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CYNDI LAUPER『A NIGHT TO REMEMBER』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1989年に発表されたものであり、'80'sも終わりを告げようとしている頃に、ポップなダンス・ミュージックを大人の鑑賞に堪える世界に発展させようとしたアルバムである。ここには明るく楽しい'80'sサウンドのエッセンスが十分に散りばめられていて、'80'sサウンド・ファンにとっては嬉しいアルバムである。この時期には、来るべき新時代である'90'sに向けて、これまでのスタイルを変えていこうというアーティストがたくさんいて、彼女もそういう姿勢を見せたのだが、結局は'80'sの彼女の路線からの脱却というのは不完全なものとなり、良い意味でも悪い意味でも'80'sサウンドらしいポップな世界を残すことになった。中途半端なところが目立つこともあって、彼女の持っている明るく楽しい世界は、何曲かでは花開いているが、アルバム全体で見たら、中途半端な感じは否めない。が、それらは「捨て曲」と考えたら、こんなものと言ったところか...(今回はちょっと「辛口」です。)

まずは『Intro』という30秒弱の曲で幕が上がるが、タイトルの様にこれから楽しいサウンドが始まることを知らせるための序曲である。そして『I Drove All Night』のリズミカルでテンポの良いダンスのメロディが響いてくる。この曲は'80'sの彼女の楽しい曲の延長線上にあるもので、テンポの良いダンサブルなポップの一曲である。続く『Primitive』はミディアム・テンポのダンサブルなポップ・ナンバーであり、やはり'80'sの明るく楽しいポップ路線の一曲である。続く『My First Night Without You』はスローなテンポのボーカル・ナンバーであり、じっくりと聴かせてくれる一曲である。

続く『Like A Cat』はロックのリズムに乗ったミディアム・テンポの一曲であり、曲の方はポップのエッセンスが利いたロック・ボーカル・ナンバーであるが、彼女の元気の良さがちょっと隠れてしまった感じがするのがちょっと残念なところである。続く『Heading West』はメロディアスなメロディのバラード調の聴かせてくれる一曲であり、切々と歌う彼女が良い味を出している。続く『A Night To Remember』はアルバム・タイトル・ナンバーであるが、ミディアム・テンポのロックのリズムに乗ったボーカル・ナンバーとして、本アルバムのサウンドを如実に表した一曲となっているが、ポップのエッセンスに満ちた聴かせるボーカル・ナンバーとして(こぢんまりと)まとめられている。続く『Unconditional Love』はスローなテンポのバラードであり、しんみりと歌うCYNDIのボーカルは聴かせてくれる。(こういう曲も悪くないが、元気さを隠してしまっていて、今ひとつ乗り切れない感じがする...)

続く『Insecurious』はポップなノリのミディアム・テンポのダンサブルな一曲であるが、今ひとつキレが足りないと感じてしまう一曲である。(ロック・ボーカル・ナンバーとしたら標準的な一曲。)続く『Dancing With A Stranger』はミディアム・テンポのダンサブルなリズムの一曲であり、メロディに乗るというよりもビートに乗るという感じの一曲である。続く『I Don't Want To Be Your Friend』はスローなテンポの聴かせてくれるボーカル・ナンバーであり、雰囲気のいい一曲である。そしてラストを飾る『Kindred Spirit』は1分ちょっとの締めくくりのエピローグを飾る曲ということで、スタートの『Intro』とペアになっていて、本アルバムを一つのおもちゃ箱の様に飾ってくれている。

部分的には彼女らしさが十二分に出ているということで、流石ということを感じさせてくれるが、1枚のアルバムとしてトータルで言うと、何か物足りなさを感じてしまうのもまた事実である。が、'80'sも終盤になり、ラップの台頭、またワールド・ミュージックに脚光が集まるようになり、「何でもあり」という様相になってきたことを考えたら、こういうアルバムもまた「あり」なのだろう。(一応、'89年のリリースだから、堂々とした「'80'sサウンド」である。)時代の変化をも感じさせてくれるアルバムであり、「'907sが混迷の時代」と言われるようになることを暗示しているようで、今になってみると面白いことでもある。'80'sポップスがお好きな方はどうぞ。

 

