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「犬」(その7) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー作品第38弾として記してきた「犬」シリーズも今回で終了となります。で、残っている1967年のシリーズ最終作について記します。

シリーズ第9作勝負犬
作品データを記しておくと、1967年の大映京都の作品で、時間は88分、監督は井上芳夫、脚本は藤本義一、撮影は宗川信夫、美術は高橋康一、音楽は山内正である。そして出演は、田宮二郎、天知茂、坂本スミ子、藤岡琢也、永田靖、姿美千子、浜田ゆう子、杉田康、藤山浩二、夏木章、佐伯勇、原田玄、谷謙一、甲千鶴、明星雅子、喜多大八、豪健司、水原浩一、田中勉、梅津栄、松村若代、大川修、中原健、荒木康夫、阿部脩、三夏修、杉森麟、武江義雄、井上大吾、たちである。

常さんと組んだ大介は、昼は競艇の予想屋、夜は流しで生活をしていた。ある日、大介は不思議な殺人事件に出くわして、その捜査にやって来た顔馴染みの刑事木村と会う。木村から事件に使われた銃が、無音、無煙、無光の新型拳銃と知ると、大介は事件に興味を持った。そんな中、大介の所に転り込んで来た歌手志望の娘・玉子のために一肌脱ぐ気になった大介は、15年ぶりにアメリカから帰国した貿易商の中沢と知り合い、その娘・律子の美しさに惹かれる。木村は、中沢が新型拳銃に関係していると見て、大介に捜査協力を求める。また、木村は、中沢が昔捕り逃がしてしまった凶悪犯ではないかも考えていた。大介は中沢が吸ったタバコの吸い殻を木村に渡し、それほ調べたことで、中沢は律子の父親ではないことが判明する。中沢は、アメリカで死んだ律子の本当の父親と入替っていて、律子の父になりすましていて、逃亡していたのだった。再び警察の手が身辺に及んできたことを悟った中沢は、愛人と共に逃亡使用とするが、大介が後を追う。中沢の手下を片付けていった大介だったが、中沢が大介の背後から狙っていた。そんな窮地の大介を助けたのは律子だった。真実を知った律子が大介を守り、中沢は倒された。

本作でシリーズは終了となるのだが、これは田宮二郎が大映を退社したためであり、製作時には本作がシリーズ最終作となる予定ではなかった。そのため、更に製作できるような形で終了している。(結局、次作が製作されることは無かったですが...)結果的には余力を残す形で終わったことになったが、終盤の数作はマンネリ打破のために色々と工夫が行われていたが、その当たり外れが大きかったという印象が残ったシリーズでした。

それにしても、銃の規制がある日本で、拳銃が大っぴらに存在しているという'60'sならではの無国籍アクションは、色んな意味でよき時代の娯楽作品だったのですね。シリーズを通してみると、そのことが改めて分かることになる。まあ、日本映画全盛期の、今とは全く違う時代でした。が、現在であれば、それが独特の世界観に繋がり、フィクションの世界と言うことがよく分かるだけに、接する機会でもっと欲しいシリーズでもあります。(ただ、台詞などは現在の規制を考えたら、色々と問題となるものがあるだけに、地上波での放送は難しいでしょうね。→BSやCSで「お断り」のテロップを付けて放送するのが精一杯でしょうが、放送して貰いたいところです。)

 

↓ビデオです。

勝負犬 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 大映
  • メディア: VHS

田宮二郎、壮絶!―いざ帰りなん、映画黄金の刻へ

田宮二郎、壮絶!―いざ帰りなん、映画黄金の刻へ

  • 作者: 升本 喜年
  • 出版社/メーカー: 清流出版
  • 発売日: 2007/07
  • メディア: 単行本


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ケータイ刑事銭形泪5話[裏ネタ編]PART 7 [ケータイ刑事]

