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「害虫」 [映画(邦画)]

今回は、大晦日の深夜(時間的には新年になってから)にKBS京都が放送した映画「害虫」について記すことにします。この作品は、銭形愛・篤姫の宮崎あおいさん主演作品である。(ビフォー「銭形愛」の作品です。)また、共演に蒼井優や芳賀優里亜の名前がある。ということで、今を考えると、凄い顔ぶれが揃っているということになる。

尚、この少し前からは邦画では「ホラー映画」がちょっとしたブームになっていたことと、本作のタイトルからは想像して、本作はホラー系の作品ではないかという思いが浮かんでくるが、そういう作品ではなく、思春期の女子中学生の思いを綴った青春ドラマである。また、本作では、あおいさんの髪が長く、ロングヘアーということで、ちょっと違ったあおいさんを見ることが出来る作品である。そして、あおいさんが2001年のナント三大陸映画祭コンペティション部門の主演女優賞を受賞している。(この4年後には「さよならみどりちゃん」で星野真里さんが同じ主演女優賞を受賞している。)→本作の塩田監督には、古厩監督が「ケータイ刑事」に参加しているとか、本作の主演があおいさんということから、「ケータイ刑事」に一度は参加して貰いたいと思います。

作品データを記しておくと、2002年の日活、TBS、ソニーPCLの作品で、時間は92分、監督は塩田明彦、脚本は清野弥生、撮影は喜久村徳章、美術は磯見俊裕、音楽はナンバーガールである。そして出演は、宮崎あおい、田辺誠一、沢木哲、天宮良、石川浩司、蒼井優、伊勢谷友介、りょう、すずき雄作、米岡ゆり、芳賀優里亜、半田美保子、西満衣、三村恭代、三輪恵未、佐々木麻衣、椎名英姫、頭師佳孝、寺島進、石丸謙二郎、光石研、大森南朋、大沼百合子、戸田昌宏、木下ほうか、たちである。

母が自殺未遂したり、小学生の時に担任の先生とつきあったりという不安定な環境で生きている中学生・北サチ子。不登校になっている彼女は、街でダラダラと時間を潰す日々を送っていた。同級生の夏子はそんなサチ子を心配して、毎日家に迎えに来てくれるが、サチ子は登校しなかった。そんな中、サチ子は当たり屋の青年・タカオ、彼の相棒であり精神薄弱のキュウゾウたちと出会い、行動を共にするようになる。が、タカオがトラブルに巻き込まれてサチ子の前から姿を消す。で、夏子が迎えに来てくれることもあって、登校するようになる。が、学校生活では、文化祭の合唱でピアノを弾かされたり、友人・夏子が思いを寄せている花坂に告白されたりと、サチ子にとっては試練の毎日だった。更に、母の現在の恋人・徳川からレイプされそうになり、たまたまやってきた夏子に助けられたサチ子。そんなサチ子はちょっとしたイタズラのつもりで火炎瓶を作り、キュウゾウと共に夏子の家に投げて放火してしまう。で、サチ子は、思いを寄せていて小学校の時の担任で、現在は原子力発電所で働いている緒方の所に逃げて行く。で、喫茶店で緖方と待ち合わせをするが、そこに向かう緖方の車はエンコ、更に喫茶店では長電話をする客がいて、緖方はサチ子に連絡が取れないでいた。緖方をひたすら待つサチ子に、一人の男が声を掛けて「いい仕事を紹介する」と言われたサチ子は男についていく。喫茶店を出たサチ子は男の車に乗って店を離れるが、入れ違いに緖方がやってきたことに気づいたが、そのままサチ子は男の車に揺られて行った...

色々と考えさせられる所がある作品であり、ちょっと思い気持ちになってしまう。また、何を考えているのか分からないサチ子だが、緖方への手紙では感情を出しているなど、13歳の少女の複雑な気持ちが上手く描かれている。

あおいさんは、劇中で当たり屋をやろうとして、目の前を通過した車に恐れおののいたり、火炎瓶を楽しそうに作ったり、クラスメートの男子とキスほして「タバコの匂いがする」と言ったりと、色んな表情を見せていて、13歳の女子中学生の気持ちを見事に演じている。

