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CUTTING CREW『THE SCATTERING』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1989年に発表された彼らの2nd.アルバムである。1986年のデビュー・アルバムからは全米No.1ソングが生まれていて、セールスの方もそこそこを記録して、デビュー・あるジムと言うことでは十分な成功となったアルバム「BROADCAST」から3年。待望のということになった2nd.アルバムである。しかし、発表された当時、「待望」と言われたものの、既に前作から3年という時間は流れていて、半分は忘れられた存在になっていて、セールスやチャートの方では殆ど伸びないということになってしまったアルバムである。(チャートでは、本国イギリスで最高位150位を記録しただけだった。)

収録曲は以下の全12曲である。『Year In The Wilderness』『The Scattering』『Big Noise』『Everything But My Pride』『Handcuffs For Houdini』『(Between A) Rock And A Hard Place』『Tip Of Your Tongue』『Reach For The Sky』『The Last Thing』『Feel The Wedge』『Binkies Return』『Brag』。尚、2010年になって再発されたものにはボーナス・トラックとして、『More Than A Dream (DEMO)』『Into The Night (DEMO)』『No Secrets (DEMO)』の3曲が追加収録されている。

この中からシングル・カットされたのはのは全部で4曲あるのだが、後になるほど尻すぼみが進んでいき、こちらも散々な結果であった。1st.シングルの『(Between A) Rock And A Hard Place』がBillboardで最高位77位、イギリスで最高位66位を記録しているが、2nd.シングルの『The Scattering』はイギリスで辛うじて96位を記録しただけ、3rd.シングルの『Everything But My Pride』、4th.シングルの『The Last Thing』はさっぽりであった。(しかも、本アルバムからの4枚目のシングルが彼らの最後のシングル曲(次のアルバムでは2人のユニットになって1992年に発表されているが、そこからはシングル・カットはされなかった。)となっていて、しかもタイトルが『The Last Thing』と言うのは実にシニカルなことになっちゃいました。)

お薦め曲は、シングル曲からは『(Between A) Rock And A Hard Place』と『The Scattering』を、それ以外からは『Year In The Wilderness』と『Reach For The Sky』をピックアップしておきます。

サウンドは前作のポップな路線を受けているものの、シンプルなロックの方向へと向かったものとなっている。この方向性は、ロック志向ということでは間違っていないのだが、派手な所をそぎ落としたことによってミュージシャンとしての素顔(=実力)を出すことになるが、実力不足を露呈することにもなってしまったのが痛かったですね。

デビュー・アルバム、またはデビュー・シングルが大ヒットを記録したグループというのは、昔からそれっきりということになって、「一発屋」と呼ばれる存在になることが多く、'80'sに於いてもそういう存在のバンドが数多く生まれている。(実際には一発も当たらずに消えていくグループが多いことを考えると、一発屋は当てているだけでも凄いと言うことになります。)彼らもそんな一発屋の仲間である。尚、「一発屋」の中でもTHE KNACKだけはちょっと違った存在である。というのは、「一発屋=THE KNACK」という式が定着しているため、何かの機会に「THE KNACK」の名前と彼らの曲が登場することが多いですからね。

ただ、「一発屋」と呼ばれる人たちも、一発屋になることを最初から狙っていた訳ではなく、結果的にそうなってしまっただけである。本アルバムには、一発屋の多くに見られるように、大ヒットしたことから寄り高いものを求められ、それに応えようとしているが十分な答えが出せなかった数多くのグループと同じ部分が見受けらる。一応、彼らにしては「入魂のアルバム」ということになる。確かに、気合いが入っていて、完成度と言うことではなかなかのものである。が、時代の求めることに遅れてしまったこととシンプルな方向に向かったことで、セールスポイントのないものになってしまったのがつくづく残念でした。

 

The Scattering

The Scattering

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Atlantic / Wea
  • 発売日: 1989/05/11
  • メディア: CD

The Scattering

The Scattering

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー:
  • メディア: CD

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ケータイ刑事銭形雷3話[裏ネタ編]PART 4 [ケータイ刑事]

