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「不良番長」(その6) [映画(邦画)]

今回は1969年製作作品の中で残っているシリーズ第5作について記します。この作品は、物語の舞台を大阪に持ってきているが、1969年の公開ということで、翌1970年の大阪万博に関するネタが盛り込まれているところが、当時の時流でもありました。

シリーズ第5作不良番長 どぶ鼠作戦
作品データを記しておくと、1969年の東映東京の作品で、時間は88分、監督は野田幸男、脚本は山本英明と松本功の2人、撮影は星島一郎、美術は中村修一郎、音楽は八木正生である。そして出演は、梅宮辰夫、谷隼人、葉山良二、賀川雪絵、南弘子、山城新伍、鈴木ヤスシ、長沢純、笠置シヅ子、由利徹、上田吉二郎、須賀不二男、富田仲次郎、中田博久、藤山浩二、福山象三、北川恵一、小林稔侍、石井恵美子、武智豊子、藤江リカ、英美枝、団巌、木山佳、三笠れい子、小林千枝、曽根晴美、伊達弘、久保一、鳳啓助、中田ダイマル、中田ラケット、沢田浩二、京唄子、たちである。

東京・新宿を根城にしていたカポネ団だったが、その新宿を追われてしまい、神坂は大阪に移り、以前と同様に荒稼ぎをしていた。しかも、釜ヶ崎のグレン隊・ヤリフリ団との間で起きたトラブルも、団長・峰隆三と神坂の対決が引き分けたことで、譜人は互いを認め合って意気投合した。で、神坂はストリップ興行で稼ぐことを思いつき、互いに協力し合って稼ぎまくる。しかし、関東挺身会の大東組が縄張を荒されたとして乗込んで来る。更に、大東組に追われた河内の山高組の代貸・猪叉大八をカポネ団が逃がしてしまったことから、騒動が起こる。詫びに行った峰は刺され、神坂たちは大暴れをして何とか峰を連れ戻したが、治療費などで稼いだ金も吹き飛んでしまった。で、神坂は山高組に世話になろうとして山高組を訪れたが、山高組は組長・山高今朝吉がちゃちなストリップ小屋を一軒だけやっていて、稼ぎの方は酷かった。で、神坂たちは山高組のストリップ小屋に協力するために、町で3人の若い娘を見つけてきてストリップに出させるようにした。で、何とか稼げるようになる。

しかし、関東挺身会の会長・川島精之助は、万博が行われるということで、その客を目当てにした大スーパーを作ろうと画策し、山高組の小屋を立退かせるように大東組に命じていた。で、大東組は山高組へ嫌がらせを始める。これに神坂は考えて、立退き料を受取って現在の小屋の土地は明け渡すが、受け取った金でその隣に新しい大劇場を新築しようというものだった。既に立ち退き料を払っているだけに、大東組は慌てた。山高を殺害、新劇場の工事現場にダイナマイトを仕掛けて建設中の劇場を破壊し、これに巻き込まれた形で団員やストリップの娘達が犠牲になってしまう。で、神坂は怒り、関東挺身会の川島がやってくるということを知ると、川島の車を待ち伏せし、襲撃、崖下に転落させて仲間たちの復讐を果たした。

舞台を大阪に移したことで、これまでとは少し違った雰囲気が出ることになり、この点では良かったのだが、時事ネタと言ってもよい「大阪万博」が絡んだストーリーとしているところは如何にも、と言った所である。まあ、大阪万博に絡めたものと言うことでは珍しく無いが、時代を感じると言うことでは宜しいんじゃないですかね...

 

不良番長 どぶ鼠作戦 [DVD]

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DURAN DURAN『NOTORIOUS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1986年に発表された彼らの4枚目のスタジオ・アルバムである。前作から3年ぶりとなった本作は、A・テイラーとR・テイラーが脱退して3人となった彼らの再出発となったアルバムとして知られている。セールの点では伸び悩んだとはいうものの、それでもイギリスで最高位16位、アメリカ(Billboard)では最高位12位を記録するヒットとなった。(デビュー・アルバムから3枚つづけて、イギリスでは全てTOP 3入り、アメリカでも全てTOP 10入りしていることから「伸び悩んだ」と言われているが、TOP 20入りをするヒットとなっているのは流石である。)尚、Billboardの1987年の年間アルバム・チャートでは60位にランクインしている。

