「SLOGAN」

表題の作品は1968年のフランス映画「スローガン」である。尚、日本では長らく劇場未公開であったが、1995年暮れになってようやく劇場公開された。（この時には既にS・ゲンズブールは故人となっていた。）本作は、S・ゲンズブールとJ・バーキンの出会いがこの作品であり、1969年に2にはは結婚することになったきっかけになった作品として知られている。（S・ゲンズブールは再々婚、J・バーキンは再婚であった。）

作品データを記しておくと、時間は95分、監督はピエール・グランブラ、脚本はピエール・グランブラ、メルヴィン・ヴァン・ピーブルズの2人、撮影はクロード・ブソレイル、音楽はセルジュ・ゲンズブールである。そして出演は、セルジュ・ゲンズブール、ジェーン・バーキン、アンドレシア・パリシー、ジュリエット・ベルト、アンリ・ジャック・ユエ、ジェームズ・ミッシェル、たちである。

鬼才CMディレクターとして知られているピエールは、ヴェニスの映画祭でグランプリを受賞した。で、ヴェニスにやって来た彼は、そこで愛人とやって来ていたエヴリーヌという女性と知り合い、一目惚れをし、直ぐに深い関係になった。しかし、ピエールには、妻・フランソワーズとの間に赤ん坊がいて、更に妻は現在2人目の子供をお腹に宿していた。パリに戻ったピエールは、妻に、本気で浮気していることを見抜かれ、離婚する。そしてピエールはエヴリーヌと一緒に知らし始めた。それからしばらくの間は、2人は上手くいっていたが、ピエールは子供のことが気になったりしていて、色々と葛藤するようになる。それでも数年間、2人の生活は何とか続いていた。そんな中、エヴリーヌはイタリアからやってきたプレイボーイと知り合った。彼は競艇のイタリア・チャンピオンであった。そんな所に、ピエールは再びヴェニスの映画祭で再びグランプリを受賞することになり、エヴリーヌと共にヴェニスに向かった。しかしエヴリーヌは、ヴェニスでイタリア人のプレイボーイの元に走り、駆け落ちしてしまったのだった。更に数年後、ピエールは股もヴェラスの映画祭でグランプリを獲得し、授賞式のためにヴェニスにやってきた。表彰が行われ、トロフィーを手にして歩いていた彼は、ある美女とぶつかり、その女性との間で新たな恋の予感を感じていた。

男と女の物語ということでは悪くないのだが、そのきっかけとなるのが全てヴェニスであって、しかも映画祭でグランプリを受賞するということになっているのは、運命めいた所があって面白い。しかし、いくら売れっ子ディレクターといっても同一人物がグランプリを何度も受賞するというのはいくら何でも都合がよすぎると感じてしまう。ヴェニスで出会いが起こるのに拘るのなら、もう少し工夫が欲しいと思ってしまう。

それ以外の所では、フランス映画らしいお洒落な所が色々とあり、小気味よさも感じられる作品である。また、1968年の作品ということで、何かと'60'sテイストの物が出てくるのも、現在ではお洒落に感じられる所である。また、J・バーキンが美しく、本気で惚れてしまうという所も納得出来るところである。

キャスティングを含めタストーリー以外の所が良かっただけに、ストーリーにもうあと一工夫が欲しかった作品であるのが残念であるものの、制作から40年以上が流れた現在であれば、「古き良き時代の映画」と捕らえるのもまたよろしいかと...

 

スローガン [DVD]

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JOEY SCARBURY『AMERICA'S GREATEST HERO』

表題のアルバムは1981年に発表されたアルバムである。元々はカントリー系の大人のシンガーとして活動を続けていた彼であるが、本アルバムは彼のアルバムであるものの、ドラマ「アメリカン★ヒーロー」の主題歌を中心とした構成となっている。（このドラマは日本でも人気があったものであって、放送されていた。）結果的に、ドラマのヒットにより、その主題歌が大ヒットをすることになったが、それが彼にとっては唯一の大ヒット曲になり、「一発屋」というイメージが出来てしまった。（バック・ミュージシャンとしての活動歴も長いだけに、元々その印象があるだけに...）

収録曲は以下の全10曲である。『The Theme From "Greatest American Hero" (Believe It Or Not)』『Love Me Like The Last Time』『Stolen Night』『There Is A River』『Everything But Love』『Take This Heart Of Mine』『When She Dances』『That Little Bit Of Us』『Some Of My Old Friends』『Down The Backstairs (Of My Life)』。

この中からシングル・カットされたのは、ドラマ主題歌である『The Theme From "Greatest American Hero" (Believe It Or Not)』である。ドラマの人気も手伝って、Billboardで最高位2位を記録するビッグ・ヒットとなり、1981年のBillboard年間シングル･チャートでも11位にランクインしている。また、『When She Dances』もシングル・カットされていて、こちらは同チャートで最高位49位を記録している。

お薦め曲は、『The Theme From "Greatest American Hero" (Believe It Or Not)』はこの曲があってこそであるため当然である。それ以外からは『Love Me Like The Last Time』『Stolen Night』『Take This Heart Of Mine』『Down The Backstairs (Of My Life)』という所をピックアップしておく。

