MEN AT WORK(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は1990年の映画「メン・アット・ワーク」である。'80'sにスーパー・ヒットを放ったオーストラリアのバンドMEN AT WORKとは何の関係もない。ブラッド・パッカーの一人であるE.エステヴェスは監督としても何本かの映画製作に関わっているが、本作はそんな彼が監督と脚本を担当し、更に弟のC.シーンと共演したコメディ作品である。
作品データを記しておくと、時間は99分、製作はカシアン・エルウィズ、製作総指揮はアーウィン・ヤブランス、監督と脚本はエミリオ・エステヴェス、撮影はティム・サーステッド、音楽はスチュワート・コープランドである。そして出演は、エミリオ・エステヴェス、チャーリー・シーン、レスリー・ホープ、キース・デヴィッド、ジョン・ゲッツ、たちである。
舞台は南カリフォルニアの海岸沿いの町。ゴミ収集人のカールとジェームズは、いつしかサーフ・ショップを開くことを夢見ている若者である。二人は普段の素行が悪いことから、町では鼻つまみ者だった。そんな中、二人はゴミ置き場で市会議員・バーガーの死体を発見する。バーガーは違法投棄を続けている化学工場の決定的な証拠を手にしたことから殺されたのだったが、二人は昨夜、バーガーの秘書の部屋を覗き、もみ合いになり、空気銃を放ったことで、自分たちが殺したのではないかと勘違いをする。やがて、死因は絞殺で二人が殺したのではないと分かると一安心。しかし警察には届けずに事件を追うことにした...
物語の展開は、お気楽な二人が繰り広げるコメディ・タッチの作品であるが、今ひとつテンポが良くないのが残念な所である。E.エステヴェスは、俳優としては評価されているが、監督としては今ひとつ評判が良くないが、そういったことを感じる作品でもある。(まあ、お気楽モードで楽しもうという時には、見るのに丁度良い作品かと...)
が、サントラ盤の方は、選曲も良く、いいセンスをしている曲が集まっている。オーストラリア出身のバンド・MEN AT WORKの曲が収録されていたら面白いのだが、映画で使われなかったので、収録されていませんが...
収録曲は以下の全12曲である。『Wear You To The Ball』『Super Cool』『Big Pink House』『Feeling Good』『Back To Back』『Take Heed』『Here And Beyond』『Truthful』『Reggae Ambassador』『Give A Little Love』『Playas Dawn』『Pink Panther No. 23』。
カリフォルニアの海岸沿いの町が舞台ということで、「海」を感じるサウンドがあるというのはあるのが嬉しい所である。また、海にいるときのBGMにするのにもいい感じである。と言うことなので、本作はサントラ盤の方は要チェックですぞ。(映画の方は、DVD化されていません...)
「男の紋章」(その3) [映画(邦画)]
今回は、全10作の本シリーズの物語が第2部に突入したことになるシリーズ第4作についてである。タイトルも「新」の文字が入り、装いも新たに、と言うことが分かる。(シリーズ中の全10作で「新」の文字がタイトルに含まれているのは本作だけである。尚、1967年に新シリーズを立ち上げると言うことで製作された「新・男の紋章 若親分誕生」という作品があるが、これは扱い上はシリーズ作品に含めない。)ということで、シリーズも2年目に突入した1964年のシリーズ第4作「新・男の紋章 度胸一番」
まずは作品データを記す。1964年の日活作品で、時間は101分である。監督は滝沢英輔、脚本は甲斐久尊、撮影は高村倉太郎、音楽は小杉太一郎、である。そして出演は、高橋英樹、和泉雅子、轟夕起子、山本陽子、小池朝雄、安部徹、近藤宏、桂小金治、弘松三郎、佐々木孝丸、たちである。
第2部は監督が松尾昭典から滝沢英輔に変わり、音楽も鏑木創から小杉太一郎に変わるというように、スタッフの入れ替えが行われた。物語は、前作で母・きよと和解した竜次は、軍医として中国戦線に赴き、一段と成長して帰国しての物語である。(本作でも高橋英樹が若いのは前作までと同じである(40年以上も昔の作品だから、当然と言えば当然ですが...)が、少しは貫禄も出てきている。)
竜次は中国戦線で部下だった流れやくざの虎鮫を連れて帰国してくる。しかし彼は自宅には帰らずに、戦友であり戦死した清村組の一人息子の遺品を届けるために清村組にやってくる。で、組は請負っている帰国兵舎工事の資金を持逃げされて困っていた。そんな窮状を知った竜次は請負の代人を買って出る。で、動き出す竜次だったが、裏で糸を引いていた徳三という男は、母・きよの義理の弟であり、自分にとっては叔父に当たる人物と知って愕然とするが...
