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YARBROUGH & PEOPLES『THE BEST OF YARBROUGH & PEOPLES』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1997年にリリースされたベスト盤である。彼らの名前を見ると、大人数編成ではないかと感じてしまうが、実は男女のデュオであり、ソウルフルなハーモニーを聴かせてくれるグループであった。歌の方はソウルフルで聴き所がたっぷりとあるが、サウンドの方はディスコのビートに乗ったダンサブルなものであり、'80'sの時代に往年のディスコ・サウンドを奏でていたのである。ディスコ・サウンドはノリの良いポップスの一種と捉えられることがあるが、彼らの聴かせてくれるボーカルは、サウンドはディスコであっても、ソウルフルなボーカルを中心にしたもので、その雰囲気は'70'sソウルの面持ちもあるし、'90'sのラップの要素もある独特のものである。ということで、楽しいサウンドである。

収録されているのは以下の14曲である。『Don't Stop The Music』『Third Degree』『Want You Back Again』『Come To Me』『You're My Song』『The Two Of Us』『Heartbeats[12" Version]』『Innermost Feelings』『Feels So Good』『Don't Waste Your Time』『Be A Winner』『Guilty』『I Wouldn't Lie』『Wrapped Around Your Finger』。

この中からは、ヒットを記録した『Don't Stop The Music』が中心になるが、早すぎることなく、それでいてゆったりしているという訳でもないミディアム・テンポのサウンドはとても聴きやすいものである。尚、この曲は日本ではCMソングに使われていたので、メロディを耳にすれば「あの曲か」というように思い出されるであろう。(が、「一発屋」というほどの大ヒットを記録したわけでもない。)こういう所は、ディスコ調のメロディというのは体が自然と動きやすいものであるだけに、耳が覚えていると言うよりも体が覚えているものである。

サウンドの方はノリの良いディスコ調ということで、とても親しみやすいダンス・チューンであるが、二人のボーカルというのが実にソウルフルな聴かせるものとなっているのが特徴であり、(ハーモニーを堪能するということで)ボーカル・アルバム(ベスト盤ですが...)と言ってもいいような所がある。本アルバムはベスト盤であり、ベスト盤には入門者向けという所があるので、YARBROUGH & PEOPLESというデュオを知るということで、一度は聴いてみることをお勧めする。特に、ソウルフルなサウンドをたっぷりと聴きたいという方、またはディスコ・サウンドがお好きな方には、それぞれちょっと異色なものと写るだろうが、一度は耳にしてみることをお薦めしたいところである。

 

The Best of Yarbrough & Peoples

The Best of Yarbrough & Peoples

  • アーティスト: Yarbrough & Peoples
  • 出版社/メーカー: Mercury
  • 発売日: 1997/05/20
  • メディア: CD


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YAZOO『ONLY YAZOO: THE BEST OF YAZOO』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1999年にリリースされたベスト盤である。彼らは2枚のアルバムを発表しただけで解散した伝説のデュオであるが、活動していたのは'80'sの初頭である。解散後はERASUREを結成するVINCE CLARKEと、ソロ・シンガーとして活躍するALISON MOYETのコンビによるYAZOOであるが、当時はまだ「エレ・ポップ」という言葉が無かったが、そのジャンルのサウンドを確立させたグループの一つである。また、彼らはかつての大ヒット曲『Only You』をカヴァーして、今までとはことなる魂を吹き込むことを果たした。(この曲は元々はPLATTERSのヒット曲であるが、あまりにも数多くのアーティストがカヴァーをしているスタンダード・ナンバーである。)その他の曲もダンス・ビートの利いたテンポの良いものであり、'80'sテイストをたっぷりと楽しむことが出来る。

収録されているのは以下の15曲であるが、リミックス・バージョンが4曲収録されている所は企画もののベスト盤らしいところであり、ファンにとったら嬉しいものである。『Only You』『Ode To Boy』『Nobody's Diary』『Midnight』『Goodbye 70's』『Anyone』『Don't Go』『Mr. Blue』『Tuesday』『Winter Kills』『State Farm』『Situation[US 12" Mix]』『Don't Go[Todd Terry Freeze Mix]』『Situation[Club 69 Future Funk Mix]』『Only You[1999 Mix]』。

ヒット曲である『Only You』のリミックス・バージョンは当然と言えば当然であるが、楽しくダンサブルなサウンドをたっぷりと堪能できると言うところは、やっぱりベスト盤である。(でも、2枚のアルバムしかYAZOOとしては発表していないのだから、全曲収録させて、そこにリミックス・バージョンの曲を収録させるということでも良かったような気がしないでもない...)その他、ヒット曲である『Don't Go』もリミックス・バージョンが収録されているが、『Situation』はアメリカでヒットしたということで、そちらの12"バージョンとクラブ・バージョンという所は唸らせる選曲でもある。

'80's後半のERASUREのサウンドがお好きな方であれば抵抗感無く接することが出来るサウンドであり、ALISONのボーカルも楽しむことが出来るものであり、'80'sポップスがお好きな方にはお薦めである。伝説のデュオのサウンドは聴いておいて損はないものである。'80'sサウンドがお好きな方は聴きましょう。

 

