JUNGLE FEVER(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は1991年の映画「ジャングル・フィーバー」である。裕福な黒人青年と労働階級のイタリア系女性との恋を通して人種問題を描いたS・リー監督の意欲作である。
作品データを記しておくと、時間は132分、製作、監督、脚本はスパイク・リー、撮影はアーネスト・ディッカーソン、音楽はスティーヴィー・ワンダーである。そして出演は、ウェズリー・スナイプス、アナベラ・シオラ、スパイク・リー、オシー・デイヴィス、ルビー・ディー、ロネット・マッキー、ジョン・タートゥーロ、アンソニー・クイン、サミュエル・L・ジャクソン、ハリー・ベリー、ブラッド・ドゥーリフ、リチャード・エドソン、たちである。
若くて有能な建築家のフリッパーは、妻と娘と共に円満で幸せな日常を送っていた。ある日、彼は新しい秘書としてイタリア系の白人・アンジーを紹介され、恋に落ちてしまう。が、周囲からはフリッパーとアンジーの恋は受け入れて貰えず、家族からも見放されてしまい、アパートで一緒に暮らし始めたが...
人種問題の他にも、麻薬の問題や家族の問題を取り入れて、最終的には悲劇となっているということで、見終わると重い気持ちになってしまう作品である。が、だからといってこれらは無視することの出来ない問題でもある。本作がその答えとしてベストであるとは思えないが、そのような問題を考える上でも見ておいた方が宜しいかと...
尚、本作には意外な大物が出演している。(本作出演時にはまだ無名に近い状態でしたけど...)そういう所に注目して鑑賞するのもまた一つかと...
そして、本作では音楽にも特徴がある。かつて、サントラ盤というと、ある特定のアーティストによるものという内容で、そのアーティストのオリジナル・アルバムという装いがあった時代があるが、'80'sの「フラッシュダンス」や「フットルース」のオムニバス形式のサントラ盤が大ヒットしたことで、こういうサントラ盤は一気に減少してしまったのだが、本作ではS・ワンダーということで、これだけでも聴いておきたいアルバムとなっている。
収録曲は以下の全11曲である。『Fun Day』『Queen In The Black』『These Three Words』『Each Other's Throat』『If She Breaks Your Heart』『Gotta Have You』『Make Sure You're Sure』『Jungle Fever』『I Go Sailing』『Chemical Love』『Lighting up The Candles』。
S・ワンダーの持ち味が出ていて、しかも'90's風の世界となっているので、映画を忘れても内容の方は楽しめるアルバムとなっている。映画のストーリーが重くなっているが、サントラ盤の方はそれを軽くしてくれている。よって、映画を重いと感じた人はリハビリのつもりで聴いてみるというのも面白いでしょう。(当然、映画のストーリーに合わせた曲もありますけど...)
いずれにしても、ブラック・パワーを感じる映画であり、そしてサントラ盤である。
Jungle Fever: Music From The Movie
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Motown
- 発売日: 1991/05/28
- メディア: CD
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ジャングル・フィーバー (ユニバーサル・セレクション2008年第7弾) 【初回生産限定】 [DVD]
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スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ#17 [アニメ]
今回の物語は、久しぶりのパドメとジャージャーが登場した物語で、しかも惑星ナブーの物語でした。ウイルスという目には見えないものを題材にしていただけに、恐怖を感じる物語でした。アメリカでは放送は2009年2月だったので、新型インフルエンザの前だったが、その大流行の後に放送されただけに、ウイルスの怖さということが頭に残る物語となりました。(民放だったら、感染者に配慮して放送しないということにしたかもしれないと思います。→民放は過剰反応をしすぎるだけに...)
ジャージャーは、今回もいつものようにバタバタしただけであったが、全てはよい結果に繋がるという悪運の強さは健在でした。→ジャージャーから結果オーライを取ってしまったら、本当に何も残らないですからね...
