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JOE JACKSON『NIGHT AND DAY』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1982年にリリースされたものであり、彼の5th.アルバムである。大人のサウンドを目指して、ギターを廃して製作されたアルバムであり、そのサウンドは新鮮なものであった。で、そのサウンドが受けて大ヒットを記録し、1983年のBillboard年間アルバム・チャートで22位、レギュラー・チャートでは最高位4位を記録している。ということで、彼の代表作と言うことの出来るアルバムである。また、LPの特徴であるA面とB面を、ぞぞれ「NIGHT SIDE」と「DAY SIDE」として、2つのドラマを作り上げている。(CDでは、これが連続して再生されることになるので、本アルバムの趣向を楽しむのにはちょっと不向きと言わざるを得ない。→せめて、トラック5と6の間に、10秒前後の無音トラックを入れてもらいたいところである。)

収録されているのは全9曲であるが、「NIGHT SIDE」としての5曲『Another World』『Chinatown』『T.V. Age』『Target』『Steppin' Out』と、「DAY SIDE」としての4曲『Breaking Us In Two』『Cancer』『Real Men』『Slow Song』の二つの楽章に分けることが出来る。それぞれからシングル・カットされた曲がヒットを記録していて、前者からは『Steppin' Out』が1983年のBillboard年間シングル・チャートで82位(レギュラー・チャートでの最高位は6位)、後者からは『Breaking Us In Two』が1983年のBillboard年間シングル・チャートで99位(レギュラー・チャートでの最高位は18位)が生まれている。

その中でのお薦め曲としては、テンポが良く、それでいてお洒落で大人の雰囲気を持つスマートな『Steppin' Out』を外すわけにはいかないが、絶品なのはラストを飾る『Slow Song』である。ゆっくりとしたバラード・ナンバーであるが、感情豊かなボーカルには心を惹きつけられてしまい、聴き惚れるだけになってしまう一曲である。『Steppin' Out』が「動」で『Slow Song』が「静」、これらが「NIGHT/DAY SIDE」のそれぞれラストを飾り、見事な二つのストーリーが結実されることになる。

'80'sの初期には、'70's終盤のディスコ・ブームに対するアンチテーゼもあって、実に色々なサウンドが登場することになってまさに百花繚乱という状況になったが、そんな中で流行りの音に左右されずに自分のサウンドを構築させた本アルバムは、何でもありという'80's初期という時代を象徴するアルバムでもある。(これだから'80'sサウンドの魅力に取り憑かれると、そこから脱出することは出来なくなる...)'80'sサウンドを楽しむのであれば、本アルバムのようなものもしっかりと堪能しましょう!

 

Night and Day

Night and Day

  • アーティスト: Joe Jackson
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 1989/10/20
  • メディア: CD


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JUICE NEWTON『JUICE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1981年にリリースされたもので、カントリー界の歌姫である彼女が放った大ヒット・アルバムである。本アルバムは、Billboardのレギュラー・チャートでは最高位22位ながらも、長期間チャートインしていたこともあり、1981年のBillboard年間アルバム・チャートでは24位に輝いている。最高位が20位台なのに、年間チャートでも20位台にいるというのは希なことであるが、カントリー系のアルバムではこういうことは比較的よくあることである。(カントリーは、「超ヒット」とはならないものの、長期間にわたって支持されるということで、日本の「演歌」と同じような傾向です。)本アルバムは、カントリー・テイストであるものの、ポップな要素が散りばめられていた宝石箱のようなものとなっていて、科の自余の澄んだボーカルと融け合って、とても聴きやすいものとなっている。また、本アルバムからは全米TOP 10にランクインするヒット曲が複数出るというように、まさにノリに乗っていた頃のアルバムである。

収録されているのは以下の10曲である。『Angel Of The Morning』『Shot Full Of Love』『Ride 'Em Cowboy』『Queen Of Hearts』『River Of Love』『All I Have To Do Is Dream』『Headin' For A Heartache』『Country Comfort』『Texas Heartache』『The Sweetest Thing(I've Ever Known)』。この中では、やはり大ヒットを記録した2曲である『Angel Of The Morning』(1981年のBillboard年間シングル・チャートで25位、レギュラー・チャートの最高位は4位)と『The Sweetest Thing(I've Ever Known)』(1982年のBillboard年間シングル・チャートで21位、レギュラー・チャートの最高位は7位)は外せないが、とてもポップで聴きやすい一曲であり、シングル・カットされた『Queen Of Hearts』のテンポの良さからくる心地良さも捨てがたいところである。また、カントリー・ブレンドの彼女のボーカルは爽やかさと優しさがあり、たっぷりと聴かせてくれる。この辺りはカントリー畑のアーティストであれば誰もが持ち合わせている要素でもあるが、それに加えて彼女のボーカルにはヒューマンライクな暖かさがあり、聴き入ってしまう。

カントリーはちょっと、という方でも、本アルバムはポップのエッセンスが利いていて、肩肘を張って聴くようなものではなく、親しみやすいサウンドとなっているので、聴いていただきたいところである。それにしても、『Angel Of The Morning』は、メロディ・ラインの美しさといい、その詞といい、彼女の透明感のあるボーカルといい、時代に残る名曲である。

尚、『Angel Of The Morning』(邦題「夜明けの天使」)がヒットした頃、STEVIE NICKS with TOM PETTY & THE HEARTBREAKERSの「Stop Draggin' My Heart Around」(邦題「嘆きの天使」)やJ. GEILES BANDの「Centerfold」(邦題「堕ちた天使」)が続けてヒットを記録したということもあり、曲名(邦題)から何故かこの3曲は(日本では)繋がっているような感じを受けたのだが、原題を見たら分かるように、原題の世界では全く関係がない。邦題の付け方が安易だったことで日本だけで起こった摩訶不思議な出来事でした。

