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TINA TURNER『SIMPLY THE BEST』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1991年にリリースされたベスト盤である。彼女はIKE & TINA TURNERとして'60'sから活動しており、1974年の解散後もソロとして活動していたが、かなり苦労し、1984年になってようやく認められるというような苦労人である。以前からボーカリストとしても高い評価を得ていたが、ここにはそんな彼女の魅力的なボーカル集が集められている。元々はR & Bの世界の彼女であるが、ソロになってから、特に'80'sになってからは、ロックの世界にも進出することになり、それが改めて評価されることに繋がり、魅力的なボーカルを聴かせてくれるようになった。

収録されているのは以下の全18曲である。『Best』『Better Be Good To Me』『I Can't Stand The Rain』『What's Love Got to Do With It』『I Don't Wanna Lose You』『Nutbush City Limits [The 90's Version]』『What You Get Is What You See』『Let's Stay Together』『River Deep, Mountain High』『Steamy Windows』『Typical Male』『We Don't Need Another Hero (Thunderdome)』『Private Dancer』『Look Me In The Heart』『It Takes Two』『I Want You Near Me』『Way Of The World』『Love Thing』。

彼女がソロ・シンガーとしてブレークしたのは何と言っても『What's Love Got to Do With It』のヒットによるものであるが、この曲はロックとポップスとR&Bを融合させた様なサウンドが特徴の大ヒット・アルバム「PRIVATE DANCER」から生まれた全米No.1ヒットとなった一曲である。この曲は、Billboardのシングル・チャートで3週連続1位を獲得し、1984年の年間シングル・チャートでも、堂々の2位にランクインしている。特にこのアルバムはクオリティも高く、アルバム・タイトル・ナンバーである『Private Dancer』をはじめ、名曲がズラリと並んでいる。そして、もう一つは、1985年の映画「マッド・マックス サンダードーム」に出演し、その主題歌『We Don't Need Another Hero (Thunderdome)』までも歌ったことである。これによって彼女はその風貌から「ライオン丸おばさん」と言われることになり、それによって一段と知名度が上がり、トップ・シンガーの地位を不動のものにした。

そんな苦労人らしく、彼女のボーカルには、ソウルフルな所に力強さがあるが、そんなボーカルがたっぷりの本ベスト盤は、ボーカル・ファンとしたら実に嬉しいところでもある。また、『Nutbush City Limits [The 90's Version]』はタイトルにもあるように、新たに録音し直したものであり、オリジナルと比べると、ボーカルに迫力が加わり、一段と良くなっている。

ということで、本ベスト盤は、ソロとなった後の彼女の魅力に満ちた一枚となっている。(尚、ソロとなる前、すなわち、IKE & TINA TURNERとしても、多くのベスト盤がリリースされているので、そちらも聴けば彼女の世界をたっぷりと堪能することが出来る。)キャリアは'60'sから積み重ねてきているTINAであるが、本ベスト盤は'80'sに残るボーカル・ナンバーのベスト盤であり、'80'sサウンドのファンだけでなく、R & Bがお好きな方や、IKE & TINAを知っている方にもしっかりと聴いてもらいたい所である。

 

Simply the Best

Simply the Best

  • アーティスト: Tina Turner
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 1991/10/01
  • メディア: CD


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TOM JONES『AT HIS BEST』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは2000年にリリースされた2枚組のベスト盤である。TOMと言えば、熱唱で知られるシンガーであるが、本ベスト盤にはそんな彼の熱唱が2枚のDISCにたっぷりと詰まっていて、彼の歌声を聞くにはピッタリのベスト盤である。そして、スタンダード・ナンバーとなった多くのカヴァー曲が収録されているというのも嬉しいところである。(彼のオリジナル曲を楽しむには、数多くのベスト盤がリリースされているので、他のベスト盤に譲ることにして、本ベスト盤は彼の歌声を色々と楽しみたい、という方に向けられたものである。)魂の籠もったボーカルというのは、いつ聴いてもやはり良いものである、と感じられるものである。オリジナル曲も良いが、彼のようなシンガーだと、カヴァー曲であってもそれがオリジナルとは違った味が出ていて、これはこれで楽しみである。