物語の時代が時代であって、大陸に進出して、ということが絡んだ物語であり、物語のスケールが大きくなっているのだが、叔父と対決するクライマックスの決着の仕方がちょっとというものになっているのが残念なところであった(徳三の最期は良いんだが、敵わないと知ると逃げて行くというのがねぇ...)が、渡世人としての竜次の姿に一段と貫禄が出てきたという所は良い所であって、次作以降にも期待が繋がるところである。(それにしても、どうして本作がソフト化されないのか、文句を言いたい所である。)
シリーズ1作目がビデオ化されているだけというのは...
↓高橋英樹出演作をいくつか
ケータイ刑事銭形海19話(2nd.6話) [ケータイ刑事]
二段構成として記している「銭形海」。こちらの方は物語の中身を追っている長文&ネタバレたっぷり編です。今回の事件は2nd.6話(通算では19話)「出た! 骨董マニアの亡霊!? ~ノロイのヨロイ殺人事件」です。ここのところ、トリック解明の鍵となることに同じネタが使われていることが続いているが、今回もまたまたそれが使われていたということで、狙っているとしか思えないのだが、1クールに1回というのであれば良いが、こうも続くと、考えて貰いたい所である。(やはり、「ゴルゴダの森文化祭」のことで、スタッフの捜査会議の時間が取れず、シリーズを通しての打合せが出来ていないのでしょうね...)そんな中、今回は五代さんの「シェー!」も連発されていて、五代さん一人が空回りしているという感が否めない物語でした。(「シェー」も、毎回1回だったら良いんだけど、1つの物語に多発されると...)それではいつものように、ネタバレありの長文で、本編に行きます。(尚、放送直後に記した「感想+次回予告」版はここをクリックして下さい。)
警視庁、海ちゃんが驚いた表情をして五代さんに言う。「エリーゼさんと結婚?」五代さんは「俺だってそろそろ身を固める時期でしょうが...」と言って、(またも)結婚を決意した様子。で、海ちゃんは「うわぁ~。おめでとうございます」と言うと「いやあ、どうもどうもどうも」と照れる五代さん。海ちゃんは「全然知らなかったなぁ~」と漏らす。(本家の次女。泪ちゃんも「知らなかった」ということを何度か口にしているけど、銭形家の次女はやっぱりマイペースで、何処か似ています。)が、これに五代さんが「それはそうでしょう。だって、またエリーゼもまだ知らないんですから...」ということで、結婚したい意志はバリバリだが、それをどうやってエリーゼさんに伝えるのかが問題だった。で、海ちゃんは「驚いて損しちゃいました」って、別に損はしないと思いますけど...
そんな五代さんは「買わなきゃ行けない物はちゃんと買ってある」と言って、多聞石の婚約指輪を買っていて、それを海ちゃんに見せる。で、これでプロポーズすればエリーゼさんは落ちると考えていた五代さん。そんな中「ちょっと」と言って海ちゃんがその指輪を手にすると、宝石鑑定をする。(これは素人には出来ない芸当であり、やっぱり銭形姉妹は凄い!)「おじいちゃまに聞いたことがあるんです。本物の多聞石か見分けるには、午前11時の北窓に射す光に照らせばいいって」と海ちゃん。(→やっぱり胡散臭い見分け方ですね...)これに五代さんは「本物に決まってるじゃない」と言うと取り返そうとする。が、抵抗した海ちゃんの手から指輪は床に落ちる。で、それを拾った五代さんの顔が青ざめた。「どうしてくれるんだ...傷ついちゃったじゃない、これ」と起こるが、冷静な海ちゃんは「やっぱり...」と言うと、この程度の衝撃で傷つくのだから「ニセモノです」と結論を出した海ちゃん。しかし五代さんは「給料3ヶ月分」とか「おやじが言っていた」と、ブツクサと...
