業など、複数の問題を取り上げている)を取り上げた曲、ベトナム戦争の後遺症の問題を取り上げた曲、更にはBEATLESを思わせるメロディの曲まである。しかし、重くなってしまうようなテーマを扱っていても、彼のロックンロール精神はちゃんとあり、非の打ち所のない内容のアルバムである。(が、全体的には暗いということで、超ヒットにならなかった。)

この中からの筆者のお薦め曲は、『Goodnight Saigon』『Allentown』『Scandinavian Skies』『Where's The Orchestra』という所です。また、ヒット・シングルの『Pressure』はBILLY'S ROCKということで、テンポが良くて、これも良いですね。更に、『Allentown』の冒頭のスチームの音、そしてミディアム・テンポで展開されるこの曲も大好きです。

本アルバムはBILLYのアルバムの中では、一癖も二癖もあるアルバムであって、取っつきにくい所があるが、シンガー、ロッカー、ライターとしてロックをしているBILLYとはちがう一面を知ることも出来るということで、しっかりと聴いてもらいたいアルバムである。但し、BILLYの初心者であれば、最初に聴くことだけは止めておいた方がよろしいかと...

 

The Nylon Curtain

The Nylon Curtain

  • アーティスト: Billy Joel
  • 出版社/メーカー: Sony Budget
  • 発売日: 2001/04/02
  • メディア: CD


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ケータイ刑事銭形愛10話 [ケータイ刑事]

今回で物語の話数も二桁になった「銭形愛」。第10話の物語は「大きな古時計の謎 ~代議士殺人事件」であり、サブタイトルだけを見たら、ちょっとシュールな物語という予感がある。が、そこは「ケー刑事・ワールド」ということで、シュールな中にも自分の近いところでもいつでも起こりそうなトリックを利用している物語である。また、ここのところ、コンビとして動き出したような愛&五代コンビであるが、五代さんは相変わらずの所もあって、簡単にはいかない二人だという所もしっかりと見せてくれます。(だからこそ、押しかけ女房のように押しかける愛ちゃん(26話)のように、繋がったら切っても切れない深い絆となる。)

それにしても、代議士の先生たちの間では、後継者問題ということで今回のような事件が起こる火種はたくさんあるのではないでしょうかねぇ...(→世襲で後継者を指名するような化石時代の考えの代議士なんて、ゴミと同じですから...)それでは本編に行きます。

自転車で登校中の愛ちゃん。携帯にメールが届いたということで自転車を停めて携帯を開く。(走りながら携帯を開いてはいけません。愛ちゃんのようにちゃんと停車してからにしましょう!)文面は「俺のデスクの引き出しにある保険証を届けてちょ 五代」ということだった。で「保険証?」と呟く愛ちゃんはちょっと嫌な顔を...

代議士の須々木舟男(すずき・ふなお)が倒れ、救急隊に運ばれている。一緒にその息子・須々木Jr.が付き添っている。そこに秘書の田中彰(たなか・あきら)が駆けつけてきた。田中は須々木Jr.に「ここで何していたんだ」と問い詰める。「大福を持ってきたんだよ」ということで、須々木Jr.が持ってきた大福を喉に詰まらせたのだった。(餅の類は喉に詰まらせて窒息死ということがあるだけに、十分注意しましょう!)

愛ちゃんは病院にやってきた。五代さんは診察が終わって出てきて、愛ちゃんの姿を見かけると「よおっ!」と手を上げる。これに愛ちゃんは呆れたという表情をして、五代さんの側に。「悪い、悪い」と言う五代さんだったが「何で私が五代さんの保険証持って来なきゃいけないんですか」と文句をタラタラ。が、五代さんは「そうプリプリしないで、グッとやって」と言うと、缶のお茶を愛ちゃんに手渡し、自分も缶を開けて口に運ぶ。が、上手く飲めずにこぼしてしまう五代さん。で「何してるんですか」と言ってハンカチを出す愛ちゃん。(何か、親が子供に大してするような感じですね。)五代さんは親知らずを抜いたが、麻酔が掛けられていたことを忘れていたのだった。(「忘れんなよ、そんなこと...」と愛ちゃんの口調が良いですね。)

そんなところに、代議士の須々木舟男が運ばれてくるが、須々木Jr.と秘書・田中が付いてきている。看護師さんにここまでと止められた二人は、直ぐに一悶着。「何をしていた」「何様なんだ」といがみ合いを始める。それを見た愛ちゃんと五代さんは顔を見合わせていた。