収録されている曲は全部で50曲で、それが2枚のDISCにそれぞれ25曲ずつ収録されている。まずはDISC1の収録曲として、以下の25曲である。『Delilah』『I (Who Have Nothing)』『Spanish Harlem』『I'm Leaving It Up To You』『Don't Cry For Me Argentina』『Try A Little Tenderness』『She's A Lady』『For Once In My Life』『Darlin'』『(I Can't Get No) Satisfaction』『Can't Buy Me Love』『Lay Down Sally』『I'll Never Love This Way Again』『Daughter Of Darkness』『I Can See Clearly Now』『Higher And Higher』『Great Balls Of Fire』『Oh, Pretty Woman』『Show Me』『All By Myself』『Stagger Lee』『Such A Night』『Ain't Gonna Bump No More (With No Big Fat Woman)』『Picture Of You』『Don't Be Cruel』。

続いて、DISC2の25曲は以下の通りである。『Love Me Tonight』『Proud Mary』『Let It Be』『Got To Get You Into My Life』『Long And Winding Road』『I Can't Turn You Loose』『Lady Madonna』『Roll Over Beethoven』『Cupid』『Breaking Up Is Hard To Do』『Without Love (There Is Nothing)』『I Thank You』『We Don't Talk Anymore』『What's New Pussycat?』『Sexy Eyes』『I Got A Woman』『Hound Dog』『Rock & Roll Music』『On Broadway』『You're My World (Il Mio Mondo)』『In The Midnight Hour』『You Are The Sunshine Of My Life』『Knock On Wood』『I'm Walkin'』『Da Ya Think I'm Sexy?』。

これだけの曲数があれば、お薦め曲というのをピックアップしようとしても、通常のアルバムに収録されているだけの数が出てきてしまうことになる。が、そうするとベスト盤としてたっぷりと収録曲がある本アルバムの意味が薄れてしまうので、ここではお薦め曲を述べないことにする。

それにしても、DISC1の冒頭からたっぷりと聴かせてくれる。歌っている曲のジャンルも結構幅が広く、上手いシンガーだとジャンルに関係なく聴かせてくれるということがよく分かる。そして、DISC2のラストに『Da Ya Think I'm Sexy?』を持ってくると言うところはなかなかお茶目な選曲であり、面白いところである。

オリジナル曲でもベスト盤を出そうとすれば、かなりの曲数がピックアップされて収録されることになり、そちらもやはり複数枚になってしまうのは間違いない。(ということは、本ベスト盤と合わせれば、それこそBOXになってしまう。)彼を知っている方にとっては嬉しいベスト盤であり、彼を知らないという方には、スタンダード・ナンバーを楽しむということで彼を知り、そこから彼のオリジナル曲の方に足を踏み入れてもらいたいところである。じっくりと彼の熱唱をお楽しみ下さい。

 

At His Best

At His Best

  • アーティスト: Tom Jones
  • 出版社/メーカー: Castle
  • 発売日: 2000/05/16
  • メディア: CD


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鉄板少女アカネ!!#2 [ドラマ]

第2話の物語、アカネは関西は明石での鯛バトル。ということで、普通の感想を書いても面白くないので、今回も「真希ちゃん」=「銭形舞」ということを前面に出して記してみます。

まず、関西といえば、現在は関西・四国方面本部長となっている舞ちゃんなので、最初のバトルに向かう地にするには、まずはいい選択である。(やっぱりドリマックスということで、考えているのでしょうね)

物語は、父から明石の鯛を受け取ったアカネは、父を捜すために明石にやって来た。が、一緒にやってきた心太(彼はどう見ても鉄輪塊の運転手としてアカネに使われている...)は浜田屋で手伝いをしているやよいに一目惚れし、やよいのために毎年町で行われる「鯛バトル」に参加すると言い出す。で、アカネに参加を頼むが断られてしまう。アカネは父を捜し始めるが、魚市場で亡くなった母とそっくりな豊子と出会い、浜田屋を訪れる。が、浜田屋はエレナに狙われていると知ると、一転して鯛バトルに参戦することを決める。で、鯛バトルを、という物語。バトルでアカネが作った料理は「鯛あんかけ焼きそば」ということで、やっぱり鉄板料理だったが、フランス料理なんかよりもこういう料理の方が大衆向けであって、歓迎ですね。(アカネの作った焼きそば、食べたくなりました。→明日の昼は焼きそばを食べましょうか...)

