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BONEY M『OCEANS OF FANTASY』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1979年に発表されたものであり、当時流行っていたディスコ・サウンド全開のアルバムである。とにかく、当時は映画「サタデー・ナイト・フィーバー」の影響で世界中がディスコ・サウンドの大ブームとなり、それまではディスコ・サウンド(ダンス系ミュージック)と縁がなかったアーティストまでもがディスコ・サウンドのアルバムをリリースするというような状況になったが、そういうグループのサウンドとは違って、彼らはポップでノリの良いダンス・チューンを奏でてきたこともあって、ご機嫌のサウンドを聴かせてくれる。(やはり、彼らもこの時代を代表するグループである。)収録されているのは以下の全13曲である。『Let It All Be Music』『Gotta Go Home』『Bye Bye Bluebird』『Bahama Mama』『Hold On! I'm Comin'』『Two Of Us』『Ribbons Of Blue』『Oceans Of Fantasy』『Lute』『No More Chain Gang』『I'm Born Again』『No Time To Lose』『Calendar Song』。この中では、ディスコ・サウンドとしたら少しテンポが遅い感じのする『Bahama Mama』が面白い存在の曲となっていて、他の曲とは違うサウンドを聴かせてくれる。全体的にはテンポが良く、リズミカルでダンサブル(ディスコ・サウンドで「ダンサブル」でない曲というのにお目にかかりたいところではあるが...)な曲は、自然と体が動いてくることになり、十二分に楽しませてくれるものである。多少、テクノっぽい所もあったりするが、やはり当時の王道を行くサウンドである。

ディスコ・ブームも既に四半世紀以上前の出来事であり、当時のサウンドを楽しむには各種オムニバス盤が多数リリースされているし、彼らのような時代をリードしたグループであればベスト盤もいくつかリリースされている。これから当時のサウンドを楽しもう、という方には、そういうオムニバス盤やベスト盤の方が幅広く知ることが出来るので、そちらをお薦めするが、ディスコ・サウンドを少しでも聴いたことがある方には、そういうオムニバス盤やベスト盤ではなく、本アルバムのように、ディスコ・ブームの真っ直中に発表された本アルバムのようなオリジナル・アルバムを聴くことをお勧めする。「ディスコ・ブーム」は一つの時代が要求したムーブメントであり、それに応えた形のものといえば、やはり当時のオリジナル・アルバムが一番だからである。とりあえずはベスト盤から入るのがいいだろうが、彼らのサウンドはベスト盤ではなくオリジナル・アルバムで堪能してもらいたいところである。(そして、たっぷりと堪能しましょう!)

 

Oceans of Fantasy

Oceans of Fantasy

  • アーティスト: Boney M.
  • 出版社/メーカー: Hansa/BMG Ariola
  • 発売日: 1998/06/30
  • メディア: CD


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ART GARFUNKEL『SCISSORS CUT』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1981年に発表されたものであり、S & G解散後、ソロ・アーティストとして活躍していた彼が久しぶりに放った秀作アルバムである。(本アルバムを発表した直後、S & Gはニューヨーク・セントラル・パークでコンサートを行い、その模様はライブ盤としてリリースされていて、翌年にリリースされることになる。)ということで、音楽活動の方は順調に見える彼であったが、当時は恋人が自殺するというショッキングな事件を経験して、相当参っていた所があった。そんな中で発表された本アルバムは、その恋人に捧げられている。

収録されているのは以下の全10曲である。『Heart In New York』『Scissors Cut』『Up In The World』『Hang On In』『So Easy To Begin』『Bright Eyes』『Can't Turn My Heart Away』『French Waltz』『In Cars』『That's All I've Got To Say』。尚、筆者が所有しているものはUS版であり、収録曲は上記の構成であるが、本アルバムは日本版では1曲が別の曲になっている。(『Bright Eyes』が別の曲になっている。尚、筆者は日本版は持っていないので、それが何だったかまでは覚えていない。)

