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DEF LEPPARD『ON THROUGH THE NIGHT』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1980年に発表されたものであり、彼らの1st.アルバムである。当時はまだメンバーたちもティーンということで、若々しいサウンドを聴かせてくれる。また、サウンドの方も後の彼らのサウンドと違っていて、ハード・ロック路線そのままというものであり、エネルギッシュに燃えているサウンドを聴かせてくれる。また、後の彼らのスタイルを感じさせる所も随所に見られるものの、完全なバラード系の曲はここにはない。あくまでも本アルバムでは、本格的なハード路線のサウンドである。しかし、筋の通ったロック・スピリットを持ったサウンドであるので、後の彼らのブレークも十分に予感させてくれるサウンドを聴くことが出来る。

まずは『Rock Brigade』で幕が上がるが、パワフルで正統派のハード・ロックそのままである。が、その中でもコーラスの部分は荒削りながらも綺麗なところを見せている。続く『Hello America』はシングル・カットされた一曲であるが、いかにも売れそうという壷を押さえたハード・ロック・チューンである。続く『Sorrow Is A Woman』はややスローなテンポのバラード調の立ち上がりで始まり、パワフルに展開され、それでいてメロディアスなメロディを持つ聴かせてくれる一曲であり、後の彼らの姿を垣間見ることの出来る一曲でもある。ここではまだロック・ナンバーとして力で押していくというスタイルが強いが、注目の一曲でもある。続く『It Could Be You』はスピード感たっぷりに疾走するハード・チューンであり、活きの良さを感じる一曲である。

続く『Satellite』はちょっとポップな要素の入ったイントロで始まるということで、取っつきやすい一曲であるが、直ぐにバリバリのハード路線で展開される一曲であり、ドラマ性を感じるハード・チューンである。特に、唸るギター・サウンドはご機嫌である。続く『When The Walls Came Tumbling Down』はバラード調のイントロで立ち上がるが、直ぐにパワフルでエネルギッシュなハード。サウンドになり、疾走する一曲であり、とても力強い一曲である。続く『Wasted』は冒頭からトップ・ギアでバリバリと疾走するノリの良いハード・チューンである。続く『Rocks Off』はライブ収録の一曲であり、歓声も入っているノリの良い一曲である。

続く『It Don't Matter』はミディアム・テンポながらもパワフルな一曲であり、ハード・ロックという割にはライトな感じのする一曲でもある。(でも、ポップということはなく、ロック魂を持った一曲である。)続く『Answer To The Master』はサウンドとしてはハードな要素をたっぷりと出しているが、テンポの方は少し抑えている一曲であり、ダイナミックでスケールの大きさを余裕を持って作り出している一曲でもあり、聴いていても気持ちが良くなってくる。そしてラストを飾る『Overture』は7分半を越える大作であり、ゆったりとしたバラード調の聴かせるという曲調で立ち上がる。が、2分半頃になると「ファイヤー!」ということで、あとはパワフルなサウンドが展開されることになり、一気に突っ走ってくれる。が、5分半過ぎからは次第にスローダウンして、6分半を過ぎると、スローでシンプルな曲となり、終幕を迎える、ちょっとドラマティックな曲でもある。後の彼らのスタイルがこの曲にはあると言うことができる一曲でもある。

「ハード・ロック」とくに「ヘヴィ・メタル」というジャンルのサウンドは欧州を中心とした所では派手な花火が打ち上げられていて広く受け入れられていたが、アメリカでは今ひとつ受け入れられていなかった。が、そんな扉を開けることになった一つのバンドが彼らでもある。時期としては「第二次ブリティッシュ・インベージョン」によるイギリスの新進気鋭のバンドが次々と進出していき、エレクトリック・ロックを中心とした新しいサウンドで制覇していった時期であるが、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルといったサウンドもこの時期にアメリカで認められることになったというのもちょっと面白いところである。(でも、注目を集めたのは「ニュー・ロマンティック派」の方ばかりでしたが...)ということで、本アルバムは単なる1バンドのデヴュー・アルバムとしてだけではなく、ハード・ロックをアメリカに知らしめたアルバムとしてその価値の高いアルバムである。(幕末に日本にやってきた「黒船」といった感じである。)後の彼らのサウンドを知っている方は当然だが、ハード・ロックがお好きな方にもお薦めの一枚である。

