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「日本一の男」(その2) [映画(邦画)]

植木等の主演で、絶大な人気を獲得したシリーズであるが、今回は、記念すべきシリーズ第1作と第2作についてです。

シリーズ第1作日本一の色男」(1963年)
作品データを記しておくと、1963年の東宝作品で、時間は93分である。監督は古澤憲吾、脚本は笠原良三、撮影は小泉福造、美術は村木与四郎、音楽は宮川泰と萩原哲晶の2人である。そして出演は、植木等、団令子、草笛光子、白川由美、浜美枝、淡路恵子、藤山陽子、久里千春、八代美紀、中真千子、柳川慶子、京塚昌子、ハナ肇、由利徹、田崎潤、人見明、谷啓、清水元、佐田豊、犬塚弘、芝木優子、井上大助、村松恵子、瓜生登代子、桜井センリ、清水由記、たちである。尚、本作の主人公は光等である。

ある女学校の卒業式。ツイストを踊り出した音楽教師の光等は即座にクビとなる。そんな光等はローズ化粧品のセールスマンとなり、売り上げNo.1のセールスマン・丸子に喰い下り、お得意様を紹介するように頼み込む。その図々しさに呆れた丸子は、ある客を紹介する。で、光は3万円の化粧品を5万円で売りつけ、更に次々と化粧品を売っていく...

主人公・光等の図々しさ、巧みなセールス、要領の良さは、現在だったら手が後ろに回ってもおかしくないものと思われるが、フィクションであり、時代が高度成長期の真っ直中ということを考えると、、こういうのもありなのか、という気もする。兎に角、そのパワーには圧倒されます。

シリーズ第2作日本一のホラ吹き男」(1964年)
作品データを記しておくと、1964年の東宝作品で、時間は93分である。監督は古澤憲吾、脚本は笠原良三、撮影は飯村正、美術は小川一男、音楽は宮川泰と萩原哲晶の2人である。そして出演は、植木等、飯田蝶子、浜美枝、曽我廼家明蝶山茶花究、三井弘次、中真千子、谷啓、安田伸、江川宇礼雄、草笛光子、高田稔、坂本武、田島義文、桜井センリ、清水元、由利徹、人見明、佐々木孝丸、富田仲次郎、松本染升、大友伸、土屋詩朗、堤康久、寺島貢、たちである。尚、本作の主人公は初等である。

東京オリンピックを目指している日本期待の三段跳びの星・初等。連日猛トレーニングに励んでいたが、アキレス腱切断という重傷を負い入院をしていた。入院中に彼は祖先の伝記を手に入れ、「“大ボラ吹けど、必ず実現して、浪人から一万石の大名に三段出世」という内容に勇気づけられ、日本一の大会社・増益電機に入ることを決める。入社試験で大ボラを吹き、ミス増益電機の可那子にまで手を出す彼だったが、試験には落ちてしまう。が、社長にあの手この手を使ってご機嫌伺いをして、正社員として入社する。営業部に配属されるが、「こんな仕事は一月で卒業して係長に昇進」と打ち上げる。で、睡眠時間3時間で大奮闘し、その通りに係長にスピード出世をして宣伝課付けとなる。すると今度は「三ヶ月で課長になって見せる」と宣言。冷暖電球の売り込みに性を出す。また、ミス増益電機の可那子にも強引にプロポーズをする。初のホラに混乱する会社だったが、冷暖電球が大当たりとなる。で、秘書課長となる。更に可那子も彼のプロポーズを受けた。そんな初等は「あと二ヶ月で部長になる」とまたもアドバルーンを打ち上げる。で、商売敵の丸々電機社長の妾をだまして大きな商談に成功し、見事部長に昇進する。そして可那子との結婚式を迎えたが...

前作以上に都合良く、何事も上手く進んで行く物語であり、ご都合主義がまかり通っている、と感じてしまうが、笑いが中心のコメディ作品であるので、夢を与えてくれるのもまあよろしいかと... しかし、初等と同じことを現在やったら、やっぱり手が後ろに回ってしまうような気がします...

