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「007/LIVE AND LET DIE」 [映画(洋画)]

007シリーズ第21作「CASINO ROYALE」が12/1に公開になるが、それに向けて、これまでのシリーズ全20作を7月からDVDで順番に改めて見ている。(シリーズ40周年記念のDVD-BOX+「ダイ・アナザー・デイ」。一応、特典映像の方も改めて見ているので、1本を見るのに3時間半から4時間という時間が必要となる。尚、今度は全20作のアルティメット・コレクションのBOX(スーツケースに収納)が発売されるのですね。全作吹き替え版もあるということで、一応は「アルティメット」と感じます。(が、40周年のBOXを持っているので、流石に購入の方は...)で、今回は3代目ボンド・ロジャー・ムーアが登場し、物語の方も大きく転換したシリーズ第8作の「死ぬのは奴らだ」です。

尚、007シリーズに関してはHPの方に資料として作っていますので、そちらもご覧頂ければ幸いである。(ここをクリックしてください。)尚、各作品については「作品解説」と「脱線メモ」という2本立てで記していますが、前者は筆者が書いたもの、後者は年間に映画を600本以上見るという友人のG氏が書いたものです。

「LIVE AND LET DIE」は1954年に、第2作としてI.フレミングが書いた小説であるが、それから19年の時間を挟んでいることになる。原作小説から引用している部分もあるが、かなりオリジナルなストーリーが追加されていて、この後のシリーズの新たな基本になった作品でもある。(いよいよ、派手なアクションやスタントが売りになっていくことになります。)で、本作では、モーターボートのチェイスが見所の一つとなっているが、宙を飛んだり、陸を走ったりするのに度肝を抜かされることになる。

本作の監督は、前作に引き続き、シリーズ3度目の監督を務めるガイ・ハミルトンで、トム・マンキーウィッツが脚本を担当している。本作ではロジャー・ムーアが3代目ボンドとして登場するのだが、実はムーアの方がコネリーより3歳年上なのである。(見た目は若く見えますが...)そして、ボンドガールには清楚なイメージのあるジェーン・セイモアで、彼女は後にエミー賞を受賞するなど、演技派女優としても開花し、歴代ボンドガールを演じた女優さんの中では大きく活躍しています。本作の敵は、基本的に黒人俳優で固められ、宗教(プードゥ教)を隠れ蓑にして麻薬市場の制覇を企むカナンガにヤファット・コットー、更にクリフトン・ジェームズが脇を固め、デイヴィッド・へディスンが5代目のフェリックス・ライターを演じている。(彼はこの後、「消されたライセンス」でもフェリックス・ライターを再度演じることになる。)そして、シリーズのレギュラーであるM、マネーペニーはお馴染みのバーナード・リー、ロイス・マックスウェルが顔を揃えている。尚、Qは本作には登場していない。(デズモンド・リュウェリンは「ロシアより愛をこめて」から「ワールド・イズ・ノット・イナフ」の間の18本の内、本作「死ぬのは奴らだ」のみ出演しておらず、シリーズ17本出演という記録を持っている。)

主題歌はポール・マッカートニー&ウイングスが同名タイトル曲を歌い、ヒットを記録している。(元ビートルズのポールが主題歌を務めるなんて、いかにもイギリスらしい発想ですね。流石は大英帝国!)この曲は作品の神秘で幻想的な世界観を見事に表現した名曲で、アカデミー主題歌賞の候補にもなりました。(受賞はならず。)

物語の方は、イギリス情報部員が24時間で3人も殺されるという事件が発生。その調査に乗り出すボンドは、黒人麻薬シンジケートが事件に関与していることを掴む。が、シンジケートはプードゥ教を隠れ蓑にしていて、麻薬市場の独占を企んでいた。で、西インド諸島の敵の本拠地に乗り込んだボンドは、タロット・カードを操る美女・ソリテアと出会うが、彼女のカードは未来を読んでいて...

本作では、何と言ってもモーターボートのチェイスが有名であるが、それ以外にもハンググライダーや2階建てバスとパトカー&白バイのカーチェイスなど、派手なスタントが満載である。そんな中、鉄道内での戦いは「ロシアより愛をこめて」のオリエンタル急行内での格闘を再現するという旧来のファンには嬉しい所がありました。(アメリカの鉄道なので、オリエント急行ではありませんが...)

プードゥ教ということを取り入れたことが本作にオカルト的な世界観を与えることになり、それと派手なスタントにより、「007」は新たなステージに突入することになりました。(娯楽作品と言うことを考えたら、こういうのは良いことです。)で、3代目・ボンドの路線は、秘密兵器を多用した派手なスタントが見られる路線が確立しました。

また、本作は1973年の作品であるが、この当時に「麻薬」を扱う組織というものを悪の組織に持ってくるというのは、流石は時代の半歩先を行く「007」シリーズです。(当時は、敵として「麻薬組織」というのはそんなに多くなかった。)この後の1989年の「消されたライセンス」でもボンドの敵は再び「麻薬王」になりますが、その時では既に多数の作品が「麻薬王」を敵にしていたため、新鮮さはありませんでした。

 

007/死ぬのは奴らだ

007/死ぬのは奴らだ

  • アーティスト: サントラ, ウイングス, ポール・マッカートニー, J,アーノウ B
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 1996/02/07
  • メディア: CD