そうしていると「警視庁から入電中」と、事件を知らせる入電が海ちゃんの携帯に入る。で、携帯を開く海ちゃん。世田谷区下北沢で男性の変死体が発見された模様。詳細は不明。直ちに現場に急行せよ。→今回も「世田谷区下北沢」ということで、下北沢ももはや事件多発地帯ですね。
現場に到着した海ちゃんたちは直ぐに捜査を開始。発見された死体を見ている。そこに逆立ちをしている柴田さんが「報告します」と言ってやってくる。逆立ちを止めて普通に立つと敬礼をしてから報告を開始する。「ご覧下さい。被害者の顔は完全に潰れてます」と、最初は報告になっていない... 海ちゃんが「どうしてこんな状況になったんですか?」と尋ねると「ボウリングの球が顔面に落下したようです」と言って、事件の様子を語り始める。普段は柱状の台の上に飾ってあり、掃除をしようとして誤って球が落下したと思われる、第一発見者はこの家の息子たちで、出先から帰ったら遺体を発見したということだった。
で、海ちゃんたちは第一発見者の二人に話を聞く。二人は、長男の海鳴一郎(うみなり・いちろう)と次男の二朗(じろう)だった。で、二人は遺体は末の弟の三朗(さぶろう)だと言う。左手首に刺青がある言うので、海ちゃんが確かめると、その通りで、遺体の左手首には刺青があった。
更に話を聞くと、ボウリングの球は骨董品であり、骨董品マニアの父が買ったものであり、織田信長と明智光秀が本能寺の変の時に使った物だという。(1582年ですが、日本で最初に行われたボウリングは1909年なんですけど...)これに五代さんは「それは凄いじゃないですか」と言って感心するが、海ちゃんは「変すぎですよ。大体本能寺とボウリング。何の関係ないじゃないですか」と門前払いをする。(やっぱり真面目な海ちゃんです。)で、一郎と二朗は「勝手にいじると父さんが怒る」という話から、三朗を殺したのは父だと主張する一郎、親父が殺せる訳ない、事故だ、と二朗。で、父に話を聞こうと五代さん。が、父は一月前に死んだということだった。で、一郎は「祟りですよ」→これまでにもいくつかあった「幽霊の仕業」というパターンにまっしぐら。「祟り」と言ったら、大傑作の「泪・2nd.14&15話」を思い出します。
骨董品が飾られている部屋にやってきた一同。一郎が語り、父は骨董品と同じくらいボウリングに目のない人だったという。で、父の集めた骨董品のいくつかを紹介する。「ワシントンが折っちゃった桜の枝」(五代さんは「シェー!!初代アメリカ大統領の...」と驚くが、海ちゃんは「どう見てもただの枝じゃないですか」)、「コロンブスの卵」(「シェー」と五代さんは立ててみるが、海ちゃんは「ただの底が凹んだ卵じゃないですか」)、「ナポレオンの辞書」(「シェー」と五代さんは「不可能」を調べるが、海ちゃんは「日本語で書いてありますけど...」)→どれもこれも、胡散臭いものばかり。漫画「ブラック商会変奇郎」(「シャドウ商会変奇郎」)にも変な骨董品は出てくるものの、ここまでニセモノと分かるような物は出てきませんけど...
