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MUSICAL YOUTH『ANTHOLOGY』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1994年にリリースされたベスト盤である。彼らは1982年に突如現れたグループで、兵器当時、平均メンバーの平均年齢が10台の前半という非常に若いグループであり、レゲエのリズムに乗せて『Pass The Dutchie』というヒットを放った。そして、これがイギリスではNo.1に輝き、アメリカでもTOP 10ヒットなった。イギリス勢の勢いは、第二次ブリティッシュ・インベージョンの余波が残っていたからと言ってしまえばそれまでであるが、ゆったりとしたレゲエ・サウンドが大きく受け入れられることになるとは、当時は誰が予測したことだろうか。(まあ、CULTURE CLUBがレゲエのリズムを取り入れたサウンドを奏でていたので、前兆はあったとは言えますが...)そして、彼らに続いてUB40なども大きくブレークし、レゲエ・ブームが巻き起こることになる。(そして、これは'80's中盤以降のワールド・ミュージックの台頭に繋がる。)ということで、彼らの登場というのは、'80'sの音楽の変遷を語る上では一つのターニング・ポイントになるものである。(が、彼らはその後まで勢いを保つことが出来ず、「一発屋」という印象を残すことになりました。)

収録されているのは以下の全20曲である。『Pass The Dutchie』『Heartbreaker』『Blind Boy』『Rockers』『Youth Of Today』『Young Generation』『Mirror Mirror』『Children Of Zion』『Never Gonna Give You Up』『Schoolgirl』『Shanty Town (007)』『She's Trouble』『Whatcha Talking 'Bout』『Incommunicado』『No Strings』『Tell Me Why』『Sixteen』『Yard Stylee』『Air Taxi』『Mash It The Youth Man, Mash It』。

ヒットした『Pass The Dutchie』は1983年のBillboard年間シングル・チャートでは91位、レギュラー・チャートでは最高位10位を記録しているが、それ以外は特にヒット曲と言うわけではない。しかし、全体を通してゆったりとしたレゲエのリズムに乗せて聴かせてくれるのだが、これが本当に子供だけのグループかという落ち着きがある。お薦め曲は、ヒットした『Pass The Dutchie』の他には、『Heartbreaker』『Youth Of Today』『Young Generation』『Incommunicado』という所を挙げておくが、のんびりとした雰囲気を味あわせてくれていて、あくせくとした現代にいると、ふとした心の安らぎを感じることができる。

イギリスでは、本場ジャマイカからの移民が多く、ブリティッシュ・レゲエというものが定着しているが、じっくりとレゲエを堪能できるベスト盤であり、下手なレゲエのオムニバス盤を入手するのであれば、本ベスト盤を入手した方がいいでしょう。落ち着いて聴くことが出来るレゲエ・アルバムである。

 

Anthology

Anthology

  • アーティスト: Musical Youth
  • 出版社/メーカー: One Way
  • 発売日: 1994/02/28
  • メディア: CD


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MEN WITHOUT HATS『COLLECTION』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1996年にリリースされたベスト盤である。イギリス出身の彼らは、第二次ブリティッシュ・インベージョンによって浸透したシンセサイザーを使った'80'sサウンドの代名詞でもある「ピコピコ・サウンド」を奏でて、1983年にヒット曲『Safety Dance』を放ってブレイクした。が、その後はしばらくご無沙汰していたこともあって「一発屋」という印象が芽生えるようになったのだか、1987年に再びその「ピコピコ・サウンド」を引っさげて、心地よいダンス・ミュージックを奏でて見事に復活。(これによって「一発屋」ということではなくなった。)本ベスト盤は、'80'sサウンドの楽しさが詰まったベスト盤であり、実に楽しくなるアルバムである。パーティの時のBGMに使うのにもお薦めしたい一枚である。

