SSブログ

DAVID BOWIE『TONIGHT』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1984年に発表されたアルバムであって、彼の第二の黄金期である'80's前半のアルバムである。しかし、本アルバムに関してはボロクソに言われていて、ありとあらゆる酷評が行われてきたアルバムとしても有名なアルバムである。が、チャート成績では、イギリスでは1位を獲得していて、3作連続の1位か来徳&通算6枚目の1位獲得アルバムとなっている。アメリカではBillboardで最高位11位を記録している。(年間アルバム・チャートのTOP 100にはランクインしていないことから、伸び悩みがあって苦戦したことが伺えますね。)

収録曲は以下の全9曲である。『Loving The Alien』『Don't Look Down』『God Only Knows』『Tonight』『Neighborhood Threat』『Blue Jean』『Tumble And Twirl』『I Keep Forgettin'』『Dancing With The Big Boys』。

この中からシングル・カットされたのは3曲である。最初のシングル『Blue Jean』はイギリスで最高位6位、アメリカでは最高位8位を記録しているが、2nd.シングルの『Tonight』は彼のソロではなくてTINA TURNERとのデュエットであり、英米共に最高位53位と伸び悩んだ。そして1曲サントラからのシングルを挟んでリリースされた『Loving The Alien』はイギリスのみで、最高位19位を記録している。

お薦め曲は、大ヒットを記録した『Blue Jean』と『Loving The Alien』のBOWIEの曲と、I. POPとの共作の中から『Tonight』と『Neighborhood Threat』をピックアップしておく。

本アルバムは、BOWIEのソロ・アルバムであるが、IGGY POPとの共作が多く、ボーカリストとしてのBOWIEの魅力はあるが、ソングライターとしてのBOWIEということでは物足りなさがある。というのは、完全なカヴァー曲を含めてBOWIEの曲では無い曲もあるという所にある。I. POPとの共作ということに関してはお馴染みのコンビであるため、特に基には成らないが、やはりBOWIEにはソングライティングの方にも期待があるだけに、内容的には寂しく、「LET'S DANCE」の余力でそれなりのヒットを達成したというアルバムである。(で、再び低迷期に入っていくことになる。その復帰は、ソロではなくてバンド・TIN MACHINEとしてということになる。)

内容的には物足りないのだが、'80'sのBOWIEの復活と凋落を象徴するのが前作「LET'S DANCE」と本作であることを考えると、その2枚のアルバムを聴き比べるというのも面白い所である。

ただ、一部の曲(カヴァー曲)は捨て曲と言っても良いが、シングル曲については評価は今一つであるが、力が入っていることだけは疑いの余地がなく、これらだけでも聴いておいても宜しいかと....

 

Tonight [ENHANCED CD]

Tonight [ENHANCED CD]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Virgin Records Us
  • 発売日: 1999/08/26
  • メディア: CD

Tonight

Tonight

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Disky
  • 発売日: 2003/03/24
  • メディア: CD
トゥナイト(紙ジャケット仕様)

トゥナイト(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
  • 発売日: 2009/12/23
  • メディア: CD

ケータイ刑事銭形雷6話[裏ネタ編]PART 8 [ケータイ刑事]

銭形雷」の第6話「お帰りなさいませ、ご主人様! ~萌え系メイドカフェ殺人事件」の「裏ネタ編・増補」の7回目となる今回は、岡野さんの珍推理ではこれがトリックに使われたことになっていた「エーテル」について、「ダイエット・ドリンク」について、そして容疑者が3杯も食べたのに口を割らないとこぼしていた「カツ丼」について、そしてこれと比べられていた「人魂」について記します。

尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/2/6付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。

エーテル」:有機化合物の一つであり、1つの酸素原子に2つの炭化水素基が結合した形の有機化合物の総称である。一般には中性であり、かつ芳香性のある液体というものが多い。(固体もある。)