そんな中、海ちゃんは「やっと骨董品らしいものが出てきましたね」と言って、中世の甲冑の前に寄って行く。一郎は「フランシスコ・ザビエルが愛用していた甲冑です」と言うと、五代さんはまたも「シェー」、しかし海ちゃんは「ザビエルは修道士だから甲冑は着ないと思いますよ」というと「これ、ニセモノなんじゃないですか」とここで初めて「ニセモノ」と口にした。しかし五代さんは額の部分の宝石を見て「豪華な宝飾だ、本物ならではの輝きだ」と言って本物だと疑わない。これに「何か、ギラギラして趣味悪いですよ」と海ちゃん。(この後「でも、よ~く見ると、ちょっと不気味ですね」とも言う。)
一郎は、父が亡くなった後、夜中にこの甲冑が庭を歩いていたのを近所の人が目撃しているということを口にする。で、海ちゃんが先ほど一郎が口にした「三朗さんはお父さんの祟りで亡くなったとおっしゃってましたけど...」と尋ねる。で、三朗は二朗と共に、父が集めた骨董品を売りさばこうとしていたことを語る。(で、一郎と二朗が対立し、表へ。)
一郎と二朗がもめているのを止めようとする五代さん。そこに柴田さんがやってきて、海ちゃんと五代さんに「どうもおかしいんですよ。遺体の脇に置いてあったボウリングの球から、指紋が一切検出されなかったんです」と告る。すると五代さんは「ほうら、やっぱり事故じゃないか」と言い出す。しかし柴田さんは「揺れるような台じゃない」「回りの物全てに指紋が付いていた」と言う。で、海ちゃんは何者かがあの球を使って三朗を殺害し、証拠を隠すために指紋を拭き取った、と考える。しかし、一郎はあくまでも「父の祟りで死んだ」と主張する。これに海ちゃんは「幽霊なんてこの世にいるはずないじゃないですか」と歴代銭形が口にした言葉を口にするが「それはどうですかね」と一郎。
そうしていると、玄関から先ほどの甲冑が現れた。右手にはボウリングの球を持っていて、驚いている海ちゃんたちに向かって球を投げる。(立入禁止のテープがボウリングのレーンを作っているかのようになっていて、海ちゃんたちは人間ボウリングのピンに見立てられる。)で、海ちゃんたちは全員倒れて「ストライク」、甲冑は仮面ライダー1号のような(変身)ポーズをする。(→これは父がストライクを取る度にしていたポーズと一郎が説明する。)海ちゃんは後を追おうとするが、甲冑は逃げて行く。で、追いかけて骨董品の部屋にやってきた海ちゃんたち。しかし、そこに甲冑の姿は無く、「消えた...」と呟く海ちゃん。そんな海ちゃんは、父がボウリングの球を手にしている写真を見ると、じっくりと考え始め「寄せる、悪のさざ波」
海ちゃんは一郎に、弟と揉めていることについて尋ねる。すると一郎は昔の父の通帳を見せて、20億あった残高が、ある時、一気にゼロになった。20億全て骨董品を買ったと思って専門家に鑑定を依頼したが、家にある物は全てニセモノだった。ダメな父というものの、父は父で、思い出の詰まったこの家を残しておこうと思った、ということだった。そういう話をしていると、庭の方で三朗の悲鳴がした。で、海ちゃんたちは表へ走って行く。
庭に出ると、三朗は胸に短剣が刺さっていて、死んでいた。五代さんはその剣は甲冑が腰に付けていた剣だと驚く。そこに「警視庁から入電中」と、海ちゃんの携帯に事件を知らせる入電が入る。世田谷区下北沢の海鳴邸で殺人事件発生。直ちに捜査を開始せよ。(だけど、入電ムービーの方は三朗の死体を写しているが、現場の海鳴邸にはそれを撮影しているカメラの気配さえも無い...→気配すら感じさせずに撮影する警視庁撮影班、恐るべし!!)