収録されているのは以下の全14曲であり、後ろ3曲はすっかりと定着した別バージョンが収録されている。『Safety Dance』『Living In China』『Antarctica』『I Got The Message』『I Like』『Where Do The Boys Go?』『Messiahs Die Young』『Pop Goes The World』『Moonbeam』『Hey Men』『Editions Of You』『Safety Dance [Extended Version]』『I Got The Message [Dance Version]』『Where Do The Boys Go? [Extended Version]』。

この中からは、まずは『Safety Dance』である。当時は、少しは落ち着いてきたものの、まだまだ第二次ブリティッシュ・インベージョンの勢いはあり、イギリス勢が世界を駆けめぐっていたが、彼らは'80'sサウンドを象徴する「ピコピコ・サウンド」のダンサブルなポップ・ナンバーをヒットさせた。この曲は1983年のBillboard年間シングル・チャートでは35位に、レギュラー・チャートでは最高位3位という大ヒットを記録している。そして、しばらくの間、どうしたのかと思わせていると、1987年になって『Pop Goes The World』を引っさげてまたも「ピコピコ・サウンド」のヒットを放った。ということで、この2曲は外すことが出来ない。この他の曲ということでは、『I Got The Message』『Moonbeam』『Editions Of You』をお薦め曲としてピック・アップしておく。

'80'sサウンドでも、シンセサイザーを使った所謂「エレ・ポップ」はダンサブルなそのリズムと軽快なメロディ、明るく楽しい雰囲気とが見事に調和して時代に定着することになったが、日々進化を続けているものである。ということで、本ベスト盤に収録されているサウンドは発表から20年前後という歳月が流れたサウンドということになる。が、それでも陳腐化したという印象を受けないのが'80'sサウンドである。'80'sサウンド、特にダンス系のポップなナンバーがお好きな方にはお薦めの一枚である。

 

Collection

Collection

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Oglio
  • 発売日: 1996/02/20
  • メディア: CD


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「007/THE SPY WHO LOVED ME」 [映画(洋画)]

007シリーズ最新作であるシリーズ第21作の「CASINO ROYALE」が12/1に公開になるが、それに向けて、これまでのシリーズ全20作を7月からDVDで順番に改めて見ている。(シリーズ40周年記念のDVD-BOX+「ダイ・アナザー・デイ」。一応、特典映像の方も改めて見ているので、1本を見るのに3時間半から4時間という時間が必要となる。尚、今度は全20作のアルティメット・コレクションのBOX(スーツケースに収納)が発売されるのですね。全作吹き替え版もあるということで、一応は「アルティメット」と感じます。(が、40周年のBOXを持っているので、流石に購入の方は...)で、今回はようやく半分に達することになるシリーズ第10作目となる「私を愛したスパイ」です。

尚、007シリーズに関してはHPの方に資料として作っていますので、そちらもご覧頂ければ幸いである。(ここをクリックしてください。)尚、各作品については「作品解説」と「脱線メモ」という2本立てで記していますが、前者は筆者が書いたもの、後者は年間に映画を600本以上見るという友人のG氏が書いたものです。

「THE SPY WHO LOVED ME」は1961年にI.フレミングが発表した小説が原作とはいうものの、物語の方はこの小説のタイトルを使っているものの、ストーリーはオリジナルである。これは前作まではずっとコンビを組んでいたプロデューサのハリー・サルツマンが降りて、この作品からはアルバート・R・ブロッコリ一人がプロデューサとなったが、これによって原作小説をそのままエスが化できなくなったという事情がある。また、この作品はシリーズ第10作という記念作品でもある。ということで、全ての点でスケール・アップした作品でもある。で、その代表は、潜水艦にもなる新・ボンド・カーのロータス・エスプリである。

