「HOTEL」 [映画(洋画)]
表題の作品は1967年の映画「ホテル」である。ベストセラー小説の映画化作品であり、ホテル業界の抗争を描いた作品である。また、グランドホテル方式の作品であり、こういうところはやっぱりという所である。
作品データを記しておくと、時間は124分、原作はアーサー・ヘイリー、監督はリチャード・クワイン、製作と脚本はウェンデル・メイズ、撮影はチャールズ・ラング、音楽はジョニー・キーティングである。そして出演は、ロッド・テイラー、カトリーヌ・スパーク、カール・マルデン、マール・オベロン、リチャード・コンテ、マイケル・レニー、メルヴィン・ダグラス、ケヴィン・マッカーシー、カーメン・マクレイ、たちである。
物語の舞台はアメリカ南部のニューオリンズ。セント・グレゴリー・ホテルは格式のある名門ホテルであり、古風な品格を売り物にしていたが、近代的ホテルが次々とオープンしたことで、時代遅れになり、最近の業績は芳しくない。支配人のピーターは何とかして経営不振を打開しようとして、あの手この手を打っていた。そんな中、ホテル王のオーキフがグレゴリー・ホテルを買収しようとして、ジャンヌという女性を送り込んできたが...
オーナーと支配人の確執があったり、ホテルにやってくる多くの人々のドラマを色々と描いているという、所謂「グランドホテル方式」の作品であるが、色んな客がやってくるホテルが舞台ということでは、ホテルの経営者やスタッフから見ると当たり前であるだけに、実に上手い方法である。で、グランドホテル方式の作品は結構多いが、本作は意外と知られていない作品でもある。この方式の名前の由来である映画「グランドホテル」には及ばないが、「グランドホテル方式」を色々と知るためには見ておきたい作品の一つである。(が、本作はかつてはLDでリリースされていたが、現在はソフトのリリースが無い状態でして...)
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- 作者: アーサー・ヘイリー
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1974/09
- メディア: 文庫
THE HOURS(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は2002年の映画「めぐりあう時間たち」である。N・キッドマンがアカデミー主演女優賞を獲得した作品である。(でも、9部門のノミネートで受賞は1つだけでした。)物語はヴァージニア・ウルフに関する3つの物語である。
作品データを記しておくと、時間は115分、原作はマイケル・カニンガム、監督はスティーヴン・ダルドリー、脚本はデヴィッド・ヘア、撮影はシーマス・マッガーヴェイ、美術はマリア・ジャーコヴィク、音楽はフィリップ・グラスである。そして出演は、ニコール・キッドマン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープ、スティーヴン・ディレイン、ミランダ・リチャードソン、ジョージ・ロフタス、ジョン・C・ライリー、トニ・コレット、エド・ハリス、アリソン・ジャネイ、クレア・デインズ、ジェフ・ダニエルズ、アイリーン・アトキンス、リンゼイ・マーシャル、リンダ・バセット、クリスチャン・コールソン、マーゴ・マーティンデイル、ダニエル・ブロックルバンク、ジャック・ロヴェロ、たちである。
1923年、イギリス・リッチモンド。作家のヴァージニア・ウルフは病気療養のために夫・レナードと共にこの町に移り住み、「ダロウェイ夫人」を執筆していた。そんな彼女の元に姉・ヴァネッサたちが訪ねてくが...
1951年のロサンゼルス。妊娠中の主婦・ローラ・ブラウンは夫・ダンの望む理想の妻でいることに疲れていた。ダンの誕生日、親友のキティたちがやってきたが...
2001年のニューヨーク。編集者のクラリッサ・ヴォーンは、エイズに冒された友人の作家・リチャードの受賞パーティーの準備をしていたが、リチャードが飛び降り自殺をしてパーティは中止になる。そんな所にリチャードの母ろローラが訪ねてきたが...