 

 

On Through the Night

On Through the Night

  • アーティスト: Def Leppard
  • 出版社/メーカー: Mercury
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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DOOBIE BROTHERS『MINUTE BY MINUTE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1978年に発表されたものであり、大ヒットを記録したアルバムである。1979年のBillboard年間アルバム・チャートでは3位にランクインしており、レギュラー・チャートでは当然の如く、全米No.1を獲得している。(2週間No.1の後、1週間だけBEE GEESにその座を明け渡し、翌週に1位に返り咲いて3週間、通算で5週間No.1の座を獲得した。)また、グラミー賞も獲得したアルバムであり、彼らの発表したアルバムの中でも傑作中の傑作であり、(後期)DOOBIEの代表作でもある。EAGLESと共に'70'sのウエスト・コーストを代表するスーパー・グループと言われる彼らであるが、その地位を不動のものにしたアルバムでもある。サウンドの方は爽やかなイメージがあるだけでなく、サウンドの方もポップ・ロックという所でとても聴きやすいものばかりである。

まずは『Here To Love You』でスタートとなる。リズミカルでとても聴きやすい一曲であるが、この曲はやはり次の曲である『What A Fool Believes』の露払いと言う感じがしないでもない。で、この『What A Fool Believes』は全米No.1の座を獲得したヒット曲であり、本アルバムではやはり代表曲であり、(後期)DOOBIEの代表曲でもある。また、1979年のBillboard年間シングル・チャートでも19位にランクインする大ヒットとなっている。爽やかなイメージのする聴きやすい一曲である。続いては、アルバム・タイトル・ナンバーである『Minute By Minute』が登場するが、この曲もスケールが大きく、それでいて爽やかな一曲であり、DOOBIEサウンドが冴え渡る一曲である。続いては『Dependin' On You』で、じっくりと聴き惚れてしまう一曲である。

続く『Don't Stop To Watch The Wheels』から『Open Your Eyes』『Sweet Feelin'』『Steamer Lane Breakdown』と続くと、ライト・ロックというスタイル、A.O.R.ということが出来る聴かせてくれる曲、スケールの大きな曲と言うように、幅が広がると同時に、マイケル・マクドナルドの持ち味がじっくりと出てくる。(本アルバムでは、まだ彼が全てを支配する、という感じではなく、バランス良く纏まっている。)更に『You Never Change』で爽やかさに磨きがかかると、ラストの『How Do The Fools Survive?』ではスケール感豊かにじっくりと聴かせてくれる。で、曲が終わった後には「爽やか」な爽快感を得られることになる。

本アルバムは、世の中がディスコ・ブームに傾いている中で、自分たちのサウンドを貫き(でも、以前のDOOBIEサウンドからはA.O.R.の方に変化はしている...)完成させたものでもあり、DOOBIEの頂点の一つである。(この時期、多くのアーティストたちがこぞってディスコ・サウンドに傾いていきました...→これはこれで、別の評価をすることも出来るが、自分たちのサウンドを貫き、素晴らしいアルバムを完成させたことは大いに評価できることである。)こうして'70'sのウエスト・コースト・サウンドは「完成」という領域に達することになった。その後のDOOBIEは、A.O.R.路線へと完全にサウンドが変化していくことになるが、本アルバムは完全なA.O.R.路線に突入する前のものであり、「ウエスト・コースト・サウンド」を語る上でも、「'70'sのロック」を語る上でも忘れてはならない一枚である。

また、ベスト盤も色々とリリースされているDOOBIEであるが、特に後期DOOBIE(マイケルが中心のDOOBIE)では、ベスト盤よりも本アルバムの方がお薦めであり、'70'sを代表する名盤の一枚としてじっくりと聴いてもらいたいアルバムの一つである。(でも、A.O.R.がお好きな方には、ベスト盤の方がいいかも知れませんが...)