そんな中、「戦争という疫病を銀河中にばらまき、広めている。その連中こそ根絶させるべきではないのかね」と言ったヴィンディの発言には、なるほどと感じさせる所がありました。→AIDSにしてもそうだが、地球を蝕む人類という(地球にとったら)ウイルスのような存在を排除するために自然が生み出したもので、「毒をもって毒を制す」という考え方である。同じような考えとしては「喧嘩両成敗」という言葉があり、争う両者は共に排除するという考えもあるので、ヴィンディの考えは決して突拍子もない考えではない。ただ、考え方はともかく、それを実行するために自ら毒を生み出すというのは、「毒をもって毒を制すものを(更に)毒によって制す」ということで、結局は戦争をばらまいている連中と方法は異なるが、実質的には同じことをしようとしているだけですけどね...
ナブーでバトルドロイドが発見されたという連絡が入り、パドメとジャージャーはナブーに帰還する。泥まみれのドロイドを調べると、ウイルスを使った企みがあるらしいということで、ジェダイの派遣を依頼して調査に向かった。(オビワンとアナキンというリクエストに応えた評議会でした。)
パドメは途中で毒に汚染されている川を発見し、そこで出会ったペッピ・バウと共に上流に向かう。で、地下に秘密のラボがあることを突き止めたが、捕らえられてしまう。
そのラボはマッド・サイエンティストのヌーヴォ・ヴィンディが、何世代も前に死滅したブルー・シャドー・ウイルスを蘇らせていて、更により繁殖しやすいものに改造していた。そして、それを爆弾と一緒にして、銀河中の星々にばらまき、戦争と言う名のウイルスをばらまいている連中を根絶させようと考えていた。
ナブーに到着したオビ・アナの師弟コンビも活動を開始、パドメが捕らえられていることを知って、救出とウイルス爆弾の処理を行うという作戦に出た。アソーカーが囮となった陽動作戦でラボに侵入したアナキンはパドメの救出を、オビワンは爆弾処理を行おうとする。が、ヴィンディは完成させたウイルス爆弾を持って、ナブーから脱出しようとしていた。
パドメを救出し、ヴィンディを追うアナキン。ヴィンディは爆弾の時限スイッチを作動させていた。爆弾の在処を発見したオビワンはクローン兵に爆弾処理を任せてヴィンディを追う。結局、ペッピの活躍もあって、ヴィンディを逮捕、爆弾は残り1秒で解除して、ウイルスが広がることは防いだのだった。
ジャージャーのドタバタぶりと、結果オーライになる所、パドメのことになるとアナキンは冷静さが影を潜めてしまう、何だかんだでパドメは頼りになる存在である、など、お馴染みの展開で進んで行く。また、捕らえられたパドメもアナキンに助けられたとは言っても、ただでは転ばす背に皮肉混じりなことを口にするなど、お約束がたっぷりという物語でした。
尚、C-3POもそれなりに出てきたが、ジャージャーの前ではすっかり影の薄い存在になっていたが、同じようなキャラであるだけに、この部分はもう一工夫欲しい所でした。一方、クローン兵は爆弾処理も出来るということで、単なる兵隊でなく、戦争のプロで軍事的なことは何でも出来るということが分かったのは新しい発見でした。→戦場では何が起こるか分からないだけに、何でも出来るというのは大いなる戦力となるが、そこまで教育するというのもまた大変なことである。用途に応じたドロイドを用いる分離主義勢力と、万能選手(クローン兵)を作ろうとする共和国との違いがはっきりするところでもあって、面白い所でもありました。
次回は、今回の続きの物語となって、ヴィンディは逮捕されたものの、ウイルスはそのまま存在しているということなので、それに対して手を打とうとするが、何か大変なことが怒るようです。(特にパドメが...→でも、EP3の前で死んでしまう訳にはいかないので、アナキンがまたも助けることになって、2人の関係が更に恋仲の方に進むことになるのでしょうか???)
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スター・ウォーズ クローン・ウォーズ ベーシックフィギュア ジャー・ジャー・ビンクス
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恐怖の病原体図鑑―ウイルス・細菌・真菌(カビ) 完全ビジュアルガイド
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殺人ウイルスの謎に迫る! 新型インフルエンザはどうして危険なのか? 致死率80%以上の凶悪ウイルスとはなにか? (サイエンス・アイ新書)
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BEST HIT USA 2009[2009/7/21] [音楽(etc.)]