柴田さんの報告で、三朗は心臓を一突きで即死、五代さんは「ひょっとしたら…」と、直接名詞こそ出さなかったがそっちの仕業だと言いたそう。それに気づいた海ちゃんが「そんなはずありません」と言う。柴田さんも「鑑識という仕事柄、幽霊とかオカルト現象には否定的な立場を取ってますが、この状況は何とも...」と、やっぱりあの仕業だと言いたそう。(こういう場合は柴田太郎さんのリアクションも見たくなります。)一郎は「はっきりしました。父は怒っているんです」と言って、「祟り」のせいだと結論づけると「刑事さんたちもどうぞお引き取り下さい」と言って、海ちゃんたちを返そうとする。しかし「そうはいきません。例え犯人が誰であろうと、逮捕するまで捜査するのが、私たち警察の使命です」と海ちゃん。→やっぱり銭形一族の人間です。海ちゃんも強い使命感を持っています。
家に入った一郎を見た海ちゃんは「犯人はあの人です」と言う。が、「何言ってんだ」と五代さんは言い、二朗が叫び声を出した時、一郎は自分たちと一緒にいた、どうやって殺すのか?と言うが「共犯者がいれば可能です」と海ちゃん。で、再び骨董品の部屋で父の写真を見て、続いて携帯で三朗の遺体写真で刺青を確かめる。そんな中、五代さんが側にあった写真を手にして「これ、家族写真だろう」と言って、ボウリング場にいる父と子供時代の三兄弟の写真を海ちゃんに渡す。で、それを見た海ちゃんは、笑顔で「謎は解けたよ、ワトソンくん」(ここでAパート終了。経過時間は15分を回った所でした。よって、Bパートのドラマ部分は10分と少しになります。)
五代さんが一郎に言う。「やはり祟りが怖いので、我々も退散することにしました」一郎は安心して「これで父も成仏できると思います」と返す。海ちゃんは「どうもお邪魔しました」と言って頭を下げると帰って行く。それを見送ると家に戻る一郎。五代さんは角を曲がると海ちゃんに「これでよかったんだな、銭形」と確認すると「いいんです。これも計画の内です」と海ちゃん。
骨董品の部屋にやってきた一郎は、隠し土棚を動かす。するとその奥にから甲冑が出てきて「いやあ、ご苦労さん、ご苦労さん」と言う一郎。で「今脱がせてやるから」と言う一郎だったが、紐を手にすると、背後から甲冑の首にかけて絞殺しようとする。が、そこに三味線の音が届く。
「大波小波かき分けて。…」海ちゃんの口上が始まり、「神奈川沖浪裏」の大浪がうねると「私の碇で沈みなさい!」から、赤い碇が舞い、床に突き刺さる碇。その碇に繋がった鎖は甲冑と一郎を捉えていた。で、海ちゃんが鎖を引くと、大回転してその場に倒れる一郎と甲冑。で「何するんですか」と一郎は海ちゃんに、甲冑の男は一郎に「お前こそ何するんだよ、死ぬかと思ったじゃねえか」と仲間割れをする。
海ちゃんが「あなたたちが今回の事件を仕込んだ張本人ですね」と告る。五代さんは「おい、銭形。この甲冑、一体誰なんだ?」と尋ねる。これに海ちゃんが「一郎さんの共犯者、末の弟の三朗さんです」と答える。これに「えっ?」と驚く五代さんは、甲冑の男の所に行くと、頭の甲冑を剥ぐ。するとたしかにそれは三朗だった。で「お前、最初に遺体で見つかったんじゃないか?」と言うと海ちゃんが説明を始める。あの遺体は三朗に見立てた全くの別人で、最初に殺された振りをして実は生きていた三朗はこの家の隠し扉の向こうに潜んでいた。そして甲冑を身に纏うとね亡くなった父の幽霊であるように振る舞った。海ちゃんたちの前から煙のようにいなくなったのは隠し扉の奥に身を潜めていただけ。また、隠し扉の奥には庭に通じる別の出入口があり、そこを通って外に出た三朗は、海ちゃんたちが一郎に話を聞いている間に二朗を殺害、そして再び身を隠した。