物語の前置き部分を活弁&サイレント映画仕立てにするのもちょっと面白いかも。でも、どうせやるのなら、山田広野さんにやってもらった方が...

今回の物語で、各地での料理バトルのパターンはおおむね掴むことが出来たが、これからはツッコミ所のお楽しみということになる。

それにしても、何だかんだでエレナにいびられるアカネの姿は、かつての大映テレビの「スチュワーデス物語」を思い出させてくれるし、浜田屋の邪魔をするということで不良が集まっているところは「不良少女とよばれて」や「ヤヌスの鏡」を、様々な困難がアカネを襲うが、これらは完全に「大映テレビ」作品の主人公である。これにもう少し地元の悪が絡んでくれたら「快傑ズバット」にもなるのですが...

また、小ネタとしてはやはり「ケータイ刑事」の世界に入っているし、料理バトルで完成した料理を前にコテを持ってポーズを決めるところは完全に「銭形舞」になっている。そして、竜が舞うところは劇場版「ケータイ刑事THE MOVIE」の銭形姉妹のキメの所でもある。そして黒金が乗せられたボートに「南明石鯛タニック号」とあるのも、このノリは「ケー刑事」テイストである。が、何と言っても今回の物語では、冒頭のアカネと心太と黒金のコント劇場(女装)は「銭形舞」では無かったものの、妹・銭形零と従姉妹・銭形雷の悪夢での女装(特に、心太と黒金の二人だったことから)は「・2nd.7話」を舞ちゃんでやり直したと言うことが出来る。ということで、形を変えた「ケータイ刑事 銭形舞」路線を突き進んでいる。

また、アカネの旅は「人助け」にもなっている。ということは、「銭形雷」の後番組としてこの10月から始まったBS-iの「恋する日曜日 ニュータイプ」の要素も持っていることになる。(これもドリマックスが製作ということで、やはり繋がっている。)

ということなので、このドラマは「ケータイ刑事」のノリで見ることが出来る作品である。このようなドラマがまさか地上波の、しかもゴールデンアワーの枠で見られるというのは思っていなかっただけに、今後も楽しみである。(が、地上波ではといった所を感じるところも確かにありますが、是非それをぶち破ってもらいたいところである。)この調子で突っ走ってくれると、本作品はとんでもない「怪作・傑作」になりそうである。

次回は北海道へ行くアカネ。北海道と言えば、舞ちゃんの姉・銭形泪ちゃんが北海道・東北方面本部長となっているので、次は泪お姉ちゃまを訪ねる旅と言うことにもなる。(その次は、妹・零ちゃんのいる九州・沖縄に行くのか?)

 

↓本作のDVD BOXの予約、出来ます。

鉄板少女アカネ!! (出演 堀北真希、塚本高史)

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: DVD

↓やはり、これらをベースとして記していきます。

ケータイ刑事 銭形舞 DVD-BOX

ケータイ刑事 銭形舞 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2004/04/23
  • メディア: DVD
ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX 2

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX 2

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2006/01/27
  • メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 3

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2007/02/23
  • メディア: DVD
ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 プレミアム・エディション

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 プレミアム・エディション

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2006/08/25
  • メディア: DVD

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 スタンダード・エディション

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 スタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2006/08/25
  • メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 1

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 1

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2004/10/22
  • メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 2

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 2

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2005/02/25
  • メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2005/06/24
  • メディア: DVD