警視庁から入電中」ということで、事件が知らされる。本日、午後2時頃、代議士の須々木舟男氏62歳が個人事務所にて不審死。直ちに現場に急行せよ。すかさず、報道陣が詰めかける須々木の事務所。愛ちゃんと五代さんも現場に行き、秘書の田中に話を聞いている。(一緒に須々木Jr.もいる。)

現場には、大福が転がっていただけでなく、ソファもひっくり返っているという荒れた状態だった。それを見た愛ちゃんは「随分、苦しまれたみたいですね」、「窒息だからな」と五代さん。これに田中は「しかし、応急処置をしていたら助かったかもしれない...」と漏らす。この言葉に須々木Jr.は「俺のせいだと言うのか...」と突っかかる。代議士が大福を喉に詰まらせた時、側にいたのはJr.だけ、また、大福を買ってきたのもJr.だと分かる。愛ちゃんは床に転がっている大福の数をしっかりと数えていて、五代さんはJr.に尋ねる。(結局、何も出来なかったJr.)また、田中は打ち合わせで後援会事務所にいて、救急車のサイレンを聴いて急いで戻ってきたのだった。

そんな中、愛ちゃんは部屋にある柱時計を見て「凄い時計ですね~」と漏らす。(ここで「大きな古時計」のメロディが...→この物語が放送されたのは2003/12/8で、当時は平井堅の歌う「大きな古時計」が前年からロング・ヒットになり、紅白にもこれで出ることになった所でした。)この時計は先代から受け継がれたもので、須々木代議士はとても大事にしていて、手入れをする時は手袋をする程だった、と田中が語る。

その時、時刻は丁度3時になり、時計の鐘が鳴る。が、3回目の音が流れようとした所で時計は止まってしまい、3度目の鐘は鳴らなかった。で「止まっちゃいましたよ」と愛ちゃん、「止まったよ、これ」と五代さん、そして「大きな古時計」の歌詞(代議士が亡くなった日に止まったということ)を口にする。愛ちゃんは「どうして?」

場所を移動して、田中&Jr.に話を聞こうとする愛ちゃんと五代さん。が、田中がテーブルの上にあったJr.のコートをどけると、そのポケットから豪華な腕時計が落ちてきた。それを見ると「先生の時計だ」と言い、Jr.が犯人ではないかと遠回しに口にする田中。というのは、Jr.はここに来る度に金をせびっていたのだった。で、五代さんが「ゆっくり話を聞かせて貰おう」と言い「署まで同行願います」と言って(ここではあくまでも重要参考人ですが...)Jr.を連行し、田中にも話を聞きたいと言い、やはり同行を求めた。(「分かりました」とそれを受ける田中。)で、署に戻ろうとする愛ちゃんだったが、Jr.のコートが目に入り、時計が止まった理由を考える。(が、この時にはまだ分からず「偶然?」)

警視庁の取調室。五代さんがJr.を容疑者扱いしていて、腕時計がコートにあったことを問い詰めいていた。更には、「誰もいないことを良いことに大福を親父さんの喉に押し込んだ」と言ったり、「大福を喉に詰まらせた親父さんを見て、慌てたふりをして救急車を呼び、到着までの間に時計を奪った」と推理する。が、それらを否定するJr.は「バカじゃないの」と漏らす。これに五代さんが怒り、Jr.の襟首を掴む五代さん。そこに愛ちゃんがやってくる。そして「それ、あなたの癖ですか?」と尋ねる。しかし、何のことか分からないJr.。で、愛ちゃんが、ポケットのベロが中に入っていることを指摘する。Jr.はしょっちゅうポケットに手を入れているので、いつもそうなるということだった。しかし五代さんは「どうしたの?」と訳が分からない。しかし愛ちゃんはJr.を凝視していて、ヒントを掴んでいた。

別室、五代さんと愛ちゃんは田中に話を聞いている。愛ちゃんは腕時計がコートのどっちのぽけっとから落ちてきたかを問う。これに、思い出すように少し考えてから「確か、確かでした」と答える田中。愛ちゃんも「私も右だと思ったんですが、ちょっと自信なくて...」と言い、携帯でJr.のコートの写真を見せる。(右のベロは外に出ているが、左は中に入っていた。)で、愛ちゃんはポケットに時計を入れたのはJr.ではなく、田中だと考え、それを口にする。これに田中は「何のために?」と訳を問う。愛ちゃんは「ただの事故死故意の殺人にまで発展する可能性があるからです」と言い、例え事故死でもJr.の印象を悪くすることが出来るので、Jr.の足を引っ張りたい理由があったのでは、と答える。が、それを聞いた田中は笑いだし「馬鹿馬鹿しい」と切り捨てる。そして愛ちゃんの推理には穴があることを語る。五代さんも「そんな偶然、あり得ないぞ」と愛ちゃんを宥める。で、田中は「葬儀の準備がありますから」と言って帰って行く。愛ちゃんはじっと見送るだけだった。で、田中の姿が見えなくなると「匂う、悪の香り」(ここでAパート終了です。経過時間は14分に僅かに届かない所でした。よって、Bパートは12分弱ということになります。また、今回のアイキャッチの色は朱色でした。)