 

Minute by Minute

Minute by Minute

  • アーティスト: The Doobie Brothers
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

↓こういう名盤は、やはり「GOLD DISC」でもリリースされています。

Minute By Minute (24 Karat Gold Disc)

Minute By Minute (24 Karat Gold Disc)

  • アーティスト: The Doobie Brothers
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 2005/02/22
  • メディア: CD


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DIONNE WARWICK『HEARTBREAKER』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1982年にリリースされたものであり、ボーカル・アルバムとしてたっぷりと聴かせてくれるアルバムである。また、本アルバムは、BEE GEESのBARRY GIBBがプロデュースしたことでも有名であり、1980年にBARBRA STREISANDの「GUILTY」と同様に、ボーカル・アルバムとしたにクオリティの高いアルバムである。また、本アルバムは1983年のBillboard年間アルバム・チャートでは71位、レギュラーチャートでは最高位25位というスマッシュ・ヒットを記録している。

まずはアルバム・タイトル・ナンバーである『Heartbreaker』でスタートする。ミディアム・テンポの聴かせてくれるボーカル・ナンバーである。この曲はBillboardのレギュラー・チャートでは最高位10位を記録するというように、TOP 10に入るヒットを記録した。また、1983年の年間シングル・チャートでは80位にランクインしている。ちょっとメロディアスなメロディも印象的な聴きやすい一曲である。続いても彼女のボーカルを活かした聴きやすい曲が続くことになり、『It Makes No Difference』『Yours』『Take The Short Way Home』『Misunderstood』と、ソウルフルであり、ハートフルで優しく、じっくりと聴き込むことの出来る曲を披露してくれる。

後半(LPではB面:このように記すのは、筆者はLPで本アルバムを所有しているためでもある。)になっても同じ傾向の曲が続くが、まずは『All The Love In The World』で幕が開く。(LPだから、こういう事になります。CDだったら、前曲に続いてスタートですが...)やはり聴きやすいボーカル・ナンバーであり、余裕を持って歌っているDIONNEということを感じることが出来、それがスケールの大きさを感じさせてくれる。続いては『I Can't See Anything (But You)』が優しく届いてくる。そこから続く『Just One More Night』『You Are My Love』『Our Day Will Come』は大人の鑑賞を十分に考慮した構成&アレンジがされている曲であり、味がある演出がされていて、聴き惚れてしまうだけである。

本アルバムは、ボーカル・アルバムとしてのクオリティが高い一枚であるが、チャートの結果がかなり低い事になっているのは、この年(1983年)のチャートというのは、数枚のモンスター・アルバムが上位を独占した寡占状態にあり、それ以外のアルバムが百花繚乱のようにチャートを賑わせていた。また、あるところで行われた'80'sの曲(1980~1989年に発表された曲)のリクエストで、TOP 100の半数が1983年の曲だったというように、時代に残る名曲が多すぎるということもある。が、その厳しい年にしっかりと食い込んでいるということは、それだけ評価もされているということである。この後、1986年になると、彼女はDIONNE & FRIENDSで全米No.1ソング(しかも、1986年の年間シングル・チャートでも1位を獲得する)「That's What Friends Are For」を生み出すことになるが、その活躍に繋がる復活を遂げたのも本アルバムである。'80's(特に前半)では、やはり忘れられないアルバムである。

 

Heartbreaker

Heartbreaker

  • アーティスト: Dionne Warwick
  • 出版社/メーカー: Unknown Label
  • 発売日: 1987/10
  • メディア: CD


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