↓その他、本文中に記した作品たち

快傑ズバットBOX

快傑ズバットBOX

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2004/09/21
  • メディア: DVD

大映テレビ ドラマシリーズ スチュワーデス物語 DVD-BOX 前編

大映テレビ ドラマシリーズ スチュワーデス物語 DVD-BOX 前編

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2004/11/17
  • メディア: DVD

大映テレビ ドラマシリーズ スチュワーデス物語 DVD-BOX 後編

大映テレビ ドラマシリーズ スチュワーデス物語 DVD-BOX 後編

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2004/11/17
  • メディア: DVD

大映テレビ ドラマシリーズ 不良少女と呼ばれて 前編

大映テレビ ドラマシリーズ 不良少女と呼ばれて 前編

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2004/12/15
  • メディア: DVD

大映テレビ ドラマシリーズ 不良少女と呼ばれて 後編

大映テレビ ドラマシリーズ 不良少女と呼ばれて 後編

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2004/12/15
  • メディア: DVD

大映テレビ ドラマシリーズ ヤヌスの鏡 前編

大映テレビ ドラマシリーズ ヤヌスの鏡 前編

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2005/01/01
  • メディア: DVD

大映テレビ ドラマシリーズ ヤヌスの鏡 後編

大映テレビ ドラマシリーズ ヤヌスの鏡 後編

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2005/01/01
  • メディア: DVD

大映テレビ ドラマシリーズ 少女に何が起ったか

大映テレビ ドラマシリーズ 少女に何が起ったか

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2005/01/01
  • メディア: DVD

大映テレビ ドラマシリーズ アリエスの乙女たち 前編

大映テレビ ドラマシリーズ アリエスの乙女たち 前編

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2004/12/15
  • メディア: DVD

大映テレビ ドラマシリーズ 乳姉妹 前編

大映テレビ ドラマシリーズ 乳姉妹 前編

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2005/01/01
  • メディア: DVD

大映テレビ ドラマシリーズ 花嫁衣装は誰が着る DVD-BOX 前編

大映テレビ ドラマシリーズ 花嫁衣装は誰が着る DVD-BOX 前編

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2004/11/17
  • メディア: DVD

大映テレビ ドラマシリーズ ポニーテールは振り向かない 前編

大映テレビ ドラマシリーズ ポニーテールは振り向かない 前編

  • 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 発売日: 2005/02/02
  • メディア: DVD

↓「恋する日曜日 ニュータイプ」はこれとは完全に別物の作品です。

恋する日曜日 プレミアムDVD-BOX

恋する日曜日 プレミアムDVD-BOX

  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2004/11/05
  • メディア: DVD


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「007/THE LIVING DAYLIGHTS」 [映画(洋画)]

6代目ボンドを迎えた007シリーズ最新作であるシリーズ第21作の「CASINO ROYALE」が12/1に公開になるが、それに向けて、これまでのシリーズ全20作をDVDで順番に改めて見ている。(シリーズ40周年記念のDVD-BOX+「ダイ・アナザー・デイ」。一応、特典映像の方も一緒に見ているので、1本を見るのに3時間半前後の時間が必要となる。尚、今度は全20作のアルティメット・コレクションのBOX(スーツケースに収納)が発売されるのですね。全作吹き替え版もあるということで、一応は「アルティメット」と感じます。(が、40周年のBOXを持っているので、流石に購入の方は...)で、今回は4代目・ボンドとしてティモシー・ダルトンがボンド・デヴューを果たしたシリーズ第15作の「リビング・デイライツ」です。

尚、007シリーズに関してはHPの方に資料として作っていますので、そちらもご覧頂ければ幸いである。(ここをクリックしてください。)尚、各作品については「作品解説」と「脱線メモ」という2本立てで記していますが、前者は筆者が書いたもの、後者は年間に映画を600本以上見るという友人のG氏が書いたものです。

「THE LIVING DAYLIGHTS」はI.フレミングの短編小説を元にしていて、それにオリジナル・ストーリーを作って完成した作品である。また、ボンドが人間としての一面が強く描かれることになり、これが4代目の持ち味である。また、本作は「007」シリーズ25周年を記念する1本あるが、来年2007年にはこの作品も製作から20年と言うことになる。ここまでは25年で15本であったが、この作品を含めて数えても、この後は19年で6本ということになるから、製作ペースが随分と落ちたものである。(その間には裁判沙汰で、製作できなくなるという期間もありましたが...)