屋上にやってきた愛ちゃんは「怪しい、絶対に怪しい」と呟いている。が、五代さんは「あのJr.って、相当な放蕩息子だな」と言って、Jr.が犯人だと言うことを力説する。が、愛ちゃんはそんな五代さんを無視して、携帯を開くと五代さんから離れていって、更に考え始める。で、大福の話(箱に何個はいるのか)を切り出す愛ちゃん。が、五代さんは「人の話を聞いてんのかよ」といつもの調子で文句を言ってから、「6個でしょう」と返す。愛ちゃんは現場には6個の大福が落ちていて、1個は代議士の喉の中にということで、事件現場には7個の大福があったことになる、と語る。が、五代さんは「おまけしてもらったんじゃないのか」から始まり、おまけして貰った1個が代議士の喉に詰まり、それには毒が仕込んであり、Jr.が犯人だと口にする。愛ちゃんは「でも、検死では毒物は発見されなかったですよ」と指摘する。すると「大福の数なんて関係ないんじゃないか」と言いだし、「おまけしてもらったのかもしれないし、ひょっとしたらガイシャが自分で買ったのかもしれない」という見解を語る。これに愛ちゃんは「そうか!」から、Jr.が大福を持ってきたことに関係なく大福はあり、それならば計画的な殺人も可能だと考えた。

それでも五代さんは「偶然喉に詰まらせた」と言って愛ちゃんの推理を否定する。すると愛ちゃんは、あの時田中はサイレンの音を聴いて急いで帰ってきたと言ったが、サイレンの音を聴いて先生に何かあったと普通思うのか?と疑問を口にする。で、田中は何かあるはずだと分かっていたが、事務所には誰もいないのに救急車が来たので急いで帰ってきたのではないか、と考えた。で、「偶然じゃない何か、それがあるはずです。絶対あるはずです」と強く主張する。で、五代さんは「じゃあ、調べてみるか」と言って、更に調べることにした。(最初の頃だったら相手にしないのに、いくつかの事件を解決してきたことで、愛ちゃんの考えを信じるようになっている五代さんです。)

再び須々木の事務所にやってきた愛ちゃんと五代さん。が、何も出てこない。で、五代さんは「単なる事故なんだよ」と結論づけるが、愛ちゃんは更に考える。そんな中、愛ちゃんは壁にある予定表の今日の所に「人間ドック」と書いてあるのに気づき、それで閃いた。で「謎は解けたよ、ワトソンくん

愛ちゃんと五代さんは田中に再び話を聞くことにした。「葬儀の準備やら何かで忙しい」と言う田中は仕方なく付き合うことにする。で、愛ちゃんが「午前中、何してました?」と尋ねる。「ずっと先生と一緒でした」と答える田中。愛ちゃんは「その間、先生の時計に触れたことは?」と次の質問をする。これに少し驚く田中。「触れませんでした?」と愛ちゃんの再度の質問が飛び「ええ」と田中。で、愛ちゃんは「やっぱJr.か」と口にすると、「どうもあの時計がこの事件の鍵を握っているのは間違いない様なんですよ。もしかしたら、計画的な殺人かもしれない」と告げると五代さんに、明日鑑識を呼んで、もう一度あの時計を調べて貰うことにした。

その夜、須々木の事務所にやってくる一人の人影。大きな時計に近づくとポケットからハンカチを取り出す人影。そこに銭形ストラップが飛んできて、人影のハンカチを持った手に巻き付いた。「愛の光で闇を討つ。…」愛ちゃんの口上が始まり、「そこら辺のギャルと一緒にすると火傷するよ!」からストラップを引く愛ちゃん。すると人影はその場に倒れ込む。そして同時に部屋の照明が点く。すかさず「はい、そこまで」と五代さん。「やっぱりあなたが犯人だったんですね」と愛ちゃん。倒れた人影は田中だった。で、五代さんは倒れている田中を引き起こす。すると「何で」と愛ちゃんに向かって言う田中。これに愛ちゃんは田中の方に歩を進めながら「私が言っていたのは腕時計の方のことですよ。先生の時計って言っただけです。なのにあなたは何故この時計の前に来たんですか?」と問う。田中は目をそらして何も答えない。で、愛ちゃんが「この時計にあなたの指紋が付いているから」と説明する。そして「あなたは、この時計を操作することで、故意に代議士の喉に大福を詰まらせることが出来たんです。人間ドックの胃カメラのおかげでね」と、田中の使ったトリックを見破り、それを語った。