普通に「エーテル」と言った場合は、数多くのエーテルの中でも「ジエチルエーテル」のことを指す。で、ジエチルエーテルは分子量が74.12、C2H5という炭化水素基が2つ結合したものである。また「エトキシエタン」とも呼ばれることもある。水溶性ではないのだが、微量であれば水に溶ける、絶縁体である、という特徴がある。融点は-116゜C、沸点は35゜Cなので、常温では液体(夏ではあっという間に気化してしまう可能性が高い)であるが、ちょっとしたことで気化してしまう。また引火性も高い物質であり、大気中の酸素によって酸化されると過酸化物を生成しやすく、再蒸留時に爆発する危険性のある物質でもある。

気化したものを吸入すると麻酔作用があるが、導入は遅い。また、致死量と麻酔作用を示す血中濃度の安全域が極めて広いという特徴があり、一時は麻酔薬として多く利用されていた物質でもある。(先端医療では、先端機器が静電気に弱く、エーテルは静電気を蓄えやすい、引火性が高いという性質があるため、麻酔薬としては使用されていない。)

尚、刺激性が強いので、普通は気化したガスがあると臭いで感じることが出来る。また、吸引の仕方によっては激しい咳が出ることもあるので、これがあれば感じるはずである。

ということで、岡野さんの珍推理としては、人体発火に利用されたという可能性は確かに考えられるが、物性や刺激臭があることから、これを利用したのならば、何らかの反応があってもおかしくないだけに、やはり使用したとは考えにくいですね。(ということで)考えが浅い岡野さんということに...

ダイエット・ドリンク」:「ダイエット」の本来の意味は「食べ物、食事、餌」のことである。そこから、病気治療や健康増進を目的とした食事療法、またはそのための特別食を指す言葉となった。(「ダイエット・フード」のことである。)特に糖尿病や肥満症治療のための低カロリーである食事のことを指していたが、言葉は変化していくものであり、「低カロリー」という所から言葉の意味が広がり、美容や肥満防止のために行う食事の量、質、食材の種類、バランスなどをコントロールする「食事制限」のことや「減量法」という意味が加わり、日本では現在ではこのことを指す言葉となった。で、いつしか「低カロリーの食事」のこと、及びそれを用いた減量法まで指すようになった。(特に、何でも直ぐに結果を欲しがる最近の潮流もあって、日本では「ダイエット」の結果に得られる「痩せる」という意味になってしまった言葉でもある。→現在の日本語の「ダイエット」とは完全に和製英語であって、英語の「Diet」とは別と言って良い。)

一方、「ドリンク」とは「飲み物」のことであって、液体であって、それを飲むことで体内に摂取するものである。清涼飲料、炭酸飲料、乳性飲料などいくつかの種類がある。

「ダイエット・ドリンク」はダイエット効果のある成分を含んでいる飲料のことである。但し、減量効果と言っても、人それぞれであって、その効果には個人差があるのは言うまでも無い。また、中には健康に害を与えるような副作用がある場合もあるため、はなはだ疑問もあるものでもある。→そもそも「薬」ではないので、減量どころか、過剰摂取によっては逆になる可能性だってあり得る。(単に「減量」と言うことであれば「下剤」を飲むと、その後に起こる生理的現象によって排出が進み、マクロ的に捕らえると、確かに体重減となる。そのため「下剤」は「ダイエット効果がある」という乱暴な言い方も出来てしまうことになるが、正しい「減量」ではないのは言うまでも無い。)

実際に「ダイエット効果」があるかどうかは疑問であるが、日本人は「ダイエット」と言う言葉に弱いだけに、手を変え品を変えて販売されていくことになるのでしょうね...

カツ丼」:丼料理の一つであって、丼飯の上に調理した豚カツを乗せたものである。尚、豚カツの調理については地方によって多少の違いがある。(共通しているのは豚カツという所だけである。)

代表的なものは、豚カツを出汁と砂糖と醤油、みりんなどで煮て、卵とじにしたものを具材として丼飯の上に乗せたものである。→「カツ丼」と言うと普通はこの種のものを指し、異なるバリエーションのものは「○○カツ丼」と呼ばれるのが一般的である。