彼の代表曲というと、ヒットの規模もあって、やはり『The Theme From "Greatest American Hero"』と言うことになるが、本アルバムを聴くと、逆にこの曲だけが少し異質に感じられてしまう。元々カントリー・シンガーとして地道に活動を続けてきた彼は、日本で言うと、地道に活動を続けている演歌歌手と言っても良い。それが突然、ドラマ主題歌を歌い、その曲が大ヒットしただけに、本来の自分の姿を中心にしたら、よそ行きおめかしをしている感じがするのも仕方のないところである。しかし、シンガーとしてのキャリア（'60'sの終わりから活動している。）もあって、仕上げの方は素晴らしいものになっている。

内容的には、カントリー系のボーカル・アルバムとして、オーソドックスなカントリー・ナンバーとバラード系ナンバーを中心にした大人向けのアルバムであり、じっくりとボーカルを聴きたいという方には悪くないものである。日本ではカントリー・フレバーのものは今一つ支持されないが、そういうことを考えると、ちょっと新鮮な感じがするアルバムと言っても良いですね。（が、もっと正当に評価されて欲しいと思うところでもありますが...）

 

America's Greatest Hero

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ケータイ刑事銭形零5話[裏ネタ編]PART 8

「銭形零」の第5話「さよなら、アンドリウ ～キラークイーン殺人事件」の裏ネタ編・増補は今回限りです。で、今回は劇中に名前が登場した中から存命人物でもある脚本家の「渡邉睦月」について、「中邨武尊」について、そして我らがクイーン様こと「宝積有香」について、そして「夏帆」について記します。尚、「宝積有香」については「零・5話[裏ネタ編]」で記した物をベースにして加筆しました。

また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。（この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/2/14日付です。）

「渡邉睦月」：1971年生まれの脚本家である。（この物語で語られている様に、1971/1/9生まれである。また、「舞・7話」で語られたように、大学院（専修大学）国文学専攻修士課程を修了している。）

TBS系のドラマでの脚本を書くことが多く、2000年の「教習所物語」、2001年の「世界で一番熱い夏」、2002年の「太陽の季節」などの脚本を書いた後、BS-i作品の「あした吹く風」を経て、「銭形愛」の脚本に参加していて、その後、「舞」「泪」「零」「雷」で脚本を書いている。（「海」「命」には参加しておらず、「結」にも参加していないものと思われる。）尚、「ケータイ刑事」シリーズで脚本を書いた本数は29本であって、この数は「ケータイ刑事」のチーフ監督である林誠人に次いで第2位である。また、「ケータイ刑事」以外のBS-i作品でも脚本を書いている。

そんな中、2006年の「名探偵コナン10周年ドラマスペシャル」で日テレのドラマで脚本を書いたあたりからTBS系以外の曲でも脚本を書くようになり、同時に「ケータイ刑事」から離れてしまった。（→「雷・2nd.9話」には、愛犬のプン太と共に出演したのが最後である。尚、脚本を書いたのは「雷・2nd.1話」が最後である。）→他局でも脚本家として認められたことで、形の上では「ケータイ刑事を卒業」ということになるのであろうが、「ケータイ刑事はライフワーク」という発言をしているだけに、戻って来た貰いたい所である。（出世して、BS-TBSの予算ではと...いうように成長したということでもある...?）

尚、「ケータイ刑事」においては、小学生検事正・多摩川ドイルは彼女の生み出したキャラクターであり、持ちネタである。よって、彼女が脚本家としてが参加していない「海」と「命」には多摩川ドイルは登場していない。(尚、「泪」にも多摩川ドイルは登場しなかった。）これは、彼女自身が「名探偵コナン」のファンであり、その主人公の江戸川コナンのパロディ・キャラとして生まれたものである。（実写版「名探偵コナン」の脚本を担当したのは、天にも昇る気持ちだったと言うことでしょうね。）

また、映画の方では2003年の「君のままで」、2005年の「怪談新耳袋 ～幽霊マンション」、2007年の「恋空」、2008年の「東京少年」で脚本を担当している。

「中邨武尊」：なかむら・たける。脚本家である。デビュー作が「銭形舞・9話」であり、その後、「泪」「零」「雷」で脚本を書いている。（「海」「命」には参加しておらず、「結」も同様ではないかと思われる。）尚、「ケータイ刑事」シリーズでは現時点で13本の脚本を書いていて、この数字は第6位ということになる。（「海」と「命」に参加しなかったことで、5位から6位に後退した。）尚、その内の7本が「泪」であり、1st.10話の爆弾魔、2nd.では、亜空間、ともだちの輪、千里眼、さそり、ゲスト無しの赤中、ヒトラーを書いている。

「ケータイ刑事」以外では「恋する日曜日 ～文學の唄」の「晩菊」（第7話）やドラマ「絶対零度 ～未解決事件特命捜査」がある。

「宝積有香」：ケータイ刑事・ファンであれば、銭形姉妹、相棒、鑑識柴田と共にシリーズの顔としてお馴染みの女優さんである。しかし、苗字の読み方に関しては正しく読めないということもあるようですね。（「ほうしゃく」と読む。）