物語は、主人公が何をやっても上手くいくということで、冷静に考えるとあり得ない、の一言で済まされるてしまうが、娯楽作品ということで、複雑なことは考えずに、笑いながら楽しむということでよろしいんじゃないでしょうか。

 

日本一の色男

日本一の色男

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2006/05/26
  • メディア: DVD

日本一のホラ吹き男

日本一のホラ吹き男

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2006/05/26
  • メディア: DVD

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TwellV・神宮前名画座「THE THIRD MAN」 [映画(洋画)]

ここ暫く記していなかったが、今週は記します。懐かしの名画を放送するTwellVの神宮前名画座。(途中にCMが入らず、二ヶ国語放送であり、日本語字幕は出ない。)今週は「第三の男」でした。この作品と言えば、何と言ってもあの名曲があまりにも有名であり、名場面が次々と出てくる超一級のサスペンスである。また、ウィーンの観覧車は本作で有名になったといってもよい。その後、数多くの作品で、本作へのオマージュとして、ウィーンの観覧車が出てくるというような作品も多数あります。(あの「007」シリーズも「リビング・デイライツ」に出てきます。)物語は第二次大戦後のウィーンを舞台にしたサスペンスである。

作品データを記しておくと、1949年のイギリス映画で、時間は105分、白黒作品である。製作はキャロル・リード、デヴィッド・O・セルズニック、アレクサンダー・コルダの3人、原作はグレアム・グリーン、監督はキャロル・リード、脚本はグレアム・グリーン、撮影はロバート・クラスカー、音楽はアントン・カラスである。そして出演は、ジョセフ・コットン、オーソン・ウェルズ、アリダ・ヴァリ、トレヴァー・ハワード、バーナード・リー、ジェフリー・キーン、エルンスト・ドイッチュ、たちである。

第二次大戦後、四国管理下のウィーン。アメリカの作家ホリイ・マーティンスが旧友ハリー・ライムに呼ばれてウィーンにやって来る。ハリーのアパートにやってきたが、彼はハリーは自動車事故で死亡し、その葬式の真っ最中だった。墓地でマーティンスは、英国のキャロウェー少佐から、ハリーが闇屋であったと知らされるが、信じられなかった。また、ハリーは女優・アンナと恋仲であり、アンナと出会い、ハリーの死の真相を探ろうと決意する。で、ハリーの死を目撃した男が3人いることを知る。その内の2人は判明するが、3人目の男は分からない、そんな中、マーティンスは何者かに脅かされるようになり、事故の目撃者だった門衛も殺されてしまう。一方、アンナは偽造旅券を持っていたことからソ連のMPに捕らわれてしまう。そんな中、マーティンスは、街で死んだ筈のハリーの姿を目にした。そしてハリーがペニシリンで人々から甘い汁を吸っていたこと教えられたことから、MPに通報し、アンナの釈放を条件にハリーの逮捕に協力していく。遊園地で会ったマーティンスはハリー。ハリーの口から事実を知らされると、ハリーを売る決意をした。が、釈放されたアンナからは罵らせる。そんな中、ハリーの逮捕劇が始まり、マーティンスは囮となってそれに参加する...

見所が満載であり、特に影を使った様々な描写は印象的である。白黒作品ならではという所もあり、アカデミー撮影賞(白黒)を受賞したのも納得である。

今回、改めて本作を見ることになったが、名画と言われるだけのことがあって、ストーリーだけでなく、映像表現、カット割りまで含めて、本当に素晴らしい。サスペンスを楽しむだけでなく、色々と勉強になる所が満載である。一度ではなく、何回か見ても飽きない作品である。

ところで、神宮前名画座の今月のラインナップであるが、次回(2/9&10)が「或る夜の出来事」、2/16&17が「モロッコ」、2/23&24が「哀愁」と続きます。

 

第三の男

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  • 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
  • 発売日: 2006/12/14
  • メディア: DVD

