「セーラー服と機関銃」 [映画(邦画)]
WOWOWの角川映画特集で、この作品が放送された。この作品には通常バージョンと、19分長い「完璧版」の2バージョンが存在するが、放送されたのは「通常バージョン」の方でした。が、この作品、やたらとON AIRされている気がする。WOWOWの放送は、1つの作品を近い間に何度か放送するが、そのことを言っているのではない。何せこの作品、今年になってから、WOWOW以外の放送局が、地上波のMBS、BSデジタルのBS-iがそれぞれ放送をしており、CSの専門局でも放送されている。これだけ多くの放送局で放送されるというのはちょっと珍しいことである。(よって、「また放送するの?」というのが先に来てしまう...)でも、放送するのなら「完璧版」の方を放送して貰いたいところである。(通常版だったので、時間があったと言うことと、放送していたから見たというだけで、わざわざ録画してまでも見ようとはいきませんし...)
が、この映画は'80'sのアイドル映画として捉えれば偉大な金字塔という作品となる。ある意味、本作によってこのジャンルの映画の概念が変わり、プロモーションを含めた売り方というのは今日にまでしっかりと繋がっている。主題歌を歌い、主演を務める薬師丸ひろ子。彼女がいなければ本作は何もない作品でもある。更に、本作には角川書店が大がかりなキャンペーンを用意していて、斜陽産業と言われていた当時の邦画界において、大ヒットを記録して、新たな日本映画のあり方を示すことにもなった。作品自体は特に絶賛されるという内容のものではないが、映画というメディアのあり方を変えたということでは大きく評価できる作品である。が、これもやっぱり'80'sという時代だったからこその大輪の花だったのでしょうね。
作品データを記しておくと、通常バージョンは112分、完璧版は131分である。原作は赤川次郎、監督は相米慎二、脚本は田中陽造、撮影は仙元誠三、美術は横尾嘉良、音楽は星勝である。そして出演は、薬師丸ひろ子、渡瀬恒彦、風祭ゆき、大門正明、林家しん平、酒井敏也、柳沢慎吾、岡竜也、光石研、柄本明、佐藤允、北村和夫、寺田農、藤原釜足、斉藤洋介、三國連太郎たちである。当然のことながら、角川春樹はちょい役で出ている。
物語の方は、ひょんなことから小さなやくざの組長になった女子高生・星泉。先代が麻薬取引に絡んでいたことから、対立する組織に挑んでいくが... というもの。TVドラマ化もされているのであらすじはお馴染みである。
角川映画「野性の証明」でデヴューした薬師丸ひろ子も成長し、本作出演時は高校生であった。この当時は、演技の方も上手いと言うことも出来ず、飛び抜けて美人という感じでもなかったが、それが普通の女子高生ということに繋がり、普通の女子高生があり得ない世界に進んでいくという所はちょっと新鮮でした。
ところで、本作を見ていてふと思ったことが一つ。実はBS-iの丹羽Pと薬師丸ひろ子は実は同い年である。「ケータイ刑事」を手掛ける丹羽Pであるが、随所に'80'sのアイドル作品のテイストを感じることがあるのだが、本作もやっぱり丹羽Pに何らかの影響を与えているのでしょうね。というのは、「ケータイ刑事」で主演女優の選び方、主題歌まで歌わせ、そして映画へという構図。これらはどうしても本作のセールス・パターンが頭に浮かぶ。また、新人や若手の育成にも力を入れている丹羽Pであるが、本作の相米慎二監督も、この当時はまだまだこれからの期待の若手監督であり、やはり「場」を得たことが飛躍に繋がっている。まあ、こういう作品があっても良いでしょうね。(尚、筆者は特に8940フリークではありません。)
大根刑事#7 [アニメ]
第7話の物語は「人質を救え、愛」ということで、今回も「ショート DE アニメ魂」の時にはなかったタイトルの物語である。今回はベジタブル課の刑事たちが登場する普通の「大根刑事」の物語である。OPもいつものものです。(こういう物語だったら、「大根刑事」らしい面白さが出ていて楽しいんですよね。)やぱり前回と前々回は番外編と言った所ですね。
警視庁、ベジタブル課。いつものように電話が鳴って、ボスのメロン刑事が出る。「コンビニ強盗が人質を取って逃走中」ということで、「お前たち、直ちに現場に急行だ!」ということで出動する大根刑事たち。で、いつものように身体をすり減らしながら現場に向かう。
「コンビニ強盗を追いつめたぜ」ということで、ベジタブル課の刑事たちはコンビニ強盗をある公園に追いつめた。が、犯人は右手には包丁を持っていて、そして左手には人質を握っていた。で、その人質は大根刑事が思いを寄せている独身寮の管理人さんのさんまさんということで動揺する大根刑事。そしてさんまさんとの思い出がよみがえる。大根刑事は駆け出しの頃からずっと好きだったのである。
大根刑事は、自分が代わりに人質になるから人質を解放するように犯人に言う。銃は持っておらず、丸腰という所をアピールする。すると犯人は右手の包丁で手招きして、こっちに来いと指示した。大根刑事は、「この気持ちは恋じゃない。愛なんだ」と口にすると、犯人の方に近づいていく。が、次の瞬間、犯人に捕まった大根刑事は大根おろし器で大根おろしにされ、さんまさんは七輪で焼かれてしまった。で、焼いた秋刀魚と大根おろしとなると犯人はそれを食べ始めた。
それを見ているベジタブル課の面々は全く手を出すことが出来ず、「図られた」「約束が違う」何てことを言っているが「悔しいけど、僕たち食べ物なんだなぁ」という言葉が当を得ている。警視庁ではボスのメロン刑事がタバコをくわえながらブラインドの窓際で「恋と違って、愛は覚悟がいるのさ」と語っていた...
