「水戸黄門漫遊記」(その7) [映画(邦画)]
1954年から1961年に製作された東映の全14作のシリーズを後回しにして、今回はそのシリーズ終了後の作品(1969年と1978年に製作された2本)を今回取り上げることにしまい。(東映の全14作のシリーズは次回から記していきます。)
「水戸黄門漫遊記」(1969年)
作品データを記しておくと、1969年の東宝作品で、時間は82分、監督は千葉泰樹、脚本は笠原良三、撮影は長谷川清、美術は中古智、音楽は佐藤勝である。そして出演は、森繁久彌、宝田明、高島忠夫、池内淳子、三木のり平、萩本欽一、坂上二郎、中村勘九郎、中村是好、十朱久雄、東郷晴子、獅子てんや、瀬戸わんや、草笛光子、沢井桂子、上田吉二郎、越後憲、平田昭彦、藤木悠、向井淳一郎、伊藤実、赤木春恵、矢野陽子、浦辺粂子、若宮大佑、石井富子、高原とり子、浦山珠実、広瀬正一、大前亘、宇留木康二、沢村いき雄、佐田豊、塩沢とき、豊浦美子、中川さかゆ、小川安三、岩本弘司、堺左千夫、一竜斎貞鳳、木村由貴子、小林夕岐子、たちである。尚、黄門様は森繁久彌、助さんは宝田明、格さんは高島忠夫が演じている。
出演者の顔ぶれからも分かるように、コメディ調に仕上げられた作品である。普通の「水戸黄門」と思っていると、とんでもない展開となるだけに、ちょっと覚悟をしてから見た方が良い作品である。(普通の黄門様の活躍を期待している方は見ない方がいいかも...)が、娯楽作品と言うことを考えると、こういう変わった作品があってもよろしいかと...
黄門様は、百姓隠居の光右衛門を名乗って、嫌がる助さんと格さんを連れて諸国行脚の旅に出た。箱根の関所で、「裏街道の関所・御留峠の役人はユデ玉子が大好きで、それと引換えに往来手形を発行する」と聞いて、その汚職役人をやっつけたたまでは良かったが、出発前に「水戸黄門」を名乗らないとした約束を破ってしまい、調子が狂い始める。ひんな黄門様は、夜遊びを使用として三島に向かうが、代官に見つかって、本陣へと案内されて弱ってしまう。で、自慢の白ひげを落してその場を逃げていった。旅を続ける一行は、ニセモノの黄門様と出くわしたり、博打ですっからかんになるなど、散々な目に逢い続ける。そんな一行は三河で不老長寿精力増強の妙薬を手に入れるが...
「水戸黄門」(1978年)
作品データを記しておくと、1978年の東映作品で、時間は88分、監督は山内鉄也、原案と脚本は葉村彰子、撮影は増田敏雄、美術は佐野義和、音楽は木下忠司である。そして出演は、東野英治郎、里見浩太郎、大和田伸也、中谷一郎、高橋元太郎、栗原小巻、三船敏郎、竹脇無我、植木等、ハナ肇、谷啓、山口いづみ、遠藤太津朗、富田仲次郎、汐路章、伊藤洋一、稲葉義男、谷幹一、正司歌江、正司照江、正司花江、加藤嘉、吉田正志、安部徹、川合伸旺、深江章喜、牧冬吉、武内亨、鮎川いづみ、児玉田美代、吉岡安彦、島田秀雄、東野英心、浜田寅彦、和田浩治、たちである。尚、黄門様は東野英治郎、助さんは里見浩太朗、格さんは大和田伸也が演じている。
TVシリーズのキャストということで、違和感なく入って行くことが出来る作品である。展開もTVの2話分の時間があり、2時間スペシャルというような展開となっていて、たっぷりと楽しめる。
風車の弥七が、西山荘の近くで黒覆面の一団に襲われている武士を助け、西山荘に連れてくる。が、その武士は加賀百万石・前田家城代家老の奥村作左衛門の息女・由美であった。由美は、加賀藩は次席家老・村井主水が乗っ取りを企んでいることを告げた。で、黄門様たちは加賀藩を救うために旅立つ。途中、越後でニセモノの一行に出くわすが、敵の目を騙すためにニセの一行を江戸に向かわせ、加賀に向かう。加賀藩では村井たちが企みの総仕上げの段階に入っていて、奥村の信頼していた家臣・石川も既に村井に寝返っていた。そんな中、帰国した綱紀お目見えの日がやってきた。村井は計画を実行し、跡目を松千代にと言うことを告げる。が、石川が立ち上がり、村井の陰謀を口にした。石川は、村井に寝返ったと見せかけて、その企みを調べていたのだった。で、村井一派の抵抗、黄門様たちの登場、ということで、お家騒動は解決となった。
今回の2本は、それまでの映画とは一線を画した作品になっている。完全なコメディ作品である東宝作品と、TVシリーズの延長線上にあって、TV作品の劇場進出作品という東映作品ということになる。「娯楽作品」ということを強く意識した作りになっていて、それなりに楽しむことが出来る作品であるが、これまでの映画シリーズのファンにとったら、目を覆いたくなってしまう所もある。→まあ、映像作品は、映画からTVが中心という時代に変わったということで、時代の変化があったということです。
両作ともかつてはLDでリリースされていたが、現在はこれだけのようです。
↓東野英治郎の黄門様というと...