銭形雷」の第3話「考古学者VS銭形雷 ~縄文人の変死体事件」の「裏ネタ編・増補」の3回目となる今回は、この物語の舞台がここということで「博物館」について、この日だったということで「休館日」について、この物語の時点ではまだネタの一つでしかなかった「マツ」について、「休肝日」について記します。

尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/1/16付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。

博物館」:歴史、芸術、民族、自然科学などの分野に於いて、ある特定のテーマに関する資料を収集し、一般に展示し、更に学術的研究を行っている機関である。

英語、ドイツ語では「Museum」(但し、発音は異なる)、フランス語では「Musée」、イタリア語、スペイン語では「Museo」(但し、発音は異なる)、韓国語では「パンムルグァン」という。→観光で行った時、博物館を訪ねるというのは定番でもあるだけに、この単語は覚えておいた方が良いですね。

現在の博物館の起源となったのは紀元前3世紀のエジプト・アレキサンドリアにあった総合学術機関のMOUSEIONである。しかし、その後はこれに類する機関の登場はなく、ルネサンス期以降まで待つことになる。そして近代になってヨーロッパ各地にいくつも登場するようになった。日本でも1871年に文部省に博物局が設けられて1872年に「文部省博物館」として生まれた。(現在の東京国立博物館と国立科学博物館の前身である。)

尚、中世や近世でも王侯貴族がコレクションとして集めたものを、城内に展示しているということはあったが、これらは「展示」はしているものの、学術的な研究をしているものではないこと、また一般の人に(有償/無償は関係なく)公開していないことから、「博物館」には含まれない。(私的コレクションを単に飾っているにすぎないため。)逆に、資料館、美術館、文学館、歴史館、科学館、水族館、動物園、植物園などは「博物館」という名称を有していないが、内容的には「博物館」に含まれる。実際、日本では「博物館法」という法律によって規定されていて、美術館などの「博物館」という名前ではない機関も「博物館」として登録されている。(公民館と図書館は法的に博物館には含まれない。)

世界的に有名な博物館として知られているものとしては、大英博物館(イギリス)、ルーヴル美術館(フランス)、ドイツ博物館、ヴァチカン美術館(イタリア)、アムステルダム国立美術館(オランダ)、美術史博物館(オーストリア)、プラド美術館(スペイン)、エルミタージュ美術館(ロシア)、スミソニアン博物館(アメリカ)、メトロポリタン美術館(アメリカ)、故宮博物院(中国)、上海博物館(中国)、故宮博物院(台湾)、カンタベリー博物館(ニュージーランド)、エジプト考古学博物館(エジプト)、などが世界的に知られている。また、日本の博物館では、東京国立博物館、奈良国立博物館、京都国立博物館、九州国立博物館、国立民族学博物館、国立歴史民俗博物館、国立科学博物館などが世界的に知られている。(当然、世界的に知られていない博物館の数はたくさんあるのは言うまでも無い。)

休館日」:博物館、美術館などの各種展示館の一般への展示が行われない日のことであって、博物館の定休日ということが出来る日のことである。但し、これは展示閲覧の休業日であって、博物館としては、施設等の点検、整備を行うためのメンテナンスを行う日でもあって、重要な日でもある。(一部職員の休日であるのも言うまでも無い。)

一般的な博物館では、週に1日の休館日(土日祝日を避けて、月曜日、または水曜日あたりを休館日にしているものが多い。)と、年末年始を連続して休館日にしている所が多い。(当然、殆ど休館日を設けない博物館もある。)しかし、当然のことながら何らかの事情によって突然休館日になることもあります。

マツ」:「噂の刑事トミーとマツ」に登場した松山進巡査のことであり、この物語の後、劇場版の「M2」で「ケータイ刑事」シリーズに初登場となり、ちゃんの妹・ちゃん(3rd.)では遂に銭形の相棒となり、その妹・ちゃんともコンビを組んだ。(後にレギュラー・キャラとして登場するので、詳しく記す必要は無いですよね...)