A Night to Remember

A Night to Remember

  • アーティスト: Cyndi Lauper
  • 出版社/メーカー: Epic
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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CHANGING FACES『VISIT ME』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは2000年にリリースされた彼女たちの3rd.アルバムである。(本Blogで取り上げるには、少し新しいですが...)CASSANDRAとCHARISSEのセクシーな黒人女性二人組の彼女たちが、ソウルフルで大人の鑑賞に堪える魅惑のハーモニーをたっぷりと聴かせてくれる。'90'sになると、いくつかのグループがアカペラ・バージョンを含めて「声」を中心とした美しいコーラス・サウンドを聴かせてくれるようになったが、彼女たちはその「コーラス」の美しさにセクシーさを表現することを加え、それでいて、とてもソウルフルなハーモニーを聴かせてくれる。澄んだハーモニーは心を洗ってくれるが、セクシーな要素が「+α」のリッチな気分にさせてくれることもあり、ちょっと嬉しいコーラスのハーモニーを聴かせてくれるアルバムである。尚、筆者が所有しているUS盤は「hyper CD」ということで、CD-ROMとしてのコンテンツも収録されている。'90's前半のものは内容的にも貧弱であったが、2000年のアルバムとなると、こういう所も充実しているので、音楽以外でも十分に楽しむことが出来る。

まずはゆっくりとしたコーラスの綺麗な『Visit Me』で幕が上がる。しっとりとした一曲であり、綺麗なメロディ・ラインに乗せて美しいコーラスが聴き所のアルバム・タイトル・ナンバーであり、魅惑のたっぷりと聴かせてくれることを予感させてくれる。続く『That Other Woman』はスローなテンポのボーカル・ナンバーであり、ソウルフルにとても良い雰囲気で優しく聴かせてくれる。続く『Come Over』はソウルフルに綺麗なコーラスをアダルトチックに効かせてくれる一曲である。続く『Ladies Man』はスローなテンポながらもメロディアスなメロディに乗せたソウルチックなコーラスをたっぷりと聴かせてくれる一曲であり、大人の鑑賞に堪えうるじっくりと聴かせてくれる一曲である。

続く『Baby U Ain't Got Me』はヒップホップの要素を持つソウルフルなボーカル・ナンバーであり、それでいてセクシーさをたっぷりと聴かせてくれる一曲でもある。続く『Last Night』はリズミカルなサウンドに乗せたソウルフルなボーカル・ナンバーであり、ハーモニーの美しさは絶品という一曲である。続く『Be A Man』は透明感のある澄んだハーモニーが美しい一曲であり、うっとりとしてしまう一曲である。続く『Doin To Me』はゴスペルというエッセンスを利かせた綺麗なハーモニーの一曲であり、じっくりと聴かせてくれる一曲である。

続く『B***h』はポップのエッセンスが散りばめられたスローなテンポのコーラス・ナンバーであり、ソウルフルなハーモニーを聴かせてくれる。続く『That Ain't Me』は綺麗なメロディ・ラインを持った優しい一曲であり、とろけてしまいそうになるほどうっとりと聴き惚れてしまう優しいハーモニーの一曲である。続く『Out Of Sight』はMALKI PENDELTONと組んだデュエットが聴き所となる綺麗なハーモニーの一曲であり、彼女たちのハーモニーとMALKIのボーカルとの融合が綺麗に融け合っている。続く『I Told You』はソウルフルに綺麗なコーラスを聴かせてくれる一曲である。

続く『More Than A Friend』はライブ収録の一曲である。二人の息の合った澄んだハーモニーをたっぷりと聴かせてくれる美しい一曲であり、歌の上手いところをしっかりと披露していてくれる。続く『Don't Cry For Me』はポップのエッセンスの利いた優しいコーラス・ナンバーであり、ハートフルで暖かさを感じる一曲である。ラストを飾る『That Other Woman(Joe Remix)』はトラック2のリミックスであるが、よりアコースティックなサウンドにアレンジされていて、アコースティック・ギターのサウンドが一段とメロディアスさを増している。そこに美しいハーモニーを披露してくれているので、本当にとろけてしまいそうになり、とても温かい気持ちになって幕が下りるのを目にすることになる。

本アルバムのジャケットからは、ダンス系のノリの良いサウンドを期待してしまうが、そのようなテンポの良さ、ノリの良さ、ジャンルの音楽は本アルバムにはなく、全編を通してスローなテンポの、大人の鑑賞に堪えるじっくりと聴かせてくれるコーラス・ナンバーを堪能させてくれる。ボーカルがお好きな方であれば、直ぐに彼女たちの虜になってしまうであろう。また、そうでない方も、アルバム・タイトルにあるように、彼女たちの美しいハーモニーの世界を訪れることをお薦めする。全編を通して聴くと、いつしか心を洗われたような気分にさせてくれますよ。