監督は「007は二度死ぬ」以来のシリーズ2作目となるルイス・ギルバート。脚本はリチャード・メイバウムとクリストファー・ウッド。主題歌はカーリー・サイモンの歌う「Nobody Does It Better」であるが、この主題歌は「女王陛下の007」の主題歌をインスト曲の方だと考えると、初めて映画タイトルと異なるタイトルが付けらたことになった。(正確に言うと「ドクター・ノオ」も主題歌と映画のタイトルが違っていますが...)キャストは、ボンドは3作目のボンドとなるロジャー・ムーアに、ボンドガールは後に元ビートルズのリンゴ・スター夫人となるバーバラ・バックである。彼女は『ボーグ』誌などの表紙を飾ったこともあるモデル出身の女優さんで、こんな所でもイギリスの誇るビートルズと本シリーズが接点を持つことになります。敵となるストロンバーグにはクルト・ユルゲンス、殺し屋ジョーズにはリチャード・キール、キャロライン・マンローが花を添えている。また、M、Q、マネーペニー(バーナード・リー、デズモンド・リュウェリン、ロイス・マックスウェル)のお馴染みのトリオも揃っている。そして、本作からソ連のゴーゴル将軍がレギュラー・キャラとなり、脱スペクター/東西冷戦下の物語として完全に生まれ変わることにもなった。

シリーズ第10作という記念作品ということもあって、とにかくメカが一段と派手になり、アクション(スタント)も冒頭の崖からのスキー・ダイブ(パラシュートが開いて、それがユニオンジャックという遊び心もある)というようにシリーズに残るアクションが見られる。ただ、「007は二度死ぬ」では宇宙船をそのまま拉致するという所があったがねそれを元にした巨大タンカーの船首が開いて潜水艦を呑み込むというのは、ある意味焼き直しではあるが、ミニチュアと巨大セットによってたっぷりと魅せてくれている。

本作では、「アラビアのロレンス」をはじめ、いくつかの名作映画のパロディも取り入れられ、ロジャーのキャラと相まって、ユーモアに満ちた内容にもなった。また、殺し屋ジョーズに人気が集まり、次作「ムーンレイカー」にも再登場することにもなる。で、それらの要素が相乗効果を果たし、歴代のシリーズの観客動員記録を更新(現在では、後の作品に多数抜かれている)すると共に、秘密兵器を使ったスケールの大きな作品として定着することにもなった。

物語は、イギリスとソ連の潜水艦が突如消息を絶った。両国は潜水艦失踪の鍵を握る男に会うために、それぞれ敏腕の情報部員を派遣する。事件の鍵はエジプトにあり、ボンドとアニアは共にエジプトへ。二人は小競り合いをしながらも、殺し屋ジョーズに襲われたときは協力して窮地を脱出する。そしてその間に海運王ストロンバーグの野望を知った。また、英ソ両国は協力してストロンバーグの陰謀を阻止することとなり、ボンドとアニアが共同作戦を張ることになり、二人はストロンバーグの海底要塞のあるアルバニアへ向かった。ストロンバーグの要塞を偽名を使って訪れたボンドとアニアだったが、その後襲われるが、ここで新ボンド・カーであるロータス・エスプリが大活躍をする。(本作が公開された頃は、スーパーカーのブームがあり、流線型の綺麗なデザインのロータスはアストン・マーチンに代わるボンド・カーとして受け入れられた。)潜水艦に変形する所は見所の一つである。ストロンバーグは拉致した潜水艦を使って英ソ両国が互いに戦争を始めるように仕向けようとしていて、その作戦が実行されるが...

本作は、派手なスタント/アクションに、突拍子もない秘密兵器が絡み、アクション映画のファンの心を躍らせる作品になったが、映画のパロディは見る者の映画に関する知識を計ることにもなり、エジプトのピラミッドなどの観光案内、ミニチュアによる特撮など、本当におもちゃ箱をひっくり返したような豊かな娯楽作品となっていて、申し分ない作品である。(シリーズ一の傑作という声も多々ある作品である。)「007」シリーズを語る上では絶対に外せない傑作である。

 

007/私を愛したスパイ

007/私を愛したスパイ

  • アーティスト: サントラ, カーリー・サイモン
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 1996/02/07
  • メディア: CD

