「野良猫ロック」(その2) [映画(邦画)]
今回は、シリーズ第2作の「野良猫ロック ワイルド・ジャンボ」です。この作品は、シリーズ全5作の中で唯一、原作がある作品である。'70's当初のヒッピー文化を上手く表現している作品である。そして、なんといっても梶芽衣子さんに尽きる。尚、シリーズ作品ではあるが、本作は前作とは関係ない独立した作品である。
作品データを記しておくと、1970年の日活作品であり、時間は84分である。原作は船地慧、監督は藤田敏八、脚本は永原秀一と藤田敏八の2人、撮影は安藤庄平、美術は斎藤よし男、音楽はホリ企画である。そして出演は、梶芽衣子、藤竜也、地井武男、范文雀、夏夕介、前田霜一郎、たちである。尚、和田アキ子が「特別出演」ということで出てくるが、冒頭部分は前作の使い回しであり、それ以外は本作の物語の本筋とは関係ない部分で歌を歌うということでの出演である。よって、梶芽衣子さんが完全な主役である。
ある都市の工場街。自由気ままに生きている非行集団「ペリカン・クラブ」の会員たち。メンバーはガニ新、デボ、C子、ジロー、そしてリーダーはタキである。彼らは西部会という対立するグループとしょっちゅういざこざを起こしていた。そんな中、デボは以前から探し続けていた戦時中に埋められた機関銃を掘り出した。また、白馬に乗った美女・アサ子がタキたちの前に現われた。彼女は各地に数十万人の信者をもつ正教学会の幹部・藤森の二号であった。アサ子はタキに、正教学会の祭に集まる信者からの寄付金3000万円を強奪しようという計画に誘う。他のメンバーに隠したままそれを実行していくタキ。まずは海辺でのキャンプをしてペリカン・クラブの強化合宿を行った。が、この時のタキの態度に不平不満を口にするメンバーがいたことから、タキは計画をみんなに話す。で、計画を進めていく。計画は、ダンプを工場現場から盗み、正教学会の現金輸送車の護衛の白バイをはね飛ばし、続いて現金輸送車にダンプが体当たりして止め、現金袋を奪い、仲間が待機した川に投げ込む、というものだった。そして決行当日、スタンバイをするペリカン・クラブのメンバーたち。が、いつもは護衛の白バイは1台だったのに、この日は2台いた。が、今更計画を変更することも出来ず、現金輸送車襲撃を決行するが...
前半はヒッピー文化の若者たちの姿を描いた青春映画であるが、途中から犯罪映画に様変わりする。周到に計画を進めていき、決行してからの展開は小気味よさもある。しかし、いつもと違う点があったことから、自滅の道を進んでいく若者たちの姿は、アメリカン・ニューシネマの影響をもろに受けていますね。(アメリカの警察ならばこのような対応策に出るでしょうが、日本の警察はそこまではやらないと思うのですけど...)→結構、ツッコミ所のある作品である。
それにしても、やっぱり梶芽衣子さんは良いですね。(「さそり」に刺されたら元には戻れません。)本作では前作の番長グループのリーダー(メイ)で見せた「クール・ビューティ」という役ではなく、自由気ままに生きるヒッピー文化崇拝の若者・C子を演じていて、ちょっと違った姿を見ることが出来ます。(梶さんといえば何と言っても当たり役である「女囚さそり」の松島ナミが真っ先に思い出されますけど...)
↓シリーズ全5作のDVD-BOX
↓オムニバスのサントラ盤
「HOWARD THE DUCK」 [映画(洋画)]
表題の作品は1986年の映画「ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀」である。この作品は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で人気を得たリー・トンプソン主演ということもあって、日本ではそこそこのヒットを記録したが、アメリカでは大コケした作品ということで有名な作品である。そしてゴールデン・ラズベリー賞の方で、ワースト作品賞、ワースト脚本賞、ワースト新人賞、ワースト視覚効果賞の4つを受賞(7部門にノミネートされた。)するということになった。で、アメリカにおいて、日本でヒットしたことが「何故?」と疑問を持たれた曰くのある作品になった。(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のリー・トンプソン人気だったというのが通説である。)ILMが特撮を担当しているものの、主役であるアヒルのハワードが可愛くないというのが最大の敗因と言われている。(実際、可愛くないです。)が、実際、冗長な所がありすぎるのが問題かと...