この物語の時点では、岡野さんが過去に富士見署に勤務していた時の相棒ということで名前が何度か登場しているが、姿は現さない。(但し、いずれは何らかの形で登場することが予想されるようになりました。)→富士見署ということでは、柴田太郎さんが後の「キミ犯人じゃないよね?」で富士見署に転勤していました。

「噂の刑事トミーとマツ」では、はみ出し刑事であって、暴走すること、失敗をすることは当たり前だが、そういうことには拘らずに豪快に笑い飛ばすワイルドな男であった。特に、トミーとコンビを組んで、何度も窮地に陥ることを経験している。(が、トミーに対して「トミコ」と連呼して、これにトミーが反応して大活躍させてピンチを脱するということを何度も行っていた。)

「M2」に登場しているが、そこでちゃんとは面識があり、更に「銭形海・3rd.」と「銭形命」に登場しているので、分家姉妹の3人とはお馴染みさんである。(現状では登場も危ぶまれているが、)8代目ケータイ刑事(分家姉妹の四女)が登場したら、やはりコンビを組んで貰いたいですね。

休肝日」:日常的に酒を飲んでいる酒好きの人が、自分の健康のために、肝臓を休養させる目的のために酒を飲まない日のことである。

尚。この言葉は、酒を全く飲まない人に対しては用いられない。(毎日が休肝日とは言わない。)更に、余り飲まない人(飲んでも週に数日という人)についても同様である。(あくまでもほぼ毎日(週に5、6日)飲む人に対して用いられる言葉である。)

元々は、ほぼ月に一度ぐらいのペースである新聞の「休刊日」という言葉をもじったものであって、毎日発行される新聞でも休む日があるということで、毎日酒を飲む人が月に一度は酒を飲まない日にしよう、という所から生まれた言葉である。

酒を多く飲むと、肝臓に多くの負担が掛かることが知られている。その結果、肝臓の各種病気になる可能性が高くなり、肝臓が原因となって死に至る危険率が高くなる。それを防ぐ目的で叫ばれるようになった日でもある。一日に1~2合程度を飲み、週に1~2日程度の休肝日を設けることが肝臓にかかる負担が下がり、望ましいとされている。

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 1

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

↓参考まで

新しい博物館学

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 芙蓉書房出版
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 単行本

知識ゼロからの博物館入門

知識ゼロからの博物館入門

  • 作者: 竹内 誠
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/04
  • メディア: 単行本

博物館学への招待 (文庫クセジュ)

博物館学への招待 (文庫クセジュ)

  • 作者: リュック ブノワ
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: 新書

博物館へ行こう (岩波ジュニア新書)

博物館へ行こう (岩波ジュニア新書)

  • 作者: 木下 史青
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/07
  • メディア: 新書

博物館学を学ぶ―入門からプロフェッショナルへ

博物館学を学ぶ―入門からプロフェッショナルへ

  • 作者: 水藤 真
  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 単行本

首都圏博物館ベストガイド 理系編

首都圏博物館ベストガイド 理系編

  • 作者: 博物館探訪倶楽部
  • 出版社/メーカー: メイツ出版
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本

美術館・博物館の展示―理論から実践まで

美術館・博物館の展示―理論から実践まで

  • 作者: デビッド ディーン
  • 出版社/メーカー: 丸善
  • 発売日: 2004/03
  • メディア: 単行本

日本全国おもしろユニーク博物館・記念館

日本全国おもしろユニーク博物館・記念館

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 新人物往来社
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 単行本

月曜日は休肝日―酒客として肝臓医として

  • 作者: 上野 幸久
  • 出版社/メーカー: 保健同人社
  • 発売日: 1991/05
  • メディア: 単行本

 

ケータイ刑事 銭形海 DVD-BOX 3

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  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形命 DVD-BOX

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  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD

噂の刑事 トミーとマツ マツBOX [DVD]

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  • 出版社/メーカー: TBS
  • メディア: DVD

噂の刑事 トミーとマツ トミーBOX [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD


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名曲探偵アマデウス#68 ベートーベン「ピアノ・ソナタ第23番『熱情』」 [ドラマ]

今回の物語は「花火」が登場したが、もうそういう時期になってきたのですね。ただ、6月ではちょっと早いかなという気もするが、夏の風物詩である花火大会に向けて、ということでは今の時期にピッタリということで、色々と考えられていますね。(ただ、放送の方は、ファイルNo.070ぐらいにして7月真ん中以降になってからの放送の方が良かったようにも思いますけど...)

