「兵隊やくざ」(その9) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローシリーズの第32弾として記してきた「兵隊やくざ」シリーズも、今回が最後です。今回は、シリーズ全8作が完結してから4年後に、倒産した大映に変わって勝プロが製作したシリーズ第9作についてです。また、この物語の時代設定は戦中ということで、前作(第8作)のことを完全に忘れて見ることが出来る。
シリーズ第9作「新兵隊やくざ 火線」(1972年)
作品データを記しておくと、1972年の勝プロの作品で、時間は92分である。また、本作はシリーズで唯一のカラー作品でもある。原作は有馬頼義、監督は増村保造、脚本は増村保造と東條正年の2人、撮影は小林節雄、美術は太田誠一、音楽は村井邦彦である。そして出演は、勝新太郎、田村高廣、安田道代、大瀬康一、宍戸錠、大滝秀治、坂本香、松山照夫、滝川潤、勝村淳、橋本力、たちである。
北支の最前線で戦う北井小隊に転属となった大宮と有田。で、八路軍のスパイとして連れて来られた少年・黄のことで、早速神永軍曹と対立する。少年は北井小隊に協力している村長の黄の息子であったが、神永軍曹はスパイと決めつけて、大宮に殺せと命じたが、大宮は子供を殺したくないと言い、力で神永軍曹をやっつけてしまった。これによって大宮は少年の姉で美人の芳蘭と知りあうことになる。が、神永軍曹も芳蘭に目をつけていて、大宮と神永の対立はより激しくなる。そんな中、八路軍の動きが激しくなって、本部からの連絡トラックは全て爆破され、北井小隊は孤立無援となる。スパイがいることは確実だったが、それが誰か分からない。神永軍曹は芳蘭がスパイダと睨んだ。大宮は北井隊長からスパイ捜査を命じられ、芳蘭に接近、無理矢理抱きしめて接吻して、スパイなのかと率直に問うと、芳蘭は自ら八路軍のスパイだと自白した。また、今夜八路軍の夜襲があることも教えた。このため、その夜の八路軍の襲撃は撃退したが、芳蘭を逃がした大宮は神永軍曹にとっちめられて重営倉入りとなってしまう。そんな中、芳蘭の弟(黄)に救い出された大宮は、八路軍に入らないか、と言われて困ってしまう。その頃、2回目の八路軍の襲撃があって、北井隊長は戦死、小隊はほぼ壊滅状態になってしまった。芳蘭の助言で中国服に着がえていた大宮は、有田を探すために舞台に舞い戻ったが、変装がばれたことから脱走兵として監禁されることになってしまう。そして有田はその監禁されていた他の兵と共にいた。神永軍曹は生き残っていて、大宮たちを裁こうとする。大宮の危機に芳蘭が身を投げ出して助けた。で、神永への怒りが爆発した大宮は、機関銃を神永軍曹に向けて乱射した!
カラー作品になって、パワーアップして戻って来たということで、この作品の単独ではいい感じであるのだが、これまでの作品が全て白黒作品だったこともあって、シリーズ作品ということを意識したら、逆に違和感を感じてしまう作品でもある。基本的な展開もこれまでのシリーズ作品と同じであるのだが、色彩が持っている雰囲気が違いを感じさせてしまうのである。(旧作が白黒という作品をカラーでリメイクしたら、違和感を感じるのと同じ違和感である。)本作はリメイク作では無いのだが、過去8作のストーリーは繋がっていたが、本作は前作の続きではなく、時間を遡って描かれているということもあるため何でしょうね。
前作までのシリーズを忘れて見るのならば、それなりに楽しむことが出来る作品であるのですがね...(第1作の次に見ると言うのが良いかもしれません。)
尚、本作はシリーズ作品の最後の作品であるが、権利の関係もあって、ソフトとしてリリースされていないのが残念な所です。(そのため、現在では見ようとしたらかなり難しい...)