収録曲は以下の全10曲である。『Notorious』『American Science』『Skin Trade』『A Matter Of Feeling』『Hold Me』『Vertigo (Do The Demolition)』『So Misled』『Meet El Presidente』『Winter Marches On』『Proposition』。

この中からシングル・カットされたのは3曲であり、アルバム・タイトル・ナンバーであり、かつ1st.シングルの『Notorious』はアメリカではBillboardで最高位2位(1987年の年間シングル・チャートでは25位)を記録し、イギリスでは最高位7位を記録、イタリアでは1位を獲得するヒットとなって、これまでの彼らの貫禄を出していた。が、彼らの勢いはここまでで、2nd.シングルの『Skin Trade』がBillboardで最高位39位、イギリスでも最高位22位と伸び悩んだ。(イタリアでは3位を記録している。)そして3rd.シングルの『Meet El Presidente』はBillboardでは最高位70位、イギリスでは最高位24位、イタリアでも最高位10位ということで、それなりのヒットの規模であるのだが、'80's初頭の勢いがもの凄かっただけに、低迷期に突入することになった。

お薦め曲は、シングル曲の『Notorious』と『Skin Trade』、それ以外では『American Science』と『Hold Me』、『Vertigo (Do The Demolition)』というところをピックアップしておく。

本アルバムはセールスやチャート成績の点では確かに伸び悩んだが、音楽的な内容と言うことではこれまでのアルバムに決して劣っているものでは無く、逆に充実した内容となっている。(この音楽的な完成度の高さが、メンバーそれぞれの音楽性の違いとなって分裂することになったと思われる。)ある意味では、これまではビジュアル的に部分が先行していて、アイドル的な人気に支えられていたが、本アルバムでは音楽的な内容で勝負できるようになって、アーティストとして生まれ変わったということが出来る内容となった。

ということで、彼らのキャリアの上でも様々なターニング・ポイントとなったアルバムであり、'80'sサウンド(特に第二次ブリティッシュ・インヴェージョンの波に乗ったグループのサウンド)を聴く方は、外すことの出来ないアルバムである。

 

Notorious

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  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 1993/06/29
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ノトーリアス

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  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1997/10/29
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ケータイ刑事銭形雷6話[裏ネタ編]PART 7 [ケータイ刑事]

銭形雷」の第6話「お帰りなさいませ、ご主人様! ~萌え系メイドカフェ殺人事件」の「裏ネタ編・増補」の6回目となる今回は、この物語でのトリックに使われた「燐」関係から、「」について、「白燐」について、「黒燐」について、「紫燐」について、「赤燐」について記します。

尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/2/6付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。

」:英語では「Phosphorus」と言う。原子番号15の元素であって、窒素族元素の1つである。また、元素記号は「P」、原子量は30.97である。常温では固体であるが、自然界では単体では存在せず、燐酸塩という形で広く存在している物質である。また、人間をはじめ、生物の体内にも含まれている物質でもある。(生体必須元素の1つとして知られていて、DNAの一部を構成しているのと、骨、歯に含まれている。)

同素体については、白燐、黒燐、紫燐、赤燐、黄燐などがあって、10種類以上が存在することが分かっている。但し、現時点ではその全てが解明されている訳ではない。(それらの中でも、特に赤燐と黄燐(白燐)は幅広く利用されていることから、一般に広く知られている。)同素体は、同じ元素から成るが、原子配列が異なるために性質も全く異なるという物質である。酸素とオゾン、墨(黒炭)とダイヤモンド同素体として有名であるが、燐の同素体は種類が多いこと、その性質は全く異なっているということから、「同素体とは?」と言った場合、必ず引き合いに出される物質である。

燐の物理的な特性を記しておくと、融点は317.3 K(約44゜C)、沸点は550 K(約277゜C)である。(但し、複数の同素体があり、それらの同素体では融点、沸点、発火点なども異なる温度となっている。)また、多くの放射性同位体が存在していることでも知られている。(但し、安定物質は普通の燐(原子量31)のみである。また、同位体の半減期はそれほど長くなく、半月とか一ヶ月程度という時間スケールである。)