銭形泪」第5話「浦島太郎一族の悲劇 ~目撃者は亀!殺人事件」の裏ネタ編・増補の2回目(この物語については通算で7回目)の裏ネタ編となる今回は、この物語で怪しい男として逮捕された男に関して、身につけていた「ハチマキ」について、「ラクダシャツ」について、「腹巻き」について、「ステテコ」について、「手袋」について、そして「目出し帽」について記します。尚、「手袋」については「・2話[裏ネタ編]PART 8」で記したものをベースにして加筆しました。

この物語について過去に記した記事については「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての「裏ネタ編」は、2008/8/12、14、16、19、21付けで記しています。)

ハチマキ」:漢字で表記すると「鉢巻」、英語では「Headband」という。頭の回りに、手ぬぐいなどの布を横回りに巻くこと、またはその布のことを言う。

精神的な目的で使用されることが多く、精神統一やためや士気の向上のために用いられることが多い。特に応援団が用いたり、入試を迎えた受験生がもちいることが多い。

歴史は古く、古代日本にまで遡る。祈祷の儀式に於いて、巫女が用いていたのが最初とされている。また、大和朝廷が成立すると、天皇が行う神事や祭事の際、天皇だけが冠の上から白い布を額に巻いていたが、これもハチマキである。

普及するようになったのは、鎌倉時代になってから、武士が武装する際に株との下の烏帽子がずれないようにするために布を巻いていた。そしてこれは足軽などにも広がり、兵士が頭に布を巻くのが一般的になる。(これは金属製のものを巻くように発展するが、これは刀で額を割られることを防ぐためであった。)戦国時代にはどこの国の兵士でもこれを行うようになり、武士の基本となる。江戸時代になると、戦が無くなり、武道に受け継がれていくことになった。武士の使用ということでは、幕末に誕生した新撰組が特に有名である。

江戸時代に武道に導入されたことから、精神的な意味を持つものとなり、精神論と一体となったが、これは第二次大戦の時の日本軍の精神論に繋がり、当時の日本軍の兵士は「必勝」などの文字を入れたハチマキを使うことが当たり前となった。

現在では、ファッション的なものの一つにもなっているが、汗を拭くための布という実用的な一面もあって、工事現場の労働者をはじめ、用の元で働くことになる労働者は実用的なことから利用していることが多い。(植木屋であるバカボンのパパは実用的なことを考えての利用者ということも出来る。→バカボンのパパの場合はファッションの一つということも出来ますが...)

ラクダシャツ」:上半身に着る肌着の一つであるが、肌色から薄い茶色をした厚手の下着である。省略して「らくだ」と言うこともある。一般的には中年以上の年配者が着るシャツという印象が定着している。

尚、動物のラクダの毛を使ったシャツではなく、単に色がラクダの毛色に似ていることから「ラクダシャツ」と呼ばれている。(実際に、ラクダの毛を使った繊維を使った衣服もあるが、とても高価なものであり、肌着として使うには考えてしまうようなお値段でがします...

腹巻き」:腹が冷えることを防ぐため、または腰への負担を軽減するために用いられる下着の一つであり、布製または毛糸で編んだものである。

元々は防寒具というものではなく、起源は奈良時代から平安時代にかけて用いられた「腹纏」が起源とされている。当時、貴族が鷹狩りに行く際、装束の下に付けた長方形の帯状のものであった。

これが鎌倉時代になると、武士が身につける鎧の腹当てが進化したものして、胴を覆い、背中側で開閉するものとして、兵士が使用するようになる。これは後に武将も使用することになって「鎧」へと発展していくことになる。室町時代には平人が使用する防具としては当たり前のものとなるが、鎧の発展から「胴丸」が主に使われるようになって衰退していくこととなった。その後、腹冷えを防ぐために用いられる布のことを指して言うようになった。

尚、英語では「Wallet Belt」という。

ステテコ」:男性用の下履きの一つであり、裾が股よりも長くて膝下丈まであるズボン下のことである。パンツの上から、ズボンの下に着用されるものである。(夏の暑い時期にはズボンを履かずに、これをズボンの代用とする人もいる。)