監督は前作に続いてシリーズ4本目となるジョン・グレンが務め、ガイ・ハミルトンの4本と並ぶことになった。(次作でジョン・グレンはシリーズ最多となる5本目の監督を務めることになります。)脚本はリチャード・メイバウムとマイケル・G・ウィルソンといういつもの顔が担当し、音楽は本シリーズではお馴染みのジョン・バリーがシリーズ11本目となるお務めであるが、これが(現時点では)最後と言うことになっている。主題歌は、前作に続いてロック・バンドであるa-haが担当して大ヒットを記録している。尚、4代目ボンドの作品では、主題歌以外に挿入曲も使われ、特にエンドロールの所ではPRETENDERSの「If There Was A Man」が使われ、印象的に余韻を残す形になっている。(彼らは挿入歌としてもう1曲「Where Has Every Body Gone」も提供している。)

キャストは、ボンドには4代目を襲名したティモシー・ダルトンで、感情を持った「人間ボンド」を演じていて、これまでには無い新たなボンド像を確立した。ボンドガールは金髪が魅力のマリアム・ダボで、清純派のボンド・ガールを演じ、4代目ボンドの「人間ボンド」を描く上でも重要な役回りを務めている。そして、物語の進展と共に次第に変わっていって成長していく姿がとても良かったです。敵となる武器商人のウィティカーにはジョー・ドン・ベイカーが演じるが、彼は5代目ボンドが登場すると、今度はCIAのジャック・ウェイドを演じることになり、ボンドの敵と味方の両方を演じることになる。(「007は二度死ぬ」と「ダイヤモンドは永遠に」のチャールズ・グレイ以来の両方を演じる俳優と言うことになる。)そして、ボンドに罠を仕掛けてイギリスに亡命してくるコスコフ将軍にはジェローン・クラッベが扮している。また、CIAのフィリックスには6代目となるジョン・テリーで、いつものM、Q、マネーペニーであるが、Mは2代目であるロバート・ブラウン、Qはお馴染みのデズモンド・リュウェリン(彼も実は2代目Qである)に、マネーペニーも2代目となってキャロライン・ブリスが演じていて、このトリオも全て2代目ということになった。

物語は、KGBのコスコフ将軍が西側に亡命を希望してきて、ボンドはその手助けのためにチェコスロバキア(現在はこの国も分離して、チェコとスロバキアの2つの国になりました。現在で言えば、スロバキアに向かったと言うことになります。(向かったのはブラチスラバであり、現在はスロバキアの首都ですから))で、保護してイギリスに連れてきて、ソ連にはスパイを皆殺しにするという計画が進められていることを語る。が、詳細を話さないうちにKGBに連れ去られてしまう。Mはスパイ皆殺し作戦の遂行者であるプーシキン将軍の暗殺を指示するが、ボンドはコスコフ将軍の亡命に疑問を抱き、独自の調査によって事件の真相を知り、タンジールでプーシキン将軍と会ったボンドはある計画を立て、それを実行することにしたが...

4代目を襲名したティモシー・ダルトンは、当時40歳の大台に乗った所であり、前任のロジャー・ムーアから大きく若返ったことにより、本作では「若さ」を前面に出し、生身のアクションをたっぷりと見せてくれている。また、秘密兵器の方も健在で、本作ではボンド・カーとしてアストンマーチンV8ボランテが登場するというように、往年のファンをも喜ばせてくれている。

尚、本作では、これまではKGBの長官だったゴーゴル将軍が外務省勤務になり、ラストにちらっと登場しているというのも見逃すことは出来ない所である。そして、ウイーンでは名作「第三の男」に登場した有名な観覧車が登場するなど、映画ファンを喜ばせるサービスもある。

4代目を迎えた「007」シリーズは、シェークスピア俳優として高い演技力を持ったティモシー・ダルトンによって、ボンドの人間性を出すことで、またまた新たな魅力が加わる作品になったのである。(ただ、裁判沙汰になって一時的に新作を作れなくなり、ダルトン・ボンドが2作しかないのが残念なところである。)

 

007:リビング・デイライツ

  • アーティスト: a~ha, サントラ
  • 出版社/メーカー: ビデオアーツ・ミュージック
  • 発売日: 1998/06/24
  • メディア: CD

007/リビング・デイライツ 特別編

007/リビング・デイライツ 特別編

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2003/02/26
  • メディア: DVD
007 リビング・デイライツ アルティメット・エディション

007 リビング・デイライツ アルティメット・エディション

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: DVD
007 製作40周年記念限定BOX

007 製作40周年記念限定BOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/08/20
  • メディア: DVD
007 アルティメット・コレクション BOX

007 アルティメット・コレクション BOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: DVD
 
 

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