本作はソフトがリリースされていないので、前作までをピックアップしておきます。
↓参考まで
水木一郎『WAY~グランド・アニキ・スタイル~』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは2008年7月にリリースされたもので、これもアニキのデビュー40周年を記念しての企画の1つである。お馴染みのアニソンをジャズやブラスなどのスタイルにしたものであり、それぞれの曲がまた違った雰囲気を醸し出している。(原曲の雰囲気もしっかりと残っている。)
収録曲は以下の全12曲である。『グランプリの鷹~グランド・アニキ・スタイル Jazz version』『ローラーヒーロー・ムテキング~グランド・アニキ・スタイル Jazz version』『原始少年リュウが行く~グランド・アニキ・スタイル Jazz version』『キャプテンハーロック~グランド・アニキ・スタイル Symphonic Orchestra version』『バビル2世~グランド・アニキ・スタイル Symphonic Orchestra version』『ムーへ飛べ~グランド・アニキ・スタイル Symphonic Orchestra version』『サバンナを越えて~グランド・アニキ・スタイル Chamber Orchestra version』『ロマンティック・アゲイン~グランド・アニキ・スタイル Chamber Orchestra version』『ルパン三世 愛のテーマ~グランド・アニキ・スタイル Chamber Orchestra version』『父をもとめて~グランド・アニキ・スタイル Chamber Orchestra version』『侍ジャイアンツ~グランド・アニキ・スタイル Brass version』『マジンガーZ~グランド・アニキ・スタイル Brass version』。
原曲至上主義という人にとっては、こういうものは邪道と言って切り捨てるだけであろう。確かに、どうしようもない捨て曲ばかりであれば、それも一理ある。が、ここに収録されている曲は、全てが名曲と言われるものであり、名曲だからこそ、オリジナルとは姿を変えて歌い継がれていくものである。(そもそも、カス曲だったら、誰も歌い継いでいこうなんて思わないものである。)そして、そういうものがスタンダード・ナンバーとして後世にまで残るのである。
完全に原曲の雰囲気を捨てている訳ではないという所が賛否の分かれる所でもあるが、そこはまあ今後の更なるリボーンがあることを期待するとして、一度は聴いてみましょう。
ケータイ刑事銭形泪17話(2nd.4話)[裏ネタ編]PART 2 [ケータイ刑事]
今回の「銭形泪[裏ネタ編]」は2nd.4話(通算では17話)の「高村刑事、絶体絶命! ~正しい日本語殺人事件」の2回目です。今回は最初の3件の殺人事件の被害者の職業である「書道家」、「作家」、「アナウンサー」についてと、この物語における容疑者であり、後半は被害者となった人物(言霊夏悟朗(ことだま・なつごろう))の肩書きである「名誉教授」について記します。
尚、約2年9ヶ月前のBS-iのこの物語の再放送時に記した記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「書道家」:元々は「書家(しょか)」、もしくは「書人」と言い、書道(書)の専門家のことである。これを「書道家」と言うようになったのは比較的最近のことである。(→言葉というものは変化していくということでもある。)
書家には、書道に優れた人、能書家のことと、書道を指導する人が含まれるが、古来から語り継がれている「書家」は書道に優れた人、能書家のことである。
「書家」として知られている歴史上の人物には、聖徳太子、長屋王、橘諸兄、吉備真備、聖武天皇、光明皇后、藤原仲麻呂、孝謙天皇、弓削道鏡、最澄、空海、嵯峨天皇、小野篁、菅原道真、紀貫之、宇多天皇、醍醐天皇、藤原忠通、西行、寂蓮、藤原定家、足利尊氏、一休宗純、千利休、細川ガラシャ、石川丈山、木庵性瑫、沢田東江、良寛、山岡鉄舟、松尾芭蕉、本居宣長、小林一茶、など、蒼々たる顔ぶれがいる。(これでもかなり省略しています。)
「作家」:広義では、芸術や趣味の分野で作品を創作する人のことをいう。(つまり、誰でも「(広義の)作家」になることは簡単である。)が、一般的には、それらの中でも、作品創作を職業とする者、もしくは職業としていなくても専門家として認められた者のことを指す。また、狭義では小説家のことを指して呼ぶ。
広義では、詩人、画家、作曲家、作詞家、映画監督、脚本家、劇作家、コラムニスト、漫画家、映像作家など、「クリエイター」と呼ばれる者は全て「作家」ということになるが、小説家を除いてはそれぞれの呼称で呼ばれるのが現在では一般的である。
また、脚本家のことを「放送作家」、作曲家や作詞家のことを「音楽作家」と言うように、最近は「創作物+作家」という言い方がされるようになっている。(この言い方の場合「絵本作家」「ゲーム作家」などと呼ばれるが「小説作家」とは言わず、これだけは「小説家」または「作家」と呼ばれる。)
「アナウンサー」:広義では、公共の場に於いて、不特定多数の人々に対して情報や指示を自分自身の声でマイクなどの音響機器を通して伝達する職業の人を言う。テレビやラジオのアナウンサーをはじめ、交通情報の読み上げ者、競技会などの案内放送者もアナウンサーである。また、電車内の車内案内放送を行う車掌も、広義ではアナウンサーに該当する。
が、一般な「アナウンサー」は、それらの中でも放送局(テレビやラジオ)のアナウンサーのことのみを指して言う。
アナウンサーは、不特定多数の人々に対して情報を正確に正しく伝える必要があるため、明瞭な発音、正しいアクセント、イントネーションなどの単語に関する正しい知識や、語彙、文法などの言語知識などが求められる。また、滑舌であることも求められるが、誰にでも聞き取りやすく話す必要があるため、早口言葉は出来る必要はない。近年は、アナウンサーのタレント化によって、アナウンサーに求められる技能に疑問符を抱いてしまうようなアナウンサーが少なからずいるというのは嘆かわしいところである。(誰とは言いませんが...)
「名誉教授」:大学に教授などとして多年勤務し、教育上、学術上、顕著な功績があった者に、退職後、大学が与える称号である。
日本では、学校教育法に規定されているものであり、あくまでも退職後に、退職した大学から授与されるものである。(定年退職すると、大抵はこの照合が授けられる。)よって、在任中であれば授けられない。但し、退職して「名誉教授」の照合を授与された後、その同じ大学が非常勤講師として認容する場合がある。が、あくまでも講師(非常勤講師)であり、退職前の専任の講師ではない。
↓参考まで