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JANET JACKSON『CONTROL』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1986年に発表したものであり、これまではアイドルというような位置づけでいた彼女がアーティストとして歩み出した記念すべきアルバムである。当時はまだ兄・MICHAELの勢いもあり、「MICHAELの妹」として捕らえられていた。しかし、本アルバムによって本格的なシンガーとして認められることになり、「MICHAELの妹」というでは言われなくなった。(逆に、MICHAELの方が「JANETの兄」と言うようなことを言われたりした。)本アルバムはクオリティも高く、大ヒットを記録している。が、Billboardのアルバム・チャートで1位の座にいたのは2週間である。それにもかかわらず、TOP40に長くランクインし、1986年の年間6位、翌1987年の年間5位というように、2年続けて年間アルバム・チャートのTOP10にランクインした。(記録の上ではMICHAELの2年連続1位には及ばないものの、もはや堂々たるものです。)

収録されているのは以下の全9曲である。『Control』『Nasty』『What Have You Done For Me Lately』『You Can Be Mine』『Pleasure Principle』『When I Think Of You』『He Doesn't Know I'm Alive』『Let's Wait Awhile』『Funny How Time Flies [Hidden Track]』。

いずれの曲もが聴き応えのある曲であり、アーティストに変身した姿がある。これまでに発表したものとは明らかに違い、それはこれからの彼女のウォーミング・アップでしかなく、スイッチが入った彼女はやはり本物だったと言った所である。この中からは『When I Think Of You』が全米No.1を獲得するヒット(2週連続1位)となり、1986年のBillboard年間シングル・チャートでは32位にランクインしている。が、本アルバムからシングル・カットさけた曲はちょっと面白い記録を達成することになった。それはレギュラー・チャートにおける最高位である。『When I Think Of You』は1位を獲得したが、『Let's Wait Awhile』は最高位2位(1987年のBillboard年間シングル・チャートでは48位)、『Nasty』は最高位3位(1986年のBillboard年間シングル・チャートでは58位)、『What Have You Done For Me Lately』は最高位4位(1986年のBillboard年間シングル・チャートでは43位)、『Control』は最高位5位(1987年のBillboard年間シングル・チャートでは37位)ということで、最高位が1位から5位まで全てを抑えたのである。(偶然にしろ、これはこれで凄いことです。)尚、ベスト盤ではないかと思わせる大ヒット曲が収められているアルバムであるので、「お薦め曲」というものは記さないことにする。

本アルバムでアーティストとして変身した彼女は、これからの'80'sを代表するアーティストになり、'90'sに入ってもしばらくはTOPの座に君臨することになる。(こうして見ると、'80'sはJACKSONファミリーの時代でもあった訳ですね。)'80'sを語る上では絶対に外すことの出来ないアルバムであり、本アルバムがあってこその彼女である。じっくりと彼女のパフォーマンスを堪能しましょう。

 

Control

Control

  • アーティスト: Janet Jackson
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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JACKSONS『2300 JACKSON STREET』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1989年にリリースされたものであり、久しぶりのアルバムと言うことになった。が、本アルバムは今ひとつさえなかった。とにかく'80's前半は、MICHAELが音楽シーンのトップに君臨し、華々しい活躍を見せ、その勢いに乗ってJACKSONSも存在感を示した。また、'80's中盤過ぎでもMICHAELは隆盛を極めたが、'80'sも終盤になると、スキャンダルもあってその神通力も力を失せるようになり、JACKSONファミリーの中では妹・JANETの方が華々しい活躍をするようになっていた。(本アルバムと同じ年に発表されたJANETのアルバムは翌1990年のBillboard年間No.1アルバムになったが、本アルバムは年間TOP 100に入っていない。)ということで、主役を妹に持って行かれた兄貴たちということになってしまった。が、それでもJACKSONSはJACKSONSである。今まで以上に大人の鑑賞に堪える聴かせてくれるアルバムとなっている。(この辺りがセールス的に伸び悩んだ一因にもなっている?)