第三の男

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  • 出版社/メーカー: GPミュージアムソフト
  • 発売日: 2007/05/01
  • メディア: DVD
第三の男 (ユニバーサル・セレクション第3弾) 【初回生産限定】

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2007/09/13
  • メディア: DVD
第三の男

第三の男

  • 出版社/メーカー: メーカーオリジナル
  • 発売日: 2005/04/23
  • メディア: DVD

↓原作

第三の男 (ハヤカワepi文庫)

第三の男 (ハヤカワepi文庫)

  • 作者: グレアム グリーン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2001/05
  • メディア: 文庫


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恋する日曜日・2st.7話「僕の森」 [ドラマ]

東京少年・東京少女公開記念セレクト」として、今週は夏帆ポン主演の「恋日・2nd.」の「僕の森」が放送されたので、今回はこれについて記します。(MBSの火曜深夜の「恋日・3rd.」は第18話の「県境」であるが、「恋日」としたら平均的な作品であり、特に記すことはしません。→来週の12日深夜は佐藤二朗さん主演の「アダルトな恋」の登場で、これは見ないといけません。兎に角、「恋日」の枠を越えた大傑作です。)

また、今週の「侍ショートフィルム」の放送は、12/30放送の再放送(「キラー・ジョー」「ロストタイムライフ」「最先端恐怖ショウ」の3本)だったので、改めて記すことはしない。で、月曜の1本目に「恋日」を持ってきました。(その時に記した「侍ショートフィルム」の記事は、ここをクリックして下さい。)尚、来週からは、月曜の1本目は「東京少女・セピア編」を記す予定です。

「僕の森」のBS-iの本放送は2005/5/15であり、季節としたら一番良い時期である。また、劇中にも出てきた筍というのもこの時期であれば旬という時期である。(撮影はそれよりも早いですけど...)夏帆ポンにとったら、「銭形零」が終了して一休みをした時期になり、アフター・銭形という作品になる。

「恋日」と言えば主題歌の方も楽しみの一つであるが、本作の主題歌は、遊佐未森の歌う同名タイトル曲「僕の森」である。が、「恋日・2nd.」なので、主演の夏帆ポンが歌っている。(ここだけでもとても貴重です。)また、脚本は渡辺千穂さんです。

物語は、父と一緒に暮らす中学生・ゆきの物語。母は既に亡くなっている。母の夢を見たゆき。父と一緒に家を出てバス停まで歩いていく。父は一泊の出張で今晩は帰ってこない。バス停で反対方向のバスを待っている父娘。父の乗るバスが先にやってきた。バスに乗った父を見送ったゆきは、学校には行かず、いえに逆戻りすると、「熱が下がらない」と学校に電話を入れた。何か食べ物を作ろうとしたゆきは蒸し器を見つけると、母がよく作ってくれたパオツーのレシピ・ノートを探し、見つけると材料を買いにスーパーへ行く。小麦粉、肉、野菜をカゴに入れる。そんなところに、同級生の和人(制服姿)が現れ、声を掛ける。が、ゆきは何も言わずに逃げるように買い物を済ませて家に。で、パオツーを作り始める。(一人分にしては、どう見ても具が多すぎますけど...だけど、夏帆ポンの手料理ならば一度は食べてみたい...)蒸し器をセットして待っている間、母の思い出がよみがえる。キッチン・タイマーがそれを遮るように鳴り、完成した。

翌日も、学校をサボったゆきは、またもスーパーに買い出しに行く。が、筍が安売りされていて、売り切れだった。そんなゆきに(私服姿の)和人が現れ、別の店ならあると言う。で、ゆきは違う店に行くが、やはり売り切れだった。(和人もゆきの後をついていく。)更にもう一軒生賀、タッチの差で買えなかった。仕方なく家に帰ったゆき。そんな時、玄関チャイムが鳴った。遅め遅め出てみると、玄関先に堀りたてで皮の付いた筍が置いてあったが、誰もいなかった。ゆきはその筍の皮をむき始める。