卵とじにしていないカツ丼では、丼飯の上に豚カツを乗せて、ウスターソースをベースとしたソースをかけたものがある。(「ソースカツ丼」と呼ばれている。)尚、これにはご飯と豚カツの間に千切りにしたキャベツを入れる地域と入れない地域とがある。また、これの変形という者としては、かけるソースが独特のものというものが数多くある。(ドミグラス、タルタルソース、醤油ベースのソースなどをかけたものがある。また、塩だれ、味噌などを使ったものもある。)

刑事ドラマでは、取り調べというと「カツ丼」というのが定番であり、これは「映画館ではポップコーン」「野球観戦にはビール」というのと同様にお約束になっている。元々は、戦後の貧しい時代を舞台にした刑事ドラマで、貧しさから盗みを働いた被疑者が、刑務所に入ると御馳走であるカツ丼は二度と食べられなくなるだろうということで、刑事の安月給からカツ丼の出前を注文し、それを食べさせると、その情にほだされた被疑者が自供するということになった。このドラマに対して尾びれ背びれが付き、いたり、そのパロディが広まり、いつしか「取調中の食事はカツ丼」「自白するとカツ丼を食べさせてもらえる」という誤解が広がって定着したものである。

現実の警察では、取り調べの際、専用の弁当が出ることになっているので食事は食べさせて貰えるが、カツ丼ではない。また、カツ丼が食べたければ、それを注文することは出来るが、刑事が自腹を切ってとか、警察の費用でということではなく、注文した人の自己負担となる。で、後から出前で取ったものの料金を請求されることになる。(警察が費用を負担した場合は利益誘導とされ、裁判の際に、自白は利益誘導によって行われた者として証拠として採用されず、無罪となった判例が実際にある。)また、取調室ではなく、食事をするのは留置場の中と言うことになっている。また、自己負担で注文する場合は「カツ丼」に限らず、例えば「牛丼」などでも全く問題は無い。(但し、出前の注文をする店のメニューにあることが前提ですが...)

現実の世界では「取調室の食事≠カツ丼」であるが、フィクションの世界では「取調室の食事=カツ丼」でも宜しいかと...

人魂」:夜、空中を浮遊する青白い火の玉のことであり、死者の体から遊離した人間の魂とされたため、このように呼ばれている。よって、科学的なその存在は実証はされていない(「霊魂」は実証されていないが青白い炎の存在は実証されている。)が「火の玉となった人間の霊魂」のことでもある。(古語ではこちらの方が第一意であった。)

「鬼火」「火の玉」という言い方も地方によってはある。また、英語では「Corpse Candle」とか「Human Soul」と言うが、最近では日本語をローマ字表記した「Hitodama」と言っても通じるようになっている。(英語以外の言語でも「Hitodama」で通じるようになりつつある。但し、中国では「鬼火」と呼ぶのが主流のようです。)

尚、全く別の意味としては、「流星」の俗称として使われることもある。

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 1

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 1

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

↓参考まで

エーテル・デイ―麻酔法発明の日 (文春文庫)

エーテル・デイ―麻酔法発明の日 (文春文庫)

  • 作者: ジュリー・M. フェンスター
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/06
  • メディア: 文庫

エーテルと電気の歴史〈上〉 (1976年)

  • 作者: E. T. ホイッテーカー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1976
  • メディア: -

エーテルと電気の歴史〈下〉 (1976年)

  • 作者: E. T. ホイッテーカー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1976
  • メディア: -

ココロとカラダにやさしい 今夜の飲みもの

ココロとカラダにやさしい 今夜の飲みもの

  • 作者: 藤井 香江
  • 出版社/メーカー: 日東書院本社
  • 発売日: 2008/04/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

カツ丼の道 素人庖丁記2 (ランダムハウス講談社文庫)

カツ丼の道 素人庖丁記2 (ランダムハウス講談社文庫)

  • 作者: 嵐山 光三郎
  • 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
  • 発売日: 2008/03/01
  • メディア: 文庫

ミスター味っ子 超極厚カツ丼! おいしさの秘密の巻 (プラチナコミックス)

ミスター味っ子 超極厚カツ丼! おいしさの秘密の巻 (プラチナコミックス)

  • 作者: 寺沢 大介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/06/10
  • メディア: コミック

水木しげる 妖奇 貸本・短編名作選 人魂を飼う男 (ホーム社漫画文庫) (HMB M 6-3)