胃カメラの検査では喉をしびれさせる薬を使うが、その薬が切れないと食べ物が喉に詰まってしまって窒息してしまう恐れがある。田中は時計を進めることで薬の切れる時間を誤魔化し、結果的に代議士を窒息死させたのだった。で、五代さんが田中に手錠を掛けて逮捕した。田中は「何で分かったんだ?」と愛ちゃんに尋ねた。で、愛ちゃんがそれを語ってくれる。

この事件は、故意と偶然が入り交じっていて、だから話がややこしくなった。Jr.が大福を持ってここに来たのは偶然だが、田中はその偶然を利用してJr.に罪を着せようとした。そして腕時計をコートに忍ばせた。時計は人間ドックの時に預かっていた。また、Jr.がここに来たという偶然から、田中は時計をゆっくりと元に戻すことが出来なくなってしまい、手袋をする暇が無く、直接針を手で触れて時間を元に戻した。だから、今、指紋を拭きにやってきた。と、事件の全てを語った愛ちゃん。これに田中は動機を語る。あんな先生でも精一杯忠誠を尽くしてきた。そして「跡継ぎはお前だ」と言っておきながら、急に隠居して息子に跡を継がせると言い出した。Jr.に代議士が務まるはずが無いと言う田中は、だから代議士を殺したのだった。

連行されていく田中を見送る愛ちゃんは「Jr.に罪を着せよう何て考えなかったら、ただの事故で終わったかもしれない。止まった時計も偶然ってことで疑わなかったかも知れないのに...」と漏らす。これに五代さんは「人間、欲をかくとろくなことがないってことですね。正直が一番ですね」と返した。愛ちゃんはそれに同意するように頷いていた。で、大きな時計の所に五代さんは歩を進めると「何でこの時計止まっちゃったんだろう?」と口に出す。すると愛ちゃんが「多分、無理矢理動かしたからバランスが狂っちゃって、それで止まっちゃったんだと思います。時計は全て知っていた、ですね」と答える。で、「いずれにしても、代議士と一緒に、この時計も時を刻むのを止めてしまったということか」とちょっとしんみりしている。すると愛ちゃんが「あの歌の3番の歌詞、知ってます?」と尋ねる。「あの、大きなのっぽの古時計?」と五代さん。これに愛ちゃんは「「大きな古時計」ですよ」と正してくれる。(曲名は愛ちゃんの言う通りです。)

その後、五代さんと別れた愛ちゃんは夜の町で、ある橋の上に一人でいた。そんな愛ちゃんの携帯にメールが届き、携帯を開く。すると「保険証助かったよ。ありがとな 五代」という文面だった。それを見た愛ちゃんは微笑みを浮かべると「メールじゃなく、口で言えばいいのに...」と言っていました。で、携帯を閉じた愛ちゃんは夜の町を自転車を押しながら帰っていきました。→8話で五代さんが愛ちゃんからのメールを受け取って「直接言えばいいじゃないか。素直じゃないぞ」と言っていましたが、そんなことを言う五代さんも素直じゃないんですね...

今回の物語は、ひょっとしたら「事故」だったという可能性のある事件ということで、これまでは歴とした事件が起こっていた「ケー刑事」であるが、「事件が起こらない物語」が成立するのではないか?と予感させる物語となりました。(実際は、やはり事件でしたけど...→後に事件が起こらない物語が生まれる「ケー刑事」ですが、やっぱり元祖である本作には、それを予感させる所がちゃんとありました。)

次回は第11話「そんな執事に騙されて殺人事件」である。この物語では、何と言ってもミックス・テイストがポイントである。でも、そんなことまで知っている愛ちゃん。銭形家のお嬢さんというよりも、そこいらにいる極普通のお姉ちゃんという感じがしてしまいます。(→IQ180で、ちょっと近づきにくいと感じる銭形姉妹であるが、とても身近な存在に感じられるようになりました。)その一方で、劇中に登場する二重橋家というのもまた変な家であり、そこがまた面白いところでもあります。現実世界だと、そこまで閉鎖的な家は、もはや存在することが不可能と思いますが、そこは「ケー刑事・ワールド」ですから...