 

Juice

Juice

  • アーティスト: Juice Newton
  • 出版社/メーカー: DCC
  • 発売日: 1997/11/04
  • メディア: CD


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J. GEILS BAND『FREEZE FRAME』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1981年にリリースされたものであり、'60'sから活動をしている彼らが念願の全米No.1の座を獲得した大ヒット・アルバムである。本アルバムは1982年に入ると4週連続No.1に輝き、1982年のBillboard年間アルバム・チャートでも5位にランクインした。サウンドの方は、これまでのブルース寄りのロック・ミュージックからは離れ、一般受けしやすいものとなり、楽しいサウンドを展開している。これにより、旧来のファンからは評価が低いが、新たなファン獲得することになり、'80'sにその名を刻み込むことになった。

収録されている曲は以下の全9曲である。『Freeze-Frame』『Rage In The Cage』『Centerfold』『Do You Remember When?』『Insane, Insane Again』『Flamethrower』『River Blindness』『Angel In Blue』『Piss On The Wall』。この中から『Centerfold』は6週連続全米No.1の座を獲得し、1982年のBillboard年間シングル・チャートでも5位になる大ヒットを記録し、『Freeze-Frame』も同年の年間シングル・チャートで49位、レギュラー・チャートでの最高位は4位というように、2曲の全米TOP 5に入るヒット曲を放っている。

日本ではCMソングとして使われたこともあって、『Centerfold』の人気は高く、この曲は外せないのだが、本アルバムからのお薦め曲は、じっくりと聴かせてくれるバラードの『Angel In Blue』を挙げることにする。全体的には明るく楽しい、いかにも'80'sというサウンドの本アルバムの中で、綺麗なメロディ・ラインでじっくりと聴かせてくれるこの曲はこれまでの彼らにも繋がる一曲であり、その他としては、アルバム・タイトル・ナンバーであり、大ヒットを記録した『Freeze-Frame』と、やっぱり『Centerfold』をお薦め曲とすることにする。

CMでの使用は長期になっているということで、『Centerfold』は誰でも一度は耳にしたことがあるだろうが、その曲が収録されているオリジナル・アルバムということで、本アルバムに接触してもらいたい所である。

そう言えば、『Centerfold』は邦題が「堕ちた天使」と付けられているが、この曲がヒットする少し前、「夜明けの天使」(原題は「Angel Of The Morning」JUICE NEWTON)と「嘆きの天使」(原題は「Stop Draggin' My Heart Around」STEVIE NICKS with TOM PETTY & THE HEARTBREAKERS)という曲がヒットしていたのを思い出しました。でも、「天使」が原題に入っているのはJ. NEWTONだけということで、安易な邦題の付け方が行われていた時期でもありました。('70'sは考えられた邦題が付けられていたものの、'80'sになると邦題は酷いものが一気に氾濫するようになった。)

 

Freeze Frame

Freeze Frame

  • アーティスト: J. Geils Band
  • 出版社/メーカー: EMI
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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INXS『SWING』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1984年にリリースされたものであり、彼らの名前をスターダムに押し上げるきっかけになったアルバムである。'80'sになると、'70's終盤からの世界的ディスコ・ブームの嵐が収まるようになり、それに変わってイギリス勢を中心とする新たなサウンドが嵐のように押し寄せることになった。これを「第二次ブリティッシュ・インベージョン」と言っているが、この「第二次ブリティッシュ・インベージョン」はイギリス勢だけではなく、かつては大英帝国であったオーストラリアのバンド、すなわちダウンアンダー勢力も波に乗って次々と世界的にメジャーなものになっていった。(何と言ってもMEN AT WORKがその中止心的な存在である。)で、そのダウンアンダー勢力の中から世界的に飛び出してきたバンドの一つが彼らINXSである。サックスをロックに取り入れたサウンドがダウンアンダー勢の特徴の一つであるが、彼らのサウンドもそれに習ったものであり、テンポの良いキャッチーなメロディのロック・サウンドを聴かせてくれる。また、サックスの方は曲の中で効果的に使われていて、『Original Sin』のスマッシュ・ヒットをきっかけに彼らはビッグネームへの道を歩み始めることになった。(実際、ビッグネームとなるのは、'87年の「KICK」まで待つことになるが...)

収録されているのは以下の10曲である。『Original Sin』『Melting In The Sun』『I Send A Message』『Dancing On The Jetty』『Swing』『Johnson's Aeroplane』『Love Is(What I Say)』『Face The Change』『Burn For You』『All The Voices』。この中では、スマッシュ・ヒットとなった『Original Sin』がやはり代表的な一曲と言うことになる。ミディアム・テンポでロック色の強い立ち上がりから前半はテンポ良く展開され、後半になってサックスが加わり、豊かな音場を作り出すことになり、心地よさを感じる一曲である。また、シンプルなサウンドのロック・チューンである『I Send A Message』、更には『Burn For You』と6分を越す大作でたっぷりと聴かせてくれる『All The Voices』をお薦め曲としてピックアップしておくことにする。

彼らは'80's初頭から活動を行っており、徐々に大きくなっていくという軌跡を辿っていくことになる。'80's中盤の本作辺りできっかけを掴み、'80'sの終盤では時代を代表するバンドに上り詰めていくことになるが、そんな彼らのキャリアの上では、本作は一つのステップとして忘れることの出来ないものである。忘れないでもらいたいアルバムである。

 

The Swing

The Swing

  • アーティスト: INXS
  • 出版社/メーカー: Spectrum
  • 発売日: 2004/02/16
  • メディア: CD


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