歴史は比較的新しく、明治になってからであり、着物や袴の下に履く下着として登場し、日本の近代化の象徴的なものの一つとして大量生産されて全国に普及することになった。また、戦後の復興期には、繊維業が産業をリードしていた頃には、繊維業界を象徴する製品の一つでもあった。

尚、名前の由来は、1880年頃、初代三遊亭圓遊が寄席で踊って流行した「ステテコ踊り」を行った際、これを着用していて着物の裾から見えていた下着だったためとされている。(「ステテコ踊り」は宴会の席での騒ぎ踊として広く知られている。)

尚、ステテコはあくまでも下着である。祭の際にはこれを着用していてその上には何も着用しないということもあるものの、これはパンツ姿で出歩いているのと同じことである。(祭だから大目にみられているだけのことである。)ただ、ズボンの下に着用すると、冬季は防寒具の一つとなり、夏季は汗を吸う役割を果たすことになる。また、膝の折り曲げによりズボンと皮膚との間の滑りを良くすることになるため、ズボンの内側の生地を保護することが出来る。夏はともかく、冬場には上からズボンを着用するのだから、利用するのが宜しいかと...

手袋」:手の装飾のため、または防寒のため、若しくは保護のために用いるものであり、手の装着するための衣服の一つである。特に、防寒具としてのものは古くからあるものである。

構造としては、指の部分が5本の指が1本ずつ独立しているものと、親指のみが他の4本の指と独立しているものとがあり、前者を「手袋」「グラブ」「Glove」と言い、後者を「ミトン」「Mitten」と言って一応区別されている。(但し両者とも広義の「手袋」の仲間である。)また、指の部分が露出するような構造になっているものもあり、それは「オープンフィンガーグローブ」と呼ばれている。

使用される素材は、基本的には布であり、使用される布の種類も多い。その一方で、保護用の手袋としては、ビニール、ゴム、金属などを素材として使用しているものもある。(当然、素手で掴むと危険なものを扱うことがあるためで、丈夫な素材が使われることになる。)また、その仲間として、医療従事者が感染症を防ぐ目的で使用するものがあって、手術などの微妙な指先の動きを阻害しないように、手をピッタリと多う薄い素材(ゴム)のものもある。また、西欧では飲食店、特に厨房の従業員が手袋をして調理を行うことは珍しいことではない。(食品工場では当たり前になっている。)

尚、「軍手」と呼ばれるものがあるが、これは「軍用手袋」の省略形であり、旧日本軍が使用していた日本独自のものであり、戦後、軍が無くなって、一般用の作業手袋として広まったものである。

また、俳句の世界では、手袋は防寒具ということになっているため、冬の季語である。

歴史は古く、記録のあるものとしては古代ギリシア時代まで遡る。防寒具として、手の保護のためとして使用されていたが、13世紀頃になると、ファッションの一つとしての利用が見にれるようになる。そしてヨーロッパの王侯貴族の間で広まり、凝った飾りが付いていたり、宝石を使用したような手袋まで生まれている。ただ、そうなると実用性ということが無くなってしまった気がするのですが... で、一般にはそういうものとは関係なく、「防寒具」として普及することになった。

目出し帽」:文字通り、目の部分だけを出している帽子である。頭からすっぽりと被るため、頭部、顔面、頸部の保護と防寒のための衣類と言うことになる。特に登山家やスキーヤーが利用しているものの一つでもある。

目の部分だけが出ているのは、視界を確保する目的であるが、それ以外の部分は隠すことになる。そのため、これを悪用して、銀行強盗などがこれを用いて、顔を隠して事件を起こしたり、テロリストが正体を隠すために使用することが多いこともあって、イメージとしては悪くなっている。が、これを被ることで髪などが邪魔にならなくなることもあって、コマンドー部隊の兵士がこれを着用し、その上からヘルメットを被るというように、兵士の使用する装備の一つでもある。→自衛隊でも装備されていて、「顔面覆」と呼ばれている。