作品データを記しておくと、製作総指揮はジョージ・ルーカス、製作はグロリア・カッツ、原案はスティーヴ・ガーバーとバル・メイエリックの2人、監督はウィラード・ハイク、脚本はグロリア・カッツとウィラード・ハイクの2人、撮影はリチャード・H・クライン、特撮はILM、音楽はジョン・バリーである。(一流どころが集まっています。)そして出演は、リー・トンプソン、ジェフリー・ジョーンズ、ティム・ロビンス、ポール・ギルフォイル、リチャード・エドソン、リズ・セイガル、たちである。
物語は、2つの月を持つアヒルが住人の星から地球にやってきた27歳の独身サラリーマン・ハワード(勿論アヒル)は場末のバーで唄うロック・グループの女性ボーカリスト・ビヴァリーと知り合う。言葉を話し、知性も高い紳士なハワードをとうち解けたビヴァリーは、ハワードを何とかして元の星に帰そうとする。が、ちょっとしたミスから宇宙に棲む暗黒魔王の1人が地球に乗り込んで来て、地球を侵略しようとする。それにハワードは立ち向かっていくが...
お子様向けの作品としたら、なかなか楽しいアイデアの物語であるが、とにかく出来が悪い。G.ルーカスが携わっているが、本当に関わっているのかと疑問に思ってしまうほどの体たらくである。が、そんな中でも1つだけ良い所がある。それは吹き替え版のキャスティングである。つまり、お子様向け作品として捉えたら、それなりの作品ということになる。また、リー・トンプソンも頑張っていて、キュートな魅力を振りまいている。
本作をB級作品と考えたら、リー・トンプソンにティム・ロビンスが出演していると言うことで豪華な作品という位置づけが出来るが、C級作品と捉えて、色々と突っ込んでみるのが本作の正しい楽しみ方のように思います。ということで、本作は物語を楽しむということよりも、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でリー・トンプソンを気に入ったと言う方がお子様と一緒に日本語吹き替え版で楽しむのと、突っ込み所の演習にするのがよろしいかと...
↓本作のDVDは発売されていません。(ビデオです。LDは発売されていましたけど...)
↓ムック関係です。
↓リー・トンプソンはやっぱりこの作品で見ましょう。
バック・トゥ・ザ・フューチャー 20th アニバーサリーBOX
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- 発売日: 2005/11/25
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今週(9/20)のBS-i「アニメ枠」+「iしたい。」の収穫 [ケータイ刑事]
今週は、日曜日(9/16)朝の「iしたい。」とまとめて記します。(いつも通りの収穫しかなく、これというものは無いという状況ですから...)今週は「ケータイ刑事」関係の宣伝などを集めている方にはちょっと教訓になる週でした。
日曜朝の30分枠の「iしたい。」は、その週の一押し作品の紹介があるが、今週はこれという作品が無いので、本当にいつもの通りである。(30分録画して、実際に残すのは僅か27秒だけ。)で、この枠で次回の「銭形海」(12話)のスポンサーのロゴ無しの30秒バージョン(正確には27秒ですが...)をゲット。(→これによって、木曜深夜のアニメ枠の時に失敗しても大丈夫という余裕ができる。)
更に、日曜朝の再放送(考えたら、この30分枠の「iしたい。」が終了したら1時間後に放送ということになる。)の「銭形雷」の番組宣伝(但し、こちらはいつも「2nd.8話」話の物語をベースにした番組紹介であって、次回予告ではない。(1回ゲットしておけば、それで十分である。)→これをゲットするのであれば、木曜深夜のアニメ枠ということになるが、DVD-BOXを持っているので無理に集める必要も無いのですけど...)もいつものように流れました。
9/15の夕方に「0093 女王陛下の草刈正雄・ナビ」が放送されたが、今後、このナビは、9/23(日)13:30~14:00、10/6(土)18:30~19:00、10/13(土)18:30~19:00にも放送されます。15日に見損なったと言う方はしっかりと見ましょう!
続いて、木曜深夜のアニメ枠での方にいきます。(いつもの通り、アニメ本編は堂でも良くて、CMだけが目的です。)
まずは「おお振り」。いつもの様にこの作品や「怪物王女」のDVD、「AIR」のBDのCM、BS-iの番組の宣伝スポットはあったが、「ケータイ刑事」関係の予告はありませんでした。→こういう時もありますが、これでは全く意味のない放送だったとバッサリと切り捨てます。
「怪物王女」になると、OP主題歌の後のCMで「銭形海」の30秒バージョン(正確には27秒)の次回予告があったものの、日曜朝の再放送の「銭形雷」の次回予告はありませんでした。(まあ、「銭形雷」はDVD-BOXを持っていれば今更ながら録画しなくてもいいんですけど、放送の方が無ければ無いで寂しいところがあります。)それ以外は「ひだまりスケッチ」「Kanon」などのDVDのCMやBS-iの番組の宣伝ということで、いつもの通りでした。
一応、木曜深夜のアニメ枠の中で「銭形海」の次回予告は流れたので、この枠をチェックしていれば目的は達成できるものの、一度しか「銭形海」の予告が流れないとなると、録画ミスをした場合はゲットできなくなってしまうので、日曜日朝8:30~9:00(「プリキュア」と被ってしまいますけど...)の30分枠の「iしたい。」もチェックしておいた方が無難という教訓を教えてくれた今週でした。
↓これを持っていれば、「銭形雷」の予告は流れなくても良いんですけど...