 

 

ケータイ刑事 銭形愛 DVD-BOX

ケータイ刑事 銭形愛 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2003/05/22
  • メディア: DVD
ケータイ刑事マニアルBOOK

ケータイ刑事マニアルBOOK

  • 作者: 宮崎 あおい, 堀北 真希, 黒川 芽以, 夏帆
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本

青い鳥が逃げた

青い鳥が逃げた/彼女の情景

  • アーティスト: オノ・アヤコ, コモリタミノル, 渡辺なつみ, 小野綾子
  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2002/11/13
  • メディア: CD

↓今回はこれですね。

大きな古時計

大きな古時計

  • アーティスト: 平井堅, Henry Clay Work, 保富康午, 亀田誠治, 鈴木大
  • 出版社/メーカー: DefSTAR RECORDS
  • 発売日: 2002/08/28
  • メディア: CD

大きな古時計(ZuZuバージョン)

大きな古時計(ZuZuバージョン)

  • アーティスト: 伊藤秀志, Henry Clay Work, 原淳
  • 出版社/メーカー: 日本クラウン
  • 発売日: 2003/03/19
  • メディア: CD

大きな古時計/モテたい音頭

大きな古時計/モテたい音頭

  • アーティスト: ヒライケンジ, 保富康午, Henry Clay Work, 岩瀬聡志
  • 出版社/メーカー: 日本クラウン
  • 発売日: 2006/09/06
  • メディア: CD

大きな古時計~ノスタルジック・メロディーズ(CCCD)

大きな古時計~ノスタルジック・メロディーズ(CCCD)

  • アーティスト: オムニバス, 田中星児, 岩崎宏美, ボニージャックス, 東京混声合唱団, 小鳩くるみ, ビクター少年合唱隊
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2002/12/18
  • メディア: CD

↓美味しい大福は...?

和菓子で楽しむ東京散歩―大福、もなか、どら焼き…なごみお菓子で江戸あるき

和菓子で楽しむ東京散歩―大福、もなか、どら焼き…なごみお菓子で江戸あるき

  • 作者: 安井 健治
  • 出版社/メーカー: 廣済堂出版
  • 発売日: 2003/09
  • メディア: 単行本

親子で作ろう!だんごともち菓子―甘辛だんごや月見だんご、柏もち、大福などが家庭でできる

親子で作ろう!だんごともち菓子―甘辛だんごや月見だんご、柏もち、大福などが家庭でできる

  • 作者: 岩崎 啓子
  • 出版社/メーカー: ブティック社
  • 発売日: 1999/10
  • メディア: 単行本

↓参考まで

ワイド版 検査と数値を知る事典―健康診断から人間ドックまでやさしく知って正しく対処!

ワイド版 検査と数値を知る事典―健康診断から人間ドックまでやさしく知って正しく対処!

  • 作者: 和田 高士
  • 出版社/メーカー: 日本文芸社
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 単行本

40才からの頭の健康診断 脳ドック最新版―人間ドックだけでは足りない

40才からの頭の健康診断 脳ドック最新版―人間ドックだけでは足りない

  • 作者: 福島 孝徳, 田辺 功
  • 出版社/メーカー: 西村書店
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 単行本

健康診断・人間ドック「気になる」疑問

健康診断・人間ドック「気になる」疑問

  • 作者: 鷲崎 誠
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2003/05
  • メディア: 新書

通勤電車で自己診断! どこでも人間ドック

通勤電車で自己診断! どこでも人間ドック

  • 作者: 野崎 稔
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2005/07/25
  • メディア: 文庫

健康診断・人間ドックが病気をつくる

健康診断・人間ドックが病気をつくる

  • 作者: 中原 英臣, 矢島 新子
  • 出版社/メーカー: ごま書房
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 単行本

検査のすべて―定期健診・人間ドック・精密検査 病院の検査と病気の知識がすぐわかる、よくわかる

検査のすべて―定期健診・人間ドック・精密検査 病院の検査と病気の知識がすぐわかる、よくわかる

  • 作者: 小橋 隆一郎
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本

1分間人間ドック―ドリルで健康診断

1分間人間ドック―ドリルで健康診断

  • 作者: 小橋 隆一郎
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本

人間ドック・健康診断を受ける方、受けた方へ

人間ドック・健康診断を受ける方、受けた方へ

  • 作者: 日野原 重明
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 1995/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

↓五代さんに進呈しましょう。

親知らずのはなし

親知らずのはなし

  • 作者: 夏目 長門, 鈴木 俊夫
  • 出版社/メーカー: 医歯薬出版
  • 発売日: 1992/05
  • メディア: 単行本


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