水木しげる 妖奇 貸本・短編名作選 人魂を飼う男 (ホーム社漫画文庫) (HMB M 6-3)

  • 作者: 水木しげる
  • 出版社/メーカー: ホーム社
  • 発売日: 2009/01/16
  • メディア: 文庫

 

↓食べられません(「勝つまでは」ではなく「永遠に」です。)

↓こちらは食べられます。

あけぼの 冷凍食品 カツ丼の具 190g×5個

あけぼの 冷凍食品 カツ丼の具 190g×5個

  • 出版社/メーカー: マルハニチロ食品
  • メディア: その他


ケータイ刑事銭形泪34話(2nd.21話)[裏ネタ編]PART 10 [ケータイ刑事]

今週から、月曜夜の「名曲探偵アマデウス」は夏休み体制に突入ということで、今月は再放送またはお休みということになって新作の登場はありません。(次の新作は9/6です。)よって、今月は火曜日一番はちゃんに務めて貰うことにします。

尚、本日はファイルNo.062のモーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」でした。また、来週9日と再来週16日はお休みです。また、BS-hiでは、火曜朝の再放送の方は休まずに放送され(ファイルNo.062からとなっているので、その後はNo.063、064、065、066ではないかと思います。)、水曜深夜の方は25日までお休みが続きます。一方、BS-2の方は、5、8、22、26、29日は放送される予定ですが、12、15、19日はお休みです。(地上波でも深夜枠で良いからもっと放送したらいいのに...)


銭形泪・裏ネタ編」も今回からは通算で34話となる2nd.21話の「殺しを語る肖像画 ~軽井沢夫人殺人事件」に突入です。この物語の「裏ネタ編」は過去にはPART 9まで記している(2009/10/7、8、10、11、12、13、14、15、17日付けで記しています。)ので、PART 10からということになります。今回はサブタイトルにある言葉から「肖像画」について、「軽井沢夫人」について記します。(どちらも「・34話(2nd.21話)[裏ネタ編]PART 1」で記したものをベースにして加筆しました。)

また、この物語について過去に記した記事については「ここをクリック」してご覧下さい。

肖像画」:特定の人物の顔を中心にした上半身を描いた絵のことである。また「肖像」と呼ばれる事もある。英語とフランス語では「Portrait」(但し、発音は異なる。)、ドイツ語では「Porträt」、イタリア語では「Ritratto」、スペイン語では「Retrato」と言う。

尚、写真はこれには含まれず、あくまでも「絵」として描かれたものに限られる。(写真の場合は「肖像写真」と言うが、写真が普及したことで「肖像画」に取って代わるものとなった。)

「肖像画」のことは「人物画」という言い方をする場合もあるが、「人物画」は人を描いた絵のこと全般を指しているため、人の全身像を描いたもの、更には複数の人物を描いたものまでも含まれることになる。一方、「肖像画」はあくまでも特定の一人(の上半身)を描いたものであるため、「肖像画」は「人物画」に含まれることになり、「人物画」の中の一部が「肖像画」ということになる。

実際、描く人を前にして描かれるだけでなく、写真などの補助的な資料を使って描かれることもある。(よって、この物語ではカン・コーポレーション社長の写真を渡されていて、それを元にして描くというのは、肖像画の描き方としてはよくあることである。→そもそも、画家の前に常にいることになると、それだけ長時間拘束されることになってしまいます。写真のない時代ならばともかく、現在では写真があって、そちらの方がより簡単でもありますし...)

また、作者自身が自分の姿を描いたものを特に「自画像」と呼ぶが、これも立派な「肖像画」の仲間である。(尚、鏡を見ながら自画像を描くことは出来るが、自画像を描くとなると、写真を利用するのは当たり前である。)

肖像画の歴史は古く、紀元前のエジプト王国から存在している。また、古代ギリシャや古代ローマでは、彫刻と同様に芸術的な領域まで進化した肖像画が描かれている。が、最も盛んに描かれたのはルネサンス期であり、この時代にはダ・ヴィンチの「モナ・リザ」という余りにも有名な肖像画が誕生している。