今回、またも犠牲者が出ることになった(大根刑事の方は復活するでしょうが...)が、やっぱり「食べ物なんだなぁ」という台詞ら全て集約されていますね。尚、「秋刀魚と大根おろし」と言えば定番ですが、真夏の今の時期はちょっと季節的には今一つです。やっぱり秋になって脂の乗った秋刀魚は美味しいです。
次回は「さらば!すいか刑事」ということで、これも「ショート DE アニメ魂」では目にしなかったタイトルです。やっぱりその後で追加製作したのでしょうね。でも、逆に「ショート DE アニメ魂」の時にあったものでも飛ばしたものもあるんですけど...
ところで、「大根刑事」の記事に関してですが、前回の前後編(#5,6)はカテゴリー「ドラマ」に残しましたが、それ以外の4話まではカテゴリー「アニメ」に移動させませた。(今回からは、カテゴリー「アニメ」と言うことにします。)
※#5、6も、カテゴリー「アニメ」に移動しました。
美味しい健康食青魚料理―あじ・いわし・さば・さんま (マイライフシリーズ (No.376))
- 作者: 東畑 朝子
- 出版社/メーカー: グラフ社
- 発売日: 1996/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA『DISCOVERY』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1979年に発表された彼らの8th.アルバムである。本アルバムは、彼らのアルバムとして初の全英No.1の座を獲得したアルバムである。(5週連続1位を獲得した。)また、アメリカでは最高位5位を記録していて、1979年のBillboard年間アルバム・チャートでは74位にランクインしている。既に完成の域に達したELOサウンドであるが、当時は世界的なディスコ・サウンドの一大ブームの真っ直中と言うこともあって、ディスコ寄りのポップなサウンドを聴かせてくれている。
また、本アルバムは、オリジナル盤では全9曲の収録であったが、2001年のリイシューの時に3曲のボーナス・トラックが追加されて、現在は全12曲収録になっている。(後ろの3曲がボーナス・トラックである。)これもまた嬉しい所である。
収録曲は以下の通りの全12曲である。『Shine A Little Love』『Confusion』『Need Her Love』『The Diary Of Horace Wimp』『Last Train To London』『Midnight Blue』『On The Run』『Wishing』『Don't Bring Me Down』『On The Run』『Second Time Around』『Little Town Flirt』。
この中からのシングル・ヒット曲は、『Shine A Little Love』がBillboardのシングル・チャートで最高位8位、1979年の年間シングル・チャートで71位、イギリスでは最高位6位を記録、『Don't Bring Me Down』がBillboardのシングル・チャートで最高位4位、1979年の年間シングル・チャートで81位、イギリスでは最高位3位を記録している。また、Billboardの年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていないが、『Confusion』(レギュラー・チャートで最高位37位)、『Last Train To London』(レギュラー・チャートで最高位39位)を記録している。尚、この2曲はイギリスではカップリングされたシングルとしてリリースされて、最高位8位を記録している。
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、何と言っても『Confusion』である。ミディアム・テンポのとても聴きやすい曲であって、如何にもELOというサウンドの一曲であって、美しいコーラスも聴き所の一つである。『Shine A Little Love』を初めとするディスコ調のサウンドも良いのだが、ELOと言えばやっぱりこういう曲調が似合っている。その他のお薦め曲としては、シングル・ヒットを記録した『Shine A Little Love』『Last Train To London』『Don't Bring Me Down』という所をピックアップしておく。(やはり、シングル・ヒットした曲は馴染みもあると言うことで、そちらを選んでしまいます。)
バンド死と手は脂が乗りきった時期でもあって、捨て曲は一切無く、最初から最後までたっぷりと堪能することが出来る。オリジナルの全9曲では40分弱であるが、ボーナス・トラックが3曲追加されたことで、時間的にはこんな所でしょう。で、次のアルバムがOLIVIA NEWTON-JOHNと組んだサントラ盤でもある「XANADU」になり、ピークを迎えることになります。この時期のELOは「聴くべし」です。
↓GOLD-CDでもリリースされています。