また、一時期は「貧乏」というネタをやたらと使っていたが、最近は「バナナ」というネタがやたらと出てくるようになったが、これはこれで楽しい所です。(先日、スーパーに(別の物を)買いに行った時、思い出すように足が食品売り場に向かい、バナナだけを買ってきちゃったぐらいです...)で、カノンさんはバナナを使った所長をコントロール方法をマスターしたようですし、そろそろディープ内藤に5度目の登場をお願いして、バナナでカノンさんが所長をコントロールした所を見たいです。

今月3本目の新作(3年目は完全に月に3本というペースで進んでいます。)となる今回は、ベートーベンの「ピアノ・ソナタ第23番『熱情』」でした。ベートーベンの曲は今回で5曲目となって、シューベルトの5曲に並んでトップ・タイになりました。(ちなみに、次回と次々回で取り上げられる2人を含めると、ファイルNo.070まででのぺ69人(ファイルNo.024は特別編で、曲ではなくてカノンさんがピアノについての謎解きの溜めに表に出ていました。)となって、登場した音楽家の実数は39人です。)

冒頭、所長は好物のバナナを食べていて、カノンさんは帰宅しようとしていた。そんな中、花火大会のことを思い出し、窓から少しだけ見える花火を見るカノンさん。そんな所に依頼人がやってきた。依頼人は脱サラをして花火師となって5年という男で、ウィーンで行われるベートーベン音楽フェスティバルの花火大会に参加することになったという。しかし、ベートーベンの曲をイメージした花火である必要があって、花火には自身があるが音楽の方は今一つ分からないので、相談に乗って貰おうと考えたのだった。また、課題曲はということだった。で、所長は依頼を受けた。

昔気質の職人はパソコンは使わないが、依頼人はいつもパソコンで花火をシミュレートしているということで、それを使って自分なりのイメージで花火を作っていた。派手な曲ということで、カラフルな色を使った花火を作っていた。これに所長は最初から曲について語り始める。

第1楽章の冒頭は依頼人のイメージとは全く違うものであって、「動機労作」ということが語られていく。で、「分散和音」に拘った少ない音で出来ていることが説明される。(野本先生の説明は、いつもながら分かりやすいです。)

で、依頼人はシンプルに拘ると考えて、色数を抑えて、色の発展をするものを作った。(パソコンのシミュレーションだから、直ぐに出来てしまう。)で、3色だけを使ったものを作ったが、カノンさんは「ちょっとインパクトに欠ける」と物足りないと感じていて、所長はシンプルにしただけではなく、工夫のアイデアが隠されていることを口にする。で、「交響曲第5番『運命』」の『ダダダダーン』のモチーフが使われていることの説明となる。

同じリズムでもピアニッシモということを利用していて、これが大爆発を暗示するシグナルとして使われているということで、カノンさんは「花火が上がっていく所じゃないですか」と口にして、依頼人はそれを元にしてパソコンを操作する。で、新しい花火も取り入れて、見事なものが画面に出た。所長も「良いところに気づきましたね」と言って、ベートーベンがこの曲を作った時、最新のピアノを使っていたことが語られる。(現在のピアノよりも音域は狭いが、それまでのピアノよりも半オクターブ音域が広がったということです。)→新しいピアノの可能性を追求する音楽を作ったということだが、こういうことは現代音楽でも似たようなことがありましたね。(1970年代に登場した「シンセサイザー」を使った音楽(例えば富田勲の音楽やYMOなどのテクノ・ミュージックなど)が技術の進歩によってドンドンと演奏できる音の幅を増やしていったが、それと同じことをピアノの発展期に行っていたというのは凄いことです。

依頼人は、新しい花火を導入しているということで、ベートーベンのやっていることと自分の殺っていることが重なると言うが、所長は「一つ一つの花火が良くできていたとしても、それで観客を感動させることは出来ません。最大の問題は全体の構成です」と、なかなか鋭いことを言う。で、第2楽章の説明に入って行く。

