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STING『... NOTHING LIKE THE SUN』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1987年にリリースされた彼の2nd.ソロ・アルバムである。このアルバム、実はLPでは2枚組であったが収録時間は55分弱ということで、LPとしたら「超不景気レコード」という烙印が押されたアルバムなのである。(55分という時間であれば、LPでも1枚(両面)に収録可能な時間であるが、そうなると音溝を浅くすると共に、溝のピッチを詰めることになり、多少なりにも音質に犠牲が出る可能性がある。クオリティを考えて2枚組にしたということは容易に想像できますが... 尚、CDでは当然1枚に収録されていると共に、短いという時間ではないですが...)が、内容の方は「不景気」というものではなく、かれの世界を見事に確立した心に響くメロディのアルバムである。また、彼の最高傑作という呼び声もある。Billboardの方でも、1988年の年間アルバム・チャートの24位にランクインしている。(レギュラー・チャートでの最高位は9位であった。)

収録曲は以下の12曲である。『Lazarus Heart』『Be Still My Beating Heart』『Englishman In New York』『History Will Teach Us Nothing』『They Dance Alone(Cueca Solo)』『Fragile』『We'll Be Together』『Straight To My Heart』『Rock Steady』『Sister Moon』『Little Wing』『Secret Marriage』。

意外と思われるのは、この中からBillboardの年間シングル・チャートのTOP 100にランクインしたのは『We'll Be Together』(1988年の年間84位、レギュラー・チャートでの最高位は7位)だけである。CMにも使われたあの『Englishman In New York』はシングル・ヒットは記録したものの、そこまでのヒットとなっていないのである。(でも、こういうことはよくあることで、珍しいことではないのですが...→「隠れた名盤」としてアルバムが言われることはあるが、「隠れた名曲」としてはあまり言われない...)が、このシングル・ヒットの2曲はもちろんだが、ジミヘンのカヴァーである『Little Wing』や、じっくりと聴かせてくれる『Be Still My Beating Heart』『Straight To My Heart』『Sister Moon』はお薦めである。尚、本アルバムには、アルバム・タイトル・ナンバーというものが存在しない(むしろ、こういうアルバムの方が主流であるが...)『Sister Moon』が実質的なアルバム・タイトル・ナンバーである。

POLICE時代のサウンドとも異なり、前作のジャジーなテイストのするものでもなく、ポップスでもロックでも、はたまたクラシックとも異なる現代ミュージックである本アルバムは、STING独特のサウンド・ワールドであり、ふとした時に心を癒してくれるサウンドであると同時に、ちょっとお洒落で渋い大人の雰囲気に満ちている。じっくりと聴き込むというよりは、気分転換をしたい時など、心に癒しを求める時に聴きたくなるアルバムの一つである。お手元に是非備えておきましょう。

 

Nothing Like the Sun

Nothing Like the Sun

  • アーティスト: Sting
  • 出版社/メーカー: Polygram International
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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STEVIE NICKS『BELLA DONNA』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1981年に発表された彼女の1st.ソロ・アルバムである。彼女はFLEETWOOD MACでメイン・ボーカルを務める一人であるが、そのMAC人気もあって、リリースされると同時に大ヒットを記録し、全米No.1の座まで獲得することになった。(1位にいたのは1週間だけでしたが...)さらに、長期間にわたりBillboardのチャートにランクインし続けたことにより、本アルバムは1982年の年間アルバム・チャートでは8位、翌1983年の年間アルバム・チャートでも61位にランクインするというロングラン・ヒットとなった。ロック路線を基本にして、「妖精」とも「小悪魔」とも言われる魅力満載のボーカルをたっぷりと聴かせてくれる。

収録されているのは以下の10曲である。『Bella Donna』『Kind Of Woman』『Stop Draggin' My Heart Around』『Think About It』『After The Glitter Fades』『Edge Of Seventeen』『How Still My Love』『Leather And Lace』『Outside The Rain』『Highwayman』。

本アルバムからは、まずはTOM PETTY & THE HEARTBREAKERSとの共作である『Stop Draggin' My Heart Around』がシングル・ヒットを記録したが、ゆっくりとしたテンポのロックのリズムに乗せたボーカル・ナンバーであり、じっくりと聴かせてくれる。尚、この曲はBillboardのレギュラー・チャートでは最高位3位まで上昇し、1981年の年間シングル・チャートでは59位にランクインしている。また、翌1982年の年間シングルTOP 100にもシングル・カットされた曲がランクインしている。それらは『Edge Of Seventeen』(100位、レギュラー・チャートの最高位は11位)とDON HENLEYとのデュエットである『Leather And Lace』(36位、レギュラー・チャートでの最高位は6位)であり、本アルバムのロングヒットの一因にもなった。