五代さんが「兄弟でどうしてこんなことを?」と理由を問う。すると三朗が「捜し物があったんだよ」と言い、「こうなったら全部ゲロってやろうかな」と言って、全てを語り始めた。父は貯金の20億を使い切ったのではなく、別の物に交換していた。で、死ぬ間際にこの家の何処かにそれを隠した。しかし、それが何で、何処に隠したかを言わないまま死んでしまった。その後、金に困っていた二朗が一郎に「家を売ろう」と言い出した。財宝のことを知っていたのは一郎だけで、財宝を見つけることが出来なかった一郎は時間が必要だった。しかしこれには二朗の存在が邪魔だった。で、幽霊騒動を起こし、一郎は三朗を味方に取り込んだ。この時点で三朗は財宝の話を聞かされて二朗殺しに加担することにした。(分け前は半分の10億)それで、最所に三郎が殺されたことにしたのだった。また、三朗の身替わりになったのは、住所不定の人々の中から三朗に背格好が似ている人を一郎が見つけてきて、騙して三朗と同じ刺青を入れさせ、顔を潰して殺した。(その男を殺したのは一郎で、二朗を殺したのが三朗だった。)で、五代さんが二人に手錠を掛けて逮捕した。
一郎はこれから時間を掛けて財宝を捜すつもりだったことを口にする。これに海ちゃんが「この家をいくら捜しても財宝は出てきませんよ」と言う。で「どうして?」と尋ねる三朗。「今、ここにあるからです」と海ちゃんは言うと、甲冑の額の宝石を示す。一郎は「それはただのガラス玉ですよ。何の価値もありません」と言う。すると海ちゃんは「そうでしょうか」と言って、手にした甲冑を床に叩きつける。すると額の宝石が外れ、更にバラバラに砕け散る。それを見た一郎は「ほらね。粉々じゃないですか。ニセモノの証拠ですよ」と言う。しかし、一つだけ割れない宝石があり、紫色をしたそれを手にした海ちゃんは「でも、本物も混じっていましたよ」と言って、それは時価20億の多聞石だと告る。父は膨大なお金を無駄に使った振りをして、本当に資産価値のある物を息子たちに残したのだった。
事件解決後、夜の町(住宅地)を歩いている海ちゃんと五代さん。五代さんは「三朗が幽霊だってどうして気づいたんだ?」と尋ねる。これに海ちゃんは「利き手が逆だったんですよ」と答える。遺影や家族写真でも、父はいつもボウリングの球を左手で持っていたが、目の前に現れた甲冑は右手でボウリングの球を投げたということで「それでピンときたんです」と笑顔で答える海ちゃん。すると五代さんは「なるほど、ボウリングだけにピンとね」と、やぱり駄洒落好きな所を発揮する。そして「ご褒美に目の保養をさせてあげましょう」と言って内ポケットから新しい結婚指輪を取り出して海ちゃんに見せる。「これは本物の多聞石です。給料6ヶ月分です」と自慢げに言う。海ちゃんは「ちょっといいですか?」と言うと、それが本物かどうかを確かめようとする。五代さんは「どうぞ、心ゆくまで調べてちょうだい」と言う。で、海ちゃんは指輪を手にしてじっくりと見る。(だけど、午前11時の北窓に射す光に照らさないといけないのでは?今は夜になっているので、午前11じゃないし、表なので北窓もないし...)五代さんは「本物の輝きは違うでしょう」と自慢げに言うが、困った顔をした海ちゃんは「あ~。残念。これもガラス玉ですね」と言うと、指輪を五代さんに返した。で、五代さんはしょんぼりと落ち込む。その間に自転車に乗った海ちゃんは「お先で~す」と言って帰って行く。五代さんは「ガラス玉?給料6ヶ月分...」と漏らし。「またあの親父に騙された」と言うと、指輪を投げてしまった。それを見た海ちゃんは自転車を停めて振り返ると「五代さん、嘘ですよ。それは本物ですよ」と笑顔で言うと、再び自転車をこぎ始める。それを聞いた五代さんは「えっ。本物?」と慌てると(今回何度も口にした)「シェー!」を最後に決めました。
次回、20話(2nd.7話)の物語は「暗闇の殺人者! ~銭形海VS完全犯罪の男」です。「愛」と「舞」では1度ずつ、「泪」と「零」では3度、「雷」では5度あった「VS」シリーズが「海」では初めての登場と言うことになります。(この後、怪人さん(「雷」で逮捕されたから「二世」を名乗る弟となるでしょう)と多摩川ドイルが登場して、都合3度になると思われる。)が、今度の相手は現役東大生の推理作家が相手ということで、今までの「VS」シリーズとは少し違った知的な所があるものと思われる。しかも、KJ脚本ということなので、期待できそうです。(「利き手が違う」ということは出てこないでしょう...)