日本でも、古代から数多くの肖像画が描かれている。古い時代のものでは王侯貴族の肖像画が数多く残っている。また、源平の時代の足利将軍の肖像画は歴史が古い肖像画として知られていて、既に肖像画が広く浸透していた証となっている。そして戦国時代の武将たちも同様であって、数多くの肖像画が残っている。

江戸時代に入っても、肖像画は色々と描かれていて、各大名となると、肖像画が残っていて当たり前となっている。また、大名でなくても歴史に名前が残っている人物であれば大抵の人物の肖像画が残っている。(人物の浮世絵も「肖像画」の仲間である。)

世の中に写真が登場したのは19世紀初頭である。しかし、当時の写真は色々と手間が掛かったこともあって、早急に普及していない。現像処理の技術が発達する1850年代になって、写真が広く普及するようになり、その時期になって肖像写真が肖像画に取って代わるようになった。(日本では丁度幕末の動乱期という時期になる。)特に日本では、写真の普及というのが幕末期であって、これまでの日本のやり方ではダメとして、西洋の新しいものを取り入れることが流行のようになるが、(肖像)写真は正に最新の西洋技術であり、新しいものということで流行したこともあって、幕末の志士たちになると肖像写真が数多く残っている。(但し一般庶民はまだ手を出せるようなものではなかった。)

肖像写真が広く普及するのはまだ先のことである。明治になると金持層では肖像写真が広まることになるが、当時はまだ白黒写真であったそのため、肖像写真としては白黒写真ということで広がっていくが、それでもまだ肖像画は残っていた。(カラーとなると、やはり肖像画しか無かったためでもある。)

カラー写真の発明は1861年であるが、それはカラー写真とはいうものの、技術的にはまだまだであり、とても普及するものではなかった。で、研究が続けられ、それなりのカラー写真が得られるようになるのは20世紀になってからである。(しかし、高価と言うこともあって、特別な場合でしか使われなかった。)カラー写真が広く普及するのは第二次大戦の後になってからのことである。で、カラー写真の普及によって、簡単に得られることから、ようやく肖像画は肖像写真に取って代わられることになった。但し現在でも、芸術性を追求した絵画という位置づけでは「肖像画」も残っている。

日本の紙幣に肖像画が描かれている人物についてであるが、以前の紙幣ではお馴染みの聖徳太子、現在の紙幣である「二千円紙幣」の紫式部は写真が登場する以前の人物であるが、肖像画が残っているために、それを元にして紙幣に描かれているが、それ以外の人物は肖像写真が残っている人物である。(但し、「二千円紙幣」は実質的に殆ど流通していないため、どうでも良いような気もしないではないですが...→完全にこれは失政でしかない。)ちなみに、紙幣に描かれているのは「肖像画」であって「肖像写真」ではない。現代社会では、紙幣が肖像かが描かれているものとしては最も身近なものということになるのでしょうね...

軽井沢夫人」:1982年の日活製作の映画である。(にっかつロマンポルノの1本である。)舞台は夏の軽井沢で、上流社会にくいこもうとする青年の野望と挫折を描いた物語である。また、本作は嵯峨島昭の同名小説の映画化作品である。そして面白いのは、物語は夏であるが、劇場公開になったのも8月のことでした。(1982/8/6公開でした。)

また、この作品は斜陽になっていたとはいうものの、まだ稼ぐことの出来た時期の作品である。そんな中、本作は「高田美和を見るための映画」として知られている作品である。(にっかつロマンポルノと言えば、ストーリーとか、監督とかは関係なく、主演女優を見るためのような作品が殆どですけど...)