伸縮性のある生地(主に毛糸)で作られているため、着脱が容易であり、同時に体に密着するために防寒、保温には適している。

英語では「Balaclava」と呼ばれるが、これは19世紀のクリミア戦争の際、寒冷地である戦場に向かうイギリス兵に対して、妻たちが防寒のために顔をすっぽりと覆うことの出来るウールの帽子(現在の目出し帽そのもの)を持たせた。イギリス軍の兵士はそれを被って戦ったが、その時戦った町の名前がBalaclava(バラクラバ)であったことから、この名前が付けられた。

 

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX I

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携帯クールはちまき『Odecool』:オデクール

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ステテコ 白、柄 945円

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アイネックス 静電防止手袋 SB-03

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SANWA SUPPLY TK-SE8 静電気防止手袋

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ニトリルタイプ超薄ゴム手袋ロング 16枚入  68216

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THE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス) Stretch Balaclava NN85905

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OUTDOOR RESEARCH(アウトドアリサーチ) WS ゴリラ バラクラバ 83992

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メリヤス目出し帽 フリー 16-50

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↓参考まで

バカボンのパパ 腹巻の理

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  • 作者: 安恒 理
  • 出版社/メーカー: 文芸社
  • 発売日: 2002/08
  • メディア: 単行本


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名曲探偵アマデウス#51 フォーレ「レクイエム」 [ドラマ]

今回取り上げられたのはフランスのフォーレの「レクイエム」でした。毎回楽しい所を魅せてくれるカノンさんに負けないように、今回は所長の「ムーンウォーク」が冒頭ではかっさらっていきましたね。でも、カノンさんは「バッタの後ろ歩き」と言っていましたけど...

それにしても、所長のいないところでは実にのびのびとしているカノンさん。所長が商店街の会合でいないとなると、気分は名曲探偵になっている所は楽しいところです。が、所長が戻ってきて、いつもの掛け合いが始まり、忘年会の演し物として所長は「ムーンウォーク」の練習をということで、それをやってみせる。確かに、どのようにやればいいのかという説明としては分かりやすい所長のムーンウォークだが、余りのぎこちなさに「バッタの後ろ歩き」と言うカノンさん。いつもながら適切な表現であって、上手く言いあらわしています。

そんな所に依頼人がやってきて、カノンさんの背後から目隠しをする。カノンさんはいきなり「酒くさ」、そして「餃子も食べてる」と、敏感に反応して、ストレートに口にするのは素直で正直ですね。

依頼人はリストラされると思い、聴いておけと言われたCDを示すが、それがフォーレの「レクイエム」ということで、リストラで首を切られる自分に対する当てつけと思っていて、かなり荒れている。(こういう依頼人というのは今までになかったですね。)が、ある意味では自由奔放なカノンさんに慣れている所長は対応が上手く、自分のペースに巻き込んで、曲の説明を始める。→こういう所は所長らしいところで、名曲探偵と言うよりも人生相談のプロらしいところでもあります。

曲の説明を始めると、カノンさんはいきなり「お経みたい」と、これもまた実に上手い表現で感じたことを口にするが、本当に表情豊かですね。

依頼人は、自分がリストラされると決めつけているだけに、探偵事務所を酒場と勘違いしているところがあって、カノンさんに出された水を口にして「水じゃない」と言ったり「酒はないの」と言ったりしていたが、カノンさんは「お店じゃないんですけど」とか「すいません」と謝ったりで、大変です。が、影で色々とやっていて苦労しているという所は依頼人と共感できるところがあるようで、それが表情に出ていたのは面白い所でした。

今回は、楽器でバイオリンビオラの違いについての説明があったが、見た目は殆ど同じであるこの両者。ビオラの方が一回り大きいのだが、クラシック(楽器)に明るくないと違いが分からないこれらの楽器を上手く解説していて、音の違いを聴かせてくれたのは分かりやすかったですね。特に大きくなるとそれだけ音に厚みが出て。これが落ち着きや安心感を与えてくれと言うのは良く分かるところでした。