再び玄関チャイムが鳴った。今度は学校の先生がプリントを届けに来たのだった。が、居留守を使って出ないゆき。しかし、居間から外を見ると、父が帰ってくるのが見えた。で、慌てて筍を隠し、靴を持って二階の自室へ隠れる。

父は学校の先生からゆきが学校に行っていなかったということを知る。その様子を影から聞いていたゆき。その後で、何食わぬ顔をして「ただいま」と言って父の前にやってきたゆき。が、父は何も言わなかった。

翌日、いつものように父と一緒に出かけたゆきだったが、父のバスが先に来て、見送ると、やっぱり家に戻るゆき。そして昨日の筍を取り出す。が、既におかしくなっていた。そんな所に玄関チャイムが鳴った。恐る恐る出てみると、小さな筍が玄関先にあった。誰かいないかと捜すと、黙って帰って行く和人の姿を見たので「待って」と声を掛けたゆき。で、和人を家にあげて、パオツーを作り始めるゆき。(和人と一緒に作っている様は学校の「お料理教室」といった感じもします。若奥さんという感じはまだ無いでする)

完成するとアツアツのできたてを口に運ぶ和人。そしてゆきも口に運ぶ。「美味しい」と言って笑顔を見せるゆき。「その笑顔が見たかった」と言う和人だった。その言葉にもやもやが吹っ飛んだゆき。で、食べた後、桜並木を歩いている二人。(ここで夏帆ポンの歌う『僕の森』が流れる。)やがて別れた二人。ゆきは「久しぶりに心が温かくなった」と口にしていた。

派手な所は一切ないが、ちょっぴりと小さな幸せを感じさせてくれる「恋日」らしい物語でした。夏帆ポンの表情もとても良いですね。

来週は、今回「恋日」が放送された10:00からの枠では、夏帆ポン主演の「東京少女 ~眺める少女」が放送されます。そして、10:30からは「東京少女・セピア編」が始まります。つまり、2/10は2006年の「第二期・東京少女」と第三期となる「東京少女・セピア編」という「東京少女」が集中して放送されることになります。共に、前半がドラマ、後半がメイキングという内容です。夏帆ポンの「眺める少女」は、病弱で死期が近い少女の淡い物語です。「セピア編」の方は、まずは山下リオ主演の「麻婆少女」です。彼女は現在15歳、夏帆ポンの後任の12代目の三井リハウスガールであり、BS-i作品には、2007年の「カルピス・ドラマスペシャル」と「恋日・3rd.22話」に出演しているということで、かなり有力な7代目候補だと思いますけど...

 

↓この物語はこれに収録されています。

恋する日曜日 ラブソング コレクション DVD BOX

恋する日曜日 ラブソング コレクション DVD BOX

  • 出版社/メーカー: キング
  • 発売日: 2007/02/07
  • メディア: DVD

↓主題歌『僕の森』はこれに収録されています。

ハルモニオデオン

ハルモニオデオン

  • アーティスト: 遊佐未森
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2006/12/13
  • メディア: CD

桃と耳~遊佐未森ベストソングス

桃と耳~遊佐未森ベストソングス

  • アーティスト: 遊佐未森, 外間隆史, 中原信雄, 成田忍, 遠山淳, 工藤順子, 井上妙
  • 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
  • 発売日: 1992/11/01
  • メディア: CD

↓「筍」ということで

たけのこにょきにょき (国際版絵本)

たけのこにょきにょき (国際版絵本)

  • 作者: いもと ようこ
  • 出版社/メーカー: 至光社
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 大型本

たけのこ

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 1991/04
  • メディア: 単行本

筍・アスパラ山菜BOOK

筍・アスパラ山菜BOOK

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1996/05
  • メディア: 大型本

タケノコの丸かじり (丸かじりシリーズ)

タケノコの丸かじり (丸かじりシリーズ)

  • 作者: 東海林 さだお
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1998/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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