作品データを記しておくと、時間は93分、原作は嵯峨島昭、監督は小沼勝、脚本はいどあきお、撮影は前田米造、美術は渡辺平八郎、音楽は林大輔である。そして出演は、高田美和、五代高之、吉川由美、根岸明美、土屋嘉男、江原真二郎、梓よう子、北見俊之、雪江ゆき、大辻鉄平、遠山牛、小池雄介、織田俊彦、伊藤将人、名川貞郎、入江正徳、たちである。

ある夏、苦学生・紫藤純一は軽井沢の高級レストランでウェーターとしてアルバイトを始める。数日後、中川総業社長の別荘で開かれるパーティーにウェーターとしてレストランから派遣される。そして中川夫人・佳子に釘づけにされてしまう。そんな中、彼は佳子に見惚れていて銀皿を落としたことで攻められ、レストランをクビになる。翌日、偶然出会った紫藤と佳子。クビということに同乗した佳子は息子・有一の家庭教師として彼を雇うことにした。佳子の夫は愛人を作っていて、佳子の元には帰ってこないこともあって、2人は直ぐに男女の関係となる。そして佳子の亡くなった姉の別荘に住むことになった。そんな中、佳子の姪・亜矢の恋人で岡崎財閥の御曹子・雅和が、紫藤に秘密を語った。それは、彼はアメリカで殺人を犯し、酒島警視に追われているということだった。で、追っ手から逃れるために自分を死んだと思わせる偽装殺人の協力を求めた。考えてから返事をしようとしていた紫藤は、その夜、亜矢と共に雅和の元を訪ねた。が、そこにはすでに殺された雅和の死体があった。紫藤は自分に疑いが掛かることを恐れて、雅和の死体を埋め、亜矢には「もはや2人は共犯者だ」と威して、結婚を迫り、亜矢も受け入れた。ある日、紫藤と亜矢がレストランで食事をしていると、またまた佳子と出会い、紫藤は亜矢と婚約したことを告げた。これにショックを受ける佳子。で、紫藤は全てのことを話した。佳子はその話が真実かどうかを確かめるため、警察に通報してしまい、警察が身近なところで動いた。まもなく雅和の死体が発見され、紫藤は窮地に追いこまれ、亜矢と共に車で逃げようとする。が、運転を誤まって列車に激突し、2人共死んでしまった。紫藤の死の知らせを受けた佳子は遺体安置所に出向き、酒島警視から、雅和殺害犯は紫藤でないことを知らされた。こうして軽井沢の夏は終わった。

特に今回の物語がこの作品をモチーフにしていると思える部分は、「軽井沢の別荘」「テニス」という所である。しかし、軽井沢は別荘地として有名な場所であり、また、テニスというのも軽井沢ではお馴染みのものであるため、「モチーフにした」とまでは言えないでしょうね。せめて登場人物の名前などはこの映画の登場人物の名前をもじることをしても良かったのではないかと思いますが...

 

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

↓参考まで

肖像画は歴史を語る

肖像画は歴史を語る

  • 作者: 樺山 紘一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1997/03
  • メディア: 単行本

個の礼讃―ルネサンス期フランドルの肖像画

個の礼讃―ルネサンス期フランドルの肖像画

  • 作者: ツヴェタン トドロフ
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2002/12
  • メディア: 単行本

肖像画の視線―源頼朝像から浮世絵まで (歴史文化セレクション)

肖像画の視線―源頼朝像から浮世絵まで (歴史文化セレクション)

  • 作者: 宮島 新一
  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 単行本

肖像画 (日本歴史叢書)

肖像画 (日本歴史叢書)

  • 作者: 宮島 新一
  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 1994/11
  • メディア: 単行本

偉人はなぜ自分の肖像画を描かせるのか? ((SUN MAGAZINE MOOK))

偉人はなぜ自分の肖像画を描かせるのか? ((SUN MAGAZINE MOOK))

  • 作者: 内藤誼人
  • 出版社/メーカー: マガジン・マガジン
  • 発売日: 2010/07/10
  • メディア: 単行本

幕末蒔絵シール「坂本龍馬」肖像画(全身)

幕末蒔絵シール「坂本龍馬」肖像画(全身)

  • 出版社/メーカー: 歴史城
  • メディア: おもちゃ&ホビー

軽井沢夫人 (カッパ・ノベルス)

  • 作者: 嵯峨島 昭
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1979/06
  • メディア: 新書

軽井沢夫人 (光文社文庫)

  • 作者: 嵯峨島 昭
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1988/07
  • メディア: 文庫

軽井沢夫人 [DVD]

軽井沢夫人 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 日活
  • メディア: DVD

軽井沢夫人 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 日活
  • メディア: DVD


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。