ケータイ刑事銭形愛25話[裏ネタ編]PART 3 [ケータイ刑事]
「銭形愛」の第25話「スーパー五代、遂に登場!! ~連続ヴァーチャル殺人事件」の「裏ネタ編」も3回目となるが、今回は五代さんの意識の中に入る前から、逮捕したのがこれということで「金庫破り」について、ここに連れて行こうとしていたことから「取調室」について、五代さんが口にした「金太郎」について、そしてそれに対して犯人が返した「浦島太郎」について記します。尚、「浦島太郎」については「泪・5話[裏ネタ編]PART 2」で一度記しているが、それをベースにして加筆しました。
尚、この物語について過去に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「金庫破り」:英語では「Safecracker」または「Safebreaker」という。金庫を開けて、その中に入れられている現金や証券、貴金属などの窃盗犯のことである。尚、金庫ごと持ち去った場合は「金庫破り」とは言わず、あくまでも金庫は元の場所にあったままで、その場で金庫を開けて、中身だけを持ち去った犯罪者のことを言う。(不法侵入罪も成り立つが、他人を脅すことはないのが一般的であり、強盗罪は成立しないのが普通である。)早い話、金庫の中身を持ち去った泥棒である。
映画やテレビドラマでは、銀行の金庫室や会社の金庫の前にやってきて、そこで金庫を開けるテクニックが見所となる作品が数多く製作されている。
この物語では、金庫破りで逮捕された後しか描かれていないが、どういう形で金庫を破ったかというのは見てみたい所である。
尚、1970年にアメリカで製作されたTVドラマ「A STEP OUT OF LINE」の邦題が「金庫破り」であり、犯罪サスペンス作品である。
「取調室」:事件の捜査で、参考人や被疑者に対して尋問を行ったりする部屋のことであり、警察署内にある。また、刑事ドラマにおいては、必ずといって言いように出てくる部屋であり、裸電球のスタンド、何もない事務机、折りたたみ式の椅子、机の上には灰皿という四点セットというイメージが定着している。そして、取り調べの際に差し入れられる食べ物というと、カツ丼というイメージが定着している。
しかし、このイメージから一人歩きして、「取調中の食事はカツ丼」「自白するとカツ丼を食べさせてもらえる」という誤解が広まっている。→食事は留置所で食事時間が設けられていて、取調室ではそれを投げつけて取り調べの警官が怯んだ隙に逃走する可能性があるため、食事は(取調室では)出されない。また、食事が出されることがあっても、その費用は取り調べられている本人の自己負担であって、後から代金を請求される。
「金太郎」:足柄山の山奥で山姥に育てられたという怪童・坂田金時(さかたのきんとき)の子ども時代のエピソードとされている昔話であり、またはその主人公の名前である。この伝説は複数のものが伝えられているが、「足柄山」という所は共通している。(静岡県と神奈川県の県境付近、静岡県駿東郡小山町)
尚、小山町には金時神社という神社があって、そこには金太郎が祭られている。その神社に伝えられているものとしては、金太郎は天暦10年(956年)生まれで、宮中に仕えていた坂田蔵人(さかた・くらんど)が父、彫物師十兵衛の娘・八重桐(やえぎり)が母で、八重桐は京で身籠もり、故郷に帰って産んだが、父が死んでしまい、そのまま故郷で育てた。金太郎は全身が赤く、肥満体型であり、怪力の持主であって、熊、鹿、猿と友達になり、特に熊とは相撲を取っていた、とされている。