Only Yazoo:  The Best of Yazoo

Only Yazoo: The Best of Yazoo

  • アーティスト: Yazoo
  • 出版社/メーカー: Mute
  • 発売日: 1999/09/06
  • メディア: CD


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YES『90125』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1983年に発表されたものであり、これまではプログレのバンドというYESが、その枠を越えて新たなサウンドを奏でる「新生YES」となったアルバムである。(とにかく、'80'sになってから「プログレ」は'80's初頭のPINK FLOYDを除いてほぼ壊滅状態になり、そのP. FLOYDもまもなく事実上の解散状態になってしまいました。)それだけに、YSEの新譜が出るというのは衝撃的な話題でもあった。が、サウンドは今までの彼らのものとは大きく異なり、ポップな要素に満ちた洗練されたスマートなロックであった。が、このサウンドは大いに受け入れられ、本アルバムは彼らの最大のヒット・アルバムとなった。で、1984年のBillboard年間アルバム・チャートでは21位、レギュラー・チャートでは最高位4位を記録することになった。

収録されている曲は以下の9曲である。『Owner Of A Lonely Heart』『Hold On』『It Can Happen』『Changes』『Cinema』『Leave It』『Our Song』『City Of Love』『Hearts』。この中ではやはり『Owner Of A Lonely Heart』である。シャープでキレのあるサウンドは大作指向を捨て、(当時の)現代風なテイストを取り入れ、親しみやすいものであり、この曲はヒット・チャートを上昇し、全米No.1の座を獲得することになった。(2週連続1位。)また、1984年のBillboard年間シングル・チャートでも8位にランクインする大ヒットとなった。(本アルバムはこの1曲を堪能するだけであっても所有するだけの価値があるものである。)その他の曲に関しても、これまでのYESとは全く違うサウンドを奏でていて、'80'sという時代を感じさせるポップなセンスに満ちている。が、それでいてシャープな切れ味を持ったスマートな格好良さが満載である。

中には、本アルバムは「YES」という名前こそ同じであるが、全く別のグループのアルバムだと解釈する方もおられるようだが、そこまで言ってしまって良いのかと感じるものがある。ここにあるサウンドは、確かに'70'sのYESの「プログレ」のサウンドとは別物である。が、メンバーが全く違っているのならばともかく、そうではないのだから、これは「生まれ変わった」YESと解釈するのが妥当なところである。デヴュー時から一貫してサウンドが変わらないというアーティストも確かにいるが、普通に考えれば、デヴュー時からのサウンドが変わっていくのはごく自然なことである。生まれ変わったYESということで、堅苦しく考えることなく、YESはYESとして楽しんでもらいたいところである。

 

90125

90125

  • アーティスト: Yes
  • 出版社/メーカー: Japanese Import
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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XTC『WHITE MUSIC』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1978年に発表された彼らの1st.アルバムである。'80'sになると「エレ・ポップ」という路線に突き進んでいく彼らであるが、当時は「パンク」の一つという扱いをされていました。(当時としたら、新しいものということで何でもかんでも「ニューウェーブ」だというような風潮がありましたが、新しいものが登場した場合にはこのようなことはよくあることでもあります。)まして、彼らのシングル『Statue Of Liberty』が猥褻だということにされて放送禁止となったことから、その描写や表現によって放送禁止となることの多かった「パンク」ということにされてしまったのである。(何かあればスケープゴートのように、「パンク」というものは不遇な扱いをされていました。)が、彼らのサウンドは「パンク」というものではなく、時代を先取りしたポップスである。(と筆者は考える。)というのは、とてもポップとは言えないような『This Is Pop?』という曲があり、この曲のような逆説的に捉える彼らの中にはやはり「Pop」への拘りが考えられるためである。

収録されているのは19曲で、以下の通りである。『Radios In Motion』『Cross Wires』『This Is Pop?』『Do What You Do』『Statue Of Liberty』『All Along The Watchtower』『Science Friction』『She's So Square』『Dance Band』『Hang On To The Night』『Heatwave』『Traffic Light Rock』『Instant Tunes』『Into The Atom Age』『I'll Set Myself On Fire』『I'm Bugged』『New Town Animal In A Furnished Cage』『Spinning Top』『Neon Shuffle』。

全体的に、時間の短い曲が多く、サウンドの幅は広いのが本アルバムの特徴であるが、自分たちのスタイルを貫き、文字通り「音を楽しむ」ということをしている本アルバムはやはりポップであると言うことが出来るものである。ということもあって、本アルバムを彼らの最高傑作だという声があるが、それも十分に理解できる。ただ、'60'sポップスから受け継いできた'70'sポップスの明るく楽しいものとはまた少し違ったものでもあり、本アルバムにそれを求められると完全に空振りとなってしまう。(一筋縄には行かないアルバムなのである。ということで、筆者は本アルバムが彼らの「最高傑作」という所には疑問を持っている。が、「傑作」であることに違いはない、と判断している。)本アルバムは'70'sという時代が変わろうとしている時期に登場し、'80'sのポップスに繋がっていくものでもあるので、多くの方に聴いてもらいたいアルバムであるが、'80'sポップスがお好きな方だけはあえて聴かない方がよろしいかと...尚、'60's & '70'sポップスがお好きな方には、こんな風に派生していったものがあるということで聴いた頂くこともいいでしょうね... 

 

White Music

White Music

  • アーティスト: XTC
  • 出版社/メーカー: Virgin
  • 発売日: 2001/06/11
  • メディア: CD


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