鑑識メモ。海鳴家の庭のボウリングの球が飾られている柱の前に現れた柴田さん。「鱘」というフリップを見せると「これはちょうざめ。」と言って、真面目モードで続ける。「卵のキャビアは海の宝石として有名ですが...」とここまでは豆知識のコーナーだったが、「そう、子は宝。海鳴家の子供たちは、両親にとっては最大の宝だったはずなのです。それが財産目当ての争いの末に、悲惨な結末を迎えてしまいました...」と感想を力を込めて言う。で、オチは「これこそまさに超残念、ちょうざんめん、ちょうざめ」(と言う訳なんですね。柴田でした。)といつもの調子でした。
今回の物語は、遊び心に満ちたものであり、楽しい物語であるのだが、今回もまた「利き手が逆」ということから事件を解明してしまったということで、同じことがこれだけ集中して出てくると、ちょっと興ざめてしまう所である。また、真面目という海ちゃんが人間ボウリングで倒れたり、最後には五代さんに嘘を堂々と言う所は、これまでのキャラとは少し違うところでもある。「雷」は1st.の前半でキャラの迷走があったが、「海」は2nd.になってキャラの迷走が始まるとなると、今後が不安になってくるところでもある。TVシリーズ以外で「ゴルゴダの森文化祭」が開催されるが、こういうイベントが作品クオリティに少なからず影響を与えているのは間違いないだけに、初心に戻ってTVシリーズを充実させることに力を入れて貰いたい所である。(とは言っても、見る目も当てられない、という悲惨な状況ではなく、この物語単独では十分に楽しませてくれるものではありますけど...)
信長は謀略で殺されたのか―本能寺の変・謀略説を嗤う (新書y)
- 作者: 鈴木 眞哉, 藤本 正行
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2006/02
- メディア: 新書
“コロンブスの卵”の見つけ方―不透明な時代だからこそ、ビジネスチャンスは必ずある!
- 作者: 秋元 康
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2000/05
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「世界の英雄」がよくわかる本 アレクサンドロス、ハンニバルからチンギス・ハーン、ナポレオンまで
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- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/01/06
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ナポレオン―荒れ野のライオンとよばれた英雄 (学習漫画 世界の伝記)
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ロンドンのアンティーク―本場イギリスで骨董品店めぐり (旅名人ブックス 93)
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- 出版社/メーカー: 日経BP企画
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西洋甲冑ポーズ&アクション集 European Armour in Various Scene
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- 出版社/メーカー: 美術出版社
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BOWLING magazine (ボウリング・マガジン) 2007年 12月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 2007/11/12
- メディア: 雑誌
BOWLING magazine (ボウリング・マガジン) 2007年 11月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 2007/10/12
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スポーツボウリングの世界 前編[DVD]―目指せ200点! (1)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 中録サービス
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
スポーツボウリングの世界 後編[DVD]―目指せ200点! (3)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 中録サービス
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
世界のボウリング100年の歴史と至難「スポーツ化」に燃えた50年―BOWL-PEN 50th
- 作者: 大村 義和
- 出版社/メーカー: 遊タイム出版
- 発売日: 2007/08
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