第2楽章は第3楽章の前奏曲として、そのまま第3楽章に突入していくと言うことで、第2楽章の穏やかなサウンドと、華やかにで激しい第3楽章への繋がりとして、通常の当たり前のやり方ではなく、独自のやり方が用いられているという説明で、通常の繋ぎ方を野本先生が弾いてくれるが、なるほど、平凡なものですね。(やっぱり野本先生の説明は分かりやすい。)で、「属九の和音」と「最大限の不協和音」の説明となる。→スピード感、最初からトップギアで、というのは、ポピュラー音楽でもアルバムの冒頭(特にリードトラックに於いて)で色々と工夫されるが、筆者はHRの世界の名盤と言われるDEEP PURPLEのあの代表作を思い出しました。(クラシック音楽とジャンルは完全に異なるが、なるほど、色々と工夫していると言うことはよく分かります。)

所長は、依頼人に欠けているものはそこと指摘して、ベートーベンの直筆楽譜(のコピー)を持ってきて、全てのページにインクがにじんだ所があるということで、それについて語られる。→改訂作業を行うためにいつも楽譜を持ち歩いていたと考えられているが、こういう所はなるほどですね。(現在だと、パソコンの電子データとして持ち歩くことはあっても、紙という媒体は持ち歩かないでしょうし...しかし、紙にアナログ的に残る様々なことがあるからこそドラマがあるのであって、そういうものが残らない電子データというのは機械的で阿路家のないものに思えます。)で、ベートーベンの音楽家としての決意があるということが語られるが、電子データだとそういうものは何も残らず、単に(シミや汚れのない)綺麗な楽譜だけになってしまい、味気ないですね。で、カノンさんが「パソコンでちょこちょことやって、傑作が出来たなんて人とはえらい違いですね」と言ったが、確かにそうですね。実に奥深い台詞でもありますね。

で、花火師になろうとした当時の情熱に満ちた日のことを思い出して語る依頼人。で、自分の原点を思い出した依頼人に「大丈夫です」と所長。そしてクライマックスについての説明へ。最終的には17小節であるが、24小節あったのが書き換えられていて、動機労作の傑作としての結びになったが、納得できるまで改訂作業が出来るというのもまた幸せなことですね。

依頼人は全身全霊でクライマックスに向けて疾走すると理解し、パソコンを使わずにじっくりと考えることにした。

今回は、ドラマ部分は36分弱、曲が7分強、ラストのオチの所が1分弱という構成で、ほぼ平均的な時間配分でしたが、オチの部分が気持ち短いかなと感じました。

ラストのオチは、カノンさんは机で依頼人が置いていったパソコンをいじっていて、所長が戻ってきて、依頼人だった江戸屋かに手紙が来た、と言ってそれを読む。ウィーンの花火大会で最優秀新人賞に選ばれたということだった。これに「良かったですね」と言うカノンさんだったが、心はそちらにあらずでした。所長が「さっきから」何をしているんだ?」と尋ねる。するとカノンさんは、依頼人が置いていった花火を作るソフトで花火を作ってみている、と答えた。で、「こんな花火どうですか?」と言ってシミュレーションで作った花火を見せる。「名付けて『お団子花火』!」ということで、三色の団子とそれを貫く串が空に浮き上がりました。カノンさんは「美味しそうでしょう」とご満悦。更に「所長にはね」と言って、もう一つの作った花火を見せる。「名付けて『バナナ花火』!」ということで、黄色いバナナが1本、大きく空に浮かびました。これに所長はご機嫌で、子供のように喜んでいた。→カノンさんはすっかり所長を手名付ける方法を完全に習得しましたね。またもバナナ・ネタだったが、「またか」」と言うことにはならず、所長を手名付ける方法を知ったカノンさんということで、今後が更に面白くなりそうですね。