ややハスキー気味のボーカルと、MACサウンドよりもパワフルなロック路線のサウンド、更には計算されたMACのサウンドとは対岸にある荒削りな無骨さが、MACでは味わうことの出来なかった彼女の魅力をより引き出すこととなった。(が、ハスキー・ボイスの女性ボーカリストと言えば、やはりBONNIE TYLERの存在を忘れてはならない。)計算された緻密なMACサウンドを期待する方には肩すかしを食らわすことになるが、ソロとしてはグループとは違うものを期待するのが普通であり、それを思えば十二分に楽しむことが出来るアルバムである。尚、ギター・サウンドがお好きな方にも、WADDY WACHTELの奏でるギターは聞き物である。女性ボーカル・アルバムとしてもじっくりと聴き込んで欲しいアルバムである。

 

Bella Donna

Bella Donna

  • アーティスト: Stevie Nicks
  • 出版社/メーカー: Modern
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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SUPERTRAMP『BREAKFAST IN AMERICA』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1979年に発表されたものであり、10年というキャリアを重ねて、6枚目のアルバムでようやく世界的に認められる傑作を生み出した。本アルバムは来るべき新時代である'80'sを前にして、'70'sにその名を残すことになった名盤である。元々は正統派のブリティッシュ・ロック・サウンドを奏でていた彼らであったが、アメリカを拠点とし、ポップな路線に転換を図って世界的なヒットを生み出すことになった。本作のサウンドは、シンプルながらもポップ寄りの聴きやすいものとなっていて、次々とシングル・ヒットを生み出した。ということもあって、本アルバムも大ヒットして、全米No.1の座を獲得した。(しかも、4週連続1位の後、一旦その座を明け渡すも、再び返り咲いて2週間、通算で6週No.1の座を獲得した。)また、1979年のBillboard年間アルバム・チャートでも5位という位置にランクインしている。まさに本アルバムは彼らの代表作である。(ジャケット写真の方も、ニューヨークの摩天楼を思わせる構図となっているが、よく見るとそれらは食卓の上に並ぶもので作られている。)

収録されている曲は以下の10曲である。『Gone Hollywood』『The Logical Song』『Goodbye Stranger』『Breakfast In America』『Oh Darling』『Take The Long Way Home』『Lord Is It Mine』『Just Another Nervous Wreck』『Casual Conversations』『Child Of Vision』。この中からは4曲のシングル・ヒットが生まれているが、その中でもやはり『Breakfast In America』である。爽やかさを感じるメロディにポップのエッセンスが利いていて、とても優しい一曲である。また、やはりシングルヒットした『The Logical Song』(1979年のBillboard年間シングル・チャートで27位、レギュラー・チャートで最高位6位を記録)も聴きやすく心地良さを与えてくれるし、『Take The Long Way Home』(1980年のBillboard年間シングル・チャートで86位、レギュラー・チャートで最高位10位を記録)も同様の曲であり、これらは「アート・ロック」と評された彼らのサウンドの特徴の集大成でもある代表的な曲でもある。その一方で、『Child Of Vision』は綺麗なメロディの一曲でもあり、とてもいい雰囲気で締めくくってくれる所は本アルバムの一つの聴き所でもある。

「苦節○年」という言葉をよく耳にするが、彼らは「苦節10年」で世界的なトップ・バンドの地位を本作によって得ることになったが、やはり10年という時間が彼らのサウンドを成熟させることにもなっていて、実に味わいの深いアルバムとしてまとめ上げられている。この後、メンバーチェンジが行われて、アルバムをリリースし続けているが、あまりにも偉大な本作を越えるような作品は残念ながら生まれていない。(やはり、偉大な作品を生み出すと、その後は難しいようである。)が、本作の放った輝きは、リリースから四半世紀以上の時が流れても、決して衰えるものではなく、その輝きは発表当時と変わっていない。ポップ路線で聴きやすいだけでなく、とても優しいサウンドのアルバムであり、じっくりと聴き込みたくなるアルバムである。

 

Breakfast in America

Breakfast in America

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 2002/06/11
  • メディア: CD


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