RAINBOW『STRAIGHT BETWEEN THE EYES』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表されたものであり、前作「DIFFICULT TO CURE」で、かなりポップなサウンドになったRAINBOWが、再びハード路線のサウンドに回帰していったものである。また、3代目ボーカリストであるジョー・リン・ターナーが参加しているアルバムの中では人気の高いアルバムでもある。また、ブラックモアのギターも冴え渡っている。ということで、聴き応えのあるアルバムである。
収録されている曲は以下の9曲である。『Death Alley Driver』『Stone Cold』『Bring On The Night(Dream Chaser)』『Tite Squeeze』『Tearin' Out My Heart』『Power』『Miss Mistreated』『Rock Fever』『Eyes Of Fire』。とにかく、1曲目の『Death Alley Driver』が秀逸である。再生を始めると、いきなりトップ・ギアに入り、ハードなサウンドを突っ走っている。(やはりこういうサウンドでなければ...)ということで、前作のポップなサウンドを嫌う旧来のファンもこれで戻ってきた。で、続く『Stone Cold』は抑えめのロック・チューンであるが、これには味わいを感じることになる。このような動と静をつけたメリハリが本アルバムではいい味付けとなっていて、以下の曲に続いていくことになる。続く『Bring On The Night(Dream Chaser)』も抑えめの聴かせる曲であるが、このタメが『Tite Squeeze』になるとまたまた突っ走るようになり、ラストの『Eyes Of Fire』がまたまたRAINBOWらしさをたっぷりと魅せてくれていて、ご機嫌となる。
前作のサウンドの変化によって離れてしまったファンも、本作は十分に納得できるハードなサウンドを聴かせてくれるものとなっていて、'80'sになってもRAINBOW(というよりも、やはりブラックモアと言った方が良いかも...)は健在である、ということを証明したアルバムである。また、ジョー・リン・ターナーのボーカルもこなれたものになり、聴き応えがある。やはり、こういうアルバムはじっくりと聴き込みたくなるものであり、じっくりと聴きましょう。
ROBERTA FLACK『KILLING ME SOFTLY』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1973年に発表された名曲を含んだアルバムである。アルバム・タイトルからも分かるように、その曲とは『Killing Me Softly With His Song』(邦題「やさしく歌って」)である。とにかく、この曲によって彼女の名前は広く知れ渡っている。これは某CMソングとして長く使われたと言うこともあるが、とにかくこの曲の知名度は広い。ということで、本アルバムもあまりにも有名である。(まあ、ベスト盤をと言う方もいらっしゃるでしょうが...)が、本アルバムはヒットしているが、Billboard誌を見てみると、レギュラー・チャートでは最高位3位を記録しているものの、1974年の年間アルバム・チャートで91位というように、彼女のアルバムとしたら意外と低い位置にランクインしている。(まあ、この辺りがチャートの面白いところでもありますが...)日本では本アルバム(上記の一曲)があまりにも有名であるが、それ以外にも素晴らしいアルバムを多数発表しているということでもある。
本アルバムに収録されている曲は以下の8曲である。『Killing Me Softly With His Song』『Jesse』『No Tears(In The End)』『I'm the Girl』『River』『Conversation Love』『When You Smile』『Suzanne』。この中では、やはり『Killing Me Softly With His Song』である。この曲はシングル・ヒットを記録しているが、全米No.1ヒットであり、しかも4週連続1位の後、1週間だけ1位の座を明け渡し、翌週に再び1位に返り咲き、通算で5週間No.1の座を獲得している。ちなみに、1973年のBillboardシングル・チャートで5週No.1というのは、その年の最多記録である。また、1973年の年間シングル・チャートでも3位にランクインしている。とにかく、優しく心に届く名曲である。また、数多くのアーティストがこの曲をカヴァーしており、完全にスタンダード・ナンバーとなっている。この曲以外にも、『Jesse』や『I'm the Girl』『Suzanne』といった曲も同様に優しい曲であり、それでいて切々と、じっくりと歌っていて、たっぷりと聴かせてくれる。
彼女は他にも数多くの素晴らしいボーカル・アルバムを発表している。いずれのアルバムでも優しく歌い上げていて、心に残るような時代に残る名曲をリリースしている。まずは本アルバムでファースト・コンタクトということで入っていき、他のアルバムにも接してもらいたいところである。じっくりと聴きましょう。