全体を通して、じっくりと聴かせてくれるボーカル・ナンバーが並んでいて、じっくりと聴き込むことが出来るボーカル・アルバムとして仕上げられているが、この中からは、アルバム・タイトル・ナンバーである『Scissors Cut』、『Hang On In』、『French Waltz』をお薦め曲とする。特に、アルバム・タイトル・ナンバーである『Scissors Cut』は絶妙のバラード・ナンバーであり、聴いているとちょっとゾクゾクするものである。また、『Heart In New York』はいかにも彼らしい楽曲であり、この後のS & Gの再結成となるセントラル・パークのコンサートでも取り上げられ、新たなS & Gの世界にも繋がっている。尚、『Bright Eyes』も素晴らしい曲であるが、これは他のアルバムにもあるので、本アルバムにおいては、あえて触れないことにしておく。

彼の歌声は「天使の歌声」と言われていた時代があるが、本アルバムではそれが成熟した大人のボーカルになり、繊細なところが少し影を潜めているが、それでも彼の歌声・ボーカルはじっくりと聴かせてくれる。ゆっくりと聴いて欲しいアルバムである。

 

Scissors Cut

Scissors Cut

  • アーティスト: Art Garfunkel
  • 出版社/メーカー: Columbia
  • 発売日: 1990/05/29
  • メディア: CD


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ALLMAN BROTHERS BAND『ENLIGHTENED ROGUES』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1979年に発表されたものである。本アルバムは、解散した彼らが新メンバーを集めて再結成して発表したものであり、'69年のデヴューから'70's前半に一世を風靡した彼らの爽快なサザン・サウンドが新たな形で甦っている。彼らには「悲運」がつきまとい、幾多の苦難の道のりを歩んでおり、特にグレッグが他のメンバーから一緒にプレイするのを拒否された時には、まさか再結成があるとは考えられなかったのだが、突如再結成をしたということは大いに驚かされたものである。本アルバムでは、かつてのサウンド、スケールの大きな爽快なサウンドは健在であった。そして、とても聴きやすいアルバムとなっている。が、かつての名声を取り戻す所までは行かなかった。本アルバムは1979年のBillboard年間アルバム・チャートでは76位、レギュラー・チャートでは最高位9位を記録しているものの、'70's前半の彼らの勢いを知っていれば、どこか物足りなさは拭いきれなかった。(その後、1981年に再び解散してしまった。で、その後は1989年の再々結成を待つことになる。)ということで、本アルバムは再結成をした彼らの発表したアルバムであり、彼らの軌跡を振り返る上では重要なアルバムである。(もっと評価されても良いアルバムだと思うのだが...)

収録されている曲は以下の全8曲である。『Crazy Love』『Can't Take It With You』『Pegasus』『Need Your Love So Bad』『Blind Love』『Try It One More Time』『Just Ain't Easy』『Sail Away』。この中の筆者のお気に入りはインスト・ナンバーの『Pegasus』である。サザンの一つの特徴である軽快で爽快感を与えてくれるサウンドは聴いていても心地よくなるのだが、このインスト・ナンバーはまた格別なのである。(もちろん、他の曲も好きなんですが...)

サザン・ロックといえば、'70'sの時代では彼らをはじめ、いくつかのビッグ・ネームのバンドが活躍していたが、'80'sの声を聴くと殆ど壊滅状態になってしまったのがとても残念な所である。.38 SPECIALやZZ TOPが80'sに入っても気を吐いていました(でも、'83年以降のZZは、サザンとは言っても随分とサウンドが変わってしまいました)が、 これというビッグ・ヒットは皆無に等しいし... ということを考えたら、本アルバムは、サザンの雄であった彼らが、サザンの終幕のタメに発表したアルバムに(結果論だが)なったということになる。が、爽快感のあるサザン・ロックは、ウエスト・コースト/イースト・コーストのサウンドとは違う独特の香りがするものであるだけに、もっと広く聴いてもらいたいと思っているのだが... とにかく、聴いてください。

 

Enlightened Rogues

Enlightened Rogues

  • アーティスト: The Allman Brothers Band
  • 出版社/メーカー: Universal Special Products
  • 発売日: 1997/10/14
  • メディア: CD


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