娯楽作品ではなく、メッセージを持った作品であり、ちょっと重い気持ちになってしまうだけに、お薦め作品とは言わないが、見ておきたい1本である。

尚、本作を見たあとに1つ気づいたのですが、銭形愛宮崎あおいさんと銭形泪黒川芽以さんに対して、2人とも「ケータイ刑事」を襲名する前に、10代の、しかも中学生を主人公としてメッセージ性を持った映画に主演しているんですね。(黒川さんは「問題のない私たち」)やはり、は他の銭形ーズには無いキャリアを持った上での銭形襲名であるが、同じ様な所があるというのも面白い所です。(更に、子供向け作品に出演している(「ブースカ!ブースカ!!」/「テツワン探偵ロボタック」)というのも共通点である。)

 

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↓あおいさん出演の物語が収録されています。

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↓黒川さん主演作はこちら

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「兵隊やくざ」(その4) [映画(邦画)]

今回は、3本製作された1966年の作品の中から、最初の1本であるシリーズ第3作の1本についてです。やはり、物語の方は前作からの続きである。(前作を見てから見るべく作品である。)

シリーズ第3作新・兵隊やくざ」(1966年)
作品データを記しておくと、1966年の大映作品で、時間は86分、白黒作品である。原作は有馬頼義、監督は田中徳三、脚本は舟橋和郎、撮影は中川芳久、美術は下河原友雄、音楽は鏑木創である。そして出演は、勝新太郎、田村高廣、成田三樹夫、藤岡琢也、瑳峨三智子、北城寿太郎、玉川良一、見明凡太朗、遠藤辰雄、神田隆、村上不二夫、夏木章、橋本力、真城千都世、紺野ユカ、田中三津子、緋桜陽子、町田博子、たちである。

軍用トラックで軍隊を脱走した大宮と有田だったが、広野の広く、ガソリンは無くなり、夜を徹して歩き回り、やがて八路軍の攻撃を受けて窮地に陥る。そこに友軍が現れて、2人は助けられ、軍隊に復帰することになる。その部隊の訓練は厳しいものであり、繰り返される訓練に嫌気が差した2人はまたも脱走を図る。そして彷徨いながら天津にやってくる。2人は野戦貨物廠にねむっている物資の略奪を計画し、実行に移す。豊後一等兵を仲間に入れて、潜り込んだ2人は荷馬車一杯の砂糖袋を奪い、計画は成功する。しかしその夜、2人は妓楼竜宮の妓たちを総揚げして乱痴気騒ぎをして、更に妓楼の主人・根上の甘言に乗って有金の全てを賭場で巻きあげられてしまう。で、2人は根上の元で下働きをすることになった。下働きを続けていた大宮と有田だったが、やがて、根上は軍の上層部と結託していて、悪辣な金儲けをしていることを知る。怒った2人は、大宮が惚れた女・桃子をはじめ、全員の足抜きを行い、脱出し、自ら女郎屋「いろは」を開店する。が、根上はしつこく大宮たちを追ってきて、山本憲兵隊長を伴って「いろは」に殴り込みを掛ける。しかし、殴り込んできた連中の中に、豊後が昔の同僚・青柳憲兵隊伍長と再会し、青柳の古傷を暴いた。ことは何とか収まったが、その夜、豊後は青柳に殺されてしまう。これに怒った大宮と有田は青柳と対決することを誓う。しかし、相手は憲兵ということで、捕らえられた2人は闇から闇に葬り去られようとなる。僅かな隙を大宮が見出すと、大暴れを始め、有田を助け、隊長質のストーブに爆弾をぶち込み、憲兵に化けてオートバイで脱出した...

本作では甘い汁を吸っている相手に対して対決するだけではなく、女郎屋を開くというように、かなり痛快な展開となっていて、面白い。しかもその後の対決では、仲間に引き入れた豊後が殺されて、その落とし前を付けさせようとするなど、任侠の世界の展開になっていること、相手が憲兵であって、絶体絶命の窮地に陥る、というように、ストーリー展開も娯楽作品の定番がしっかりと入っていて、たっぷりと楽しませてくれる。シリーズの中でも痛快な1本であり、見ておきたい作品である。(が、前作を見てからにすべきです。)

 

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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その84) [ケータイ刑事]

週一で記している本稿も、2度目の正月を迎え、20ヶ月目に突入しました。(「ケータイ刑事」の本放送の最長連続期間(「」「」「」と続いた18ヶ月)よりも長く続いている。)「007」はシリーズ第22作目となる6代目の第2作「007/慰めの報酬」がいよいよ公開になりますし、「ケータイ刑事」の方もおそらく4月スタート(4/4スタートになるので、「」が1/1、「」が7/7スタートだったことを考えると、7代目スタートに相応しい日ということになる。)で7代目が登場することになるであろうということで、もう暫く、「ケータイ刑事」は「」までの183話(+映画2作)、「007」は第21作までの間で記し続けることにします。

