SSブログ

「EYE OF THE NEEDLE」 [映画(洋画)]

表題の作品は1981年のイギリス映画「針の眼」である。ノルマンディー上陸作戦という事実を背景にして、ヒトラーの命を受けた"針"と呼ばれる腕利きのドイツ・スパイの行動を描いたアクション・サスペンス映画である。尚、R・マーカンド監督は本作が認められたことで「スター・ウォーズ ジェダイの復讐」(現在では「ジェダイの帰還」と放題が改められましたね。)の監督に抜擢されることになったのも有名な話である。

作品データを記しておくと、時間は112分、原作はケン・フォレット、監督はリチャード・マーカンド、脚本はスタンリー・マン、撮影はアラン・ヒューム、音楽はミクロス・ローザである。そして出演は、ドナルド・サザーランド、ケイト・ネリガン、イアン・バネン、クリストファー・カザノフ、フィリップ・マーティン・ブラウン、ビル・ナイ、たちである。

第二次大戦末期、ドイツ軍は、連合軍の上陸地点がノルマンディなのか、カレーなのかを探っていたスパイがイギリスにいた。1940年のロンドンでは、鉄道操車係のヘンリー・フェイバーが下宿屋のおかみをナイフで刺殺していて、それとほぼ同じ頃、デイビッドとルーシーの新婚カップルは新婚旅行の途中で自動車事故により、デイビッドは両足を失ってしまう。それから4年後、ドイツ軍の攻撃で妻を失った中世史研究家・パーシー・ゴドリマンは、敵のスパイを探り出す任務についていた。フェイバーはドイツ情報部員から、ヒトラーが連合軍の上陸地点はノルマンディーなのかカレーなのかを探らせていることを知り、その情報部員を殺した。それは、フェイバーはヒトラーが頼る"針"とよばれる凄腕のスパイであったためだった。フェイバーは、早速動き出し、連合軍はカレー上陸を偽装してノルマンディ上陸をするということを掴み、ヒトラーの元に戻ろうとする。が、彼の乗った船は嵐で転覆し、ある島の一軒家に辿り着く。その家はデイビッドとルーシー夫妻の家だった。2人の間には愛は無くなっていて、男の来訪を喜んだルーシーは、フェイバーの正体を知らないまま関係を持った。が、デイビッドはフェイバーの挙動に不審なものを感じていて、フェイバーを問い詰めようとするが、殺されてしまう。デイビッドの遺体が発見されると、ルーシーもフェイバーの正体に気づいた。フェイバーも正体を知られたら黙っていることは出来ず、ルーシーを追いつめていくが...

ノルマンディ上陸作戦については、映画にもなっていて、史実を描いたものや、本作のようにそれに絡めた物語というように、色んなものがあるが、スパイと絡めた本作の展開はなかなか面白いものである。とくに、スパイ映画に求められるアクションと、スリリングなサスペンスの両方が備わっていて、どちらもしっかりとしているので、たっぷりと楽しむことが出来る。アクション作品がお好きな方にも、サスペンスがお好きな方の両者にもお勧めできる作品である。ただ、ノルマンディ上陸作戦については、一応ながら、少し頭に入れておいてから見た方が良いでしょうね...

 

針の眼 [DVD]

針の眼 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD

↓原作

Eye of the Needle

Eye of the Needle

  • 作者: Ken Follett
  • 出版社/メーカー: Avon Books (Mm)
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: マスマーケット

針の眼 (新潮文庫)

針の眼 (新潮文庫)

  • 作者: ケン フォレット
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1996/01
  • メディア: 文庫


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「無頼」(その3) [映画(邦画)]

今回は、シリーズ第1作のタイトルと混乱してしまうタイトルが付けられたシリーズ第2作についてです。(やはり、第1作と第2作のタイトルが混乱しないように、今回もこの1本のみとします。)それにしても、第1作が「「無頼」より 大幹部」、第2作が「大幹部 無頼」って、どうしてこんなにもややこしいタイトルを付けたのでしょうかね?(が、「続」とか「新」とかを安易に使わなかったということだけは評価したいところですけどね...)尚、本作はシリーズ最高傑作として評価される作品でもある。

シリーズ第2作大幹部 無頼」(1968年)
作品データを記しておくと、1968年の日活作品で、時間は97分である。原作は藤田五郎、監督は小沢啓一、脚本は池上金男と久保田圭司の2人、撮影は高村倉太郎、美術は木村威夫と川原資三の2人、音楽は伊部晴美である。そして出演は、渡哲也、松原智恵子、田中邦衛、松尾嘉代、岡崎二朗、内田良平、太田雅子、深江章喜、真屋順子、山内明、芦川いづみ、二谷英明、吉田武史、藤岡重慶、山田禅二、江角英明、河上喜史郎、若原初子、久遠利三、英原穣二、木島一郎、田畑善彦、岩手征四郎、たちである。尚、太田雅子とは、後の梶芽衣子である。