所長の説明が進んで行くが、依頼人は自分がリストラされると決めつけているだけに、かなり頑固な所を魅せていて、更に不満をグタグタと言っている。そして常務のことを「あのデブ常務のエロチョビレ!」と言っていたが、カノンさんがこれに対して「エロ常務のデブチョビレじゃなかったですか」と返すのは面白い所でした。→カノンさんも所長に対して少なからず不満が溜まっていることでしょうから、ここぞとばかりに依頼人に便乗していたのかも...???

冷静な所長は、次第に依頼人の真の姿を見抜いていき、頑固な依頼人の心を解かしていくのが上手いですね。で、ヴェルディの「レクイエム」の「怒りの日」を持ってきて、「レクイエム」の特徴を語るが、話の進め方が上手いです。

この所で、依頼人が「私は天国、(カノンさんに向かって)あんた地獄」と毒づいていたが、カノンさんの反応は面白かったです。(が、依頼人の気持ちを逆立てるようなことをしないのは流石です。)

で、「レクイエム」に於ける「怒りの日」の解説があって、ヴェルディ、モーツァルトの「レクイエム」と共に説明してくれるのも、違いがよく分かる説明となっていました。

最後の曲の説明に入る前も尖っていた依頼人だったが、所長の話の仕方は上手く、それに呼応するかのようにカノンさんが「みんなを苦しみから解放する天使ってこと」と口にしたのは、やっぱり所長の助手らしいところで、やっぱり黄金コンビと感じさせてくれるところでした。

それにしても、依頼人の携帯の着メロがベートーベンの「運命」というのも面白いところでした。で、依頼人に電話が入り、常務が「リストラというのは誤解で昇進だよ」と言うと、依頼人の表情が一変してあかるくなったが、カノンさんばりに豊かな表情を見せていました。で、カノンさんの言葉を受けて「私はみんなを幸せにする天使なんだから」と言って、帰って行くが、誤解が解けると全く別人のような笑みを浮かべていたが、少し前までは会社を首になる、と思い詰めていた人物とは思えませんね。そして「探偵さん、お嬢さん、ありがとう」とお礼を言うと帰って行った。(飲み会の席に戻って行った。)ということで、所長の人生相談は、今回もお見事でした。

今回のドラマ部分は34分弱、曲の演奏は9分半弱、ラストのオチが1分弱という構成であり、ドラマ部分がやや短く、曲の部分が長かったですね。(とは言っても、10分に満たない時間では全曲とはならず、ダイジェスト的になるのは仕方のない所ですけど...)

また、曲の最後の所で、映像はフォーレが「1924年11月4日 79歳で永眠」と出て、フォーレの国葬となった時の写真や、葬儀に関して触れていたが、この部分で作曲家の生涯が語られたというのは珍しいですね。

ラストのオチの部分は、外から帰ってきたカノンさん(髪型も服装も、依頼人が着ていた時とは変わっている。)が今回の依頼人からの手紙を手にしていて、あの後、依頼人は常務と意気投合して、来年の春に結婚することになった、と所長に報告する。が、所長は相変わらずムーンウォークの練習をしている。(冒頭の時よりは確かに上達しています。)で、「今度こそ出来た気がする」と言って、披露する。(確かに、それなりに見えるが、でもまだまだ固いですね。)カノンさんは「流石所長!」と持ち上げていて、その気になった所長は「もう一回やってみよう!」これにカノンさんはカメラ目線で「私も天使」と言ってウインクしていた。→そう言えば黒川さんはNHKのドラマ「天使みたい」(2003年)に主演していましたね。(再放送して欲しい作品の一つなんですよね...)二役を演じていて、カノンさんのように豊かな表情をたっぷりと魅せていた作品でした。