今回の注目点は、EPGに「新化」と記されていた所が修正されていたかどうかであったが、やっぱり予想した通り、一週間してもそのままで放置されていました。「進化」が正しい漢字だということが分からないなんて、BS朝日はやっぱり酷いですね。(まあ、この番組のスタッフはろくに確認しないで嘘の情報をそのまま流すぐらいだから、間違いがあるとは全く気づいていないのでは???ということで、三流ヘボ・スタッフということをまたも自ら証明していました。)
時間の無駄遣いのOP-PVは、2000年のLINKIN PARKの『In The End』、CM明けはロック史上最大のフェスティバルのウッドストックから40年という話から、映画に追加シーンが加わってディレクターズカットのDVDがリリースされた(BDもリリースになってます。)ということで、それからJIMI HENDRIXの『Spanish Castle Magic』(勿論、1969年のライヴです)が流れました。(ただ、2分ぐらいと言うのが不満で...)、続いて「(トランスフォーマー/)リベンジ」のサントラ盤が面白いということから、LINKIN PARKの『New Divide』(4分弱で無理矢理終わらせました。)、続いて「COUNT DOWN USA」となって、全米ON AIRチャートの20位から11位の発表でした。
CMを挟んでの「STAR OF THE WEEK」は、ENTER SHIKARI。簡単な説明があってから、メンバーの4人がスタジオに登場し、色々と話をしてから『Juggernauts』(3分弱で打切り)のON AIR、話の続きが少しあってから「C/D USA」の続き(10位から4位の発表)へと移りました。
CMを挟んで「大いなる伝説」を経てから「TIME MACHINE」のコーナーへ。7/21ということで、以下の4件が紹介されました。
1966年:4日間に渡るニューポート・フォーク・フェスティバルが開幕した、1971年:SERGE GAINSBOURGとJANE BIRKINの間にCHARLOTTE GAINSBOURGが生まれる。(女優として、そして歌手としても活躍しているのに「女優」しか言わなかったですね...)「フランスで最も有名な子ども」と言われた、1972年:ROD STEWARTが4枚目のアルバム「NEVER A DULL MOMENT」を発売した。(イギリスでは1位を獲得、アメリカでも最高位2位を記録している。)、1973年:JIM CROCEの『Bad, Bad loroy Brown』が全米シングル1位を獲得、2週連続1位の大ヒットになる。(1973年のBillboard年間シングル・チャートでは第2位にランクインしている。)約2ヶ月後の9/20に飛行機事故で死亡、享年30歳だった。
また、7/21が誕生日のアーティストとして紹介されたのは以下の1人でした。CAT STEVENS(1948年生まれ)。尚、YUSUF ISLAMに改名したことも語られたが、テロップはこの名前はでませんでした。
尚、筆者のデータペースで7/14が誕生日のアーティストとしては、KAY STARR(1922年生まれ)、ANTON KUERTI(1938年生まれ)、BARRY WHITWAM(1946年生まれ)、HOWIE EPSTEIN(1955年生まれ)、TACO(1955年生まれ)、GEORGE LANDRESS(1957年生まれ)、JIM MARTIN(1961年生まれ)、EMERSON HART(1969年生まれ)、CHARLOTTE GAINSBOURG(1971年生まれ)、DAMIAN MARLEY(1978年生まれ)、BLAKE LEWIS(1981年生まれ)、EIVOR PALSDOTTIR(1983年生まれ)、という名前があります。
今回はニューポート・フォーク・フェスティバルの話となって、そのDVDから4曲続けてということになりました。(当然、全て1966年のライヴと言うことになります。)BOB DYLAN『All I Really Want To Do』、PETER, PAUL & MARY『Blowin' In The Wind』、DONOVAN『The War Drags On』、JOAN BAEZ『Farewell, Angelina』と続きました。(いずれも少しずつということで、1分前後の連続でした。)