やくざだった藤川五郎は、過去を全て清算するために、雪子や夢子のいる弘前にやって来る。その途中、土地のやくざの牧野たちから嫌がらせを受けていた旅廻りの一座を救う。久しぶりに雪子と会った五郞。雪子は病身の夢子をかばって働いており、五郎は荷役人として新たな人生をスタートさせる。が、五郞は牧野に見つけられると、稲武組に連れて行かれ、そこでかつての仲間の木内と再会する。木内は五郎の腕を見込んで木内組に誘うも、それを断る五郎だった。しかし、夢子の病状が悪化し、入院費に困った五郎は、横浜の木内組に草鞋を脱ぎ、金を得ると雪子に送った。五郞は木内組と対立している和泉組とのいざこざの中で、弘前で救った旅廻りの一座の菊絵と再会する。彼女は、五郞を兄貴分・上野の仇として五郞を狙っている根本の情婦に落ちぶれていた。五郞とは旧知の間柄である和泉組の代貸・浅見がその場を救ったが、五郞はやくざの世界から足を洗うことは出来なかった。そうしていると、病状が悪化した夢子は亡くなり、雪子が五郞の元にやってくる。そんな折り、浅見の指揮する和泉組が木内組に殴り込みをかけた。和泉組の親分が殺されることで決着したが、木内のきたないやり方に憤慨していた五郎は、ついに一人で木内と対決する。が、一人では叶う相手ではなく、負傷する五郞。それを菊絵が助けた。和泉組の残党として木内組からターゲットにされていた浅見が木内組によって殺されたと知った五郞は、雪子を故郷に帰すと、木内と決着を付けようとして乗り込んでいったが...

本作は小沢啓一監督の監督デビュー作である。巧みな演出で、前作で築かれた世界観をより深いものにして、本シリーズの方向性がはっきりと確立した。このこともあって、小沢監督は、本シリーズの第4作~第6作の監督も務めることになる。

本シリーズを語る上では、欠かすことの出来ない作品であり、見ておきたい作品である。

 

↓DVD化されていません。ビデオです。

大幹部 無頼 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 日活
  • メディア: VHS


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

GIGLIOLA CINQUETTI『I SUCCESSI』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは2001年にリリースされたベスト盤の1つである。イタリアのシンガーである彼女のアルバムは、オリジナル・アルバムの方はなかなか日本には入ってくることがなく、本国イタリアをはじめ、欧州各国で出回っているベスト盤の方がやたらと入ってくるのだが、それでも聴くことが出来るのはありがたい所である。イタリアの音楽が、もっと聴くことが出来るようになれば良いんですけどね...

収録曲は以下の全10曲である。『Chiamalo Amore』『Alle Porte del Sole』『Non Ho l'Eta'』『Rosa Nera』『Dio Come Ti Amo』『Boheme』『Quelli Della Mia Eta'』『Pioggia』『Giovane Vecchio Cuore』『E Ti Vengo A Cercare』。

ここに収録されている曲は、彼女の歌ということでは'70'sを中心にしたものであるので、懐かしの曲を集めたベスト盤と思ってしまうが、そうではなく、新に録音したものである。つまり、発表当時のものではなく、最近(それでも2001年リリースなので、10年弱が経過していますが...)のものである。ということで、円熟味のある歌声を聞かせてくれている。

お薦め曲は、『Chiamalo Amore』『Non Ho l'Eta'』『Rosa Nera』『Boheme』『Pioggia』『E Ti Vengo A Cercare』という所話ピックアップしておくが、これらはかつてのバージョンとしての選曲ではなく、本アルバムの新録音の曲から選んでいる。ただ、ベスト盤とするには、もう少し曲数が欲しい所でもありますが...

お馴染みの曲が、新に録音されたと言うことで、発表当時の若さや初々しさはここにはないが、キャリアを重ねてきたことからくるうま味、円熟した味わいが加わり、お馴染みの曲がリフレッシュされたように感じられる。(ある意味では、名曲のセルフカバーといっても良いですね。)

ということで、彼女の曲を聴いたことがある方には、新たな一面を堪能出来るので、聴いておくことをお勧めするベスト盤である。また、彼女の曲を聴いたことが無い方でも、お馴染みの曲なので取っつきやすいものである。入門者用とは違うが、彼女を知るには良いかもしれませんよ。

 

I Successi

I Successi

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: D.V. More
  • 発売日: 2001/11/06
  • メディア: CD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。