全く無関係な3つの時代、3つの物語を繋いでいるのは『ダロウェイ夫人』である。一方、音楽は全く無関係の物語を繋ぐことはしていないが、共通するところがあって、違った意味で繋ぐ役割を果たしている。しかも、ここで使われている音楽にはそれぞれの物語の人物を扱っているという仕掛けがされているためである。派手な所はないが、文芸作品の音楽と言うことではじっくりと聴きたくなるものである。
そのサントラ盤の収録曲は以下の全14曲である。『The Poet Acts』『Morning Passages』『Something She Has To Do』『For Your Own Benefit』『Vanessa And The Changelings』『I'm Going To Make A Cake』『An Unwelcome Friend』『Dead Things』『The Kiss』『Why Does Someone Have To Die?』『Tearing Herself Away』『Escape!』『Choosing Life』『The Hours』。
映画と共にじっくりと聴きたくなるサントラ・アルバムである。
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ケータイ刑事銭形愛12話[裏ネタ編]PART 2 [ケータイ刑事]
2回目となる「銭形愛」の第12話「サンタが街にやってきた ~クリスマス誘拐事件」の「裏ネタ編」は、この物語に出てきた「脅迫状」について、「名探偵ドイル」の元ネタの「名探偵コナン」について、さして「サタン」についてと、愛ちゃんのヒントになった「句読点」について記します。
尚、この物語について過去に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「脅迫状」:英語では「Threatening Letter」と言う。ある特定の人物や団体などに対し、一方的な要求を突き付け、そこに記された要求が実現しない場合はその報復行動として、社会的な破壊行為や殺生を行い、要求を実現するように迫ることを知らせる文書のことである。また「状」と言うからには、これは手紙の形態を取っているのが基本である。(最近は手紙の形態を取らないものがあり、その場合は「脅迫文」と呼ばれる。)
ある要求を行うものであるため、誘拐事件に於いてはお馴染み(?)のものであるが、恐喝、事件の予告、イベントの中止要求など、内容は千差万別である。脅迫状の内容によって、問われる罪状が異なることになる。
脅迫状は、差出人の手掛かりの宝庫であるため、これが届いたら警察は色々と調べることになる。指紋が有れば動かぬ証拠になるが、手書き文字で書かれていれば、筆跡鑑定が行われる。また、使用している紙も特殊なものを使っていたら、差出人を特定する手掛かりになる。そのため、タイプライター/ワープロを使ったものが登場したが、使用したタイプライター/ワープロの機種を特定できると、差出人を絞り込む手掛かりになるのは言うまでもない。
最近ではネット上の掲示板に殺人予告という書き込みが行われたというニュースを時々耳にするが、分類状はそれも「脅迫状」に含まれることになる。(IPなどから、直ぐに特定されてしまい、手が後ろに回るだけである。)
尚、「ケータイ刑事」に登場する脅迫状というと、新聞や雑誌の活字を切り貼りして作られたものがお馴染みであるが、これも差出人を特定するのに役立つものが一杯ある。
「名探偵コナン」:この物語に出てくる「名探偵ドイル」のドイルは、言うまでもなく、シャーロック・ホームズの原作者の名前であるコナン・ドイルのドイルである。
「名探偵コナン」は青山剛昌の漫画作品であり、1994年に「週刊少年サンデー」で連載が始まった作品である。(現在も連載が続いている。)「ケータイ刑事」にも参加している脚本家・渡邉睦月女史はこの作品の大ファンであるということは、ケータイ刑事・ファンであればご存知の通りである。
高校生探偵として活躍している工藤新一が、謎の組織によって体を小さくされてしまうが、小さくなっても頭の方はそのままであり、新一の親戚の江戸川コナンと名乗り、数々の難事件を解決していく、という物語である。
テレビアニメ化もされていて、1996年から放送されていて、現在も続いている。(とは言っても、年間に約40話というペースである。)
また、テレビ放送10周年を記念して、2006年には実写ドラマも製作された。この実写版の脚本は渡邉睦月女史である。(2007年暮れには実写版の第2弾も製作され、やはり睦月さんが脚本を書いている。→地上波作品で色々と脚本を書くのは良いが、睦月さんには「ケータイ刑事」に戻って来たもらいたいものです。「愛」から「雷」までは全部の作品で脚本を書いているが「海」には参加しませんでしたし...)
「サタン」:ユダヤ教、キリスト教、イスラム教における「悪魔」のことである。また、聖書では「敵対者」という意味であり、「悪魔」や「魔王」、更には神に逆らった大天使ルチフェルなども該当する。
英語では「Satan」というが、「Saturn」と綴ると「土星」になる。(日本語では「サターン」と表記するので、「悪魔」の意味の「サタン」とは区別される。)
「句読点」:句点の「。」、読点の「、」の総称である。文の論理的な関係を明らかにして、読みやすくするために用いる記号であり、文の終わりを示す「句点」と、文の区切り(切れ目)を表す「読点」がある。また、「区切り符号」と呼ばれることもある。
尚、横書きの場合に用いられる「.」も句点であり、「,」も読点である。また、区切り符号ということでは括弧の「(」や「)」、「「」や「」」も含まれる。
日本では、平安時代の初期に、漢文に対して「訓点」を記すことになったが、これが句読点の起源とされている。その後、江戸時代になって西欧の言葉(オランダ語やポルトガル語)の表記に使われていることから、日本語でも表記に取り入れられ、これが広まった。句点は文末に記すものという決まりがあるが、読点に付いては細かい規定はない。(一応の目安があるだけである。)
ちなみに、現在の日本語では、句点は「。」または「.」、読点は「、」または「,」のどちらでも良いことになっている。(国語に於いての句読点は「。」と「、」になっている。)
↓参考まで
脅迫状であてましょう他―名探偵になるための必須9項目! (双葉文庫)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2005/03
- メディア: 文庫
↓まもなく発売の最新巻
↓いくつか
名探偵コナン DVD SELECTION Case1. 工藤新一
- 出版社/メーカー: ビーヴィジョン
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名探偵コナン DVD SELECTION Case2. 怪盗キッド
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名探偵コナンDVD SELECTION Case3.服部平次
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名探偵コナンドラマスペシャル「工藤新一の復活!黒の組織との対決」【通常盤】 [DVD]
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「堕天使」がわかる サタン、ルシフェルからソロモン72柱まで (ソフトバンク文庫NF)
- 作者: 森瀬 繚
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2008/07/17
- メディア: 文庫