尚、「お団子花火」も「バナナ花火」も、実際に打ち上げられたものを見てみたいです。

今回は、最近はよく出てくるネタ(バナナ)を使っていたが、曲についての説明で「工夫」ということが語られているが、その通りで色々と「工夫」するということが隠しテーマとして描かれていたこともあって、良くできた物語となっていましたね。更に、前回のカノンさんは髪型がお団子頭だったが今回はストレートになっていたが、前回から今回のオチの「団子」花火という繋がりを仕込んであったということですね。

それにしても、所長のバナナ好きということが最近は多く登場しているが、冒頭でバナナを食べる所といい、ラストでパソコン画面に出たバナナ花火で興奮する所長といい、やっぱりただ者ではないという姿を見せるのは面白い所です。また、この調子だと、事件を解いて貰うのに、その経費としてお金を支払うのではなくて、バナナを10kgでも持っていけば所長は簡単に引き受けてくれそうですね。(前回で「ボンドガールとの合コン」が無くなったことを悔しがっていたが、バナナをある程度渡したらマルク収まりそう...)尚、ボチボチディープ内藤にまたまた登場してもらって、大学時代の所長がバナナ好きだったのか、ということを尋ねたくなりました。

来週は新作ではなくて再放送ということになります。ファイルNo.056のバッハ「組曲第3番ニ長調」の登場です。これは2年目の終盤のものとして、2010/2/7にBS-hiで初放送されたものであるが、地上波はその前のファイルNo.055までで打ち切られたので、地上波では未放送のものです。次の新作となるファイルNo.069はドビュッシー「水に映る影」で、放送の方は7/5となり、7/12はファイルNo.070のムソルグスキー「交響詩『はげ山の一夜』」となります。それにしても、3年目は新作が月に3本ずつというペースを守っていますが、8月はどうなるのでしょうかね?7月と9月も3本としたら半年で15本に達するから、2年目のように8月は夏休みとなるのでしょうか?(→再放送でも良いので、放送の方はあってほしいところです。)

 

ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ全集

ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ全集

  • アーティスト: バックハウス(ウィルヘルム),ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1999/06/02
  • メディア: CD

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集

  • アーティスト: 園田高弘,ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2005/02/23
  • メディア: CD

ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番&第14番&第23番

ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番&第14番&第23番

  • アーティスト: ギレリス(エミール),ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/11/08
  • メディア: CD

ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」&第14番「月光」&第23番「熱情」

ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」&第14番「月光」&第23番「熱情」

  • アーティスト: ポリーニ(マウリツィオ),ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/09/05
  • メディア: CD

ベートーヴェン:月光/悲愴/熱

ベートーヴェン:月光/悲愴/熱

  • アーティスト: バックハウス(ウィルヘルム),ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1993/09/01
  • メディア: CD

ベートーヴェン:4大ピアノソナタ第8番&第14番&第23番&第26番

ベートーヴェン:4大ピアノソナタ第8番&第14番&第23番&第26番

  • アーティスト: ルービンシュタイン(アルトゥール),ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2006/04/26
  • メディア: CD

熱情ソナタ&エロイカ変奏曲~ベートーヴェン:ピアノソナタ第23番,32の変奏曲&エロイカ変奏曲

熱情ソナタ&エロイカ変奏曲~ベートーヴェン:ピアノソナタ第23番,32の変奏曲&エロイカ変奏曲

  • アーティスト: 仲道郁代,ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2006/10/18
  • メディア: CD

皇帝&熱情ソナタ ~ベートーヴェン名演集

皇帝&熱情ソナタ ~ベートーヴェン名演集

  • アーティスト: ホロヴィッツ(ウラジミール),ベートーヴェン,ライナー(フリッツ),RCAビクター交響楽団
  • 出版社/メーカー: BMGビクター
  • 発売日: 1997/04/23
  • メディア: CD

↓こういうものも拾っておきます。

花火の図鑑

花火の図鑑

  • 作者: 泉谷 玄作
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2007/07
  • メディア: 単行本

花火の大図鑑

花火の大図鑑

  • 作者: 泉谷 玄作
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2009/06/18
  • メディア: 単行本

ちなみに、D. PURPLEの思い出したアルバムというのは↓です。

Machine Head

Machine Head

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
  • 発売日: 1987/06/17
  • メディア: CD


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