収録されているのは以下の全11曲である。『Art Of Madness』『Nothin(That Compares 2 U)』『Maria』『Private Affair』『2300 Jackson Street』『Harley』『She』『Alright With Me』『Play It Up』『Midnight Rendezvous』『If You'd Only Believe』。この中では、やはりアルバム・タイトル・ナンバーである『2300 Jackson Street』と『Maria』『She』と言った辺りでしょうかねぇ。(今までのアルバムと比べても纏まりすぎてしまって、… 何ですよね...)

こうしてみると、やはり彼らは「JACKSONS」としてではなく、1969年のデヴューから'70's中盤までの「JACKSON 5」の時代が、「JACKSONS」となってからは、1984年の「VICTORY」があるが、やはり主に'70'sの彼らが華があったということをつくづく感じてしまう。今後、突然の再結成という可能性が全く無い訳ではないが、本アルバムは現時点でのJACKSONSのラスト・アルバム(ベスト盤は除く)である。去りゆく'80'sという時代に別れを告げるように、音楽シーンから「JACKSONS」(あくまでも「JACKSONS」としてのグループであり、兄弟それぞれではない)が去っていく別れを告げるアルバムに感じるのは仕方のないところ何でしょうかねぇ。

 

2300 Jackson Street

2300 Jackson Street

  • アーティスト: The Jacksons
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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ICE CUBE『AMERIKKKA'S MOST WANTED』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1990年に発表されたものであり、同年のBillboard年間アルバム・チャートで82位、レギュラー・チャートでは最高位19位を記録したラップ・アルバムである。このアルバムは、ラップと言っても少々違うものとなっていて、まずはダンサブルな曲ではないというのが大きな特徴である。更に、本アルバムではアメリカに対する怒りのメッセージが込められた社会派ラップである。サウンドの方も、イースト・コーストのサウンドとなっていて、度肝を抜いてくれる。で、本アルバムによって「ヤバイ」存在としてその名を高めることになった。

収録されているのは以下の全16曲である。『Better Off Dead』『Nigga Ya Love To Hate』『AmeriKKKa's Most Wanted』『What They Hittin' Foe?』『You Can't Fade Me/JD's Gaffilin'』『Once Upon A Time In The Projects』『Turn Off The Radio』『Endangered Species (Tales From The Darkside)』『Gangsta's Fairytale』『I'm Only Out For One Thang』『Get Off My *** And Tell Yo ***** To Come Here』『Drive-By』『Rollin' Wit The Lench Mob』『Who's The Mack?』『It's A Man's World』『Bomb』。

ここでは、彼のメッセージの是非については語らないが、評判が高い『Nigga Ya Love To Hate』『Once Upon A Time In The Projects』『Who's The Mack?』といった辺りを聴いてもらいたい所である。更に、筆者のお薦めは『Better Off Dead』と『Turn Off The Radio』をピックアップしておく。

社会派と言えば、異端児扱いされて、虐げられるというようなことがこれまでの音楽シーンではよくあったことであるが、そういう扱いにもものともせずに(アメリカ)社会の問題を告発する彼のエネルギッシュな所、もはや絶品というレベルを越えて「ヤバイ」というレベルに達しているサウンドは「混迷の時代」と言われることになる'90'sを予言しているかのようでもあり、面白いところでもある。が、ラップがお好きな方はかえって敬遠した方がいいかもしれません。とにかく「ヤバイ」ラップの嵐ですから... 社会派ミュージックに関心のある方は聴きましょう。(時事評論家というような人たちに彼のメッセージの解説をしてもらいたい所ですが、頓珍漢なことしか言わないでしょうね...)それにしても、ジャケット写真の彼の表情は...

 

AmeriKKKa's Most Wanted

AmeriKKKa's Most Wanted

  • アーティスト: Ice Cube
  • 出版社/メーカー: Priority
  • 発売日: 1990/05/16
  • メディア: CD


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