そして「C/D USA」のTOP 3の発表を挟み、ラストのリクエストへ。今回のリクエストは1986年のTHE HUMAN LEAGUEの『Human』でした。この曲は彼らが放った2曲の全米No.1ソングの1つである。(もう1曲の全米No.1曲は『Don't You Want Me』。こちらはイギリスでも1位を獲得している。)が、アルバム「DARE!」のサウンドとは随分と変わってしまったこともあって、綺麗な曲であるが、あんまり好きな曲ではないのですよね。個人的には1983年の『(Keep Feeling) Fascination』の方がこの曲よりも好きでした。この曲が収録されているアルバム「CRASH」は出来も今一つでしたし、彼ら自身も冴えていなかったのですよね... で、この曲が全米No.1に輝いたということで、段々とチャートのありがたみを感じなくなるようになっていったのでした。
次回は、EPGによると、ゲストはメトロ・ステーション。内容説明の方は、80年代リバイバルで一躍スターになったメトロ・ステーションが登場!全米で大ブレイクした新人バンドだ!マイリー・サイラスの兄トレイスも必見!とあります。
ディレクターズカット ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間 40周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
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ディレクターズカット ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間 40周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
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Transformers: Revenge of the Fallen [Original Motion Picture Soundtrack]
- アーティスト: Steve Jablonsky,Original Score
- 出版社/メーカー: Reprise
- 発売日: 2009/07/01
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ニューポート・フォーク・フェスティバル フィーチャリング・ボブ・ディラン [DVD]
- 出版社/メーカー: ヤマハ・アトス・ミュージック・アンド・ビジュアルズ
- メディア: DVD
ケータイ刑事銭形泪27話(2nd.14話)[裏ネタ編]PART 4 [ケータイ刑事]
「銭形泪・2nd.14話」(通算では27話)の「BS初のミュージカル!! ~歌って踊って殺人事件(前編)」の「裏ネタ編」も4回目となるが、今回はこの物語の一つのお楽しみである「ポン踊り」に関係する事柄から、まずは元ネタの「盆踊り」について、「櫓」について、飾り付けられていた「万国旗」について示します。尚、「万国旗」については「零19話(2nd.6話)[裏ネタ編]」で記しているが、それをベースにして加筆しました。
また、約3年前になるBS-i(当時)のこの物語の再放送時に記した記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「盆踊り」:盂蘭盆(うらぼん)の時期(旧暦の7/15)に、特に夜に人々が集まって、歌や音頭に合わせて踊る踊りのことである。尚、英語では「The Bon Dancing」と言う。
一般的に、広場(昔は神社の境内や海岸の砂浜などが一般的に使われていたが、最近では小学校のグランドなどが利用される。)の中央にやぐらを設け、そのやぐらの上で、音頭を取る者たちが音頭の演奏や歌を歌い、踊に参加する人たちは、浴衣姿で参加して、やぐらの周囲を回りながら踊り、夜が更けるのも忘れて夜通し行われていた。(近年は夜通しというものは殆ど無くなっている。)
盆踊りはその土地によって特徴が見られるため、中には櫓の周りを回るのではなく、行列となって町中を練り歩くというものや、浴衣姿の軽装ではなく仮面を付けたり、特別な衣装を着て踊る、というものもある。
元々は仏教行事であって、起源は古く、平安時代に空也上人が始めた念仏踊りが、盂蘭盆の行事と結びついて今日のような形のものとなった。意味は、精霊を迎える、死者を供養する、ということであり、だからこそ盂蘭盆の夜に行われる。(旧暦の7/15の夜に行われる。)時代と共に少しずつ変化が現れて、室町時代には、今日の盆踊りに見られる太鼓などの打楽器が登場し、これが音頭を取るようになった。江戸時代には、そのとちによって独特の風習がくわわったりして、バリュエーションも広がった。(変わらないのは実施日であって、盂蘭盆に行われることだけは共通している。)