山下達郎『RIDE ON TIME』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1980年に発表された彼の6枚目のアルバムであり、大ヒットを記録して彼の代表作となったアルバムである。それがリマスターされて4曲のボーナス・トラックが追加されたものである。1曲の既発表曲の別バージョンと、3曲の未発表曲がその内容である。
収録曲は以下の全13曲である。(後ろの4曲がボーナス・トラックである。)『いつか』『DAYDREAM』『SILENT SCREAMER』『RIDE ON TIME(アルバム・ヴァージョン)』『夏への扉』『MY SUGAR BABE』『RAINY DAY』『雲のゆくえに』『おやすみ』『RIDE ON TIME(シングル・ヴァージョン)』『INTERLUDE I』『INTERLUDE II』『MY SUGAR BABE(TV用インスト・ヴァージョン)』。
本アルバム(オリジナル盤)については高く評価されていること、彼の代表作の1つでもあって広く知られていることもあるので、細かいことは述べる必要はないでしょう。が、これにボーナス・トラックが追加されたことになったため、少し事情が変わってくる。追加された4曲によってエンディングの雰囲気が随分と変わったためである。シングル・ヴァージョンの『RIDE ON TIME』が収録されているのは嬉しい所であるが、アルバム・ヴァージョンによって、落ち着いたエンディングだったのが、再びテンションが上がることになってしまい、これははっきり言って邪魔である。その後の3曲は良い感じであって、アルバムのクライマックスがより内容が濃くなっているだけに、ちょっと残念である。(まあ、飛ばして聴くということが出来るので、そうすればいいだけのことですが...)→ボーナス・トラックはオリジナル版の後ろに入れればよいとは限らないものであり、一工夫してもらいたかった所である。(ボーナス・トラックによってオリジナル盤の持っていた雰囲気をダメにしてしまうという弊害が出るものと、更に良くなるものとがあるがね本アルバムはその両者が出ている。)
未発表の3曲については間違いなく良いものであり、本アルバムが一段と磨かれた感じがするだけに、これで楽しむことにすればいいのだが、マイナス面(シングル・ヴァージョンの『RIDE ON TIME』)は資料性ということで考えると確かに良いが、資料性と芸術性という相反する要素を無理に一緒にしたということで、「二兎を追う者は一兎をも得ず」になってしまったのが残念である。連続再生をする場合はマイナス要素を飛ばす、ということにしたら良いが、ちょっと頭を抱えてしまう構成になってしまっただけに...