今回は所長がムーンウォークでかっさらったということになったが、カノンさんは今回の依頼人と同様で縁の下の力持ちという立場として、物語の筋に上手く合わせた役割を見せてくれました。依頼人の気を帰るきっかけになったキーワード「天使」といい、所長を持ち上げるところといい、名曲探偵にはカノンさんの存在は、やはり無くてはならないものですね。

次回(来週12/13)も15分繰り下がって20:15からのスタートです。次回はファイルNo.052の武満徹「ノヴェンバー・ステップス」です。(日本人の曲というのは初めてですね。)そして12/20は年内最後の放送となって、ファイルNo.053のパガニーニ「24の奇想曲」です。年明けは今年のようなスペシャルは無くて、1/17までオアズケとなり、1/17のファイルNo.054のブラームス「交響曲第1番」から再開となります。

 

フォーレ:レクイエム

フォーレ:レクイエム

  • アーティスト: フォーレ,コルボ(ミシェル),コルボ(アンドレ),ベルン交響楽団,コルボ(フィリップ)
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2000/06/21
  • メディア: CD

フォーレ:レクイエム

フォーレ:レクイエム

  • アーティスト: フォーレ,小澤征爾,ジュリーニ(カルロ・マリア),ボストン交響楽団,フィルハーモニア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/11/08
  • メディア: CD
フォーレ:レクイエム

フォーレ:レクイエム

  • アーティスト: クリュイタンス(アンドレ),フォーレ,ピュイグ=ロジェ(アンリエット),パリ音楽院管弦楽団
  • 出版社/メーカー: TOSHIBA-EMI LIMITED(TO)(M)
  • 発売日: 2007/06/20
  • メディア: CD
フォーレ:レクイエム(再プレス)

フォーレ:レクイエム(再プレス)

  • アーティスト: コルボ(ミシェル),フォーレ,ベルン交響楽団
  • 出版社/メーカー: WARNER MUSIC JAPAN(WP)(M)
  • 発売日: 2008/01/31
  • メディア: CD
フォーレ:レクイエム

フォーレ:レクイエム

  • アーティスト: コルボ(ミシェル),フォーレ,ローザンヌ器楽アンサンブル
  • 出版社/メーカー: エイベックス・クラシックス
  • 発売日: 2005/11/16
  • メディア: CD
フォーレ:レクイエム

フォーレ:レクイエム

  • アーティスト: ジュリーニ(カルロ・マリア),ラヴェル,フォーレ,ノイマン(ホルスト),ファレル(ティモシー),フィルハーモニア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2005/09/07
  • メディア: CD
フォーレ:レクイエム

フォーレ:レクイエム

  • アーティスト: クリヴィヌ(エマニュエル),フォーレ,国立リヨン管弦楽団,ジル(ジャン=ルイ)
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2002/06/21
  • メディア: CD
フォーレ:レクイエム&歌曲集

フォーレ:レクイエム&歌曲集

  • アーティスト: フォーレ,小澤征爾,オリヴァー(ジョン),ボストン交響楽団,ジョーンズ(ウォーレン)
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2007/11/07
  • メディア: CD
フォーレ:レクイエム/ペレアスとメリザンド

フォーレ:レクイエム/ペレアスとメリザンド

  • アーティスト: フォーレ,デュトワ(シャルル),モントリオール交響楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/05/20
  • メディア: CD
フォーレ:レクイエム

フォーレ:レクイエム

  • アーティスト: クリュイタンス(アンドレ),フォーレ,ピュイグ=ロジェ(アンリエット),パリ音楽院管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/03/06
  • メディア: CD
フォーレ:レクイエム

フォーレ:レクイエム

  • アーティスト: フォーレ,ジンマン(デイヴィッド),フルネ(ジャン),ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2005/06/22
  • メディア: CD
↓2003年の黒川芽以さん主演の「天使みたい」の原作です。(残念ながら、ドラマの方はソフト化されていません)

天使みたい-ガールフレンズ 1 (クイーンズコミックス)

  • 作者: 山下 和美
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/06/19
  • メディア: コミック

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