明治になって、旧暦から新暦に変わると、旧暦の7/15(旧盆、新暦では8月中旬から下旬になって毎年日にちが変わる。)に行うところと、あくまでも7/15に拘って、新暦の7/15に行うところ、そして月遅れとなる新暦の8/15(月遅れの盆)に行うところがある。(圧倒的に月遅れの盆に行う所が多いのが現状である。)
尚、「盆踊り」は秋の季語である。夏の季語と勘違いされているが、旧暦では7、8、9月は秋であるので、これが行われていた旧暦の7/15は完全に「秋」となっている。そのため「盆踊り」は秋に行われる行事であり、「秋」の季語である。(また、現在の8/15頃ということを考えても、「秋」は「立秋」から「立冬の前日」までの間を指しているが、「立秋」は新暦では8/7頃である。そのため、新暦の8/15頃は既に立秋を過ぎているので、季節の上では完全に「秋」になっているので、やはり盆踊りは秋に行われる行事であり、「秋」の季語である。)
「櫓」:建造物の一つであって、周囲から目立つような背の高い建造物であり、高楼の一種である。時代によってその目的は異なっている。「矢倉」「矢蔵」「兵庫」という表記もあるが、これは時代に応じて目的が異なることから、当て字として使われるようになったものである。(「矢」は言うまでもなく武器となる弓矢のことであり、「倉」「蔵」は貯蔵庫という意味である。)
古代では、城を守るため、敵の襲撃に備えて見張を経たせて遠方の様子を監視する目的で作られたものが多く、同時に武器(特に矢)の保管庫という役割と、敵が襲撃してきたときは矢を放つ発射台として使用された。これは中世から近世でも受け継がれた。しかし、時代が進むにつれて改良が行われ、城郭の一部に組み込まれたりして、攻撃のために、より堅い守りが出来るようなものへと変貌していくことになる。
一方、遠方を監視するという役割については、江戸時代には火事の監視をする火の見櫓に姿を変えるようになった。これは、日本の町は木造住宅であり、しかも、建築物が密集して建てられていることから、一度日が出るとあっという間に燃え広がってしまうため、それを監視すること、及び、火事が発生したときに知らせる役割を担った。特に江戸の町ではこれが発展し、火消しと呼ばれる人たちが活躍することになる。また、この考えは明治以降も受け継がれ、日本中に火の見櫓が設置されるようになる。
尚、火の見櫓には独特のものが設けられているが、それが「半鐘」と呼ばれる鐘である。見張が鍜治を発見すると、これを鳴らして火事の発生を人々に伝えた。また、一部ではこの半鐘を別の使い方をして、時報として使ったりすることもあった。(お寺の鐘に変わるものとして、これも各地に広がることになった。)→半鐘の鳴らし方は、知らせる内容によって鳴らし方が異なっているので、混乱することはないのは言うまでもない。
また、昭和初期には火の見櫓は何処の町にも必ずあるものになっていたため、太平洋戦争(終盤)の時には、空襲警報などを知らせる体制の元にもなった。
また、「櫓」は建物としての高さが高いことから、これがあれば目立つことになるため、芝居小屋や相撲興行の際、その宣伝のために用いられ、幟が飾られるようになり、広告塔としての目的のものが登場した。また、祭や盆踊りなどの会場では、何か中心となる構造物が欲しいということから、仮設の櫓を設置して、それを中心に祭や盆踊りを踊るということが一般的になっていく。特に、盆踊りの場合だと、櫓を中心にして輪になって踊っていくと、ずっと踊っていくことが出来、また、櫓で音楽を演奏することにすると、参加者全員に同じように音楽が伝えられるということから、広がって行くことになった。→祭は華やかな場でもあるため、派手な飾り付けも行われるようになり、広告塔的な意味も生まれてきた。
それ以外の「やぐら」と呼ばれるものもいくつかある。身近なところにあるものとしては、近年では住宅に和室が減少していることもあって、減っているとはいうものの、和室(特に書院造り)には「やぐら」と呼ばれる違い棚が設けられているが、これを単に「やぐら」と言うことがある。また、こたつに於いて、蒲団を掛ける骨組みのことを、その脚部を含めて「やぐら」ということがある。(掘りごたつも含む。)
また、トーナメント形式で行われる各種競技会にあいて、その対戦日を得となるトーナメント表のことを、勝ち上がっていくことで上に昇って行くということから、これを「やぐら」と言う場合もある。