↓ボーナス・トラックなしはこちら
ケータイ刑事銭形愛11話[裏ネタ編]PART 1 [ケータイ刑事]
今回からの「銭形愛[裏ネタ編]」は、第11話「そんな執事に騙されて殺人事件」に突入です。(この物語は、少し長くなりそうです。)初回となる今回は、サブタイトルにある言葉から「執事」について、そしてこの物語のポイントとなる「ミックステイスト」について、更に、物語の発端で五代さんが見つけた「下駄」について、この物語の被害者(結局、一命を取り留めましたけど...)がやっていた「内職」について、そして「食いしん坊!万才」について記します。
尚、この物語について過去に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「執事」:一般的には、事務を執り仕切る人のことを言う。特に、身分の高い人の家や寺社に置いて事務を執り行う人のことを言う。現代では殆どいないが、王族か、かなり莫大な資産を持った家にしかいない。
英語では「Butler」と言うのが一般的であるが、貴族の執事であれば「Chamberlain」、教会などの執事を「Archdeacon」または「Deacon」という。
日本では、鎌倉時代の幕府の執権の別称であったり、政所の次官も門注所の長官の役職でもあり、室町幕府の将軍の補佐役、政所の長官、門注所の長官の役職でもあった。
「ミックステイスト」:「ミックス」は混ぜること、混合、混ぜたものという意味で、「テイスト」は味わい、風味という意味である。1970年代にちよっとした流行があったが、身近な食材を組み合わせることで、(主に高級品の)別の料理の味を作り出すこと、またはそうやって作り出した食べ物のことを言う。要は、安い食材で高級料理の味を真似るというものであり、遊び心に満ちたものであって、色んな工夫をすることが受けて流行した。が、所詮はニセモノであり、「本物志向」が流行すると、忘れ去られたようにブームは去ってしまった。
「下駄」:屋外で使用する日本の伝統的な履き物である。2枚の歯と呼ばれる板が付いた台木に3つの穴を開け、鼻緒をその穴にすげたものである。尚、中には歯が1枚しかないものや、3枚ある下駄も一部にはある。
英語ではそのまま「Geta」と言うが、「Japanese Clogs」と言う場合もある。最近では「Geta」で十分通じる。(英語になった言葉の一つでもある。)
歴史は古く、弥生時代後期の遺跡である静岡の登呂遺跡から、水田で使う田下駄が出土している。平安時代には台木が長円形の差歯下駄が一般的に使われていた。江戸時代には庶民の履き物として広く普及すると同時に、装飾に凝った下駄も登場している。現在は、和服を着た時の履き物として使われている。
「内職」:本職以外に、家計の補助となるために行う仕事ことを指し、主に自宅で行うものが多い。(例えば、造花を作る、紙細工を作る、というような組み立て作業や、商品の箱入れなどの封入作業などがある。)これ以外の意味としては、奥向きの仕事、後宮の職務のことを指したり、授業中や会議中などに行う授業や会議とは関係ない他の仕事のことを指している。
英語では「Side Job」と言うが、これは日本語で言う所の「アルバイト」や「副業」も含んでいる。(日本語では「内職」と「副業」や「アルバイト」は完全に一致するものではない。)
江戸時代に武士の家で行われたものが起源とされている。時代劇で、武士の奥さんや浪人などが自宅で傘を作ったり、団扇を作ったりというのをよく目にするが、正に、自宅で家計の足しになるように行われているものであり、典型的な例と言うことが出来る。
尚、「内職」といっても色んなものがあるが、特に問題になっているのは「内職商法」と呼ばれる悪徳商法がある。仕事を手にするためには登録料を払う必要があったり、高額なサポート契約を結ばせるというもので、仕事をする前にお金を支払う必要があるものは、基本的に悪徳商法のものであり、その業者が謳っているような収入は得られない、と思って良い。そういうものには引っかからないように、十分注意しましょう。(よく目にする内職として「宛名書き」があるが、最近はパソコンやデータベース(ソフト)の普及によって簡単に大量の宛名を印刷することが出来るため、この所の内職は殆どが悪徳商法だと思って良い。)
「食いしん坊!万才」:1975年6月にスタートしたフジテレビ系で放送されている5分間の料理番組である。以前は全国ネットで放送されていたが、現在は全国放送されておらず、フジテレビと地方が1局だけというローカル番組になっている。また、以前は週に5回放送されていたが、現在は週に1回ということになっている。
内容は、日本各地の名物料理をレポーターが食べ歩くというものである。で、レポーターは現在が11代目となっているが、第9代のレポーターが、五代さんを演じる山下真司である。(1994年から1997年の4年間務めた。)歴代のレポーターは、初代から順番に、渡辺文雄、竜崎勝、友竹正則、宍戸錠、川津祐介、梅宮辰夫、村野武憲、辰巳琢郎、山下真司、宍戸開、松岡修造(現役)である。
この中で、最も登場回数が多いのが友竹正則で、それに次ぐのが山下真司である。
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