1976/7/6生まれであり、誕生日が七夕の前日であることから、本人は「七夕イヴ」の生まれと言っている。北海道でタレント活動をしていたが、1995年に上京して活動の場を東京に移している。1996/10～1997/3の間は「関口宏の東京フレンドパークⅡ」に従業員として出演している。そして1997年にはドラマ「いいひと。」で女優としてデビューをした。しかし、この年の暮れに同性騒ぎによって芸能活動を2001年まで休むことになる。

ちなみに、1997年に女優デビューというと、泪ちゃんこと黒川芽以さんも1997年に女優として本格的にデビュー（NHKの「鏡は眠らない。」）しており、愛ちゃんこと宮﨑あおいさんも本格的に女優活動を始めたのもこの年である。（「真・女神転生デビルサマナー」に出演している。）但し、黒川さんは1996/12に放送された「ウルトラマンティガ」の17話にも出演しているので「デビュー作」ということにはならない。→この3人は女優としては同じ年にデビューした同期と言っても良いですね。しかし、芸能活動ということでは、3人とも1997年以前から活動を開始しており、芸歴と言うことではあおいさん>芽以さん>宝積さんということになる。

「ケータイ刑事」への初出演は「銭形泪・1st.1話」であり、この時から「クイーン伝説」が始まった。今回の物語の前までは「泪・1st.1話」「泪・2nd.1話」「零・1st.1話」にいずれも殺される被害者の役（かるたクイーン、鼻タレ・クイーン、数学クイーン）で出演しているが、今回の物語が初の犯人役であり、しかも本人役となった。この後も何度も「ケータイ刑事」に出演しているのはご存知の通りである。基本的には「第1話」への出演が多いが、「零・2nd.」では1話の犯人役に続いて2話では被害者役、9&10話では被害者でも犯人でもない役で出演している。分家姉妹編では、各シリーズの「第1話」への出演はお約束であって、「結・1話」にも出演している。分家シリーズで第1話以外の出演は、「雷・1st.20話」、「海」の夏舞台と冬舞台となった1st.8～11話と3rd.10～12話、「命」の第2話(ここでも2話続けての出演となったが、「零・2nd.」と異なってこちらは2週連続の犯人役でした。)がある。尚、初出演が「泪」であるため、「愛」と「舞」には出演していないが、現在ではレギュラー以外では最多出演回数を誇っている。（1クールだった舞ちゃん、命ちゃんよりも「ケータイ刑事」出演本数が多い。）

所属事務所はスターダストであって、零ちゃん以降の5人の銭形とは同じ事務所である。（とかも6代目の絢ちゃんとは同じ北海道出身でもある。→緑リボンの銭形次女との面白い繋がりの一つでもある。）

「夏帆」：「かほ」、1991/6/30生まれのモデル、女優である。（本名は非公開となっている。）ちなみに、夏帆ポンの生まれた翌日の1991/7/1はFM京都（αステーション）が開局した日である。

2003年にCMに出演して芸能活動を開始しているが、当時は小学5年生であった。その後、ファッション誌でモデルを務めている。また、2003年の夏休みには、夏休み限定のSnappeasのメンバーの1人であった。（この時、雷ちゃんもメンバーであり、「M2」よりも先に一緒になっている。）2004年には第11代の「三井のリハウス・ガール」として選ばれて、そのCMに出演し、同年10月からの「銭形零」で、シリーズ初の中学生刑事、4代目を襲名した。ここから女優としてのキャリアが始まり、BS-i作品にいくつか出演する。

映画出演は2006年の「ケータイ刑事 THE MOVIE」、「ナイスの森」、「小さき勇者たち ガメラ」で立て続けに出演作品が公開された。更に2007年には「ケータイ刑事 THE MOVIE2」と「天然コケッコー」に出演していて、「天然コケッコー」での演技が評価されていくつかの映画賞で新人賞を受賞している。その後、「砂時計」「うた魂♪」「東京少女」に出演している。

「天然コケッコー」で賞を受賞したあたりからBS-iの予算では手の届かないクラスに出世したこともあって、BS-i作品への出演作は無くなった。そのため、「ケータイ刑事 THE MOVIE 2」の時には「皆勤賞」を貰い、シリーズから卒業しなかったのだが、その後、何もないまま、いつのまにか「ケータイ刑事」を卒業する年令に達してしまった。

この物語では、零ちゃんは「夏帆」に似ているが、「夏帆って誰？」という設定になっている所が面白いところでした。尚、実は6代目・海ちゃんの大政絢と同じ年の生まれであるが、海ちゃんは早生まれであるため、夏帆ポンの方が年下である。7代目の命ちゃんが加わるまでは、歴代銭形では最年少であった。（命、結が加わったことで、現在では下から3番目である。）→「M3」に海ちゃんが登場するだけに、零ちゃんも登場させて「卒業式」をやってあげてほしいと思うところであるのだか、キャストの所に名前がなかったですし...ただ、「卒業式」に関しては、「M3」の舞台挨拶に飛び入りという形で現れたら、急遽卒業式を行うということが出来ますが...（その可能性は低いでしょうが...）

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