007/私を愛したスパイ 特別編

007/私を愛したスパイ 特別編

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2003/02/26
  • メディア: DVD

↓単独でもリリースされます。(全作出ます)

007 私を愛したスパイ アルティメット・エディション

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: DVD
007 製作40周年記念限定BOX

007 製作40周年記念限定BOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/08/20
  • メディア: DVD
007 アルティメット・コレクション BOX

007 アルティメット・コレクション BOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: DVD

James Bond 007 - 1/4 Scale Premium Figure: Roger Moore as James Bond

  • 出版社/メーカー: サイドショウ
  • メディア: おもちゃ&ホビー
1/18 THE SPY WHO LOVED ME - JAMES BOND - LOTUS ESPRIT SUBMARINE VERSION ( WHITE )

1/18 THE SPY WHO LOVED ME - JAMES BOND - LOTUS ESPRIT SUBMARINE VERSION ( WHITE )

  • 出版社/メーカー: ゲイトウェイグローバルジャパン
  • メディア: おもちゃ&ホビー
James Bond 007 - Legacy Collection 12 Inch Figure: Roger Moore as James Bond

James Bond 007 - Legacy Collection 12 Inch Figure: Roger Moore as James Bond

  • 出版社/メーカー: サイドショウ
  • メディア: おもちゃ&ホビー

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MICHAEL McDONALD『IF THAT'S WHAT IT TAKES』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1982年に発表された彼の1st.ソロ・アルバムである。この年、DOOBIE BROTHERSは解散した(後に再結成を果たしたのはご存知の通りですが...)が、本アルバムは、それ以前からDOOBIEがマイケル節と言われるような彼の音楽性を前面に出していたこともあり、その路線のサウンドのアルバムである。また、当時はA.O.R.が一大ブームとなっていたが、いかにもその通りのサウンドで、良質のA.O.R.アルバムということも出来る。(後期DOOBIEもそういう傾向があったが、やはりMICHAEL色が強くなっている分、A.O.R.路線になっている。)また、ウエスト・コーストを代表するミュージシャンが参加しているというのも、当時の彼の地位が如何に高かったかということも伺い知ることが出来る。

収録されているのは以下の全10曲である。『Playin' By The Rules』『I Keep Forgettin' (Every Time You're Near)』『Love Lies』『I Gotta Try』『I Can Let Go Now』『That's Why』『If That's What It Takes』『No Such Luck』『Losin' End』『Believe In It』。

この中からは、『I Keep Forgettin' (Every Time You're Near)』が大ヒットを記録していて、1982年のBillboard年間シングル・チャートでは81位、レギュラー・チャートでは最高位4位を記録している。また、年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていないものの、『I Gotta Try』もシングル・カットされてスマッシュ・ヒットとなった。尚、この曲は、KENNY LOGGINSとの共作であり、KENNYも彼のアルバムの方にも収録されている曲である。(MICHAELバージョンはややA.O.R.色が強くなっているがもKENNYバージョンはウエスト・コーストのロックといったアレンジがされていて、聴き比べるのも面白いでしょう。)その他、『No Such Luck』や『Believe In It』は典型的なA.O.R.であり、この辺りは当時の彼の真骨頂が発揮されている。

本アルバムは、当時のA.O.R.の全盛期に歩調を合わせたマイケル節をたっぷりと堪能できるボーカル・アルバムであり、当時のウエスト・コースト・サウンドの代表的なサウンドが詰まっている。また、参加しているミュージシャンたちも豪華であり、聴き所が満載のナイスなアルバムである。ということで、A.O.R.がお好きな方、ボーカル・アルバムがお好きな方はもちろんだが、'80'sサウンド(特に前記のサウンド)がお好きな方にもお薦めの一枚である。尚、本アルバムを聴いたら、後期DOOBIEのサウンドを経て、'70'sのウエスト・コースト・サウンドの方にも足を伸ばしてもらいたい所である。

 

If That's What It Takes

If That's What It Takes

  • アーティスト: Michael McDonald
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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