その後、金太郎は足柄峠で源頼光と出会い、その力量を認められて家来となり、坂田金時と改名して京に上り、頼光四天王の一人となった。(四天王の他の3人は、渡辺綱、卜部季武、碓井貞光)その後、大江山に住む酒呑童子を退治した。その後、寛弘8年(1012年)に九州の賊を征伐するために築紫へ向かう途中で熱病にかかって死亡したとされている。
尚、金太郎の母・八重桐が赤い龍から授かった子どもというものや、母親は山姥であって、雷神の子供という伝説もある。
金太郎は、マサカリを担ぎ、腹掛けを身に纏っている少年として知られているが、これは五月人形のモデルになったためでもある。そのため、菱形の(子供用の)腹掛けのことを「金太郎」と呼んでいる。また、インゲン豆の一品種である「金時豆」は坂田金時の名前に由来して命名されたものであり、金時の息子・坂田金平は「キンピラゴボウ」の名前の由来になった人物である。
ところで、静岡県駿東郡小山町というと、BS-i(BS-TBS)作品では頻繁にロケが行われている場所でもある。
「浦島太郎」:日本各地にある「竜宮伝説」の一つであり、その主人公の名前でもある。竜宮伝説は多少の物語の違いはあるものの、基本的な物語は、おおむね以下の通りである。漁師の浦島太郎は、ある日子供たちが亀をいじめているのを目にして亀を助けた。するとその亀は助けてくれたお礼にと言って、浦島太郎を竜宮城に連れて行く。竜宮城には乙姫という美女がいて、浦島太郎を歓迎する。宴の後、浦島太郎は帰りたいと言うが、乙姫は引き止める。しかし浦島太郎の決意が固く、玉手箱を渡して「決して開けてはならない」と注意して帰すことにした。浜辺に帰ってきた浦島太郎だったが、そこには知っている人は誰もいなかった。浦島太郎は開けることを禁じられていた玉手箱を開けると、玉手箱から煙が出てきて、浦島太郎は老人となってしまった。竜宮城では僅か数日しか過ぎていなかったが、地上では数百年の時間が過ぎていた...
この物語は、室町時代の御伽草子で成立したとされている。(御伽草子では、丹後の国の漁師ということになっている。「丹後国風土記」)が、これ以外にも浦島太郎の物語は数多く見られる。例えば「日本書紀」「万葉集」「浦島子伝」などがある。
基本は、動物の報恩、竜宮、禁忌のある宝物という3つのモチーフが必須となっているが、ストーリーの方は多少の違いがある。(特に、竜宮城が何処かの島にあったり、玉手箱を開けた浦島太郎は鶴になった、など)である。
この3つのモチーフが登場する物語は日本だけでなく世界にも多く見られる。(部分的に変形されている。)例えば、ギリシャ神話のオルペウスとエウリュディケの物語などがこれに該当する。(但し、どちらが先かと言うと...)よって、この物語に似た物語や派生した物語は数多く存在する。
この物語から派生した言葉として、長い間離れていた場所に戻ってくると、そこは別世界になっていて面食らうということを「浦島太郎状態」(女性の場合は「浦島花子状態」という。)という言葉がある。も生まれている。また、相対性理論では、光速に近づいて運動するほど時間の経過が遅くなる(光速で移動することは不可能とされている。尚、光速で移動すると理論上は時間の経過は無くなり、時間が止まることになる。)ため、光速に近い速度で宇宙を旅して帰還すると浦島太郎の物語のようなことが起こるが、これを「ウラシマ効果」と呼んでいる。
↓こういうものを...