007/死ぬのは奴らだ 特別編

007/死ぬのは奴らだ 特別編

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2003/02/26
  • メディア: DVD
007 製作40周年記念限定BOX

007 製作40周年記念限定BOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/08/20
  • メディア: DVD
007 アルティメット・コレクション BOX

007 アルティメット・コレクション BOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: DVD

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KINKS『THE KINKS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1964年に発表された彼らの1st.アルバムである。彼らは、どうしてもBEATLESと比べられてしまい、日本では影が薄いのだが、本国・イギリスでは評価が高いバンドである。本作は、長いキャリアを持つ彼らの、記念すべきデヴュー・アルバムである。半分はカヴァー曲であるが、オリジナル曲の方も完成度が高く、「キンキン・サウンド」と言われた彼らの原点である。

収録されている曲は全14曲であるが、現在は12曲のボーナス・トラックが追加収録されても全26曲収録となったものがリリースされている。(が、筆者が持っているのは14曲入りのものです。)『Beautiful Delilah』『So Mystifying』『Just Can't Go To Sleep』『Long Tall Shorty』『I Took My Baby Home』『I'm A Lover Not A Fighter』『You Really Got Me』『Cadillac』『Bald Headed Woman』『Revenge』『Too Much Monkey Business』『I've Been Driving On Bald Mountain』『Stop Your Sobbin'』『Got Love If You Want It』。

この中では、何と言っても『You Really Got Me』である。全英No.1ヒットになっただけではなく、アメリカでもBillboardのシングル・チャートを7位まで上昇し、1964年の年間シングル・チャートでも79位にランクインしている。また、後にVAN HALENがカヴァーして大ヒットを記録したことから、ロック・ファンの間ではあまりにも有名になった曲である。彼らのオリジナルの方は、'60'sのブリティッシュ・ロックの味が前面に出ていて、とても聴きやすいものである。この他も'60'sのブリティッシュ・ロックが堪能でき、爽快感を与えてくれるアルバムである。

現在では、12曲ものボーナス・トラックが追加されているが、そうなれば本アルバムは実にお買い得である。(筆者も、改めて購入しようかと迷っている所である。)ヒットの規模ではBEATLESに勝つことはなかったが、彼らはメンバー・チェンジはあるものの、「KINKS」としてはBEATLESよりも遙かに長い間活動をしており、発表したオリジナル・アルバムの数もBEATLES(各メンバーのソロは含まない。あくまでも「BEATLES」というバンド名義のオリジナル・アルバムに限る。)を上回っている。(キャリアが長いから、当然と言えば当然ですが...)。彼らもBEATLESに劣らない「'60'sを代表するブリティッシュ・バンド」である。(彼らは'70's以降もヒットを飛ばしているので「'60'sの」と限定する必要はありませんが... )そんな彼らのデヴュー・アルバムは必聴です。

 

The Kinks

The Kinks

  • アーティスト: The Kinks
  • 出版社/メーカー: Sanctuary Midline
  • 発売日: 2004/04/26
  • メディア: CD


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KARLA BONOFF『RESTLESS NIGHTS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1979年に発表された彼女の2nd.アルバムである。彼女はソングライターとしての名前の方が先に広がったと言うところがあるが、シンガーとしてもなかなかどうして、じっくりと聴かせてくれるアーティストである。特に本アルバムは彼女の放った傑作としてその名を知られたアルバムであり、'80'sという時代を目前にして、ウエスト・コーストの名だたるミュージシャンたちが集まったアルバムである。まさに、'70'sという時代の最後に、時代に刻み込むアルバムを残すことになったのである。

収録されているのは以下の全9曲である。『Trouble Again』『Restless Nights』『Letter』『When You Walk In The Room』『Only A Fool』『Baby Don't Go』『Never Stop Her Heart』『Loving You』『Water Is Wide』。

この中からは、何と言ってもアルバム・タイトル・ナンバーである『Restless Nights』が秀逸である。優しく、それでいてしっかりと芯のあるクールなボーカルは、とても聴きやすいものである。また、それでいてロック・チューンである『Trouble Again』や、ポップでテンポが良くリズミカルな『When You Walk In The Room』、コーラスが印象的な『Baby Don't Go』、じっくりと聴かせるバラードの『Water Is Wide』など、まさにバラエティに富んだ内容となっていて、色々と聴かせてくれている。しかも、それらが高次元でバランスが良く纏まっていて、何でもありという軽い物ではなく、絶妙のバランスを持って仕上げられた一大モニュメントのようになっている。

'80'sの時代となると、音楽シーン全体がポップな方向に一段とシフトして、じっくりと聴かせてくれるアルバムというものが少なくなったが、'70'sの最後に'80'sでもじっくりと聴くことが出来るものを残してくれた。彼女はシンガーとして発表したアルバムは多くはないが、本アルバムのように長く、いつの時代でも堪能できるアルバムを発表している真のアーティストである。女性ボーカルがお好きな方はじっくりと聴き込みましょう。

 

Restless Nights

Restless Nights

  • アーティスト: Karla Bonoff
  • 出版社/メーカー: Columbia
  • 発売日: 1989/08/24
  • メディア: CD


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