歴史は、1669年にドイツの錬金術師であるヘニング・ブラントが発見し、抽出することに成功し、1680年にアイルランド出身のロバート・ボイルが抽出方法を開発し、その助手・アンブローズ・ゴドフリーが商業的な規模に改良されたことで、広く利用される物質となった。

主な用途は、化学肥料、農薬、殺虫剤、化学兵器、マッチ、食品添加物などがあるが、現在では化学肥料(リン酸化合物の種類は変化している。)としての消費が最も多くなっている。殺虫剤や化学兵器に関しては、リン酸化合物が使われているのだが、毒性が高い化合物が多く、一部の物質は現在では使用が禁止されている。(その毒性を利用して農薬や殺虫剤、更には化学兵器が作られた。多くの神経ガス(サリンなど)も有機燐化合物を使ったものである。)

また、洗剤に使用されていた時期もあるが、その排水による湖や海の富栄養化によって赤潮が発生するという公害が大きな問題となったことから、こちらも規制が掛けられるようになったことでも知られ、現在では「無リン洗剤」は当たり前となっている。

工業的には、天然にある燐鉱石を、コークス、ケイ砂と共に粉砕混合し、それを電気炉の中で加熱し、生じた燐の気体(蒸気)を水中に集めることで黄燐を作り、その黄燐を更に異なる処理をすることで他の同素体を作っている。

白燐」:燐の同素体の一つであり、強い毒性を持っている物質であり、ニンニクに似た臭が図物質である。(→この物語では、これが使われていたと言うことになる。)ちなみに、燐で軸性を持っているのはこれだけで、他の同素体は無毒である。

分子構造は正四面体型であり、常温では白い色をしていることから「白燐」と呼ばれている。比重は1.82、融点が44.1℃、沸点が280℃であり、発火点が約60℃という低温であるため、その扱いが難しく、通常は水中で保管される物質である。(空気中にあると、酸化されて青白い光を発し、また熱を発するため、空気と触れないようにするためである。また、水には不溶であるためでもある。)

普通にあるものは、表面が微量の赤燐で覆われた状態になるため、「黄燐」ということもある。

また、これを利用した化学兵器が製造されていて、爆弾も作られたことがある。兎に角、猛毒性の危険な物質である。

黒燐」:燐の同素体の一つであり、燐の同素体の中では最も安定している物質である。(空気中でも発火しない。)また、これは半導体である。(半導体としての利用がある。)比重は2.69と重くなり、融点は587.5℃、鉄灰色の金属光沢を有していることから「β金属リン」と呼ばれることもある。

紫燐」:燐の同素体の一つであり、金属光沢を持っている物質であり、そのため「α金属リン」と呼ばれることもある。色は暗紫色をしている。黒燐は半導体であるが、紫燐は電気伝導率の低い物質であるため、絶縁材料として使われることもある。特性は、比重は2.35、融点が589.5℃、昇華点が416℃である。

赤燐」:燐の同素体の一つであるが、これは紫燐を主成分とした白燐との混合体である。(が、研ぐ意的には紫燐、白燐とも異なっている。)赤褐色をしていることから「赤燐」と呼ばれることになった。また、最近では使い捨てライターが普及したことでマッチの需要が減っているが、マッチに使われている物質であるため、燐の中では最も身近に所にあった物質でもある。融点が590℃、発火点が260℃ということで、常温では発火の危険がなく、扱いやすい物質であることから、マッチの側薬の材料として利用されている。(初期のマッチは黄燐だったが、毒性、自然発火の問題から禁止され、赤燐を用いたマッチが登場して、これがマッチの主流となった。)

 

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↓参考まで

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光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学 (岩波現代文庫)

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  • メディア: 文庫

化学物質毒性ハンドブック (3)

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  • 出版社/メーカー: 丸善
  • 発売日: 2000/02
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高リン血症Q&A―慢性腎不全の副甲状腺機能亢進を中心に

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  • 出版社/メーカー: 医薬ジャーナル社
  • 発売日: 2003/09
  • メディア: 単行本

赤潮―発生機構と対策 (水産学シリーズ)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 恒星社厚生閣
  • 発売日: 2008/09
  • メディア: 単行本

赤潮の科学

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 恒星社厚生閣
  • 発売日: 1997/07
  • メディア: 単行本


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