ケータイ刑事 THE MOVIE2 石川五右衛門一族の陰謀~決闘!ゴルゴダの森 プレミアム・エディション
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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その17) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「敵方の二人組コンビ」です。作品タイトルは主役であるボンド/銭形が看板を背負っているが、「007」はボンドとパートナー(主にボンド・ガールであるが、見せ場に応じてパートナーが変わる)が、「ケータイ刑事」は銭形と相棒刑事がコンビを組んでいる。ということで、主役側はコンビであるが、敵方のコンビというのは両作とも少なく、殆どは孤高の存在の1人である。(配下という形で他にも登場人物が出てきますが...)そんな中でもコンビを組んでいる者をがいる。が、このコンビというのが、ちょっとヘンな存在であり、しかも両作で似ているのである。
「007」からはピックアップするのは、敵のボスではなくて配下の殺し屋であるミスター・キッド&ウィント(「ダイヤモンドは永遠に」)を、「ケータイ刑事」からは鬼塚&福本(「愛・18話」)、猿飛&犬井(「舞・11話」)、恩田&相原(「泪・2nd.16話」)という誘拐犯をピックアップする。
尚、「007/オクトパシー」には双子の殺し屋ミーシカ&グリーシカというコンビがいるが、彼らは同じボスに仕えているが、行動を共にしていたところもあるが、大部分で別行動をしていたので「コンビ」として行動しているとは言い難いので、今回は扱わないことにする。(また別の機会で述べる予定である。)
「007」:ミスター・キッド&ウィント。二人は腕利きの殺し屋であるが、風貌は大柄で禿頭のデブと、スマートな男という、漫才コンビにいそうな姿をした男である。特に身体のでかい方は愛嬌のある顔をしていて、殺し屋という感じはなく、スマートな男の方はキレモノというイメージだが、実は結構ドジなところがある。ということで、殺し屋という感じは無いが、いざとなるとサソリを使って暗殺するというように冷酷な所がある。尚、この二人はホモという関係がある。
二人は、ブロフェルドの計画がボンドによって阻まれた後、客船に乗ったボンドとティファニー・ケース(=ボンド・ガール)の客室に給仕になりすまして襲ったが、ボンドの活躍によって倒されました。
「ケータイ刑事」:鬼塚&福本。彼らはヘロインと取引を行っている一味で、現場を見られたということで愛ちゃんを誘拐して連れ回した。兄貴分の鬼塚と弟分の福本というコンビであるが、弟分の福本が人の良いタイプで、次に向かう場所を愛ちゃんに教えてしまう、というようなマヌケな所がある。
「ケータイ刑事」:猿飛&犬井。彼らは「ドラゴン・シッポ」というマフィアの構成員であって、小学生検事正・多摩川ドイルを誘拐して、拘束されたメンバーを解放せよ、という要求を突きつけた。やはり、弟分の犬井がマヌケぶりを発揮している。
「ケータイ刑事」:恩田&相原。彼らはBS-iの「さそり」というドラマに登場したキャラクターであって、さの「さそり」とのコラボということで登場したキャラクターである。「ケータイ刑事」ではその正体については詳しく語られていないが、「さそり」ではY刑務所の刑務官である。脱獄した「さそり」を追いかけて、公演で(本物の)さそりを捕獲した泪ちゃんを誘拐して連れ回した。後輩となる相原が抜けた所があって、携帯電話のことを「ペット」と言った泪ちゃんの言葉を信用するというような所を見せた。(尚、「さそり」において、二人は天童配下の男たちによって惨殺されている。)
→ここで取り上げた「ケータイ刑事」の3組のコンビは、愛/舞/泪にそれぞれ逮捕されました。
類似点というのは、いずれのコンビも「オマヌケ」な所があるという点である。プロとしたらそれなりの優れた所があることも分かるが、とにかく弟分という存在となるキャラが全てオマヌケなのである。(兄貴分がオマヌケであっても良いのだが、みんな弟分なんです...)ということで、「007」は殺し屋、「ケータイ刑事」は麻薬組織、マフィア、刑務官といった設定上の外見上の雰囲気がない。(→だからこそ、親しみやすいキャラクターになるのですけど...)
相違点は、「007」の殺し屋コンビはボンドに始末されてあの世へ旅立ったが、「ケータイ刑事」の3つのコンビは命は落とさずに逮捕されている。(但し、恩田&相原はコラボの元作品「さそり」の中で、最終回に死んでいる。)
次回は、「ゲストキャラにおける類似点」の5回目です。が、ネタはまだたくさんありますから。このテーマでの連載は更に続きます。
↓それぞれのキャラが登場した作品