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VAN HALEN『5150』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1986年に発表されたものであり、前作「1984」に続いて数字が並んだタイトルのアルバムとなっている。(5150本目の記事にするまで待つなんてことは出来ませんので、ここで取り上げる。)本アルバムからはボーカリストが変わり、SAMMY HAGARがその座に就いた。で、彼のボーカルが新たな魅力を生んで、ボーカル交代劇が良い方向に働くことになった。(でも、かなりポップ寄りのサウンドとなりました。)でも、聴かせるところはしっかりと聴かせてくれる巧みなギター・プレイといい、シンセサイザーを取り入れたサウンドと言い、ツボはしっかりと押さえている。で、本アルバムは3週間にわたって全米No.1の座を獲得すると共に、1986年のBillboard年間アルバム・チャートでは14位にランクインしている。

収録されている曲は全9曲で、以下の通りである。『Good Enough』『Why Can't This Be Love?』『Get Up』『Dreams』『Summer Nights』『Best Of Both Worlds』『Love Walks In』『5150』『Inside』。

この中では、大ヒットを記録した『Why Can't This Be Love?』に触れないわけにはいかない。Billboardのシングル・チャートで最高位3位を記録すると共に、1986年の年間シングル・チャートでは69位にランクインしており、彼らのキャリアの上でも忘れることの出来ない一曲である。サウンドの方はポップ寄りのロック・ナンバーであり、とても聴きやすいナンバーである。そして、『Dreams』とアルバム・タイトル・ナンバーである『5150』はグイグイとリードしていくエネルギッシュな曲であり、特に後者におけるギター・サウンドには酔いしれるだけである。また、SAMMYのボーカルは全編を通して素晴らしく、パワフルなロック・チューンからバラード寄りの聴かせる曲まで、巧みな表現力でたっぷりと聴かせてくれる。

メンバー・チェンジが行われると、たいていは前任者の偉大さを感じることになり、バンドとしてはスケールダウンしてしまうということが多い中、今回のボーカル交代劇は負の部分が無く、見事なイメージ・チェンジということで新たな世界へと飛躍することとなり、こういうメンバー・チェンジというのはあまりないことでもある。ということで、ハード系のロックがお好きな方は当然であるが、ポップな部分もふんだんにあるということで、ポップ好きな方(特に、'80'sの後半から終盤のエレポップを中心としたコアなポップ・ナンバーがお好きな方)でも抵抗感無く入っていくことが出来るサウンドであり、是非とも聴いてもらいたいアルバムである。また、彼らの発表したアルバムの中でもクオリティは高いので、VAN HALENを知りたいという方の入門用アルバムとしてもお薦めである。 

 

5150

5150

  • アーティスト: Van Halen
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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VILLAGE PEOPLE『MACHO MAN』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1978年に発表されたものであり、映画「サタデー・ナイト・フィーバー」を発端としての世界的ディスコ・ブームの中心的な存在となった彼らが、そのブームによりいっそうの拍車を掛けるようにパワーアップして放ったものである。(そして、ディスコ・ブームは更に拡大して行った。)ということで、本アルバムは1978年のBillboard年間アルバム・チャートでは34位にランクインしている。レギュラー・チャートでの最高位が24位であることを考えたら、ロング・ヒットとなったということがお分かり頂けるであろう。(特に凄いのは、この年、彼らのもう一枚のアルバム「VILLAGE PEOPLE」が、レギュラー・チャートでの最高位は54位であるのに、年間アルバム・チャートでは27位にランクインしたことである。最高位が20位台から30位台のアルバムが年間チャートのTOP30に入ると言うことは珍しいことではないが、レギュラー・チャートではTOP 50にも入らなかったアルバムが年間チャートでTOP 30にランクインしたのはこのアルバムだけである。)とにかく、チャートの上位に食い込むところまでは行かなかったものの、当時の彼らの勢いを感じさせるエピソードである。

収録されている曲は以下の6曲である。『Macho Man』『I Am What I Am』『Key West』『Just A Gigolo』『I Ain't Got Nobody』『Sodom And Gomorrah』。この曲数であれば、最近では当たり前のようなリミックス・アルバムのように、一曲の演奏時間が長い曲なのではと思われるかも知れないが、そうではなく、時間の方は30分に満たないというものである。(典型的な「不景気レコード」である。が、それでも売れた。→やはりアルバム・セールスは中身と言うことです。)

この中では、アルバム・タイトル・ナンバーでもあり、シングル・ヒットを記録した『Macho Man』が注目曲ということになるが、サビの部分で曲名を繰り返すフレーズは、ヒット曲のツボをしっかりと押さえていて、耳に残るものである。その他としては、ヒットを記録した『Key West』や『Sodom And Gomorrah』も注目される所である。いずれにしても、全6曲の全てが、テンポ良くダンサブルでノリが良いメロディに乗って奏でられる。心に響いて感動する、というような要素は無いが、とにかく明るく楽しいものであり、聴いていると元気が出てくるアルバムである。(が、こういう楽しいアルバムというのも「音楽」なんですよね。)

'70'sの世界的ディスコ・ブームを語る際、「VILAGE PEOPLE」と言えば『Y.M.C.A.』や『In The Navy』ということになるが、本アルバム(特にヒット曲『Macho Man』)は忘れてはならないものである。'70'sの雰囲気をたっぷりと堪能できる一枚である。(でも、収録時間のことを考えたら、リミックス版などのボーナス・トラックをたっぷりと追加してもらいたいところでもある。)

 

Macho Man

Macho Man

  • アーティスト: Village People
  • 出版社/メーカー: Polygram
  • 発売日: 1996/03/19
  • メディア: CD

 