「万国旗」:英語では「Bunting」という。世界中の各国の国旗のことである。また、国ではない国連や赤十字などのような国際組織の旗もこの中に含まれるのが一般的である。
現在の地球に存在する国の数は200を超えた所である。(国連加盟国は192ヶ国である。国連非加盟国や、国家として承認した国が少なくて国として認められてないな所(一般に「地域」と言う。)、一方的に独立を主張している国(地域)があって、200を少しだけ超えた数になる。)それに国連などの国際組織を加えても、その数はそんなに増えない。よって、万国旗として知られる旗は200種類を超えたぐらいになる。但し、インドネシアとモナコの国旗は同じデザインであり、この旗を上下逆にするとポーランドの国旗になる(但し、いずれもが正式な国旗の縦横比は異なっている。)し、イタリアの国旗を90゜回転させるとハンガリーの国旗のデザインになり、フランスの国旗を90゜回転させるとオランダの国旗のデザインになる。(いずれもが縦横比は全く違う。また、フランスとオランダの「青」は色の濃さにも違いがある。)
しかし、実際に製品として販売されている万国旗にある旗の種類は、その半分にも満たない数である。(数十というところで、多くても40~50ぐらいである。)これは、全ての国の旗が知られていないこと、デザインが複雑で製作しにくいこと、似たようなデザインの国旗(例えば、同じ三色を使っているが、配色だけが異なるなど。)があることから省略した、などの理由によるものである。→ちなみに、パラオとバングラディシュは同じデザインで2色の敗色が異なるだけであり、バングラディシュと日本は白地か緑地の違い(円のセンター位置にも多少の違いがある。)というぐらいである。
万国旗が使われる身近な所では、学校の運動会や祭の縁日などで飾り付けられることが多く、この物語のように、盆踊りの会場などに使われることもある。(但し、「盆踊り」というと、提灯(最近では蝋燭ではなくて電球ですけど...)という気がするのですけどね...)その他としては、パーティ会場や各種イベントなどでも飾られる。
尚、万国旗として一般に市販されているものは、いずれもが各国の正式の幡手はない。そのため、サイズも正式なものではなく、縮小版となっているのが一般的である。また、縦横比も正確に再現されているとは限らない。また、中には実際にありそうなデザイン(配色)の旗であるが、そんなデザインの国旗は存在しない、すなわち架空の国旗というものが含まれている場合もある。(縦、または横に3色に配置された国旗に架空の国旗というものが見受けられることが多い。)
このように「万国旗」と言っても、そこにある旗の種類はそんなに多くないよって「万国旗」の「万」は「万(萬/よろず)」という意味で「数が多い」または「さまざまである」「いろいろ」と言う意味と考えるべきである。
日本では、明治の中頃には定着するものとなったが、これは国際博覧会の会場で、そこに参加している国々の国旗が掲揚されていて、それが華やいだ雰囲気を出していたことから、それを真似たもの、とされている。そう言えば、祭やパーティというと、華やいだものが欲しくなるが、それにはピッタリだったと言うことですね。また、手品でも万国旗が出てくることもあって、これも華を添えてくれている。
世界の国の数は200強である。全部覚えようとしても無理のないかずであるだけに、世界中の国旗を覚えるというのもよろしいかと...(全部とは言わないが、半分となる100ぐらいは覚えておいても良いんじゃないですか...)
↓いくつか
豪奢と流行 風流と盆踊り (大系 日本歴史と芸能―音と映像と文字による)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1991/03
- メディア: -
火の見櫓のある風景 東日本編―網代守男写真集 (Bee Books)
- 作者: 網代 守男
- 出版社/メーカー: 光村印刷
- 発売日: 1993/03
- メディア: 単行本
万国旗入り世界全図―国別色分け/記入用白地図付 メルカトル図法 (エアリアマップ)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 昭文社
- 発売日: 1993/01
- メディア: 単行本
↓学習するのによろしいかと...
徹底図解 世界の国旗―国旗の由来・配色の意味から、正しい比率と色まで
- 作者: 辻原 康夫
- 出版社/メーカー: 新星出版社
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本