名曲探偵アマデウス#39 スメタナ「交響詩「わが祖国」より「モルダウ」」 [ドラマ]
先週は再放送だったため、新作は2週ぶりということになったが、やっぱり楽しい物語がやってきました。(前の物語とは随分と雰囲気が違いました。)今回はスメタナの交響詩「わが祖国」より「モルダウ」ということで、スケールの大きな曲の登場でした。
「モルダウ」というのはチェコの川の名前であり、その川には河童はいくら何でもいないでしょうが、サブタイトル(事件名)が「河童の里騒動記」ということで、これがどう繋がるのかというのも楽しみであったが、なかなか面白い形で河童を出していましたね。カノンさんも最初にモルダウ川のことを地図帳で調べていたが、インターネットではないところが貧乏事務所らしい所です。(ただ、最近は一時期と違って「貧乏」ということを前面に出さなくなりましたが...)このように、しっかりと調べるカノンさんには好感が持てます。
特に、カノンさんが河童の真似をしてぶっ壊れ、(ラストで)依頼人が河童になっているというのは、コメディとしては楽しい所でもありました。
今回の物語には、観光開発に対する警鐘もあって、これをチェコの歴史に重ね合わせるということで、物語としたら随分と奥深いものになっていて、重みのある物語であったが、カノンさんの河童の真似と依頼人の河童という壊れたところとの落差が大きく、なかなか上手い物語でもありました。
そして、川の流れを表し、しかもスメタナの祖国に対する思いが込められているということで、この曲に対する認識が大きく変わることになりました。
冒頭から依頼人が事務所に来ていて、田舎の農村が観光施設「マウンテン・ヴィレッジ・パーク」に変わるという話をしている。カノンさんのノリノリのツッコミはいつもながら楽しいですね。(その後のちょっと深刻な表情とのギャップは、表情豊かなカノンさんらしい所です。)
川の源流から、それが川となって流れていく様子を表しているということは知っていたが、2つの源流があって、それが合流して、という所まで仕組んでいたとは、本当に川そのものということで、本当に凄い曲ですね。野本先生の解説も、とても分かりやすく、シンプルで単純なメロディの主題が、モルダウ川を功に表しているなんて、つくづく感心しました。
そんな中、モルダウ川の精霊という所から、カノンさんが「河童の祟り」と口にしてぶっ壊れるが、カノンさんの豊かな発想と、ぶっ壊れている時の表情は、本当に楽しませてくれます。この時、所長は意外と冷静であったが、まあこれはいつものことでもありますからね。
解説がチェコの国としての歴史とオーバーラップしていくと、一気に重みのある話になっていくが、「交響詩」についての解説もしっかりとしてくれるのはありがたい所です。特に、作り手の思いを解説として付けるというのは取りようによってはお節介のようにも感じられるが、広壮な理念の元で作られたこの曲では、そういうことは一切考えられず、重みのあるメッセージとして受け取ることが出来るが、この曲のサウンドのスケールが大きいだけでなく、背景にも大きな理念があり、民族の誇り、歴史までも表現していたということを知って、今まで以上にこの曲のスケールの大きさを改めて知りました。
今回のドラマ部分は33分強、曲の演奏は10分弱、ラストのオチが1分強という構成であり、曲をじっくりと聴くことが出来、そしてオチの所も楽しめる構成となっていて、しっかりと楽しめました。
ラストのオチの部分は、依頼人からの手紙が届き、カノンさんが読んでくれる。観光施設は「マウンテン・ヴィレッジ・パーク」ではなく「河童リバーランド」となり、その建設に励んでいた。が、河童様は姿を現してくれないので、依頼人が一肌脱いで、今年の夏はこれで乗り切りたい、と言う。所長は「どういうことだ?」と分からなかった。カノンさんは手紙同封されていたポスターを思い出し、それを広げると、そこには河童に扮した依頼人の姿があった。で、目を丸くして「河童!」と口を揃える所長とカノンさん。やっぱり行きのあった所を見せてくれました。
曲の解説の所では、今回はシリアス路線で進み、弾けたところはカノンさんが「河童の祟り」と行って怖がるところだけだったが、やっぱり最後にコメディというところを出してくれたのは本作らしいところであるが、全体としてはシリアスな物語ということで、楽しめるものの、重厚な曲の背景を知ることが出来て、なるほど、と関心した物語でした。
次回(来週)はファイルNo.040・ドビュッシー「月の光」です。その次の7/19はファイルNo.041・メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」序曲となり、今月の新作はそこまでの3本です。尚、今回の物語は、BS-2では7/10の放送だが、地上波では7/31までお預けです。