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U2『BOY』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは、1980年に発表された彼らの1st.アルバムである。彼らは後に世界的なビッグ・ネームのバンドとして世界中で受け入れられるようになるのはご存知の通りであるが、本アルバムではまだ十分に洗練されていなくて荒削りな所があり、未完の若々しさに満ちている。サウンドの方も、当時の新しいサウンドであるニューウェーブのものであり、'80'sという新しいディケイドを迎えた中で新しく生まれてきたサウンドの一つといった範疇のものであった。後の大ヒットを記録したアルバムの曲やシングル曲と比べると完成されていないものであるが、現在に繋がる彼らの独特のサウンドの原点がある。

収録されている曲は以下の11曲である。『I Will Follow』『Twilight』『Cat Dubh』『Into The Heart』『Out Of Control』『Stories For Boys』『Ocean』『Day Without Me』『Another Time, Another Place』『Electric Co.』『Shadows And Tall Trees』。

本アルバムからは、年間チャートに残るような大ヒット曲は生まれていないが、それでも個性的であり、キラリと輝く曲がある。今ではすっかりお馴染みの曲となっている『I Will Follow』のアップテンポで元気なメロディは、当時のパンク、ニューウェーブのサウンドを考えると、特に目新しいものとは感じられないが、後のU2のサウンドを知ると、エフェクトによって生み出されるサウンドの原点であるということが感じられる。また、『Out Of Control』等は小粒ながらも上手くまとめ上げられているということを感じる。そんな中、本アルバムからの筆者のお薦め曲は『Ocean』と『Another Time, Another Place』である。後のブレークした姿を知っているからこそ、無意識のうちにブレークした後のサウンドとの繋がりを考えてしまうが、そういう考えを忘れさせてくれるスケールの大きさを感じることが出来る。(やはり、当時からボノはそれだけのものを出していたということになる。)

後(現在)の活躍を知った上でデヴュー・アルバムに遡ると言うことを行うと、やはり未熟さを感じると共に、サウンドの変化を感じるのは仕方のないところであり、彼らについてもこれは当てはまる。が、その未熟さもダイヤモンドの原石であればそれなりの輝きを持っているものである。本アルバムにはそういうダイヤモンドの原石ということを大いに感じさせてくれるだけの魅力があり、後にブレークするということも納得できる。(ブレークしたからこそ、こういうことが言えるのかもしれませんが...)U2というバンドに接する上では忘れてはならない「原点」がここにあり、聴いておかなければならないアルバムの一つである。

 

Boy

Boy

  • アーティスト: U2
  • 出版社/メーカー: Universal Japan
  • 発売日: 1990/06/15
  • メディア: CD


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TRACEY ULLMAN『THE BEST OF TRACEY ULLMAN』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1992年にリリースされたベスト盤であり、'80's前半に発表された2枚のオリジナル・アルバム(1983年の「YOU BROKE MY HEART IN 17 PLACES」と1984年の「YOU CAUGHT ME OUT」)を中心にして編集したものである。彼女はシンガーとしても活動していたが、現在は女優として活動している。ということで、新しいファンの方は彼女が歌っていたということをご存知であろうか?(ファンだったら、経歴を調べるでしょうから、ご存知ですよね...)ということで、ファンにとったら彼女の歌をたっぷりと堪能できる嬉しいベスト盤である。(ただ、ファンならば、オリジナル・アルバムの方もしっかりとゲットしなければなりませんよ...)サウンドの方は、ヒットした曲もそうであるが、'60'sポップス風のものであり、古き良き時代の明るく楽しいサウンドである。

収録されているのは以下の20曲である。(これぐらい収録されているとなると、ベスト盤としてもサービス精神に満ちたものということになって歓迎します。)『Breakaway』『Long Live Love』『Shattered』『Oh, What A Night』『(Life Is A Rock) But The Radio Rolled Me』『Move Over Darling』『Bobby's Girl』『They Don't Know』『(I'm Always Touched By Your) Presence, Dear』『You Broke My Heart In 17 Places』『I Close My Eyes And Count To Ten』『You Caught Me Out』『Baby I Lied』『Terry』『Sunglasses』『Helpless』『My Guy』『Falling In And Out Of Love』『I Don't Want Our Loving To Die』『Dancing In The Dark』。

この中でヒットを記録したのは『They Don't Know』であり、この曲は1984年のBillboard年間シングル・チャートでも71位、レギュラー・チャートでは最高位8位を記録している。明るく楽しいポップな一曲である。その他、ヒットを記録したのは『Breakaway』や『Bobby's Girl』であるが、そのサウンドは'60's風のものであり、それが'80'sという時代では妙にマッチングしていたものである。(何処かで'80'sポップスというのは'60'sの延長線上に位置するといった所がある。(全てとは言いませんが...))それ以外にも本当に'60'sの時代にヒットした曲をカヴァーしていて、しかも'60's風のアレンジで聴かせてくれるのだから、'60'sサウンドがお好きな方にもすんなりと入っていくことが出来る。

尚、サウンドの方は'60's風であるが、彼女のボーカルはなかなか本格的で、こちらは'80'sポップスにはピッタリといった印象を与えてくれる。また、楽しい曲であるが、腰を落ち着けたボーカルはじっくりと聴き込みたくなるものである。'60'sと'80'sポップスがお好きな方、また、女性ボーカルがお好きな方には一押しのアルバム(ベスト盤)である。往年の楽しいサウンドを楽しみましょう!

 

The Best of Tracey Ullman

The Best of Tracey Ullman

  • アーティスト: Tracey Ullman
  • 出版社/メーカー: Rhino
  • 発売日: 1992/05/12
  • メディア: CD


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