尚、今回は正月ということなので、いつもとは少し趣を変えて記すことにします。


今回とりあげる「ある物」は、「本部」です。「本部」とは、所属している組織の本部ということで、「ケータイ刑事」では「警視庁」、「007」では「MI-6」ということになる。(どちらもこれは実在の組織である。)また、両者とも、全ての物語で、一応何らかの形で登場する(「ケータイ刑事」の一部に於いて、登場しない場合もありますが...)ので、それぞれの作品において特定の物語を取り上げることはしません。(たまにはこういう変化球というのもよろしいかと...)

共通点は、実在の組織であること、国家の機関であること、劇中に本物の本部の外観が登場することである。(初期「007」では、MI-6の外観は登場していない。)こういう所が、作品にリアリティを与えることになるというのは言うまでもないが、両作とも、こういう所は良く分かっている。

そして、更に共通するのは、(実在しているとはとても思えない)厳重な警備網を持っているという所である。これが赤外線による侵入者検出システムであったり、網膜や指紋を使った本人確認システムであったりする。(ということで、最先端のハイテクが作品中では本部に施されている。)→「ケータイ刑事」は「M2」、「007」は5代目、6代目作品においてです。

尚、現在のMI-6の本部は1995年に現在の建物が完成し、移転したため、「007」シリーズに登場するMI-6の本部というのは、1995年以降の作品、つまり5代目以降の作品ということになる。ちなみに、現在の警視庁庁舎は1980年に完成したものであり、「ケータイ刑事」は2002年10月スタートであるため、本部というと全て現在の庁舎ということになる。

では、簡単に「警視庁」と「MI-6」について記しておくことにする。

警視庁」:東京都を管轄する警察組織であり、管内に10の方面本部、101の警察署がある。(2009年4月に南大沢警察署が新設される予定であり、そうなると102の警察署ということになる。)「ケータイ刑事」で事件が多い港区は第1方面本部、世田谷区と渋谷区は第3方面本部に属する。また、島嶼部は第1方面本部に属することから、神無島署やひょっこりひょう多もん島署も第1方面本部に属していると思われる。

所属する警察官の数は約4万3000人、所在地は千代田区霞が関二丁目1番1号である。歴史は、1874年に創設された東京警視廳が前身であり、1954年からは現在の体制になった。尚、警視正以上の階級になると、国家公務員となる。(警察法に規定されている。→銭形姉妹は全員国家公務員ということになる。)

また、かつては大阪市警視庁という組織が存在した。これは、戦後の1947年に大阪市警察局が設置され、1949年9月から「大阪市警視庁」に改称した。1954年に廃止され、大阪市警察本部となるが、1955年に大阪府警察本部と統合されて完全に消滅した。

MI-6」:正式名称は「イギリス情報局秘密情報部(Secret Intelligence Service)」、イギリスの情報機関の1つである。主な任務は、イギリス国外での人による諜報活動である。(イギリス国内は「イギリス情報局保安部」、通称「MI-5」が担当している。)

国家の情報機関であるため、詳細については機密扱いとされている部分も多いため、詳細については明らかになっていない所もあるが、約2500人が所属しているとされている。また、管轄は外務省であるが、首相直轄の組織である。(MI-5は内務省の管轄で、2400人が所属しているとされている。)

創設されたのは1909年である。(今年が100周年ということになる。創立日は10/1。)現在の本部はヴォクソールにあり、1995年から使われているものであり、盗聴や爆発物に対する防御が施されている建物となっている。

古くは、イギリスは、MI-5、MI-6の存在を否定していたが、「007」シリーズの原作者であるイアン・フレミングや、小説家のサマセット・モームは、MI-6職員であったことを公表していて、イギリスが否定しても、その存在は誰もが疑っていなかった。尚、現在では公式ウェブサイトで新人採用を行っているようになり、存在すら否定していた時代を考えると、随分と変わったものである。尚、応募資格は父母のいずれかがイギリス人であることが必要などという制約条件が色々とあり、イギリス市民でなければならないので、日本人は応募できません。

次回も、やはり「ある物」シリーズを続けます。何が登場するかはお楽しみに。

 

↓「M2」

↓この作品の冒頭で、MI-6の外観がはっきりと見ることが出来ます。
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