 

Visit Me

Visit Me

  • アーティスト: Changing Faces
  • 出版社/メーカー: Atlantic
  • 発売日: 2000/10/10
  • メディア: CD


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CHEAP TRICK『ONE ON ONE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1982年にリリースされたものであり、メンバーチェンジが行われてからは初のアルバムと言うことになる。'70'sにはエネルギッシュなロックをきかせていた彼らだが、'80'sという時代の波によって随分と丸くなり、随分とポップなサウンドになったと、その変化が気になったアルバムであるが、ギター・サウンドの好きな筆者としたら好きなアルバムの一つなのである。また、本アルバムは1982年のBillboard年間アルバム・チャートでは82位、レギュラー・チャートでは最高位39位を記録しているものの、こういう結果だったのは、本アルバムが好きな筆者としては寂しさを感じるところである。(でも、チャート成績がアルバムの内容の優劣を決めるものではないのですが...)ということで、もっと多くの方に本アルバムを聴いてもらいたいという思いから、(「手抜き」という言い方も出来るが、)それぞれの曲についてのインプレッションを記すことを止めて、興味をそそるような書き方をさせてもらう。(ということで、かなりオーバーな表現も使うことにする。→それぞれが本アルバムを耳にして、確認してもらったらば、と思います。)

まずは『I Want You』でスタートとなるが、やってくれる、というサウンドで、頭からトップギアに入った形でロック・サウンドを聴かせてくれる。続いてはアルバム・タイトル・ナンバーの『One On One』が登場する。アルバム・タイトルになるだけの曲であり、本アルバムのサウンドを象徴している一曲である。続く『If You Want My Love』はシングル・カットされてヒットした一曲であるが、その成績は過去の彼らからすれば今ひとつと言わざるを得ないものであった。が、流石はシングルになる曲だけのことはあり、聴かせてくれるポイントをしっかりと押さえた一曲となっている。(もっと大きなヒットになってもいいと思うのだが...)続く『Oo La La La』はボーカルに魅力がある一曲であり、聴かせてくれる一曲である。

続く『Lookin' Out For Number One』は聴きやすい一曲、『She's Tight』はやってくれる一曲、『Time Is Runnin'』はナイスな一曲、『Saturday At Midnight』はグッドな一曲、『Love's Got A Hold On Me』はイカす一曲である。(ううっ、何を言いたいのか、分かっていただけるでしょうか?疑問だなぁ... 言葉を少なくしているのは、捨て曲だからと言うことではありません。それぞれ聴き所があるが、「シンプル・イズ・ベスト」の考えで興味を持っていただけないかと思ってこうしてみました。)

そして『I Want Be Man』からラストを飾る『Four Letter Word』に繋がると、アルバムの締めくくりへのドラマを感じると共に、グルーブ感もあり、しっかりと終幕を飾るにふさわしいツボを抑えている一曲であって、再び1曲目に戻って聴きたくさせてくれるノリの良い一曲である。(こういう書き方で、どれだけ興味を持っていただけたでしょうか?)

本作以降、活動を続けていてアルバムを発表しているにもかかわらず、いつの間にか彼らの名前を殆ど聴かなくなり、寂しく思っていたら、1986年の映画「TOP GUN」のサントラで『Mighty Wings』というテンポの良いロック・サウンドを引っさげて姿を現してくれたが、その時、どれだけ嬉しかったことか... '70'sの彼らの活きの良さを知っていると、それでも寂しく感じるのだが、それだけ'80'sになり音楽シーンも一気に進歩と変化がやってきたということなのでしょうね。とにかく、出来るだけ曲のイメージを表に出さないようにして、それでいて聴いてもらえるように記そうということを試みたが、こういうのって、曲を聴いてそれなりのことを記すのより遙かに難しいものである。(本アルバムについても、ちゃんと聴きながら書いていますよ)ということで、こういう書き方は今後は...(いや、面白いところもあるので、またいずれはやってみたいとも思います。それよりも、本アルバムについては「改訂版」も作った方が良いかも...)とにかく、本アルバムが一人でも多くの方に聴いてもらえればいいと思います。(とにかく、ギター・サウンドがお好きな方だったらば、ポップのエッセンスに満ちているとはいうものの、気に入っていただけるでしょう。)

 

One on One

One on One

  • アーティスト: Cheap Trick
  • 出版社/メーカー: Epic
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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